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法定相続情報一覧図の作り方|記載例・法務局への申出とAIで下書き【2026年】

法定相続情報一覧図とは、被相続人と戸籍から判明する相続人の関係を1枚にまとめた図で、法務局(登記所)に申出て登記官の認証を受けた「写し」は、相続登記・預金の払戻し・相続税の申告など各種の相続手続で戸籍一式の代わりに使えます。この仕組みが法定相続情報証明制度です。本記事では、司法書士・相続実務者に向けて、法定相続情報一覧図の作り方を記載例・必要書類・法務局への申出手順まで実務目線で整理し、AIで下書きを時短する手順と検証のコツもあわせて解説します。

混同されがちな「相続関係説明図」との違いも冒頭で押さえておきます。両者は名前が似ていますが、様式・作成先・用途がまったく異なります。まずは全体像から確認しましょう。

この記事で分かること

  • 法定相続情報一覧図と法定相続情報証明制度の基本(手数料・保管期間・使える手続)
  • 相続関係説明図との違い(別の書類なので混同しないための整理)
  • 一覧図の記載例(続柄・氏名・生年月日など項目ごとの書き方)
  • 法務局への申出書の書き方と、申出できる法務局(管轄)の選び方
  • 申出に必要な書類(戸籍・除籍・住民票の除票など)のチェックリスト
  • AIで一覧図・申出書の下書きを時短するプロンプトと、鵜呑みにしないための検証手順

法定相続情報一覧図とは?法定相続情報証明制度の基本

法定相続情報証明制度は、相続手続をより簡単にするために平成29年5月に創設された制度です。相続人が法務局に必要書類と法定相続情報一覧図を提出して申出をすると、登記官が内容を確認し、認証文を付した「法定相続情報一覧図の写し」を交付します。この写し1枚が、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式が示す相続関係を公的に証明してくれます。

従来は、相続登記・預金の払戻し・相続税の申告といった手続のたびに、分厚い戸籍一式を各窓口へ出し直す必要がありました。制度を使えば、戸籍の束の代わりに一覧図の写しを提出できるため、複数の手続を並行して進めやすくなります。

一覧図の写しでできること

法務局は、一覧図の写しを利用できる手続として「相続登記の申請手続のほか、被相続人名義の預金の払戻し手続、相続税の申告、被相続人の死亡に起因する年金等手続など、様々なもの」を挙げています。実務では、相続登記と金融機関の手続を同時並行で進める場面で特に効果を発揮します。ただし提出先ごとに取扱いが異なる場合があるため、利用可否は提出先の機関に確認するのが安全です。

相続登記そのものの進め方は、別記事「相続登記の申請書をAIで作成する実務」で申請書の書き方まで解説しています。相続税の申告で必要になる書類の全体像は「相続税申告の添付書類チェックリスト」もあわせて確認してください。

手数料は無料。5年間保管され再交付も受けられる

一覧図の写しの交付は無料で、必要な通数を受け取れます。作成した一覧図は法務局に5年間(申出日の翌年から起算)保管され、その間であれば再交付を受けられます。手続の途中で写しが足りなくなっても、当初の申出書に「申出人」として記載した人が再交付を申し出られる点は実務上のメリットです(申出人にならなかった他の相続人は再交付を受けられません)。

相続関係説明図との違い(別の書類なので混同しない)

相談現場で最も多い混同が、「法定相続情報一覧図」と「相続関係説明図」を同じものだと思ってしまうケースです。結論から言うと、両者は別の書類です。相続関係説明図は相続人が自分で作成する私的な図で、主に相続登記の際に戸籍原本の還付を受ける目的や、遺産分割協議での関係整理に使います。公的な認証はありません。一方、法定相続情報一覧図は法務局の登記官が認証した公的な証明書で、戸籍一式の代わりに各種手続で使える点が決定的に違います。

比較項目

法定相続情報一覧図

相続関係説明図

作成・交付

相続人(または資格者代理人)が作成し、法務局に申出て登記官が認証した写しの交付を受ける

相続人が自分で作成する(第三者の認証はない)

公的な証明力

あり(登記官の認証)

なし(私的な図)

主な用途

相続登記・預金払戻し・相続税申告・年金など各種手続で戸籍一式の代わりに使える

相続登記での戸籍原本の還付、遺産分割協議のための関係整理

費用

無料・必要な通数を交付・5年間保管され再交付可

費用は不要だが、都度作成する必要がある

使い分けの目安はシンプルです。複数の窓口で戸籍一式の提出を繰り返す見込みがあるなら、法定相続情報一覧図の写しを取得しておくと効率的です。相続関係説明図の作り方や、戸籍の読解をAIで補助する手順は「相続関係説明図をAIで作成する司法書士向けの手順」で詳しく解説しています。両方を状況に応じて使い分けるのが実務です。

法定相続情報一覧図の記載例(続柄・氏名・生年月日の書き方)

一覧図は、被相続人を中心に相続人をつないだ家系図のような形で作成します。記載する項目と書き方を、記載例とあわせて確認しましょう。

一覧図に記載する項目

対象

記載項目

記載例

被相続人

氏名

法務 太郎

被相続人

最後の住所

○○県○○市○○町○丁目○番○号

被相続人

出生年月日

昭和○年○月○日

被相続人

死亡年月日

令和○年○月○日

相続人

氏名

法務 花子

相続人

出生年月日

昭和○年○月○日

相続人

続柄

妻/長男/長女 など

相続人

住所(記載は任意)

○○県○○市○○町○丁目○番○号

被相続人と相続人を線でつなぎ、続柄を添えた一覧図のイメージは次のとおりです。

          (被相続人)
        法務 太郎
    最後の住所 ○○県○○市…
    出生 昭和○年○月○日
    死亡 令和○年○月○日
             │
   ┌─────────┼─────────┐
 (妻)      (長男)      (長女)
 法務 花子   法務 一郎    法務 桜
 出生 …      出生 …       出生 …
 (住所…)    (住所…)     (住所…)

相続人のパターン別の様式

法務局は、相続人の構成に応じた様式と記載例を公開しています。代表的なパターンは次のとおりです。自分のケースに近い記載例を選ぶと、迷わず作成できます。

  • 配偶者及び子が相続人の場合
  • 子のみが相続人の場合
  • 配偶者及び親(直系尊属)が相続人の場合
  • 配偶者及び兄弟姉妹が相続人の場合(半血の兄弟姉妹を含む)
  • 代襲相続(再代襲を含む)がある場合
  • 嫡出でない子・養子を含む場合
  • 旧民法下の相続(家督相続・遺産相続)の場合

続柄の書き方と住所記載の任意ルール

続柄は、原則として戸籍に記載される続柄(「長男」「長女」など)で記載します。ただし申出人の選択により「子」と記載することも可能です。実務上は、相続税申告での取扱いなど提出先の要件を踏まえてどちらにするか判断します。

相続人の住所の記載は任意です。住所を記載しておくと、以後の手続で相続人の住民票の写しの提供を省ける場面があります。ただし住所を記載する場合は、後述のとおり各相続人の住民票の写しが必要になります。

用紙・作成上の注意

一覧図は、法務局が公開する様式・記載例(EXCEL・WORD・PDF)に沿って作成します。用紙はA4サイズを用い、末尾に作成年月日と作成者(申出人など)の氏名を記載します。用紙の下部には登記官の認証文が付されるため、下部に余白を空けておくのがポイントです。パソコンでも手書きでも作成できますが、様式や記載上のルールは改定されることがあるため、着手前に最新の記載例を公式ページで確認してください。

相続財産の全体像を並行して整理したい場合は、「相続財産目録(遺産目録)の作り方」のひな形も役立ちます。一覧図が相続「人」の証明であるのに対し、目録は相続「財産」の一覧なので、両輪で準備すると手続がスムーズです。

法定相続情報一覧図の申出書の書き方

一覧図を作成したら、あわせて申出書を作成します。正式名称は「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」(別記第1号様式)で、法務局がWORD・PDF形式の様式と記入例を公開しています。

申出書に記載する主な事項

  • 申出年月日
  • 被相続人の氏名・最後の住所・生年月日・死亡年月日
  • 申出人の住所・氏名・連絡先、被相続人との続柄
  • 代理人によって申出をする場合は、代理人の住所・氏名と代理人の種別(法定代理人/委任による代理人)
  • 利用目的(相続登記・預貯金の払戻し・相続税申告 など)
  • 交付を求める通数、戸除籍謄抄本の返却方法(窓口・郵送の別)

申出をする法務局(管轄)の選び方

申出は、どこの法務局でもできるわけではなく、次のいずれかを管轄する法務局(登記所)に対して行います。都合のよい窓口を選べる点は実務上ありがたいポイントです。

  • 被相続人の本籍地(死亡時の本籍)
  • 被相続人の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 被相続人名義の不動産の所在地

申出や一覧図の写しの交付(戸除籍謄抄本の返却を含む)は、窓口へ出向くほか、郵送によることも可能です。郵送の場合は返信用封筒と切手を同封します。

申出に必要な書類(戸籍・除籍・住民票の除票など)

申出には、相続関係を裏づける書類一式が必要です。戸籍の収集がボトルネックになりやすいため、早めに着手しましょう。

必ず用意する書類

  • 被相続人の出生から死亡までの戸除籍謄本(相続関係を確定するための連続した戸籍)
  • 被相続人の住民票の除票(最後の住所を確認するため)
  • 相続人全員の現在の戸籍謄抄本(被相続人の死亡後も相続人が生存していることの確認)
  • 申出人の氏名・住所を確認できる公的書類(運転免許証のコピー、マイナンバーカードの表面のコピー、住民票の写しなど。コピーには原本と相違ない旨を記載し申出人が記名する)

必要となる場合がある書類

  • 一覧図に相続人の住所を記載する場合は、各相続人の住民票の写し
  • 委任による代理人が申出をする場合は、委任状
  • 委任による代理人が親族の場合は、申出人と代理人が親族関係にあることが分かる戸籍謄本
  • 委任による代理人が資格者代理人の場合は、資格者代理人であることが確認できる身分証明書の写しなど(各資格者の団体が定めるもの)

戸籍の束から連続性を追う作業は、相続実務のなかでも神経を使う工程です。取り寄せた戸籍・除籍の内容を素早く整理する下準備には、後述するAIの下書き支援が役立ちます。

資格者代理人が申出を代理できる

申出は相続人本人だけでなく、法定代理人のほか、委任による代理人(民法上の親族、または資格者代理人)が行えます。資格者代理人になれるのは、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士及び行政書士です。司法書士・行政書士が相続業務の一環として申出を代理するのは、この制度の典型的な活用場面です。

作成から交付までの手順

ここまでの内容を、実際の流れに沿ってまとめます。

  1. 戸籍・除籍の収集:被相続人の出生から死亡までの戸除籍謄本、住民票の除票、相続人全員の戸籍謄抄本を集める
  2. 相続人の確定:戸籍を読み込み、法定相続人を漏れなく特定する(ここは専門家の確認が重要)
  3. 一覧図の作成:様式・記載例に沿って、被相続人と相続人の関係・続柄・生年月日などを記載する
  4. 申出書の作成:「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」に必要事項を記入する
  5. 法務局へ申出:管轄の法務局へ、書類一式・一覧図・申出書を窓口または郵送で提出する
  6. 写しの交付:登記官が確認・認証し、一覧図の写しが無料で交付される。戸籍原本は返却される

AIで法定相続情報一覧図の下書きを時短する手順

一覧図や申出書の作成そのものは定型作業ですが、戸籍の読み込みと項目の書き起こしには時間がかかります。ここで生成AIを「下書き(ドラフト)作成の補助」として使うと、初期作業を大きく短縮できます。ポイントは、AIに最終判断をさせないことです。相続人の最終確認は、必ず戸籍原本に当たって専門家が行います。

士業AIは、司法書士・弁護士など法務の実務を想定した法務特化AIを提供しています。条文リサーチや書類ドラフトの前段作業を短縮する使い方のイメージは、次のデモで確認できます。

e-Gov法令データ等の公的情報を参照する法務特化AI のデモです。

そのまま使えるプロンプト例

以下は、続柄整理・一覧図ドラフト・申出書ドラフト・必要書類チェックの4場面で使えるプロンプトです。【 】は自分の案件に置き換えて使ってください。なお、実在する個人情報や戸籍の原本画像を安易に外部AIへ入力しないよう、守秘義務と情報管理のルールに従って運用してください(この点は後述します)。

1. 相続人・続柄の整理

あなたは相続実務に詳しいアシスタントです。以下の家族関係のメモから、
法定相続情報一覧図に載せる相続人と続柄の候補を一覧化してください。
被相続人:【氏名・出生・死亡・最後の住所】
判明している親族:【配偶者・子・親・兄弟姉妹などの情報を箇条書き】
出力:相続人の候補/続柄/確認が必要な点(要戸籍確認の箇所を明記)

うまくいかない例と直し方:情報が少ないとAIが相続人を「断定」しがちです。「不明点は断定せず『要確認』として列挙する」と指示を足すと、確認すべき戸籍が可視化され、実務の抜け漏れ防止に使えます。

2. 一覧図のテキスト下書き

次の情報から、法定相続情報一覧図のテキスト下書きを作成してください。
被相続人:【氏名/最後の住所/出生/死亡】
相続人:【氏名/続柄/出生/(任意で住所)】を人数分
条件:被相続人を中心に、相続人を続柄付きでつなぐ構成にする。
    住所は任意項目として扱い、記載する/しないを選べるようにする。

うまくいかない例と直し方:AIが独自の様式で整形してしまうことがあります。「体裁は問わず項目と関係の抜けだけを確認したい」と目的を伝え、最終的な体裁は法務局の様式・記載例に合わせて自分で整えるのが安全です。

3. 申出書の記載内容の下書き

「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」に記載する項目を、
以下の情報から下書きしてください。不足している項目は質問で返してください。
被相続人:【 】/申出人:【住所・氏名・続柄・連絡先】
利用目的:【相続登記/預貯金払戻し/相続税申告 など】
交付通数:【 】/返却方法:【窓口/郵送】

うまくいかない例と直し方:AIが管轄の法務局まで断定することがあります。管轄は「被相続人の本籍地・最後の住所地・申出人の住所地・不動産所在地のいずれか」から自分で選ぶ前提にし、AIには候補の整理だけを任せます。

4. 必要書類のチェックリスト化

今回の相続の状況に合わせて、法定相続情報一覧図の申出に必要な書類の
チェックリストを作成してください。
状況:【相続人の構成/一覧図に住所を記載するか/代理人の有無と種別】
出力:必ず用意する書類/必要となる場合がある書類/取得先の目安

うまくいかない例と直し方:制度改定でAIの知識が古い場合があります。作成したチェックリストは必ず法務局の公式ページの最新情報と突き合わせ、AIの出力を「叩き台」として扱ってください。

AIの下書きを鵜呑みにしないための検証手順

AIは下書きを速くしてくれますが、相続関係の確定を任せてはいけません。次の手順で必ず人が検証します。

  • 戸籍原本との突合:相続人・続柄・生年月日は、取り寄せた戸籍・除籍の原本で1件ずつ確認する。AIの要約だけで確定しない
  • 連続性の確認:被相続人の出生から死亡までの戸籍がつながっているか(転籍・改製の抜けがないか)を専門家が確認する
  • 最新の制度・様式の確認:手数料・必要書類・様式は改定され得るため、公式ページの最新情報に当たる
  • 守秘義務と情報管理:個人情報や戸籍の内容を外部AIへ入力する際は、事務所の情報管理ポリシー・守秘義務に反しないか確認する。学習に利用されない設定や、業務用に管理されたAI環境を使うのが望ましい

AIはあくまで下書きと初期リサーチの補助にとどめ、最終判断は専門家が担う——この線引きが、相続業務でAIを安全に使う前提です。

よくある質問(FAQ)

法定相続情報一覧図は自分で作成できますか?

はい。相続人本人が作成して申出をすることができます。手続を代理してもらう場合は、親族のほか、司法書士・行政書士・弁護士などの資格者代理人に依頼できます。

交付に費用はかかりますか?

一覧図の写しの交付は無料で、必要な通数を受け取れます。作成した一覧図は5年間法務局に保管され、その間は再交付を受けられます。

相続関係説明図があれば法定相続情報一覧図は不要ですか?

両者は別の書類です。相続関係説明図は相続人が自分で作る私的な図で、公的な証明力はありません。法定相続情報一覧図の写しは登記官が認証した公的な書類で、複数の窓口で戸籍一式の代わりに使える点が異なります。手続の数が多い相続では一覧図の取得が効率的です。

一覧図に相続人の住所は必ず書く必要がありますか?

住所の記載は任意です。記載しておくと、以後の手続で住民票の写しの提供を省ける場面があります。ただし住所を記載する場合は、各相続人の住民票の写しが申出時に必要になります。

AIだけで一覧図の作成を完結できますか?

いいえ。AIは戸籍の整理や一覧図・申出書の下書きを速くする補助にとどめるべきです。相続人の確定は戸籍原本に基づいて専門家が確認し、申出は本人または資格者代理人が行います。

戸籍の読解から一覧図・申出書の下書きまで、法務特化AIで初期作業を短縮しつつ、最終確認はご自身で。まずは無料で試して、相続業務のどこを時短できるか確かめてみてください。

参考文献

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