税務×AI

年末調整の案内文テンプレート|顧問先・従業員向け依頼文例+AIプロンプト

年末調整の時期になると、税理士・会計事務所では「顧問先への実施案内」「従業員への書類提出依頼」「未提出者への催促」と、毎年ほぼ同じ文面を何通も書くことになります。文面自体は定型なのに、宛先や書類の並びを少しずつ変えるうちに時間を取られる——そんな作業こそテンプレート化とAIの相性が良い領域です。

この記事では、そのままコピペして使える年末調整の案内文・依頼文テンプレートを、顧問先向け・従業員向け・リマインド用に分けて用意しました。あわせて、自事務所や顧問先の実情に合わせて文面を整えるAIプロンプトも紹介します。

この記事でわかること・年末調整の案内文で押さえる要点

先に結論をまとめます。年末調整の案内文・依頼文は「誰に・いつまでに・何を出してほしいか」を最初に明示するのが鉄則です。この記事で手に入るのは次のとおりです。

  • 顧問先向け:関与先へ送る年末調整の実施案内・必要資料の提出お願い文
  • 従業員向け:全社周知メール、扶養控除等申告書・保険料控除申告書の記入お願い文、中途入社者への依頼文
  • リマインド用:期限前のやわらかい催促、期限超過後の督促文
  • AIプロンプト:上記を業種・規模・トーンに合わせて自動で書き換える指示文

なお本記事は「今すぐ使える文面」に絞っています。基礎控除・特定親族特別控除の新設など令和7年度税制改正で年末調整の何が変わったかという制度面は、年末調整の変更点とAI活用【2026】で詳しく解説しているので、制度の確認はそちらを参照してください。申告書の正式名称や様式は年分によって変わるため、実際に案内する年分は必ず国税庁「年末調整のしかた」の最新版を確認したうえでテンプレートを調整してください。

年末調整の案内文・依頼文に共通して入れる5要素

宛先が顧問先でも従業員でも、案内文に入れるべき要素は共通しています。この5つが揃っていれば、問い合わせの往復や差し戻しを大きく減らせます。

  • 提出期限:締切日を先頭に。事務所側の集計スケジュールから逆算して余裕をもたせる
  • 提出先・提出方法:紙・PDF・クラウドのどれで、誰宛てに出すか
  • 提出書類の一覧:各種申告書と、添付が必要な控除証明書を分けて箇条書き
  • 記入・添付の注意点:押印の要否、証明書の原本・電子データの扱いなど、毎年つまずく点を先回り
  • 問い合わせ窓口:不明点の連絡先。ここが曖昧だと個別質問が集中する

年末調整で従業員が提出する主な申告書は、国税庁「各種申告書・記載例」で公開されている次の様式です。案内文の「提出書類」欄はこれをベースに作ります。

主な提出書類

目的

添付が必要なもの

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

扶養親族・障害者控除などの申告

(原則なし。異動があれば内容確認)

基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除等の申告書

基礎控除や配偶者に関する控除の申告

配偶者の所得を確認できる情報

給与所得者の保険料控除申告書

生命保険料・地震保険料・社会保険料等の控除

各保険会社等が発行する控除証明書

(2年目以降の)住宅借入金等特別控除申告書

住宅ローン控除の申告

年末残高等証明書、税務署発行の申告書

申告書の名称・記載事項は年分により見直されます。たとえば令和7年分からは特定親族特別控除に関する記載が加わるなど、様式そのものが変わることがあるため、案内前に最新様式を確認しておくことが差し戻し防止につながります。

【コピペ可】顧問先向け・年末調整の実施案内テンプレート

まずは税理士・会計事務所から関与先へ送る文面です。顧問先の担当者が「何を、いつまでに、どう準備すればよいか」をひと目で理解できることを重視しています。【 】の部分を自事務所・顧問先の情報に置き換えて使ってください。

顧問先へ「年末調整の準備依頼」を送るメール例文

件名:年末調整の準備のお願い(【対象年】年分)

【顧問先名】
ご担当 【担当者名】様

いつもお世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。
【対象年】年分の年末調整の時期となりましたので、準備のお願いをお送りいたします。

■ 資料のご提出期限:【◯月◯日(◯)】まで
■ ご提出方法:【メール添付/共有フォルダ/郵送】にて【送付先】までお願いいたします。

【貴社(顧問先)でご準備いただく主なもの】
・従業員の方に配布・回収いただく各種申告書一式
・中途入社の方の前職の源泉徴収票
・給与・賞与の支給額、社会保険料等の年間データ
・扶養状況の変更(結婚・出産・扶養親族の増減)の有無

ご不明な点がございましたら、本メールにご返信ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

【事務所名】【担当者名】
【電話・メール】

顧問先へ「不足資料の提出お願い」を送る文例

件名:年末調整・不足資料のご確認(【顧問先名】様)

【顧問先名】
【担当者名】様

お世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。
先日ご提出いただいた資料を拝見したところ、下記について確認が必要でした。

【確認・追加提出をお願いしたい事項】
・【従業員名】様:保険料控除証明書(生命保険)の添付が見当たりません
・【従業員名】様:配偶者の所得の記載が空欄になっています

お手数ですが、【◯月◯日(◯)】までにご確認・ご提出をお願いいたします。
集計スケジュールの都合上、期限を過ぎる場合は事前にご一報いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

うまくいかない例と直し方:「お早めにご提出ください」だけで送ると、顧問先ごとに提出のばらつきが出て、事務所側の集計が締切間際に集中します。必ず具体的な期限日と、期限を過ぎる場合の連絡ルートをセットで書くのがコツです。顧問先メール全般の時短の考え方は顧問先メールをAIで時短作成する方法もあわせて参考にしてください。

【コピペ可】従業員向け・書類提出の依頼文テンプレート

次に、顧問先の社内や自事務所で使う従業員向けの依頼文です。従業員は年末調整を「会社の義務で書かされるもの」と受け取りがちですが、控除の適用で本人の税額が変わる手続きであることを一言添えると、提出率が上がります。

全社周知メール(提出期限・提出書類の案内)

件名:【重要】年末調整の書類提出について(提出期限:【◯月◯日】)

従業員の皆さま

【対象年】年分の年末調整を行います。所得税の過不足を精算する大切な手続きで、
提出内容によって還付・徴収の金額が変わります。期限までのご提出にご協力ください。

■ 提出期限:【◯月◯日(◯)】
■ 提出先・方法:【総務◯◯/システムからの入力】
■ 提出いただく書類
 1.(全員)扶養控除等(異動)申告書
 2.(全員)基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除等の申告書
 3.(該当者)保険料控除申告書 + 各種控除証明書
 4.(該当者)住宅ローン控除の申告書 + 年末残高等証明書(2年目以降)
 5.(中途入社の方)前職の源泉徴収票

※ 様式・記載事項は本年分の最新版に基づきます。書き方は国税庁の記載例もご参照ください。
ご不明点は【担当・連絡先】までお問い合わせください。

扶養控除等申告書・基礎控除等申告書の記入お願い文

件名:年末調整・申告書の記入のお願い

皆さま

年末調整の申告書について、記入のポイントをお知らせします。

・扶養控除等申告書:扶養している親族がいない場合も、氏名・住所等のご記入が必要です。
 結婚・出産・親御さまの扶養など、今年の状況変更があれば必ず反映してください。
・基礎控除・配偶者控除等の申告書:ご本人と配偶者の本年の所得見込みをご記入ください。
 共働きの場合も配偶者の所得欄の確認をお願いします。

記入例は国税庁の様式・記載例が参考になります。ご不明な点はお気軽にご相談ください。

保険料控除申告書+控除証明書の提出依頼文

件名:保険料控除証明書のご提出のお願い(年末調整)

皆さま

保険料控除を受けるには、申告書への記入に加えて「控除証明書」の添付が必要です。

・生命保険料/地震保険料:保険会社から郵送・電子交付される控除証明書を添付
・社会保険料(ご自身で支払った国民年金等):支払を証明する書類を添付
・小規模企業共済等掛金:控除証明書を添付

証明書は秋以降に届きます。見当たらない場合は再発行に時間がかかるため、
早めに手元をご確認ください。提出期限は【◯月◯日】です。

中途入社者への前職源泉徴収票の依頼文

件名:前職の源泉徴収票のご提出のお願い

【氏名】様

本年中に前職がある方は、当社の年末調整で前職分の給与を合算するため、
前職の源泉徴収票が必要です。お手元にない場合は前の勤務先へ再発行をご依頼ください。

提出期限:【◯月◯日(◯)】/提出先:【担当・方法】
期限までに用意が難しい場合は、確定申告での精算となる可能性があるためご相談ください。

うまくいかない例と直し方:「必要書類を提出してください」とだけ書くと、何が自分に該当するのか判断できず未提出が増えます。上の例のように(全員)(該当者)を明示し、控除証明書は「申告書とは別に添付が必要」と分けて書くと、添付漏れによる差し戻しが大きく減ります。

未提出・記入漏れの催促(リマインド)文テンプレート

年末調整で最も時間を奪われるのが、未提出者への催促です。角が立たない範囲で、しかし期限意識が伝わる文面を用意しておきましょう。

期限前のリマインド例文

件名:【リマインド】年末調整書類の提出期限が近づいています

皆さま

年末調整書類の提出期限【◯月◯日(◯)】が近づいてまいりました。
まだお済みでない方は、お早めのご提出をお願いいたします。
控除証明書の添付漏れが多いため、あわせてご確認ください。

期限超過後の督促(角を立てない)例文

件名:【ご確認】年末調整書類が未提出です

【氏名】様

年末調整書類の提出期限を過ぎておりますが、まだ確認できておりません。
未提出のままですと控除が反映されず、税額の精算に影響する場合があります。
【◯月◯日(◯)】までにご提出いただけますでしょうか。
ご事情がある場合は【担当・連絡先】までご一報ください。

うまくいかない例と直し方:督促は「まだですか」と結果だけを問うと角が立ちます。「未提出だと控除が反映されず本人に不利になる」という理由を添えると、責める調子にならずに行動を促せます。

案内文・依頼文をAIで自事務所向けに整えるプロンプト集

テンプレートは便利ですが、顧問先の業種や社風によって、ちょうどよい言い回しは変わります。ここからは、上のテンプレートをAIに整えさせるプロンプトを紹介します。【 】を埋めて生成AIに貼り付けてください。

顧問先の業種・規模に合わせて調整するプロンプト

あなたは税理士事務所の担当者です。以下の年末調整の案内文を、
次の条件に合わせて書き換えてください。

# 条件
・宛先:【従業員数◯名/業種】の顧問先の従業員向け
・提出期限:【◯月◯日】、提出方法:【 】
・トーン:【丁寧すぎず、簡潔に/親しみやすく】

# 元の案内文
【上のテンプレートを貼り付け】

# 出力
・件名と本文を分けて出力
・箇条書きは崩さず、専門用語には一言の補足を付ける

硬い文章をやわらかい依頼調にするプロンプト

次の督促文を、相手を責めない・角が立たない依頼調に書き直してください。
「未提出だと本人が損をする」という理由を自然に含め、
提出のハードルを下げる一文を最後に加えてください。

【督促文を貼り付け】

うまくいかない例と直し方:「年末調整の案内文を作って」とだけ指示すると、提出期限や書類名が架空の内容で埋められることがあります。期限・書類名・提出方法は必ず自分で条件として与え、AIには文章の整えだけを任せるのが安全です。生成した文面の数字や書類名は、送信前に必ず人の目で確認してください。AIの出力を確認する具体的な手順はAIを使った申告書チェックのプロンプト集の検証の考え方が応用できます。

汎用のAIチャットでもここまで整えられますが、実務では「守秘義務のある顧問先データを入力してよいか」「専門用語や様式名を取り違えないか」といった不安が残ります。士業AIは、税務・会計・法務の実務文書に特化してチューニングした日本語AIで、年末調整の案内文づくりのような定型業務を事務所単位で安全に効率化することを狙って開発しています。

国税庁等の公的情報を参照する税務特化AI のデモです。

年末調整の案内文に関するよくある質問

案内文はいつ配布すべき?

控除証明書は秋以降に順次届き、事務所側の集計にも時間がかかります。従業員への周知は書類が揃い始める時期に合わせ、提出期限は自事務所の集計スケジュールから逆算して設定するのが実務的です。具体的な手順・時期は国税庁「年末調整のしかた」を基準にしてください。

提出書類の正式名称は毎年同じ?

申告書の名称・記載事項は年分により見直されます。控除制度の改正があると様式が変わるため、案内文に書類名を載せる際は、その年分の国税庁の様式・記載例を確認して転記するのが安全です。

案内文に控除の判断まで書くべき?

案内文は「何を・いつまでに・どう出すか」を伝える役割に絞り、個別の控除の可否や税額の判断は書き込みすぎないほうが安全です。判断を要する質問は個別対応にまわし、案内文には問い合わせ窓口を明記しておきましょう。従業員向けの詳しい説明は国税庁「給与所得者(従業員)の方へ」を案内すると、事務所側の説明負担を減らせます。

まとめ:テンプレート+AIで年末調整の連絡業務を軽くする

年末調整の案内文・依頼文は、毎年ほぼ同じ内容を宛先だけ変えて何通も書く定型業務です。だからこそ、①共通の5要素を押さえたテンプレートを持ち、②顧問先や社風に合わせた微調整だけAIに任せる、という分担が効きます。まずはこの記事のテンプレートを自事務所の情報に置き換え、来期の年末調整に備えてストックしておきましょう。

士業AIは、こうした案内文づくりや顧問先とのやり取りをはじめ、税務の実務文書を日本語で効率化するために開発したAIです。クレジットカード不要・メール登録だけで数分で試せます。年末調整の繁忙期を迎える前に、自事務所の文面づくりで使い勝手を確かめてみてください。

参考文献

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