クラウドストレージ徹底比較 2026|Google Drive・OneDrive・Dropbox・Box どれを選ぶ?
士業事務所のクラウドストレージ選びは、「いま使っているメール・Office環境」と「顧問先とのファイルの受け渡し方」でほぼ決まります。Microsoft 365 を使っていれば OneDrive、Google Workspace なら Google Drive が第一候補です。社外とのやり取りが多いなら Dropbox、厳しい権限管理や監査ログが要るなら Box が候補に入ります。
本記事では、検索の多い「Dropbox と Google Drive」「OneDrive と Dropbox」「Box と Google Drive」「Box と OneDrive」の2者比較を、2026年10月時点の各社公式ページの料金・容量で整理しました。顧問先資料の受け渡し、電子帳簿保存法、アクセス権限という士業事務所ならではの観点も各比較に入れています。
この記事で分かること
- Google Drive・OneDrive・Dropbox・Box の料金と容量(2026年10月時点の公式表示)
- Dropbox と Google Drive、OneDrive と Dropbox、Box と Google Drive、Box と OneDrive の違いと選び方
- 士業事務所がクラウドストレージ選定で重視すべき7つの軸
- 顧問先資料の受け渡し・電子帳簿保存法・アクセス権限で押さえるべき点
- 移行時のチェックリスト
結論:士業事務所の選び方早見表
事務所の状況 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
Word・Excel・Outlook・Teams を常用 | OneDrive | Microsoft 365 に含まれ、追加費用なしで1ユーザー1TB使える |
Gmail・Google カレンダー・スプレッドシート中心 | Google Drive | Google Workspace に含まれ、共同編集が強い |
顧問先とのファイル受け渡しが多く、相手の環境がばらばら | Dropbox | 相手がどの環境でも使いやすく、受け取り専用の依頼リンクを出せる |
上場企業・大企業の顧問先が多い/監査ログや細かい権限が必須 | Box | 容量無制限のプランがあり、フォルダ単位の権限設計と監査ログに強い |
迷ったら「今払っているサブスクに付いてくるもの」から検討するのが、費用面でも運用面でも失敗が少ない進め方です。以下で2者ずつ詳しく比べます。
クラウドストレージ選定で重視すべき7つの軸
1. ストレージ容量とコスト
事務所内のファイル総量と、スキャンした PDF・画像の割合を確認し、3年後を見据えて容量プランを選びます。「1ユーザーごとの容量」か「チーム全体で共有する容量」かでも、必要なプランが変わります。
2. セキュリティ機能
- 転送時・保管時の暗号化
- 多要素認証(MFA=パスワードに加えてスマホ等で本人確認する仕組み)
- シングルサインオン(SSO=1つのIDで複数サービスにログインする仕組み)
- 権限管理(フォルダ単位・ファイル単位)
- 監査ログ(誰が・いつ・何にアクセスしたかの記録)
3. 認証・コンプライアンス
ISO 27001(ISMS)、ISO 27017(クラウドセキュリティ)、SOC 2 などの取得状況を確認します。電子帳簿保存法に対応したソフトかどうかは JIIMA 認証 の一覧が判断材料になります。
4. データの保管場所
- サーバーのリージョン(日本国内 / 米国 / EU)と、プランによる選択可否
- 顧問先から「データはどこに置かれるのか」と聞かれたときに説明できるか
5. 既存業務ツールとの連携
- Microsoft 365 や Google Workspace との統合度
- 会計ソフト・電子契約サービスとの連携
- 既存ファイルサーバーからの移行手段
6. オフライン同期
- パソコンのフォルダと自動同期できるか
- オフラインで編集したファイルが戻ったときの挙動
- 容量の大きいフォルダだけ同期しない設定ができるか
7. 共有・コラボレーション
- 顧問先など社外の相手との安全な共有方法
- 有効期限・パスワード付きリンク
- 相手にアカウントがなくてもアップロードしてもらえるか
主要クラウドストレージ徹底比較(2026年10月時点)
項目 | Google Drive | OneDrive | Dropbox | Box |
|---|---|---|---|---|
契約の形 | Google Workspace に同梱 | Microsoft 365 に同梱 | 単体契約 | 単体契約 |
法人向けの入門プラン | Business Starter:月額800円(年間プラン) | Microsoft 365 Business Basic:月額1,049円(年払い・税抜) | Standard:月額1,500円(年払い)/1,800円(月払い) | Business:月額1,980円(年払い・税込) |
入門プランの容量 | 1ユーザー30GB(組織で共有するプール) | 1ユーザー1TB | チーム全体で5TB | 無制限 |
中位プラン | Business Standard:月額1,600円・2TB | Business Standard・Premium(容量は同じ1TB。料金は公式で確認) | Advanced:月額2,400円(年払い)・15TB〜 | Business Plus:月額3,300円(年払い・税込)・無制限 |
最低契約人数 | 1人から | 1人から | 3人以上 | 3人以上 |
削除ファイルの復元 | プランにより異なる(公式で確認) | プランにより異なる(公式で確認) | Standard 180日/Advanced 1年 | バージョン履歴 Business 50版 |
同時編集 | ◎(ドキュメント・スプレッドシート) | ◎(Word・Excel) | ○ | ○ |
※料金は1ユーザーあたりの月額で、2026年10月28日に各社の日本語公式ページで確認した表示価格です。税込・税抜の表示は各社で異なり、キャンペーン価格は含めていません。Google Workspace は2026年11月から期間限定の割引を案内しています。契約前に必ず各公式ページで最新の価格を確認してください。
Dropbox と Google Drive の比較
「dropbox google drive 比較」で検索する方の多くは、顧問先とのファイルのやり取りを Dropbox で続けるか、Google Workspace に寄せるかで迷っています。
違いの早見表
項目 | Dropbox | Google Drive |
|---|---|---|
料金(入門) | Standard 月額1,500円(年払い・3人以上) | Business Starter 月額800円(年間プラン)※メール・カレンダー込み |
容量 | チーム全体で5TB | 1ユーザー30GB(Standard なら2TB) |
同期 | パソコンとの同期の安定性に定評。大きなファイルも扱いやすい | パソコン版アプリで同期。ドキュメント類はブラウザで開くのが基本 |
共有 | アカウントのない相手にも受け取り用リンクを出せる | 相手が Google アカウントを持っていると最もスムーズ |
セキュリティ | Standard から管理者機能・180日の復元 | 管理コンソールで共有範囲を組織単位で制御 |
士業事務所での向き | 顧問先との受け渡しが中心の事務所 | Gmail で顧問先とやり取りし、表計算を共同編集する事務所 |
どちらを選ぶか
顧問先から決算資料や領収書のスキャンを受け取る機会が多いなら Dropbox、メールやカレンダーも含めて Google でまとめたいなら Google Drive が向いています。Google Drive は Workspace の料金にメールが含まれるため、事務所全体の総額では安くなりやすい一方、Starter の30GBは PDF が多い士業事務所には足りなくなりがちです。実務では Business Standard(2TB)を前提に見積もると安全です。
Dropbox は3人以上の契約が条件なので、1〜2名の事務所は個人向けの Plus・Professional との比較になります。この場合は管理者機能が限られる点に注意してください。
OneDrive と Dropbox の比較
Microsoft 365 を契約している事務所が「OneDrive があるのに Dropbox を続ける意味はあるか」を考える場面です。
違いの早見表
項目 | OneDrive | Dropbox |
|---|---|---|
料金(入門) | Microsoft 365 Business Basic 月額1,049円(年払い・税抜)に同梱 | Standard 月額1,500円(年払い) |
容量 | 1ユーザー1TB | チーム全体で5TB |
同期 | Windows のエクスプローラーと一体で使える。Word・Excel の同時編集に強い | Windows・Mac を問わず同期が安定 |
共有 | 組織外への共有は管理者が範囲を制御。Teams とも連携 | 社外の相手との受け渡しがシンプル |
セキュリティ | Microsoft Entra ID(旧 Azure AD)で ID と多要素認証を一元管理 | 管理コンソールで共有・端末を管理 |
士業事務所での向き | Word・Excel で書類を作り、Teams で所内連絡する事務所 | 顧問先・他士業とのファイル受け渡しが多い事務所 |
どちらを選ぶか
Microsoft 365 を既に契約しているなら、まず OneDrive に寄せるのが基本です。追加費用がかからず、退職者のアカウント停止も Microsoft 365 側の操作だけで済みます。二重契約を続けると、どちらに最新版があるか分からなくなる事故も起きやすくなります。
一方、顧問先とのファイル受け渡しの窓口として Dropbox が定着しているなら、「所内の保管は OneDrive、社外との受け渡しだけ Dropbox」と役割を分ける選択肢もあります。なお Business Basic はデスクトップ版の Word・Excel を含まず、Web とモバイル版だけです。パソコンに Office を入れて使うなら上位プランの料金で比較してください。
Box と Google Drive の比較
Box を顧問先から指定された事務所や、Google Workspace で運用中に権限管理の弱さを感じた事務所が比べる組み合わせです。
違いの早見表
項目 | Box | Google Drive |
|---|---|---|
料金(入門) | Business 月額1,980円(年払い・税込・3人以上) | Business Starter 月額800円(年間プラン) |
容量 | 無制限(1ファイル5GBまで) | 1ユーザー30GB〜 |
同期 | Box Drive でパソコンから利用 | パソコン版アプリで同期 |
共有 | フォルダごとに7段階の権限を設定できる。Business Plus は外部コラボレーター無制限 | 閲覧者・閲覧者(コメント可)・編集者のシンプルな権限 |
セキュリティ | アクセス・ダウンロードの記録を細かく残せる | 管理コンソールで監査ログを確認(範囲はプランにより異なる) |
士業事務所での向き | 顧問先ごとに権限を厳密に分けたい事務所 | メール・予定・共同編集までまとめて安く運用したい事務所 |
どちらを選ぶか
顧問先ごとに担当者だけが見られるフォルダを作り、アクセス記録を残したいなら Box が向いています。容量無制限なので、過去の申告書や登記書類のスキャンを長期保存する用途にも合います。コストを抑えて所内の情報共有を一本化したいなら Google Drive です。
Box はファイル置き場に特化しているため、メールやカレンダーは別に契約が必要です。総額を比べるときは「Box+メール環境」と「Google Workspace 一式」で並べてください。
Box と OneDrive の違い
Microsoft 365 を使いながら、大企業の顧問先や監査対応で Box を検討する事務所の比較です。
違いの早見表
項目 | Box | OneDrive |
|---|---|---|
料金(入門) | Business 月額1,980円(年払い・税込) | Microsoft 365 Business Basic 月額1,049円(年払い・税抜)に同梱 |
容量 | 無制限 | 1ユーザー1TB |
同期 | Box Drive。Office ファイルは Microsoft 365 と連携して編集 | エクスプローラーと一体。Office との相性が最も良い |
共有 | 社外の相手との共有を前提にした権限設計 | 組織外の共有は管理者が範囲を制御 |
セキュリティ | フォルダ単位の権限と詳細なアクセス記録 | Microsoft Entra ID・Microsoft Purview と一体で管理 |
士業事務所での向き | 社外との共同作業や長期保存が多い事務所 | 所内の文書作成と保管を Microsoft 365 で完結させたい事務所 |
どちらを選ぶか
多くの士業事務所では OneDrive で十分です。Box を足す価値があるのは、顧問先から Box での受け渡しを指定されている場合や、1ユーザー1TBを超える書類を長期保存する場合です。両方を契約するなら「所内は OneDrive、顧問先との共有フォルダは Box」と保存場所のルールを先に決めておくと混乱しません。
士業事務所で必ず決めておく3つの運用ルール
どのサービスを選んでも、次の3点を決めずに使い始めると後で困ります。
顧問先資料の受け渡し方法
顧問先にメール添付で送ってもらう運用を続けると、誤送信と保存漏れが起きます。受け取り専用のアップロードリンク(Dropbox・Box・OneDrive のファイル依頼機能)や、顧問先ごとの共有フォルダを用意し、リンクには有効期限を付けるのが基本です。資料をお願いするときの文面は顧問先への資料依頼メール例文も参考にしてください。
電子帳簿保存法への対応
クラウドストレージに置くだけで電子帳簿保存法の要件を満たすわけではありません。電子取引データ(メールで届いた請求書の PDF など)の保存では、改ざんを防ぐ措置(真実性)と、取引年月日・金額・取引先で探せること(検索性)が求められます。
- 改ざん防止は、国税庁が公表している「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」のサンプルを使って規程を定める方法が現実的
- 検索性は、ファイル名を「20261028_顧問先名_110000」のように日付・取引先・金額で統一し、フォルダを分ける方法でも対応できる
- 一定の小規模事業者は、税務職員の求めに応じてデータを提出できれば検索要件が不要になる特例がある
要件の詳細は国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトで確認し、個別の判断は所轄の税務署に確認してください。経理担当者向けの対応手順は電子帳簿保存法の対応チェックリストにまとめています。
アクセス権限の設計
「全員が全フォルダを見られる」状態は、守秘義務の観点で避けるべきです。顧問先ごとのフォルダに担当者だけを割り当て、退職・異動時に権限を外す手順を決めておきます。税理士事務所であれば、日税連の指針で求められる確認項目と合わせて見直すと漏れが減ります。詳しくは日税連のAI・クラウド活用ガイドラインの確認項目を参照してください。
Google Drive(Google Workspace)の向き不向き
向く事務所
- Gmail・カレンダー・Meet を Workspace で運用している事務所
- スプレッドシートで所内の進捗表や顧問先リストを共同編集している
- Gemini など Google の AI 機能との連携を視野に入れている
注意点
- Business Starter は1ユーザー30GBで、スキャン PDF が多いとすぐ足りなくなる
- Excel の複雑な書式やマクロは、Google スプレッドシートで開くと崩れる場合がある
OneDrive for Business(Microsoft 365)の向き不向き
向く事務所
- Excel・Word を業務で常用している
- Teams を所内の連絡手段にしている
- Microsoft Copilot を業務に組み込みたい
- Microsoft 365 のライセンスを既に持っている
注意点
- 共有フォルダを本格的に作るには SharePoint(Microsoft 365 の社内ポータル機能)の設計が必要になる
- パソコンへの同期で、ローカルのディスク容量を圧迫しやすい
Dropbox Business の向き不向き
向く事務所
- シンプルなファイル共有が中心
- 顧問先とのファイル受け渡しが頻繁
- 同期の安定性・速度を最優先したい
注意点
- チーム向けプランは3人以上の契約が必要
- Office や Workspace ほど統合的な共同編集機能はない
Box の向き不向き
向く事務所
- 大企業・上場企業の顧問先が多い(取引先の要件で Box が選ばれることがある)
- 厳格な権限管理・監査ログが必要
- 顧問先・他士業との共同作業が多い
注意点
- メールやカレンダーは含まれず、別途契約が必要
- 権限の種類が多い分、最初の設計に手間がかかる
料金体系の比較ポイント
クラウドストレージは「ユーザー数 × 月額」のサブスクリプション課金が基本です。事務所運営で見落とされやすいコストは次の3つです。
- 入退所時のライセンス変更:年に何度も発生するなら、管理の手間も含めて検討する
- 容量超過時の追加費用:プラン上限を超えたときの単価と、上位プランへの切り替え条件
- 外部共有のセキュリティ機能:パスワード付きリンクや監査ログが上位プランでしか使えないことがある
また、Google Drive と OneDrive はメールや Office アプリの料金を含み、Dropbox と Box はファイル置き場だけの料金です。表の金額だけでなく、事務所全体で毎月いくら払うかで比べてください。
セキュリティ要件と認証取得状況
顧問先に対する説明責任を果たすため、次の認証の取得状況を確認します。
- ISO 27001(ISMS):情報セキュリティマネジメントの国際規格
- ISO 27017:クラウドサービスのセキュリティの国際規格
- ISO 27018:クラウド上の個人情報保護の国際規格
- SOC 2 Type II:セキュリティ・可用性などに関する独立した監査報告
主要4サービスはいずれも各社のコンプライアンスページでこうした認証を公表しており、認証の有無だけでは差がつきにくいのが実情です。選定の決め手は権限管理の細かさ・既存ツールとの連携・料金になります。
移行時のチェックリスト
既存のファイルサーバーや別のクラウドサービスからの移行は、次の順で進めます。
- 現状の棚卸し:保管場所・容量・アクセス権限・利用頻度を一覧にする
- 移行対象の選定:すべてを移さず、過去案件はアーカイブする選択も検討する
- 命名規則・フォルダ構造の再設計:電子帳簿保存法の検索要件も意識して統一する
- 移行手段の選定:各社の公式移行機能、または専門の移行ツール
- 移行リハーサル:少数のフォルダで試し、所要時間とエラーを確認する
- 本番移行:申告期や決算期を避け、業務への影響が少ない時期に集中して行う
- 所員向けの研修:保存場所のルールと共有リンクの作り方を周知する
- 旧環境の解約・データ削除:保存義務期間の書類が移行済みか確認してから行う
紙の書類の電子化から始める場合は、士業事務所のペーパーレス化のはじめ方で手順を解説しています。
士業AIで業務を効率化する
クラウドストレージに保管した書類を、要約・整理・下書き作成に活かしたいという声は士業事務所でも増えています。士業AI は士業の業務に特化した AI で、文書の要約やメール作成など事務所の日常業務を補助します。税理士事務所向けの機能は税理士向け士業AIのご案内で紹介しています。
まとめ:自社の業務基盤に合わせて選ぶ
クラウドストレージに「最強の1社」はなく、事務所の業務基盤に合わせて選ぶのが正解です。Microsoft 365 を使うなら OneDrive、Google Workspace を使うなら Google Drive、社外との受け渡し中心なら Dropbox、厳格な権限管理が必要なら Box が出発点になります。
2者で迷ったときは、本記事の早見表で「料金・容量・同期・共有・セキュリティ」を並べ、顧問先との受け渡し方法と電子帳簿保存法の運用ルールまで含めて決めてください。各社とも無料試用があるので、少人数で1〜2か月試してから全所員に広げるのが安全です。

