顧問契約の提案書・見積をAIで作る|士業事務所の受注を増やすテンプレと実例プロンプト
結論:提案書・見積はAIで「型」を再利用すれば受注率と作成速度が同時に上がる
顧問契約の提案書や見積書は、毎回ゼロから書くと1件あたり数時間かかります。実務では、案件ごとに変わるのは「相手の課題」と「金額」だけで、構成や訴求の骨格は使い回せることがほとんどです。だからこそ、提案書の型をテンプレート化し、ヒアリング内容をAIに渡して文章を組み立てさせる運用が効きます。
本記事では、士業事務所がそのまま使える提案書の構成テンプレート、刺さる訴求の作り方、コピーして使える実例プロンプト、そしてAI生成を本番投入する前の落とし穴までを一気に整理します。AIはあくまで下書きを高速に作る道具であり、最終的な数値・サービス範囲・表現の責任は事務所側にあります。この前提を外さなければ、提案準備の負担は確実に下げられます。
この記事で分かること
- 顧問契約の提案書・サービス案内・見積に共通する「再利用できる構成テンプレート」
- 受注につながる訴求(課題→解決策→効果)の組み立て方とAIへの指示の出し方
- 提案書・見積文面をAIで作るためのコピペ可能な実例プロンプト
- AI生成提案を顧客に出す前に必ずやる最終チェックと、広告・報酬表示の注意点
なぜ顧問契約の提案書づくりがAIと相性がいいのか
顧問契約の提案は「定型8割・個別2割」の構造です。この比率を理解すると、どこをAIに任せ、どこを人が握るべきかが明確になります。
提案書は構造が決まっている文書だから
営業提案資料は一般に「現状 → 課題 → 解決策 → 期待効果」という流れで組み立てると、読み手が自然に理解できると整理されています。顧問契約の提案書もこの骨格から外れません。骨格が決まっている文書は、AIに対して「この型で書いて」と指示しやすく、出力のブレも小さくなります。
実務では、税務顧問・記帳代行・決算申告・許認可・相続といったサービスごとに提案の型を1つずつ持っておくと、案件が来てから提案書を出すまでの時間が大きく短縮されます。
個別化が必要な部分こそAIの下書きが効くから
提案資料は「特定の顧客の背景や課題を前提に、解決策をまとめた資料」である点が、汎用の会社案内とは異なります。つまり相手ごとのカスタマイズが避けられません。ここでヒアリングメモをAIに渡せば、顧客の言葉に寄せた課題整理や提案文の初稿を数十秒で得られます。
士業AIの業務効率化AIは、こうした日本語の業務文書の作成・要約に特化しており、無料で使い始められます。ヒアリングメモの要約から提案文の下書きまで、事務所内の素材を起点に文章化する用途と相性がよい設計です。
見積書は計算ではなく「内訳の説明」が勝負だから
見積金額そのものは事務所が決めるものですが、顧客が気にするのは「この金額で何をしてくれるのか」です。月額顧問料に含まれる業務と別料金の業務は事務所ごとに異なるため、何が含まれ何が含まれないかを明記することがトラブル防止の基本とされています。AIは、この「内訳の言語化」と「含まれない業務の注記」を漏れなく整える下書き役として使えます。
そのまま使える:顧問契約 提案書の構成テンプレート
まずは提案書の型です。以下の8ブロックを基本構成として持っておけば、サービスが変わっても流用できます。
提案書の8ブロック構成
- 表紙・タイトル:宛先、提案日、事務所名・有資格者名
- ご挨拶と提案の目的:なぜ今回提案するのかを1〜2文で
- 現状の整理(与件):ヒアリングで得た顧客の状況を客観的に要約
- 課題の特定:現状から導かれる困りごとを2〜4点に絞る
- 解決策の提案:自事務所の顧問サービスでどう解決するか
- サービス内容・業務範囲:含まれる業務/別料金の業務を明示
- 料金・お見積:月額・スポット・前提条件を表で提示
- 導入後の流れと次のアクション:契約までのステップ
ブロックごとの中身を表で整理
ブロック | 書くこと | よくある失敗 |
|---|---|---|
現状の整理 | 事実ベースで顧客の状況を要約 | 主観や売り込みを混ぜる |
課題の特定 | 優先度の高い課題に絞る | 課題を並べすぎて焦点がぼやける |
解決策の提案 | 課題と1対1で対応させる | サービス説明だけで課題に紐づかない |
業務範囲 | 含む業務・含まない業務を分けて記載 | 「など」で曖昧にして後で揉める |
お見積 | 金額の内訳と前提条件を明記 | 総額だけ提示して根拠が見えない |
見積パートの最小テンプレート
見積は次の項目を表で示すと、顧客が比較・検討しやすくなります。
- 項目名(例:月次顧問、記帳代行、決算・申告)
- 単価・数量・小計
- 月額かスポットかの区分
- 前提条件(仕訳数の上限、資料提供の方法など)
- 別料金となる業務の注記
受注を増やす「刺さる訴求」の作り方
テンプレートに沿って埋めるだけでは、提案は平板になります。受注率を左右するのは、課題と解決策の結びつけ方です。
「現状→課題→解決策→効果」を1本の線でつなぐ
提案の論理は「課題」→「解決策の提案」→「裏付け・詳細」が中核とされています。AIに書かせるときも、この順序を崩さないよう指示すると説得力が出ます。たとえば「資料が紙で散在している(現状)→ 月次の数字把握が遅れる(課題)→ クラウド会計の導入支援と月次顧問で可視化(解決策)→ 経営判断が早くなる(効果)」と、1本の線で結びます。
サービス機能ではなく「顧客の変化」を主語にする
「月次でレポートを出します」より「毎月の数字を見ながら意思決定できる状態になります」のほうが刺さります。実務では、AIに対して「機能の列挙ではなく、顧客がどう楽になるかを主語にして書き直して」と指示すると、訴求の質が上がります。
関連して、士業の生成AI活用全体を俯瞰したい場合は士業向けAI業務効率化の総合ガイド、税務領域に特化した活用は税務AIの活用ガイドも参考になります。
士業AIを下書き工程に組み込むイメージ
士業AI(税理士・会計士・司法書士・弁護士向けの業務特化型AIチャットサービス)は、無料登録のみで数分で使い始められ、日本語の業務文書に特化している点が特徴です。提案書づくりでは、ヒアリングメモの要約、課題の言語化、提案文の初稿、見積内訳の説明文といった「文章化が面倒な工程」を担わせ、人は事実確認と金額判断に集中する分担が現実的です。職種別に税務AI・会計AI・法務AI・業務効率化AIが用意されており、提案書の下書きは主に業務効率化AIが受け持ちます。
コピペで使える:提案書・見積作成の実例プロンプト
ここからは、そのまま使えるプロンプトを目的別に示します。いずれも顧客固有情報は仮名・ダミーに置き換えてから使ってください(理由は後述します)。
提案書の初稿を作るプロンプト
あなたは士業事務所の提案担当です。以下のヒアリングメモをもとに、
顧問契約の提案書の下書きを作成してください。
# 構成(この順序を厳守)
1. 提案の目的
2. 現状の整理
3. 課題(2〜4点に絞る)
4. 解決策(各課題と1対1で対応)
5. サービス内容・業務範囲(含む/含まない を分けて)
6. お見積(表形式、前提条件つき)
7. 次のアクション
# 条件
- 機能の列挙ではなく、顧客の変化を主語にする
- 断定的な成果保証や誇大な表現は使わない
- 金額は[要確認]と置き、私が後で埋める
# ヒアリングメモ
(ここに状況を貼り付け)見積の内訳説明文を作るプロンプト
次の見積項目について、顧客向けの内訳説明文を作成してください。
各項目で「何をするか」「月額かスポットか」「含まれない業務」を
明確にし、専門用語には一言補足をつけてください。
誇張や成果保証の表現は使わないでください。
# 見積項目
- 月次顧問:[内容]
- 記帳代行:[内容]
- 決算・申告:[内容]サービス案内(汎用版)を作るプロンプト
当事務所の顧問サービスの案内文を作成してください。
読み手は中小企業の経営者です。
- 専門用語は避け、平易な日本語で
- 「選ばれる理由」を3点、事実ベースで
- 料金や成果について断定・保証する表現は使わない
- 最後に問い合わせへの導線を1文でメール文面まで一気通貫で整えたい場合は、丁寧な断り・調整メールの作り方をまとめたAIでの業務メール作成術、議事録やヒアリング記録の整理は無料で使える議事録AIの活用法が、提案前後の工程を補完します。
AI生成提案を顧客に出す前の最終チェックと落とし穴
AIは下書きを高速化しますが、そのまま顧客に出すのは危険です。実務で必ず踏むべき確認を整理します。
数値・サービス範囲・固有名詞は人が必ず検証する
生成AIは事実と異なる内容をもっともらしく出力することがあります。金額、業務範囲、適用される制度や期限、顧客名・社名などは、人が一次資料と突き合わせて確認してください。特に見積金額と「含まれない業務」の記載は、後のトラブルに直結するため目視チェックが必須です。
顧客固有情報の取り扱いに注意する
提案書には顧客の機密情報が含まれます。利用するAIサービスのデータ取り扱い方針を確認し、必要に応じて社名や個人名を仮名に置き換えてから入力する運用が安全です。事務所のルールとして「実名を入れない」を初稿段階の標準にしておくと事故を防げます。情報管理の考え方は士業事務所のAIセキュリティも参考にしてください。
広告・報酬表示のルールを踏み外さない
提案書やサービス案内が「広告」に該当する場面では、各士業の広告ルールに注意が必要です。日本弁護士連合会の弁護士等の業務広告に関する規程では、事実に合致しない広告、誤認のおそれのある広告、誇大又は過度な期待を抱かせる広告などが禁止されています。税理士についても、日本税理士会連合会の細則・運用指針で、事実に合致しない広告や誇大・過度な期待を抱かせる広告が禁止されています。
AIは流暢な文章を作る一方で、つい「必ず」「最安」「絶対に解決」といった断定表現を生成しがちです。プロンプトの段階で「成果保証・誇大表現・比較表現を使わない」と明示し、最終チェックでも該当表現がないかを確認してください。
テンプレート化と再利用で運用に乗せる
一度作った良い提案書は、プロンプトと構成ごと保存して再利用します。サービス別にテンプレートを整え、案件が来たらヒアリングメモを差し替えるだけにしておくと、提案準備が定常業務として回り始めます。AI活用全体の進め方は士業向けAI業務効率化の総合ガイドに体系的にまとめています。
まとめ:AIは下書き、判断は人。型を持てば提案は速く強くなる
顧問契約の提案書・見積は、構成をテンプレート化し、ヒアリング内容をAIに渡して下書きを作る運用にすると、作成時間を抑えつつ訴求の質を保てます。鍵は「現状→課題→解決策→効果」を1本の線でつなぎ、顧客の変化を主語にすること、そして金額・業務範囲・表現を人が必ず検証することです。
士業AIの業務効率化AIは、日本語の業務文書作成・要約に特化し、無料で使い始められます。提案書の下書きやヒアリングメモの要約から試してみてください。まずは自事務所のサービス1つ分の提案テンプレートをAIと一緒に作るところから始めると、効果を実感しやすいはずです。

