法人税の中間申告|対象法人の判定・期限早見表と2つの計算方法【2026年】
3月決算の顧問先を抱える事務所にとって、9月は中間申告の準備が動き出す月です。3月決算法人は事業年度開始の日以後6月を経過する日が9月30日、中間申告書の提出期限は11月30日。前期の申告書から予定申告額を拾い、対象・対象外を仕分け、納付書を用意する——この段取りを9月のうちに一覧化できるかどうかで、11月の負荷はまったく変わります。
この記事では「誰が対象か」「いつまでか」「予定申告と仮決算のどちらを選ぶか」を条文ベースで整理し、実務で誤りやすい判定の落とし穴と、AIに任せてよい作業・任せてはいけない作業の線引きまで踏み込みます。
法人税の中間申告とは|まず押さえる3つの結論
法人税の中間申告とは、内国法人である普通法人が、事業年度が6月を超える場合に、事業年度開始の日以後6月を経過した日(六月経過日)から2月以内に、事業年度の中途で行う申告のことです(法人税法71条1項)。前期実績から機械的に計算する「予定申告」と、6ヶ月間を一事業年度とみなして決算を組む「仮決算による中間申告」の2方式があります。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 中間申告が必要な法人・不要な法人を条文どおりに判定する手順
- 決算期別の「六月経過日」と提出期限の早見表
- 予定申告と仮決算の計算方法・添付書類・選択可否の比較
- 仮決算を選べない3つのケースと、選べても選ぶべきでないケース
- 中間申告書を出さなかった場合の扱い(みなし申告・延滞税)
- 地方税・消費税・防衛特別法人税との関係と2026年時点の注意点
- AIに判定表・スケジュール表を作らせるプロンプト例と、その限界
結論1|対象は「事業年度が6月を超える普通法人」だけ
対象は内国法人である普通法人で、事業年度が6月を超えるものに限られます。新たに設立された普通法人(適格合併により設立されたものを除く)の設立後最初の事業年度は、条文上そもそも対象になりません。
結論2|期限は「六月経過日から2月以内」、納付も同じ日
期限は決算日ではなく事業年度開始の日を起点に数えます。3月決算なら六月経過日は10月1日、そこから2月以内なので11月30日。中間申告に係る法人税は、この申告期限までに納付します。
結論3|仮決算は任意選択、ただし「税額が下がる時だけ」
仮決算による中間申告は「提出することができる」と定められた任意選択です(法人税法72条1項)。ただし仮決算による税額が予定申告額を超える場合は選択できません。上期に業績が回復した会社が「実態に合わせたい」と言っても、税額が増える方向では使えません。
中間申告が必要な法人・不要な法人の判定
判定基準は「20万円」ではなく「計算後の金額が10万円以下か」
法人税法71条1項ただし書は、同項1号に掲げる金額が10万円以下である場合または当該金額がない場合には中間申告書の提出を要しない、と定めています。1号の金額とは、前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、中間期間の月数(通常6ヶ月)を乗じた金額です。
通常の12ヶ月決算なら「前期の確定法人税額 × 6 ÷ 12」=前期法人税額の2分の1になるため、実務では「前期の確定法人税額が20万円超なら必要」と説明されます。この言い換えはおおむね正しいのですが、国税庁の質疑応答事例によれば、実際の計算は前期の確定法人税額を前期の月数で除した段階で1円未満の端数を切り捨て、その金額に中間期間の月数を乗じる方法によります。前期税額が20万円をわずかに超える水準では判定額が10万円以下にとどまることもあるため、条文上の基準はあくまで「按分計算した後の金額が10万円以下かどうか」だと押さえてください。判定の起点を取り違えると、次のケースで必ず事故ります。なお、通算親法人である協同組合等との間に通算完全支配関係がある普通法人も提出を要しません。
前事業年度が12ヶ月でない法人は「20万円」で判定してはいけない
現場で多いのが、設立2期目の法人と決算期変更をした法人の判定ミスです。前事業年度が8ヶ月で確定法人税額が18万円だった法人を「20万円以下だから不要」と即断すると誤りになります。条文どおり計算すると18万円 ÷ 8 × 6 = 13.5万円で、10万円を超えるため中間申告が必要です。前期が12ヶ月でない顧問先は、必ず月数按分に戻して判定してください。月数は暦に従って計算し、1月に満たない端数は1月として数えます(法人税法71条4項)。
そもそも中間申告の対象にならない事業年度
次の事業年度は、金額にかかわらず対象外です。
- 新たに設立された内国法人である普通法人(適格合併により設立されたものを除く)の設立後最初の事業年度
- 公共法人・収益事業を行っていない公益法人等が、普通法人に該当することとなった日の属する事業年度
- 事業年度が6月以下の法人(決算期変更の年度などで生じます)
適格合併があった場合は被合併法人の確定法人税額を加算する調整が入ります(法人税法71条2項・3項)。合併があった年度は前期実績だけで判定しないでください。
提出期限の数え方と決算期別の早見表
「六月経過日」は事業年度開始の日から数える
4月1日開始なら6月を経過する日が9月30日、その翌日の10月1日が「六月経過日」。ここから2月以内なので11月30日が提出期限です。期限日が日曜日・祝日その他一般の休日または土曜日にあたる場合は、その翌日が期限とみなされます(国税通則法10条2項)。
決算期別・中間申告期限の早見表(12ヶ月決算の場合)
決算期 | 事業年度開始日 | 六月経過日 | 提出・納付期限 |
|---|---|---|---|
3月決算 | 4月1日 | 10月1日 | 11月30日 |
4月決算 | 5月1日 | 11月1日 | 12月31日 |
5月決算 | 6月1日 | 12月1日 | 1月31日 |
6月決算 | 7月1日 | 1月1日 | 2月28日(閏年は29日) |
7月決算 | 8月1日 | 2月1日 | 3月31日 |
8月決算 | 9月1日 | 3月1日 | 4月30日 |
9月決算 | 10月1日 | 4月1日 | 5月31日 |
10月決算 | 11月1日 | 5月1日 | 6月30日 |
11月決算 | 12月1日 | 6月1日 | 7月31日 |
12月決算 | 1月1日 | 7月1日 | 8月31日 |
1月決算 | 2月1日 | 8月1日 | 9月30日 |
2月決算 | 3月1日 | 9月1日 | 10月31日 |
期限日が土日祝にあたる年は翌開庁日にずれるため、上表は暦上の基準日として使い、年度ごとにカレンダーで検算してください。
納付期限は申告期限と同じ日
中間申告書を提出した法人は、申告書に記載した金額をその申告書の提出期限までに納付しなければなりません(法人税法76条)。地方法人税も中間申告書の提出期限までの納付です(地方法人税法20条)。申告だけ済ませて納付が翌月にずれる事故は、期限一覧に納付書作成日を併記すれば防げます(納付書まわりは源泉所得税の納付書の書き方と納期の特例も参考になります)。
予定申告(前年実績基準)と仮決算による中間申告 ─ 2方式の違いと計算方法
予定申告の計算方法
予定申告額は、前事業年度の確定申告書に記載すべき法人税額(法人税法74条1項2号の金額)で六月経過日の前日までに確定したものを、前事業年度の月数で除し中間期間の月数を乗じて計算します。
予定申告額 = 前事業年度の確定法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6注意点は「六月経過日の前日までに確定したもの」という限定で、前期の申告が遅れている場合は拾う金額が変わります。算出方法の詳細は国税庁の法人税の中間(予定)税額の算出方法について(質疑応答事例)で確認できます。
仮決算による中間申告の計算方法と添付書類
仮決算では、事業年度開始の日以後6月の期間を一事業年度とみなして所得金額または欠損金額を計算し、その期間の税額を算出します。特定同族会社の特別税率(法人税法67条)、68条3項、70条の規定を除いて計算する点が確定申告と異なります。
負担が重いのは添付書類です。法人税法72条2項によりその期間の末日の貸借対照表・損益計算書その他財務省令で定める書類の添付が義務づけられており、6ヶ月分の決算と別表の作成が必要になります。別表四と別表五(一)の整合確認は法人税申告書 別表四と別表五(一)の整合をAIで検証する手順にまとめています。
2方式の比較表
比較項目 | 予定申告(前年実績基準) | 仮決算による中間申告 |
|---|---|---|
根拠条文 | 法人税法71条 | 法人税法72条 |
税額の計算 | 前期確定法人税額 ÷ 前期月数 × 6 | 開始日以後6月を一事業年度とみなして計算 |
添付書類 | 不要 | 期末の貸借対照表・損益計算書等(72条2項) |
事務負担 | 小(前期数値の転記が中心) | 大(6ヶ月分の決算・別表作成) |
選択の自由度 | 原則こちら | 任意選択だが選べない場合あり |
向くケース | 業績が前期並み以上 | 上期に大幅な業績悪化・欠損がある |
提出しなかった場合 | 予定申告があったものとみなされる | みなし申告は予定申告ベースになる |
仮決算を選べないケース・選ぶべきでないケース
条文上そもそも選べない3つのケース
法人税法72条1項ただし書は、次の場合に仮決算による中間申告書を提出できないと定めています。
- 法人税法71条1項ただし書(10万円以下等)や71条の2により、そもそも中間申告書の提出を要しない場合(災害損失金額がある場合を除く)
- 仮決算による税額が、71条により計算した予定申告額を超える場合
- その普通法人が法人税法4条の3に規定する受託法人である場合
誤解が多いのは2番目です。仮決算のほうが税額が大きくなるなら選べません。仮決算は税額を下げる方向にしか使えない制度です。
選べても選ぶべきでないケース
判断は「減る納税額」と「6ヶ月決算のコスト」の比較になります。
- 減額幅が小さい:6ヶ月分の決算・別表・添付書類の工数に見合いません
- 上期の月次が固まっていない:棚卸・仕掛・引当の精度が低いまま組むと確定申告時に数値が動きます
- 下期に大きな利益計上が見込まれる:確定申告で一括負担になり、資金繰りのピークをずらしただけになります
逆に上期に大口の貸倒れや固定資産の除却があり通期でも欠損が濃厚な会社では、メリットは明確です。この判断は期末の打ち手とセットなので、決算対策チェックリスト(期末3ヶ月前から打てる手)と併せて上期時点で通期見通しを立てておくと提案に厚みが出ます。
中間申告をしなかったらどうなる(みなし申告・納付・延滞税)
出さなくても「出したもの」とみなされる
法人税法73条は、中間申告書を提出すべき法人が提出期限までに提出しなかった場合、その提出期限において71条1項各号に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があったものとみなすと定めています。いわゆるみなし申告で、納税義務そのものは消えません。
納付を忘れると延滞税がつく
みなし申告でも納付期限は変わらないため、未納なら法定納期限の翌日から延滞税が発生します。税率と計算方法は延滞税の計算方法とタックスアンサー No.9205 延滞税についてで確認してください。中間申告は「申告忘れ」より「納付忘れ」の事故が多い領域です。
いちばん痛いのは「仮決算を選ぶ機会を失う」こと
みなし申告になると記載事項は予定申告ベースで固定されます。上期に業績が悪化していて仮決算なら税額を圧縮できたはずの会社が、期限を落としたせいで前年実績どおりの納税を強いられるということです。期限管理が資金繰りに直結するのは、この一点があるからです。
地方税・消費税・防衛特別法人税の中間申告との関係
地方法人税・道府県民税・事業税は法人税と同じ期限で動く
地方法人税法16条は、法人税法71条の規定による申告書を提出すべき法人は六月経過日から2月以内に地方法人税の中間申告書を提出しなければならないと定めます。さらに同法17条により、法人税で仮決算による中間申告をする法人は地方法人税も仮決算ベースで提出しなければなりません。法人税と地方法人税で方式を揃える必要があるということです。
道府県民税は地方税法53条1項により、法人税法71条1項で申告書を提出する義務がある法人がその提出期限までに申告納付し、提出しなかったときは提出期限に提出があったものとみなされます。事業税は同法72条の26第1項で六月経過日から2月以内の予定申告が定められ、仮決算による税額が予定申告に係る事業税額を超えないときに限りその額で申告納付できます。事業税も「仮決算のほうが多いなら選べない」構造です。市町村民税も道府県民税と同じ構造で動きます(地方税法321条の8第1項)。
ただし事業税には注意点があります。地方税法72条の26第8項は、法人税法71条1項1号の金額が10万円以下またはその金額がない法人は事業税の予定申告を要しないとしつつ、外形標準課税の対象法人(地方税法72条の2第1項1号イに掲げる法人)や収入金額課税の対象法人は、この限りでないと定めています。つまり法人税の中間申告が不要でも、資本金1億円超の法人をはじめとする外形標準課税の対象法人は事業税の予定申告が必要になります。期限管理は法人税を基準に一本化してよいものの、この区分の顧問先だけは事業税単独の申告が漏れないよう別枠で管理してください。
防衛特別法人税:2026年秋の中間申告では「不要」
2026年の実務で最も混乱しやすいのがここです。令和7年3月31日公布の所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)により防衛特別法人税が創設され、令和8年(2026年)4月1日以後に開始する事業年度から、所得に対する法人税を課される法人が納税義務者となり、税額が0でも確定申告書の提出が必要になりました。
一方で中間申告書は令和9年(2027年)4月1日以後に開始する事業年度から提出する必要があるとされています。つまり2026年秋に行う中間申告では、防衛特別法人税の中間申告は不要です。ただし2027年4月開始事業年度からは中間申告も加わるため、申告一覧と納付スケジュールの様式は今のうちに整えておくのが現実的です。詳細はe-Tax 防衛特別法人税の創設に関するご案内、国税庁 防衛特別法人税に関する納付手続等について、国税庁 C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告を参照してください。
消費税の中間申告は「まったく別の制度」
同じ「中間申告」でも、消費税は判定基準も回数も期限も別です。消費税は前課税期間の確定消費税額(国税分)の金額に応じて年1回・3回・11回と回数が変わる制度で、法人税のように「6ヶ月経過後に1回」ではありません(タックスアンサー No.6609 中間申告の方法)。回数の判定と納付期限は消費税の中間申告の回数と判定表にまとめています。法人税の期限一覧に消費税を混ぜると必ず崩れるので、シートは分けてください。
AIに判定とスケジュール表を作らせるプロンプト例
AIに答えさせてはいけないのは、期限そのもの・金額基準そのもの・要件の当てはめです。法令は毎年動きますし、防衛特別法人税のように段階施行される制度もあります。AIが学習した時点の情報が最新である保証はありません。
逆にAIに向いているのは、判定条件を人が与えたうえでの一覧表・スケジュール表の整形と抜け漏れチェックです。「10万円以下なら不要」「前期が12ヶ月でなければ月数按分」といったルールを人が条文から確定させ、それを適用した表をAIに作らせる。この分担なら法令の正確性は人が担保しつつ、手作業の時間だけを削れます。
プロンプト例1:中間申告の要否判定表を作らせる
あなたは税理士事務所のアシスタントです。以下の「判定ルール」を厳密に適用し、
顧問先リストについて法人税の中間申告の要否を判定した表をMarkdownで作成してください。
【判定ルール】(このルール以外の知識で判定しないこと)
1. 内国法人である普通法人で、事業年度が6月を超える場合のみ対象
2. 設立後最初の事業年度は対象外
3. 判定額 = 前事業年度の確定法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6
4. 判定額が10万円以下、または金額がない場合は提出不要
5. 月数は暦に従い、1月未満の端数は1月とする
【出力する列】
法人名 / 前期確定法人税額 / 前期月数 / 判定額(計算式も表示)/ 要否 / 判定根拠
【顧問先リスト】
【法人名】【前期の法人税額】【前期の事業年度の月数】【設立初年度か否か】
(1行1社で貼り付け)
判定に迷う行は「要確認」とし、理由を書いてください。推測で埋めないこと。うまくいかない例→直し方:ルールを書かずに「中間申告が必要か判定して」とだけ頼むと、AIは「前期法人税額20万円超」という通説だけで判定し、前期が8ヶ月の法人を取りこぼします。按分の式を明示的にルールとして与えると、この誤りは消えます。
プロンプト例2:決算期別のスケジュール表を作らせる
以下の前提だけを使って、顧問先の中間申告スケジュール表をMarkdownで作成してください。
前提に書かれていない期限を、あなたの知識で補わないでください。
【前提】
・六月経過日 = 事業年度開始の日から6月を経過した日の翌日
・提出期限・納付期限 = 六月経過日から2月以内(同一日)
・期限日が土日祝の場合は翌開庁日
【出力する列】
法人名 / 決算期 / 事業年度開始日 / 六月経過日 / 提出納付期限 /
社内締切(期限の10営業日前)/ 納付書作成担当 / 状況
【顧問先リスト】
【法人名】【事業年度開始日】【担当者名】
期限が近い順に並べ、翌30日以内に期限が来る行の状況欄に「至急」と入れてください。うまくいかない例→直し方:「祝日も考慮して」と曖昧に頼むと、AIが祝日を誤って翌開庁日を外すことがあります。暦上の期限日だけを出させ、土日祝の振替は事務所のカレンダーで人が確認する運用にしてください。
プロンプト例3:仮決算を検討すべき先を抽出させる
次の判断基準に従って、仮決算による中間申告を検討すべき顧問先を抽出し、
1社1行の検討メモをMarkdownの表で作成してください。
【判断基準】
・仮決算による税額が予定申告額を超える場合は選択できない(「選択不可」とする)
・上期の税引前利益が前年同期比で大幅に悪化している先を候補にする
・仮決算には6ヶ月分の貸借対照表・損益計算書の作成が必要(工数がかかる)
・減額見込み額が工数に見合わない先は「見送り」とする
【出力する列】
法人名 / 予定申告額 / 上期実績からの税額試算 / 差額 / 判定 / 理由(計算の前提を明記)
【入力データ】
【法人名】【予定申告額】【上期の税引前利益】【前年同期の税引前利益】
税額試算はあくまで概算である旨を、表の下に注記してください。うまくいかない例→直し方:根拠を書かせないとAIは「差額◯万円」だけを出し、検算できないメモになります。計算式または前提を必ず列として出力させると、担当者がその場で検算できます。
この前段の整理を日常業務に組み込むなら、税理士向けの税務AIという選択肢もあります。士業AIは申告書のチェックや税法調査の補助を想定した税務特化のAIで、無料で開始でき、クレジットカード登録も不要です。ただし業務適合の観点では、最終的な要否判定と期限の確定を条文と国税庁の資料で人が確認する——この線引きはどのツールでも変わりません。
よくある質問
前期が赤字で法人税額が0円なら中間申告は不要ですか
不要です。法人税法71条1項ただし書は「10万円以下である場合若しくは当該金額がない場合」を提出不要としており、前期の確定法人税額がなければ按分後の金額も生じません。ただし道府県民税の均等割など他の税目の申告義務は別途判断してください。
中間申告で納めた税額はどうなりますか
確定申告で計算した年間の法人税額から控除され、上回った分は還付されます。仮決算で税額を圧縮しても通期の税負担は確定申告で調整されるため、仮決算の実質的な効果は資金繰りの平準化です。
予定申告と仮決算は、いつまでに決めればよいですか
提出期限までです。ただし仮決算には6ヶ月分の決算と貸借対照表・損益計算書の作成が必要なため、3月決算法人なら9月末の月次を締めた10月上旬には方針を固めないと間に合いません。
中間申告書を出し忘れました。今から出せますか
期限を過ぎるとみなし申告が成立しているため、改めて予定申告書を提出する必要はありません。ただし未納なら延滞税がかかるので速やかに納付してください。みなし申告後に仮決算へ切り替えることはできません。
まとめ
- 対象は事業年度が6月を超える内国法人である普通法人。設立後最初の事業年度は対象外
- 判定基準は「20万円」ではなく前期確定法人税額を前期月数で按分した後の金額が10万円以下かどうか
- 期限は六月経過日から2月以内、納付も同日。3月決算なら11月30日
- 仮決算は任意選択だが、予定申告額を超える場合は選べない。地方法人税・事業税も同じ構造
- 出さなくてもみなし申告が成立するが、未納なら延滞税がかかり、仮決算の機会も失う
- 2026年秋の中間申告では防衛特別法人税の中間申告は不要。2027年4月開始事業年度から必要
- AIには基準そのものを答えさせず、人が確定させたルールに基づく表の整形と抜け漏れチェックを任せる
9月のうちに判定表とスケジュール表を作り切ってしまえば、11月は納付書の確認だけで済みます。まずは前期が12ヶ月でない顧問先の洗い出しから始めてください。

