消費税課税事業者選択届出書の書き方|12月31日の提出期限と記入例【2026年】
消費税課税事業者選択届出書は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の免税事業者が「あえて課税事業者になる」ための届出です。課税事業者になれば、設備投資などで仕入れの消費税が売上の消費税を上回った年に還付を受けられます。提出期限は、課税事業者になりたい課税期間の初日の前日まで。個人事業主が令和9年分から課税事業者になるなら、令和8年(2026年)12月31日が期限で、土日祝日や年末年始でも延びません。
インボイス登録の経過措置がある今、出す場面は限られますが、「還付のために課税期間の初日から課税事業者になりたい」顧問先には今も欠かせません。2026年秋には、飲食料品の税率引下げ(改正案)に合わせた提出時期の特例も公表されました。本記事では、届出を担当する税理士事務所向けに、出す場面の見分け方、欄ごとの記入例、出したあとの縛りを整理します。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 課税事業者選択届出書を出す場面と、インボイス登録申請・簡易課税制度選択届出書との違い(比較表)
- 提出期限の考え方(個人は12月31日、休日でも延びない、年末の税務署閉庁への備え)
- 飲食料品の税率引下げに伴う提出時期の特例(令和8年9月公表の改正案)
- 様式の欄ごとの書き方と、令和9年分から選択する個人事業主の記入例
- 2年継続適用と、調整対象固定資産・高額特定資産を取得した場合の制限
- 2割特例・3割特例との関係、やめるとき・出し忘れたときの手続
- 顧問先への案内と提出前チェックにAIを使うプロンプト例
消費税課税事業者選択届出書とは|免税事業者が課税事業者を選ぶ届出
消費税は、基準期間(個人事業者は前々年、事業年度が1年の法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下なら、原則として納税義務が免除されます。消費税法第9条第4項は、この免除を「受けない」と届け出ることを認めています。その届出に使う様式が消費税課税事業者選択届出書です(国税庁「D1-4 消費税課税事業者選択届出手続」)。
出すのは「還付を受けたい免税事業者」が中心
免税事業者は仕入れの消費税を差し引けず、還付も受けられません。届出書を出すのは、主に次の場面です。
- 店舗の新設・改装や機械の購入など、大きな設備投資を予定している
- 輸出売上が中心で、売上に消費税がかからず仕入れの消費税だけが残る
- 開業初年度で、内装・備品などの仕入れが売上を大きく上回る見込み
- インボイスは発行しないが、還付のために課税期間の初日から課税事業者になりたい
還付を受けるには一般課税(本則課税)で申告します。簡易課税を選んでいる顧問先は、簡易課税の不適用届出も合わせて検討します。
インボイス登録との関係|令和11年9月30日を含む課税期間までは経過措置
インボイス発行事業者は売上高にかかわらず課税事業者です。免税事業者が登録するには本来この届出書が必要ですが、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日を含む課税期間に登録を受けるなら、登録申請書に登録希望日を書けばその日から課税事業者になる経過措置があります(国税庁 タックスアンサー No.6629)。
個人事業主なら令和11年分までは、インボイス登録のために選択届出書を出す必要はありません。経過措置の全体像はインボイス制度2026年最新対応(経過措置・2割特例)で整理しています。
選択届出書・登録申請書・簡易課税届出の違い
「消費税の届出を出したい」と言われたら、まずどの書類の話かを切り分けます。
書類 | 何のために出すか | 期限の原則 | インボイス交付義務 |
|---|---|---|---|
消費税課税事業者選択届出書 | 免税事業者が課税事業者になる(還付を受けたいなど) | 適用を受けたい課税期間の初日の前日まで | なし(登録しない限り) |
適格請求書発行事業者の登録申請書(経過措置) | インボイスを発行する。登録日から課税事業者になる | 登録希望日の15日前の日まで(期中の登録も可) | あり |
消費税簡易課税制度選択届出書 | 課税事業者が、みなし仕入率で納税額を計算する | 適用を受けたい課税期間の初日の前日まで(特例あり) | (届出とは無関係) |
簡易課税の届出書の書き方は消費税簡易課税制度選択届出書の書き方と提出期限にまとめています。
提出期限|個人事業主は12月31日、休日でも延びない
届出書の効力は提出した日の属する課税期間の翌課税期間から生じるため、課税事業者になりたい課税期間の初日の前日までに出します(記載要領)。
原則:適用を受けたい課税期間の初日の前日まで
個人事業者の課税期間は暦年なので、令和9年分から課税事業者になるなら令和8年12月31日(木)が期限です。法人は事業年度の末日が期限になります。
事業者 | 課税事業者になりたい期間 | 提出期限 |
|---|---|---|
個人事業者 | 令和9年分(2027年1〜12月) | 令和8年12月31日 |
12月決算法人 | 令和9年12月期 | 令和8年12月31日 |
3月決算法人 | 令和10年3月期(令和9年4月開始) | 令和9年3月31日 |
開業した個人・設立した法人 | 開業(設立)した課税期間 | その課税期間の末日 |
課税期間の末日が土日祝日でも、平日に延長されません(国税庁 タックスアンサー No.6501)。
開業した年は「その年の12月31日まで」で間に合う
事業を開始した課税期間なら、その課税期間の末日までに出せば、その課税期間から課税事業者になれます(消費税法第9条第4項かっこ書)。開業時に出す書類の全体像は開業届の書き方と一緒に出す書類の期限一覧で確認できます。
なお、資本金1,000万円以上で設立した法人は、設立1期目・2期目はもともと納税義務が免除されないため、この届出書は不要です(記載要領)。
年末は税務署が閉庁|郵送の消印とe-Taxで日付を残す
税務署は土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は閉庁で、令和8年は窓口持参が実質12月28日(月)までです。以降はe-Taxか郵送で出します。郵送は通信日付印(消印)の日に提出したものとみなされます(タックスアンサーNo.6629)。
ぎりぎりの郵送は避け、e-Taxの受信通知か日付の残る郵便で控えを確保します。年末に送信するならe-Taxの利用可能時間も事前に確認します。事務所の年末年始休業のお知らせに届出の受付締切を一行足しておくと、駆け込み依頼を減らせます。
2026年の論点|飲食料品の税率引下げと提出時期の特例(改正案)
国税庁は「消費税率引下げ特設サイト」で、令和8年9月15日閣議決定の大綱にもとづき、令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品の税率を1%(国・地方合計)に引き下げる改正案を説明しています。法案の可決・成立が前提です(国税庁「消費税率引下げ特設サイト」)。
特例の中身:令和9年4月1日を含む課税期間中に出せばよい
税率が1%になると、飲食料品を売る事業者は売上の税率が仕入れより低くなり、課税事業者なら還付が見込まれます。そこで、飲食料品の譲渡を行う免税事業者が、令和9年4月1日の属する課税期間中に選択届出書を出せば、その課税期間から課税事業者になれる特例が設けられます。
国税庁のQ&A(問3-2)では、「① 適用開始課税期間」欄に令和9年4月1日の属する課税期間を、「参考事項」欄に「飲食料品特例」と書きます。法案成立後は令和9年4月1日前でも提出できる予定です。個人なら令和9年1月1日から課税事業者になり、1〜3月の飲食料品の販売は8%です。
インボイス登録で4月1日から課税事業者になる方法との比較
Q&A(問3-4)は、令和9年3月17日までに登録希望日を4月1日とした登録申請書を出す方法も示しています。4月以後の取引だけが申告対象になる一方、インボイスの交付義務が生じます。
個人事業者の場合 | 選択届出書(飲食料品特例) | インボイス登録(経過措置) |
|---|---|---|
課税事業者になる日 | 令和9年1月1日 | 登録希望日(例:令和9年4月1日) |
免税事業者に戻れない期間(原則) | 令和9年・令和10年 | 令和9年4月1日〜令和11年12月31日 |
戻る手続 | 令和10年中に選択不適用届出書 | 登録の取消しを求める旨の届出書 |
インボイス交付義務 | なし | あり |
出典は国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」(令和8年9月)です。改正案を前提とするため、法案の成立と細部を確認してから顧問先に案内してください。
欄ごとの書き方と記入例
国税庁の現行様式と記載要領に沿って整理します。提出時は手続案内ページから最新の様式を使ってください。
上段:提出先・納税地・氏名など
- 提出日・提出先:提出する日と、納税地を所轄する税務署名
- 個人番号又は法人番号:個人は個人番号、法人は法人番号。控えを保管する場合は個人番号を書かないなど取扱いに注意(記載要領)
- 氏名又は代表者氏名:個人は本人、法人は代表者
- 納税地・住所又は居所(法人は本店又は主たる事務所の所在地):個人で住所と納税地が同じなら両方に同じ住所
①適用開始課税期間・②基準期間・③売上高
- ① 適用開始課税期間:課税事業者になる課税期間の初日と末日
- ② ①の期間の基準期間:①の基準期間の初日と末日。個人なら前々年の1月1日〜12月31日
- ③ ②の期間の総売上高/課税売上高:基準期間の資産の譲渡等の対価の額の合計額と、課税資産の譲渡等の対価の額の合計額
③は税抜きで、輸出売上を含み、返品・値引きなど(税抜き)は除きます。ただし基準期間に免税事業者だった場合は税抜処理をしません(記載要領)。免税事業者だった年まで110分の100で割る誤りが典型です。
生年月日・事業内容・事業年度・届出区分・参考事項
- 【個人】生年月日/【法人】設立年月日
- 事業内容:「美容業(店舗1か所)」のように具体的に
- 【法人】事業年度・資本金:法人のみ。設立1期目で変則的な事業年度の場合は通常時の事業年度を書く
- 届出区分:1=事業開始、2=設立、3=相続、4=合併、5=分割、6=特別会計、7=その他 から該当する番号
- 参考事項:その他参考となる事項。飲食料品特例を使う場合は「飲食料品特例」
- 税理士署名・電話番号:税理士が作成した場合
届出区分は記載要領に「該当する届出の事情の番号を記載」とあるだけです。既存事業者の通常の選択は「7=その他」と考えられますが、迷えば所轄税務署に確認します。
記入例:令和9年分から課税事業者を選ぶ個人の美容室
前提:個人で美容室を営む免税事業者。令和7年の売上は780万円(すべて課税売上)。令和9年に店舗の改装と設備の入替え(税抜600万円)を予定しており、一般課税で還付を受けたい。インボイス登録はしない。
欄 | 記入内容 |
|---|---|
① 適用開始課税期間 | 自 令和9年1月1日 至 令和9年12月31日 |
② ①の期間の基準期間 | 自 令和7年1月1日 至 令和7年12月31日 |
③ 総売上高/課税売上高 | 7,800,000円/7,800,000円(免税事業者だった年なので税抜処理なし) |
生年月日 | 本人の生年月日 |
事業内容 | 美容業(店舗1か所) |
届出区分 | 7(その他) |
参考事項 | 空欄(必要に応じて「令和9年に店舗改装予定」など) |
提出期限 | 令和8年12月31日(窓口は12月28日まで) |
この設備は調整対象固定資産(税抜100万円以上)に当たり、後述の3年縛りがかかります。提出前の面談で投資の時期と金額を必ず聞き取ります。
提出方法|e-Taxソフト(WEB版)・郵送・窓口
個人事業主はe-Taxソフト(WEB版)の「マイページ」から届出でき、スマートフォンからも利用できます。パソコン用e-Taxソフトでの送信や、書面の持参・送付も可能です(D1-4)。
代理送信なら受信通知をPDFで、書面なら日付の分かる控えを顧問先ファイルに保存し、「いつ出したか」を後から証明できるようにしておきます。
出したあとの縛り|2年継続と調整対象固定資産の3年
選択届出書は簡単にはやめられません。還付の翌年以降は納税が続き、通算で損をすることもあるので、提出前に2〜3年分を試算します。
2年間は免税事業者に戻れない
選択をやめるための課税事業者選択不適用届出書は、事業を廃止した場合を除き、選択届出書の効力が生じた課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ出せません(消費税法第9条第6項)。個人が令和9年分から選んだ場合、不適用届出書を出せるのは令和10年1月1日以後で、効力が生じるのは令和11年分からです。つまり令和9年・令和10年の2年間は課税事業者です。
調整対象固定資産を買うと原則3年に延びる
課税事業者になった日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間(簡易課税の適用を受ける課税期間を除く)中に、調整対象固定資産の課税仕入れ等を行った場合は、その仕入れ等の日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、不適用届出書を出せません(同条第7項)。調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で一の取引単位の価額(税抜き)が100万円以上のものです(国税庁 タックスアンサー No.6501)。
上の美容室の例で令和9年中に改装すれば、令和9年〜令和11年の3年間は課税事業者です。不適用届出書を先に出していても、同じ課税期間中に調整対象固定資産を買うと、その届出書は提出がなかったものとみなされます(同項後段)。この間は一般課税での申告になり、簡易課税制度選択届出書も一定期間出せません。
1,000万円以上の資産は高額特定資産の制限もかかる
このほか、一般課税の課税期間中に税抜1,000万円以上の棚卸資産や調整対象固定資産(高額特定資産)を仕入れると、仕入れの課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間まで免税事業者になれません(消費税法第12条の4、タックスアンサー No.6502)。不適用届出書とは別の制限です。
2割特例・3割特例との関係
2割特例・3割特例は、インボイス登録または選択届出書の提出で課税事業者になった課税期間に使えます(国税庁リーフレット「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」)。選択届出書を出しても対象外にはなりません。
- 2割特例:令和8年9月30日を含む課税期間で終了。個人は令和8年分が最後
- 3割特例:個人事業者であるインボイス発行事業者の令和9年分・令和10年分。法人は対象外。確定申告書への付記が必要
ただし3割特例は、選択届出書を出して2年以内に一般課税で調整対象固定資産を仕入れ、不適用届出書を出せなくなった課税期間や、課税期間を短縮している課税期間には使えません(国税庁 インボイスQ&A 問115-2)。還付を受けたい年は一般課税で申告します。顧問先ごとの切替時期は2割特例の終了を顧問先に知らせる案内文例で扱っています。
やめるとき・出し忘れたときの手続
やめるとき:課税事業者選択不適用届出書
免税事業者に戻るときは、戻りたい課税期間の初日の前日までに消費税課税事業者選択不適用届出書を出します(国税庁「D1-5」)。様式には「課税事業者となった日」欄(選択届出書の①の初日)と、調整対象固定資産の課税仕入れ等がないことを確かめる「提出要件の確認」欄があります。
不適用届出書を出しても、特定期間(個人は前年1〜6月)の課税売上高が1,000万円を超えれば課税事業者です。簡易課税の選択やインボイス登録は別の手続でやめる必要があり、逆に登録だけ取り消しても、選択届出書の効力は不適用届出書を出すまで続きます(消費税法第9条第8項)。
出し忘れたとき:特例承認申請と「やむを得ない事情」
やむを得ない事情で期限までに出せなかった場合は、「消費税課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」を、やむを得ない事情がやんだ日から2か月以内に出し、税務署長の承認を受ければ、課税期間の初日の前日に出したものとみなされます。申請書と一緒に選択届出書も提出します(国税庁「D1-6」)。
「やむを得ない事情」は災害や本人の責めに帰さない状態、課税期間の末日前おおむね1か月以内の相続などで、提出を忘れていた場合は当たりません(タックスアンサー No.6630)。
AIの使いどころ|顧問先の洗い出し・案内文・提出前チェック
事務所の仕事は「どの顧問先に要るか」を秋のうちに見つけ、年末までに判断してもらうことです。AIは聞き取り項目や案内文の下書きに向きますが、期限と制度の当てはめは国税庁の資料で確かめます。飲食料品の税率引下げは2026年9月公表の改正案なので、AIが知らない前提で使います。
入力してよい情報の範囲は顧問先データとAIの守秘義務の判断基準で整理しています。
プロンプト1:届出の要否を判定する聞き取り項目を作る
あなたは税理士事務所の職員です。
免税事業者の顧問先について、令和9年分(または次の事業年度)から
「消費税課税事業者選択届出書」を出すべきかを判断するための
聞き取り項目を、質問文の形で10個以内で作ってください。
【前提】
・顧問先区分:【個人/法人(決算月:◯月)】
・業種:【業種】
・基準期間の課税売上高:【金額】円
・インボイス登録:【あり/なし】
・簡易課税制度選択届出書:【提出済み/未提出】
【含めてほしい観点】
設備投資の予定(時期・税抜金額)、輸出売上、飲食料品の販売、
インボイス発行の要否、今後3年の売上と仕入れの見通し
質問文だけを出力してください。うまくいかない例:「課税事業者になるべきか判断して」と頼むと、AIが一般論で断定します。直し方:聞き取り項目だけを作らせ、判断は税理士が試算で行います。
プロンプト2:顧問先への案内文を作る
以下の【確定情報】だけを使い、顧問先へ送るメール文を作ってください。
【確定情報】にない制度・期限・金額は書き足さないでください。
【確定情報】
・顧問先:【顧問先名】様(個人事業主・免税事業者)
・目的:令和9年の【設備投資の内容】で消費税の還付を受けるため
・必要な届出:消費税課税事業者選択届出書
・提出期限:令和8年12月31日(休日でも延びない)
・当事務所の社内締切:【日付】までにご判断ください
・注意点:令和9年・令和10年の2年間は課税事業者が続く。
令和9年中に税抜100万円以上の設備を買うと、令和11年まで続く
・概算:還付見込み【金額】円、令和10年の納税見込み【金額】円
【条件】
・冒頭3行で結論を書く ・400字以内 ・です・ます調
・専門用語は「課税事業者」「免税事業者」「還付」以外は使わないうまくいかない例:縛りを渡さずに作らせると「還付が受けられます」だけの文面になります。直し方:2年・3年の縛りと翌年の納税見込みを【確定情報】に入れます。文面の型は顧問先メールをAIで時短作成する方法も参考になります。
事務所で使う提出前チェックリスト
- 出す目的(還付・インボイス不要の課税選択・飲食料品特例)を顧問先と確認したか
- インボイス登録の経過措置で足りないか(令和11年9月30日を含む課税期間まで)を検討したか
- 簡易課税を選んでいる場合、簡易課税の不適用届出の要否も確認したか
- 今後2〜3年の設備投資(税抜100万円以上・1,000万円以上)の予定を聞き取ったか
- 還付の翌年以降の納税見込みを試算して伝えたか
- 提出期限と、年末の窓口閉庁(12月29日〜)を踏まえた社内締切を設定したか
- 顧問先台帳に「選択届出の効力発生期間」「不適用届出を出せる最初の日」を記録したか
税務特化のAIを使うと、国税庁の手続案内やタックスアンサーを出典として示しながら回答を確認できます。税理士事務所での使い方は税理士向け士業AIのご紹介にまとめています。
消費税課税事業者選択届出書のよくある質問
一度出すと、売上が1,000万円以下に戻っても課税事業者のままですか?
はい。不適用届出書を出さない限り効力は続き、「納税義務者でなくなった旨の届出書」も不要です(記載要領)。古い届出が残っていないか、顧問契約の開始時に確認しておきます。
インボイス登録だけでは課税期間の初日から課税事業者になれませんか?
なれます。経過措置を使い、登録希望日を課税期間の初日(個人なら1月1日)として、その15日前の日までに登録申請書を出せば、初日から課税事業者になります。この15日前の日は休日でも延びません(タックスアンサーNo.6629)。ただしインボイスの交付義務が生じ、やめるときも登録の取消しの届出が必要です。インボイスを発行する必要がない顧問先が還付だけを目的にするなら、選択届出書のほうが手続の意味がはっきりします。
まとめ|期限は12月31日、判断は「その後の3年」で
消費税課税事業者選択届出書は、免税事業者が還付を受けるために課税事業者を選ぶ届出です。個人事業主の令和9年分なら令和8年12月31日が期限で、休日でも延びず、年末は税務署の窓口が閉まります。インボイス登録の経過措置で足りる場面も多いので、まず「何のために課税事業者になるのか」を顧問先と確かめるところから始めます。
出したあとは2年、調整対象固定資産を買えば原則3年、課税事業者が続きます。その後の納税まで試算し、顧問先台帳に効力期間を残しておけば、出し忘れも出しっぱなしも防げます。
参考文献
- 国税庁「D1-4 消費税課税事業者選択届出手続」(様式・記載要領)
- 国税庁「D1-5 消費税課税事業者選択不適用届出手続」
- 国税庁「D1-6 消費税課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請手続」
- 国税庁 タックスアンサー No.6501「納税義務の免除」
- 国税庁 タックスアンサー No.6629「消費税の各種届出書」
- 国税庁 タックスアンサー No.6630「やむを得ない事情により課税事業者選択届出書の提出が間に合わなかった場合」
- 国税庁 タックスアンサー No.6502「高額特定資産を取得した場合等の納税義務の免除等の特例」
- 国税庁「消費税率引下げ特設サイト」(飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A)
- 国税庁「インボイス制度に関する令和8年度税制改正について」(令和8年4月)
- 国税庁 インボイスQ&A 問115-2(3割特例の適用ができない課税期間)
- e-Gov法令検索「消費税法」

