育児・介護休業法 改正の対応|社労士が顧問先案内・規程見直しをAIで【2026年】
本記事は2026年8月6日時点の情報です。制度の適用可否・期限は必ず厚生労働省の最新資料でご確認ください。
2025年(令和7年)に育児・介護休業法が2段階で改正・施行され、就業規則や育児介護休業規程の見直し、顧問先への案内が社労士の実務に一気に増えました。「何が義務で何が努力義務か」「どの顧問先が対応必須か」を整理し、案内文や規程改定のドラフトまで手を動かすと、想像以上に工数がかかります。
この記事では、2025年4月1日・10月1日に施行された改正内容を厚生労働省の一次資料に沿って正確に整理したうえで、2026年に育児・介護休業法の新たな施行があるのか、2026年に効いてくる実務は何かまで含めて、社労士が顧問先にどう案内し、どこをAIで効率化できるかを実務目線でまとめます。読み終える頃には、顧問先ごとの対応要否を判断し、案内文・対象者の洗い出し・規程見直しの下ごしらえをAIで一気に進める段取りが描けるようになります。
この記事でわかること・育児・介護休業法 2025年改正の全体像
まず結論です。2025年の育児・介護休業法改正は、2025年4月1日と2025年10月1日の2段階で施行されました。育児期の柔軟な働き方の拡充、介護離職防止のための雇用環境整備・個別周知の義務化などが柱で、いずれもすでに施行済みの確定した内容です。公表義務の一部を除き、原則として全企業が対象になります。
- 2025年4月1日施行: 子の看護休暇の見直し、残業免除の対象拡大、育児テレワークの努力義務化、育児休業取得状況の公表義務の拡大、介護離職防止の各措置 など
- 2025年10月1日施行: 柔軟な働き方を実現するための措置(5つから2つ以上を選択)、仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化
ここでいう「両立支援制度等」とは、介護休暇・所定外労働の制限・時間外労働の制限・深夜業の制限・所定労働時間の短縮など、仕事と介護(または育児)を両立するための制度の総称です。社労士としては、顧問先が「義務」と「努力義務」を取り違えて対応漏れを起こさないよう、施行日ごとに整理して案内するのが第一歩になります。
【2026年8月時点】2026年に育児・介護休業法の新たな改正はあるか
「育児介護休業法改正 2026」で調べている方が最初に知りたいのは、2026年に新しく施行される改正があるのかどうかだと思います。結論から言うと、2026年8月6日時点で、育児・介護休業法そのものに2026年施行の新たな改正項目はありません。厚生労働省「法改正のポイント」でも、施行日として案内されているのは2025年4月1日と2025年10月1日の2つだけです。
つまり2026年に社労士がやるべきことは「新しい改正への対応」ではなく、①2025年改正が顧問先で実際に運用に乗っているかの点検と、②2026年に施行される隣接法令(女性活躍推進法・子ども・子育て支援金・雇用保険の給付手続き等)への対応の2本立てになります。顧問先から「2026年も育休の法改正があるんですよね?」と聞かれたときに、この切り分けを即答できるかどうかが信頼を左右します。
2026年に施行される「隣接する」法改正カレンダー
育児・介護休業法の改正ではないものの、両立支援や給与計算まわりで2026年に動く制度があります。顧問先への案内文では、育児・介護休業法の話と混ぜずに別項目として整理して伝えると誤解が起きません。
施行時期 | 制度 | 実務への影響 |
|---|---|---|
2026年4月分保険料〜 | 子ども・子育て支援金の拠出開始 | 被用者保険の令和8年度の一律支援金率は0.23%。支援金額のおよそ半分を事業主が負担する。4月分保険料を翌月徴収する運用なら5月支給給与から反映されるため、給与計算システムの改修と従業員周知が要る |
2026年4月1日 | 改正女性活躍推進法の施行 | 常時雇用する労働者301人以上の事業主に「女性管理職比率」の情報公表が義務化。101人以上300人以下の事業主には「男女間賃金差異」が情報公表の必須項目になる |
2026年8月1日 | 育児休業等給付の申請手続きの見直し | 出生時育児休業給付金で申告する賃金の取扱い、出生後休業支援給付金の配偶者確認書類、育児時短就業給付の要件確認の事務取扱いが変更。手続き代行を受けている事務所は様式・チェックリストの更新が必要 |
2026年10月1日 | 改正女性活躍推進法(第2段階) | 101人以上300人以下の事業主にも「女性管理職比率」の情報公表が義務化される |
2026年10月 | 被用者保険の適用拡大(賃金要件の撤廃) | 短時間労働者の適用要件のうち賃金要件(月額8.8万円以上)が撤廃される。企業規模要件は2027年10月から段階的に撤廃される予定 |
女性活躍推進法は企業規模によって義務化の時期が2026年4月と2026年10月に分かれるのが実務上の落とし穴です。顧問先の規模がボーダーライン付近にある場合は、厚生労働省の女性活躍推進法特設ページで適用区分と算出方法を都度確認してください。
労働基準法の大改正は2026年8月時点で「未確定」
労働時間規制や割増賃金をめぐる労働基準法の見直しは、労働政策審議会で議論が続いていますが、2026年8月6日時点で改正法案は国会に提出されておらず、改正内容も施行時期も確定していません。顧問先向けの案内文では、確定した育児・介護休業法・女性活躍推進法と、未確定の労働基準法を同じ表に並べないのが鉄則です。
制度型のテーマは、AIに下書きさせると「検討中の内容を、すでに決まったかのように」書いてしまう事故が最も起きやすい領域でもあります。生成AIに案内文を書かせる場合は、後述するように施行日と数字を自分で与え、未確定事項は「〇年〇月時点で未確定」と書かせる指示を必ず入れてください。
2025年4月1日施行の改正ポイント(社労士が顧問先に案内すべき項目)
4月施行分は項目数が多く、就業規則や育児介護休業規程の改定を伴うものが中心です。顧問先への案内では「規程改定が必要か」「対象となる従業員は誰か」をセットで伝えると、事務所への差し戻しが減ります。
子の看護休暇が「子の看護等休暇」に(対象拡大・事由追加・除外要件の変更)
名称が「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」へ変更され、対象となる子の範囲が「小学校就学の始期に達するまで」から「小学校3年生修了まで」に広がりました。取得事由も、従来の①病気・けが②予防接種・健康診断に加え、③感染症に伴う学級閉鎖等と④入園(入学)式・卒園式が追加されています。
あわせて、労使協定で除外できる労働者のうち「継続雇用期間6か月未満」の除外規定が廃止され、除外できるのは「週の所定労働日数が2日以下」の労働者のみになりました。取得可能日数(1年間に5日、子が2人以上の場合は10日)は変更ありません。就業規則の見直しが必要な改正であり、規程に旧名称・旧範囲が残っていないか点検が要ります。
所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
いわゆる残業免除を請求できる労働者の範囲が、「3歳未満の子を養育する労働者」から「小学校就学前の子を養育する労働者」に拡大されました。これも就業規則等の見直しが必要な義務規定です。対象年齢が延びた分、請求が想定される従業員が増える顧問先が出てきます。
短時間勤務の代替措置にテレワーク追加・育児テレワークの努力義務化
3歳未満の子を養育する労働者向けの短時間勤務制度について、業務の性質上その制度が困難な場合の代替措置にテレワークが追加されました(従来は①育児休業に準ずる措置②始業時刻の変更等の2つ)。さらに、3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講じることが、事業主の努力義務とされました。「義務」ではなく「努力義務」である点を、顧問先に正確に伝えることが重要です。
育児休業取得状況の公表義務が「300人超」に拡大
男性の育児休業等の取得状況を年1回公表する義務の対象が、従業員数1,000人超の企業から300人超の企業へ拡大されました。公表内容は男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」で、公表前事業年度の終了後おおむね3か月以内に、インターネットなど一般の方が閲覧できる方法で公表します。顧問先の従業員規模を確認し、新たに公表義務が生じる先を早めに洗い出す必要があります。
介護離職防止のための雇用環境整備・個別周知・情報提供
介護関連では、①研修の実施②相談窓口の設置③事例の収集・提供④利用促進の方針周知のいずれかの措置を講じる雇用環境整備が義務となりました(複数実施が望ましいとされています)。また、介護に直面した旨を申し出た労働者への個別の周知・意向確認、さらに40歳等の早い段階での情報提供も義務化されました。介護休暇についても、継続雇用期間6か月未満の除外規定が廃止されています。介護のためのテレワークは努力義務です。
2025年4月施行分の改正前後まとめ
項目 | 改正前 | 改正後(2025年4月〜) | 区分 |
|---|---|---|---|
子の看護(等)休暇の対象 | 小学校就学始期まで | 小学校3年生修了まで/事由に学級閉鎖・入園式等を追加 | 義務 |
残業免除の対象 | 3歳未満の子 | 小学校就学前の子 | 義務 |
育児のためのテレワーク | 規定なし | 3歳未満の子で選択できるよう措置 | 努力義務 |
育休取得状況の公表 | 従業員1,000人超 | 従業員300人超 | 義務 |
介護の雇用環境整備・個別周知 | 規定なし | 研修・相談窓口等の整備、個別周知・意向確認 | 義務 |
2025年10月1日施行の改正ポイント(柔軟な働き方と意向聴取)
10月施行分は、育児期の働き方の選択肢を広げる内容で、就業規則の見直しと運用の設計が必要です。4月分より制度設計の自由度が高く、顧問先ごとの実情に合わせた助言が効く領域です。
柔軟な働き方を実現するための措置(5つから2つ以上を選択)
事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、次の5つの選択肢から2つ以上を選んで制度化する義務を負います。労働者はそのうち1つを選んで利用できます。措置を選ぶ際は、過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があります。
選択して講ずべき措置 | 内容の目安 |
|---|---|
① 始業時刻等の変更 | フレックスタイム制、時差出勤(1日の所定労働時間は変えない) |
② テレワーク等 | 月に10日以上利用できるもの(原則時間単位で取得可) |
③ 保育施設の設置運営等 | 保育施設の設置運営、ベビーシッターの手配・費用負担など |
④ 養育両立支援休暇の付与 | 年に10日以上取得できる休暇(原則時間単位で取得可) |
⑤ 短時間勤務制度 | 1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの |
あわせて、子が3歳になるまでの適切な時期(子の3歳の誕生日の1か月前までの1年間)に、選択した制度についての個別周知と意向確認を行う義務があります。
仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮
事業主は、労働者本人または配偶者の妊娠・出産等の申出時と、子が3歳になる前の適切な時期に、①勤務時間帯②勤務地③両立支援制度等の利用期間④業務量や労働条件の見直しといった両立に関する事項について、労働者の意向を個別に聴取し、その意向に自社の状況に応じて配慮する義務を負います。面談・書面交付・FAX・電子メール等のいずれかの方法で行い、面談はオンラインでも可能です。
2026年に効いてくる実務 ─ 2025年10月施行分の運用チェックポイント
2025年10月施行分は、規程を直して終わりではなく対象者が発生するたびに手続きが走り続けるタイプの義務です。施行から一定期間が経った2026年は、規程は直したが運用が回っていない、という顧問先が表面化してくる時期にあたります。以下の4点を年次の点検項目に組み込んでおくと、労働局の是正指導や従業員とのトラブルを未然に防げます。
個別周知・意向確認を「いつ・誰に」行うか
柔軟な働き方を実現するための措置に関する個別周知・意向確認は、対象労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間に行う必要があります。厚生労働省の解説では、具体的な期間は子が1歳11か月に達する日の翌々日から、2歳11か月に達する日の翌日までと示されています。
実務で漏れが起きやすいのは、この期間が1年間という幅を持っている点です。「そのうちやる」と後回しにすると、対象者が3歳を迎えて期限切れになります。顧問先には、育児休業からの復帰者リストとは別に子の生年月日から自動で通知時期を割り出す一覧を作ってもらい、月次の労務チェックに組み込むよう助言するのが有効です。妊娠・出産等の申出時に行う意向聴取と、3歳前に行う意向聴取は別のタイミングであることも、あわせて念押ししておきます。
意向聴取・配慮は「記録の残し方」まで設計する
意向聴取は、面談・書面交付・FAX・電子メール等のいずれかの方法で行い、面談はオンラインでも可能です。ここで抜けがちなのが実施した記録です。義務として求められるのは聴取と配慮ですが、実施したことを後から確認できなければ、労使間で「聞かれていない」という争いになったときに立証手段がありません。
実務では、聴取した事項(勤務時間帯・勤務地・両立支援制度等の利用期間・業務量や労働条件の見直し)と、それに対して会社がどう検討・配慮したかを1枚のシートに残す運用が扱いやすい形です。顧問先から個別事案の相談を受けた際の回答づくりを効率化する手順は、労務相談の回答をAIで下書きする社労士の実務でも整理しています。
就業規則と労使協定を分けて点検する
2025年改正では、労使協定で除外できる労働者の範囲が制度ごとに異なる点が混乱のもとになっています。規程本体だけを直して労使協定を放置している顧問先が実際に見受けられるため、次の表で突き合わせておくと確実です。
制度 | 労使協定で除外できる労働者 |
|---|---|
子の看護等休暇 | 週の所定労働日数が2日以下の労働者のみ(継続雇用6か月未満の除外規定は廃止) |
介護休暇 | 週の所定労働日数が2日以下の労働者のみ(継続雇用6か月未満の除外規定は廃止) |
柔軟な働き方を実現するための措置 | 継続雇用期間1年未満の労働者/週の所定労働日数が2日以下の労働者 |
あわせて、柔軟な働き方の措置を選ぶ際には過半数組合等からの意見聴取が必要である点、常時10人以上を使用する事業場では規程改定にあたって就業規則変更届と労働者代表の意見書が必要である点も、改定作業のチェックリストに入れておきます。
次世代法(101人以上)の行動計画・数値目標も同じ時期に点検する
育児・介護休業法と同じ2024年5月の改正で、次世代育成支援対策推進法(次世代法)も見直されました。2025年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、行動計画の策定・変更にあたって育児休業等の取得状況・労働時間の状況を把握・分析し、これらに係る数値目標を設定することが義務となっています。次世代法の有効期限も2035年3月31日まで延長され、くるみん等の認定基準も2025年4月1日から変更されています。
行動計画は計画期間が数年単位のため、2026年は前の計画が満了して新しい計画を策定・変更する顧問先が出てくるタイミングです。改正後の要件を満たさない行動計画をそのまま届け出てしまわないよう、育児・介護休業法の規程点検とセットで確認するのが実務的です。
顧問先に改正をどう案内するか(社労士の実務フロー)
改正内容そのものより、顧問先が「うちは何をすればいいのか」に落とし込めるかが社労士の腕の見せどころです。実務では、次の順で進めると抜け漏れが減ります。
- 対象顧問先の切り分け: 従業員300人超(公表義務の新規対象)かどうか、育児・介護対象の従業員がいるかを整理する。
- 規程改定の要否判定: 子の看護等休暇・残業免除の対象拡大・柔軟な働き方の措置など、就業規則や育児介護休業規程の改定が必要な項目を洗い出す。
- 案内文の作成: 顧問先の担当者が社内展開しやすいよう、施行日・対応事項・期限をまとめた案内文を用意する。
- 運用設計の助言: 柔軟な働き方の5つの選択肢のうちどれを選ぶか、意向聴取の様式をどう整えるかを、顧問先の実情に合わせて提案する。
この一連の作業は、顧問先の数が多いほど「同じ説明を少しずつ書き換えて何十通も作る」負担が重くのしかかります。ここがまさにAIの出番です。
育児・介護休業法の改正対応をAIで効率化する3つの場面
生成AIは、制度の最終判断を代わりに下す道具ではありませんが、「案内文の下書き」「対象者の洗い出しの整理」「規程改定のたたき台」といった下ごしらえを一気に速くしてくれます。実務では、AIに8割の形を作らせて、社労士が要件適合と表現を仕上げる分担が現実的です。
私たちが提供する士業AIは、法務・労務の実務文書に強い日本語特化のAIチャットサービスで、こうした案内文・規程ドラフト・対象者整理の下書きに活用できます。まずは汎用AIでどこまでできるかをイメージすると、導入判断がしやすくなります。
場面1: 顧問先向けの改正案内文をドラフトする
施行日・対応事項・期限を渡し、顧問先の担当者が社内に展開しやすいトーンで案内文を書かせます。労務・社会保険の他の場面で使えるプロンプトは、社労士のChatGPTプロンプト集(労務・社会保険の実例10選)にまとめています。
あなたは社労士事務所の担当者です。以下の条件で、顧問先の人事担当者向けの
「育児・介護休業法 改正対応のお願い」案内文を作成してください。
# 顧問先の状況
- 会社名:【顧問先名】
- 従業員数:【人数】
- 育児対象の従業員:【有無・人数】
# 盛り込む内容
- 2025年4月/10月施行の主な改正点(義務・努力義務を区別)
- 就業規則・育児介護休業規程の改定が必要な項目
- 貴所(当事務所)に依頼できること/回答期限【日付】
# 条件
- A4一枚に収まる分量、丁寧だが平易な表現
- 制度の断定は避け、詳細は当事務所で確認する旨を添えるうまくいかない例と直し方: 施行日や対象年齢を指定せずに投げると、AIが古い制度や一般論で埋めてしまいます。改正内容は本記事の一次資料に基づいて数字と施行日を明記して渡し、出てきた案内文の制度部分は必ず社労士が突き合わせて確認してください。
場面2: 対象者・要対応事項をシミュレーションする
顧問先の従業員構成を入力し、誰にどの制度が関係するか、どの規程改定が必要かを整理させます。
次の従業員リストについて、2025年改正の育児・介護休業法で
「対応が必要になり得る項目」を従業員ごとに整理してください。
# 前提(改正後の要件)
- 子の看護等休暇:小学校3年生修了までの子を養育
- 残業免除の請求:小学校就学前の子を養育
- 柔軟な働き方の措置:3歳〜小学校就学前の子を養育
# 従業員リスト(氏名は伏せ、子の年齢と勤務形態のみ)
- A:子5歳・フルタイム
- B:子1歳・時短勤務
- C:要介護の親あり・フルタイム
# 出力
- 従業員 / 関係し得る制度 / 事業主側で確認・整備すべき事項 の表うまくいかない例と直し方: 個人が特定できる情報をそのまま貼るのは守秘義務の観点で避けます。氏名や生年月日は伏せ、判断に必要な属性(子の年齢・勤務形態)だけを渡すのが原則です。AIの出力はあくまで「確認すべき候補リスト」であり、最終的な対象判定は要件と実態を照合して社労士が行います。
場面3: 育児介護休業規程の見直しドラフトを作る
現行規程の該当条文を渡し、改正に合わせた改定案と変更点の一覧を出させます。就業規則の作成・チェックにAIをどう組み込むかは、就業規則・社内規程のドラフトとチェックをAIで行う実務手順でも詳しく解説しています。
以下は現行の育児介護休業規程の一部です。2025年改正に対応するための
改定案(新旧対照)と、変更理由を作成してください。
# 現行条文(抜粋)
【該当条文を貼り付け】
# 反映する改正点
- 子の看護休暇→子の看護等休暇(小学校3年生修了まで/事由追加)
- 残業免除の対象を小学校就学前まで拡大
- 柔軟な働き方の措置(5つから2つ以上を選択)
# 出力
- 新旧対照表(現行 / 改定案 / 変更理由)
- 過半数組合等への意見聴取が必要な箇所の注記うまくいかない例と直し方: AIは条番号や様式番号を実在しない形で作文することがあります。生成された条文はテンプレートとして扱い、条番号・引用・要件は必ず一次資料と現行規程に照らして社労士が確定させてください。汎用AIでここまで下書きが作れますが、法令引用の正確性や事務所独自のフォーマットまで詰めるなら、労務文書に特化したAIのほうが手戻りが減ります。
社労士が特に注意すべき落とし穴
改正対応でつまずきやすいポイントを、実務でよくある順にまとめます。
- 義務と努力義務の混同: 育児・介護のテレワークは「努力義務」です。義務と誤って案内すると顧問先に過剰な負担を求めることになります。
- 就業規則の届出・意見聴取の失念: 規程を改定したら、常時10人以上を使用する事業場では就業規則の変更届と労働者代表の意見書が必要です。柔軟な働き方の措置を選ぶ際は過半数組合等からの意見聴取も求められます。
- 公表義務の対象確認漏れ: 従業員300人超の顧問先は男性育休取得率等の公表が必要です。規模がボーダーラインの先は年度ごとに確認しましょう。
- 助成金との連動: 両立支援に取り組む事業主向けに両立支援等助成金があります(年度ごとに要件・内容が見直される点に注意)。要件確認や申請書ドラフトの効率化は助成金申請をAIで効率化する社労士の実務も参考になります。
- AI出力の鵜呑み: AIは便利ですが、制度の最終判断は人が行うのが大前提です。守秘義務にも配慮し、個人が特定される情報は入力しない運用を徹底してください。届出事務そのものの効率化は社会保険の手続きをAIで効率化する実務で扱っています。
よくある質問
2026年に育児・介護休業法の新たな改正はありますか?
2026年8月6日時点では、育児・介護休業法そのものに2026年施行の新たな改正項目はありません。改正は2025年4月1日と2025年10月1日の2段階ですべて施行済みです。ただし2026年は、女性活躍推進法(4月1日・10月1日)、子ども・子育て支援金の拠出開始(4月分保険料〜)、育児休業等給付の申請手続きの見直し(8月1日)など隣接する制度が動くため、顧問先への案内では区別して伝えてください。
2026年に労働基準法の改正はありますか?
労働時間規制などの見直しは労働政策審議会で議論が続いていますが、2026年8月6日時点で改正法案は国会に提出されておらず、内容も施行時期も未確定です。確定した制度と検討中の制度を混ぜて案内すると顧問先が過剰に身構えるため、案内文では明確に分けて記載してください。
2025年改正はすべての会社が対象ですか?
子の看護等休暇や残業免除の対象拡大、柔軟な働き方の措置、介護離職防止の各措置などは、原則として全企業が対象です。一方、男性育休取得状況の公表義務は従業員300人超の企業のみが対象です。
育児と介護のテレワーク導入は義務ですか?
いいえ、育児のためのテレワーク(3歳未満の子)と介護のためのテレワークは、いずれも「努力義務」です。就業規則の見直しが望ましい項目ですが、法的な措置義務ではありません。
柔軟な働き方の措置は何をいくつ選べばよいですか?
始業時刻等の変更、テレワーク等(月10日以上)、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇(年10日以上)、短時間勤務制度の5つから2つ以上を事業主が選んで制度化し、労働者はそのうち1つを選んで利用します。選ぶ際は過半数組合等からの意見聴取が必要です。
顧問先への案内文や規程改定はどこまでAIに任せられますか?
案内文の下書き、対象者の洗い出しの整理、規程改定のたたき台づくりまでは大幅に効率化できます。ただし、要件適合の判断・条番号や引用の正確性・最終的な文言確定は社労士が担うのが前提です。個人が特定される情報は入力しない運用を徹底してください。
まとめ・改正対応の下ごしらえをAIで速くする
2025年の育児・介護休業法改正は、4月・10月の2段階ですでに施行済みで、2026年8月6日時点で法本体に新たな施行予定はありません。2026年に問われるのは、施行済みの制度が顧問先で運用に乗っているかの点検と、女性活躍推進法・子ども・子育て支援金などの隣接改正への対応です。社労士に求められるのは、顧問先ごとに「義務・努力義務の切り分け」「規程改定の要否」「対象者の把握」を整理し、案内文と規程改定案まで手を動かすことです。この下ごしらえをAIに任せれば、同じ説明を何十通も書き換える負担が大きく減り、社労士は要件適合と提案の質に時間を使えます。
士業AIは、法務・労務の実務文書に強い日本語特化のAIチャットで、クレジットカード不要・メール登録だけで数分で使い始められます。改正対応の案内文や規程ドラフトの下書きから、まず試してみてください。
参考文献
- 厚生労働省「育児・介護休業法 法改正のポイント」(施行日一覧)
- 厚生労働省「柔軟な働き方を実現するための措置」
- 厚生労働省「一般事業主行動計画の策定・届出等について」(次世代育成支援対策推進法)
- 厚生労働省「次世代育成支援対策推進法」
- 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- 厚生労働省「育児休業等給付について」
- 東京労働局「令和8年8月1日から育児休業給付の申請手続きを見直します」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
- 厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(リーフレット)
- 厚生労働省「育児・介護休業法について」
- 厚生労働省「育児休業の取得の状況の公表について」

