税務×AI

会計事務所のニュースレター例文|毎月の顧問先レターをAIで作る手順

会計事務所のニュースレター(事務所通信・顧問先レター)は、A4で1〜2枚、「季節の挨拶」「今月の期限」「税務・経営のワンポイント」「事務所からのお知らせ」の4ブロックで作れば毎月続けられます。いちばん手間のかかる文章の下書きはAIに任せ、期限と金額だけは国税庁の資料で人が確認する、という分担にすると作業は1号あたり1時間程度に収まります。

この記事では、顧問先にそのまま出せるニュースレター例文と、毎月のネタ表、AIで作るためのプロンプトをまとめました。山場になる12月号・1月号・2月号(確定申告前)は、令和8年分の年末調整・確定申告の日程を国税庁の公表資料で確認したうえで例文にしています。

  • ニュースレターの目的と、続けやすい基本の構成
  • 事務所通信のネタ12か月分(期限・税務・経営の3枠)
  • そのまま使える例文7本(12月号・1月号・2月号・通年用)と、うまくいかない例→直し方
  • AIで毎月の顧問先レターを作る手順とコピペ用プロンプト3本
  • 紙・メール・PDFの配信手段の選び方と、メール配信で外せない表示

会計事務所のニュースレターとは|毎月出す目的と基本の構成

目的は「接点を切らさないこと」と「期限の先回り」

顧問先との連絡は、どうしても「資料をください」「この書類が足りません」というお願いに偏ります。ニュースレターは、お願い以外の接点を毎月1回つくる道具です。所長や担当者の顔が見える文章が届くことで、顧問先からの相談が増え、紹介にもつながりやすくなります。

もう一つの目的が期限の先回りです。年末調整・法定調書・確定申告のように毎年同じ時期に来る手続きは、ニュースレターで1か月前に予告しておくと、個別の督促メールが目に見えて減ります。個別の連絡が要る資料依頼は、顧問先への資料依頼メール例文のように別のメールで送り、ニュースレターは「予告」に徹するのが実務では回りやすい形です。

A4・1〜2枚の基本構成(4ブロック)

ブロック

分量の目安

中身

1. 巻頭の挨拶

150〜200字

季節の話題と、所長・担当者の近況をひとこと

2. 今月・来月の期限

箇条書き3〜5行

源泉所得税の納付、年末調整、法定調書、確定申告など

3. 税務・経営のワンポイント

400〜600字

税制改正のポイント、資金繰り、補助金など1テーマだけ

4. 事務所からのお知らせ

100〜200字

休業日、担当変更、セミナー、提出方法の変更など

ワンポイントは1号につき1テーマに絞ります。改正点を全部並べると読まれず、顧問先から「結局うちは何をすればいいのか」と電話が来ます。詳しい内容は「該当しそうな方は担当者までご連絡ください」で個別対応に回すのが安全です。

季節の挨拶メール・個別案内との切り分け

ニュースレターは「全顧問先に同じものを送る定期便」、挨拶メールや個別案内は「相手や時期に合わせて送る単発の連絡」です。年末の挨拶そのものは顧問先への年末の挨拶メール例文、年末調整の詳しい依頼は年末調整の案内文テンプレートで送り、ニュースレター側では短い予告と要点だけを載せると、内容が重複せず顧問先も読みやすくなります。

事務所通信のネタ12か月分|月別の早見表

12か月のネタ早見表

毎月のネタは「期限」「税務」「経営・暮らし」の3枠で考えると、迷わずに埋まります。下の表は個人・法人の顧問先が混ざっている事務所を想定した例です。期限の具体的な日付は、毎年国税庁の「主な国税の納期限」で確認してから載せてください。

月号

期限・手続きの予告

税務のワンポイント

経営・暮らしのネタ

1月号

源泉所得税(納期の特例)の納付、法定調書・給与支払報告書の提出

確定申告の準備物リスト

新年の抱負、今年の事業計画づくり

2月号

確定申告の受付開始、贈与税の申告

医療費控除・ふるさと納税の書類

決算前の数字の見方

3月号

確定申告・個人消費税の期限、振替納税

3月決算法人の決算前チェック

新年度の人事・採用

4月号

新年度の給与改定

新入社員の扶養控除等申告書

資金繰り表の見直し

5月号

3月決算法人の申告、自動車税

決算書の読み方

ゴールデンウィーク明けの資金繰り

6月号

住民税の特別徴収の切替え

賞与の源泉徴収

夏季賞与の考え方

7月号

源泉所得税(納期の特例)、予定納税の第1期、算定基礎届

中間申告の有無

暑中見舞い、夏季休業のお知らせ

8月号

夏季休業日の案内

相続・贈与の基本

お盆に家族で話しておきたいこと

9月号

上半期の振り返り

税制改正の動き(要望段階は断定しない)

下半期の売上見通し

10月号

年末調整の準備、控除証明書の保管

生命保険料・地震保険料の控除

年末に向けた資金計画

11月号

年末調整の資料回収、予定納税の第2期

年内にできる節税の確認

年末年始休業の予告

12月号

年末調整、賞与の源泉徴収、年末年始休業

その年の改正点のおさらい

一年のお礼、来年のご挨拶

ネタ切れしないための「定番3枠」

毎月ゼロから考えると、3か月目あたりで手が止まります。次の3枠を固定し、毎号どれか1つを入れるだけにすると続きます。

  • 顧問先からよく聞かれる質問: 電話やチャットで多かった質問を、個人が特定されない形で一般化して載せる(「領収書をなくしたときは?」など)
  • 数字のひとこと解説: 試算表のどこを見ればよいか、粗利と営業利益の違いなど、月次報告で説明していることを短くまとめる
  • 事務所の中の話: 新しいスタッフの紹介、所長の休日、事務所で始めた取り組み。顔が見える話題ほど読まれます

他の顧問先の具体的な事例は、たとえ名前を伏せても業種・地域・金額の組み合わせで特定されることがあります。税理士には税理士法第38条の守秘義務があるため、事例を載せるときは「よくあるご相談」として一般化するのが基本です。

そのまま使えるニュースレター例文|12月号・1月号・2月号

以下は令和8年分(2026年)の手続きに合わせた例文です。【 】の部分を自事務所の情報に置き換えて使ってください。税制の数字は国税庁「令和8年分 年末調整のしかた(昨年と比べて変わった点)」と「主な国税の納期限」で確認したものです。

例文1:12月号(年末調整・一年のお礼)

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 【事務所名】通信 12月号(令和8年12月)
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■ ごあいさつ
今年も残すところひと月となりました。
本年も格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございました。
事務所では【今年の出来事:例)スタッフが2名増え、より細かな対応ができる体制になりました】。
来年も皆さまの事業のお役に立てるよう努めてまいります。

■ 今月の主な期限・手続き
・年末調整(12月の最後の給与・賞与の支払時)
・12月分の源泉所得税の納付(原則翌月10日まで。土日祝日の場合はその翌日)
・年末年始休業:【12月◯日(◯)〜1月◯日(◯)】

■ 今月のワンポイント:今年の年末調整は「12月」がポイントです
令和8年度の税制改正で、基礎控除の引上げや、扶養に入れられるご家族の
所得要件の見直しが行われました。改正は令和8年12月1日に施行され、
11月までの毎月の源泉徴収はこれまでどおり、12月の年末調整で1年分をまとめて精算します。

・合計所得金額489万円以下の方の基礎控除は104万円に(令和8・9年分)
・給与収入だけのご家族は、年収136万円以下なら扶養の対象に(昨年は123万円以下)
・23歳未満の扶養親族がいる方は、生命保険料控除(一般)の上限が6万円に

昨年は扶養の対象外だったご家族が、今年は対象になる場合があります。
従業員の方への申告書の配布の際に、ひとこと添えていただけると安心です。
該当しそうな方がいらっしゃるときは、担当【担当者名】までご相談ください。

■ 事務所からのお知らせ
年末調整の資料は【12月◯日(◯)】までにご提出をお願いいたします。
提出方法は【共有フォルダ/郵送/月次訪問時に手渡し】のいずれでも結構です。

【事務所名】 TEL【電話番号】 MAIL【メールアドレス】

うまくいかない例と直し方:改正の数字を表ごと全部載せると、顧問先は自分に関係があるかを判断できません。「昨年は対象外だった家族が今年は対象になるかもしれない」という行動につながる一文に絞り、細かい要件は個別の案内文に回します。12月の支給日程を11月中に確認したい場合は、ニュースレターではなく個別メールで聞くほうが確実です。

例文2:1月号(新年のご挨拶・法定調書と給与支払報告書)

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 【事務所名】通信 1月号(令和9年1月)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 新年のごあいさつ
あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
【所長名】は年末年始、【近況:例)久しぶりに実家でゆっくり過ごしました】。

■ 今月の主な期限・手続き
・源泉所得税の納付(納期の特例をお使いの方は7〜12月分):1月20日まで
・法定調書・給与支払報告書の提出:例年1月31日まで
 (令和9年は1月31日が日曜日のため、2月1日(月)まで)
・償却資産の申告(市区町村):例年1月31日まで(休日の場合は翌日)

【今年からの変更点】
・市区町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署用の給与所得の源泉徴収票は
 作成・提出が不要になりました(令和8年分から)。
・前々年に提出した法定調書が30枚以上の場合は、e-Taxなどでの提出が必要です。

■ 今月のワンポイント:確定申告の準備は「1月中に箱を1つ」
個人事業の方・不動産収入のある方は、2月16日から確定申告が始まります。
1月中に書類を入れる箱か封筒を1つ用意して、届いたものから入れておくと、
2月に探し回る手間がなくなります。

【入れておくもの】
・各種控除証明書(生命保険料・地震保険料・国民年金など)
・医療費の領収書、ふるさと納税の受領証明書
・売上・経費の資料、通帳のコピー

■ 事務所からのお知らせ
確定申告の資料のご提出は【2月◯日(◯)】までにお願いいたします。
本年も【事務所名】をよろしくお願いいたします。

うまくいかない例と直し方:「法定調書は1月31日まで」とだけ書くと、休日の年は日付がずれて問い合わせが来ます。その年のカレンダーで曜日まで確認し、休日にあたる場合は翌日の日付を併記します。令和8年分の提出期限(令和9年2月1日)と、源泉徴収票のみなし提出・e-Tax義務の枚数基準は、国税庁の「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」第1章で確認できます。新年の挨拶メールを別に送る場合は、新年の挨拶メール例文と書き出しが重ならないようにしておきます。

例文3:2月号(確定申告前の資料準備・消費税の2割特例)

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 【事務所名】通信 2月号(令和9年2月)
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■ ごあいさつ
立春を過ぎても寒い日が続いております。
事務所はいよいよ確定申告の季節に入りました。
お手元の資料のご準備に、ご協力をお願いいたします。

■ 今月・来月の主な期限(令和8年分)
・所得税の確定申告:2月16日(火)〜3月15日(月)
・個人事業者の消費税の確定申告:3月31日(水)まで
・贈与税の申告:3月15日(月)まで
・振替納税の引落日:所得税 4月23日(金)、消費税 4月30日(金)

■ 今月のワンポイント:消費税の「2割特例」は令和8年分が最後です
インボイス登録をきっかけに課税事業者になった個人事業の方が使ってきた
「2割特例」は、令和8年分の申告が最後になります。
令和9年分・令和10年分は、条件を満たす個人事業の方に「3割特例」が設けられましたが、
簡易課税のほうが有利になる業種もあります。
どの方法がよいかは事業の内容で変わりますので、今回の申告の際に担当者と確認しましょう。

■ 事務所からのお知らせ
資料のご提出が【3月◯日(◯)】を過ぎますと、期限内の申告が難しくなる場合があります。
お早めのご提出にご協力をお願いいたします。

うまくいかない例と直し方:法人の顧問先にも同じ文面を送ると、「うちも3割特例が使えるのか」という誤解が生まれます。3割特例は個人事業者だけの措置です。個人と法人が混ざる事務所では、2割特例の段落を個人向けの号だけに入れるか、「個人事業の方へ」と見出しで対象を明示します。対象者ごとの案内文は2割特例の終了を顧問先に知らせる案内文例にまとめています。

通年で使えるニュースレター例文|挨拶・コラム・お知らせ

例文4:巻頭の挨拶(季節の書き出し4パターン)

【春(4月号)】
新年度が始まりました。新しい仲間を迎えた会社も多いことと思います。
事務所でも【新しく入ったスタッフ名】が加わりました。どうぞよろしくお願いいたします。

【夏(7月号)】
暑い日が続いております。皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
【所長名】はこの夏、【近況】を楽しみにしております。

【秋(10月号)】
朝晩が涼しくなり、年末調整の準備が気になる季節になりました。
今月号では、控除証明書の保管についてお知らせします。

【冬(11月号)】
今年も残り2か月となりました。年内にやっておきたいことを
今月号にまとめましたので、お時間のあるときにご覧ください。

うまくいかない例と直し方:「時下ますますご清祥のことと…」のような手紙の定型句だけで始めると、毎月同じ文面に見えて読み飛ばされます。定型句は1行にとどめ、2行目に事務所や所長の具体的な近況を入れると、顧問先から「読んでいます」と声がかかるようになります。

例文5:経営ワンポイントコラム(資金繰り)

■ 今月のワンポイント:「利益が出ているのにお金がない」のはなぜ?

決算書では利益が出ているのに、通帳の残高が増えていない。
顧問先の皆さまからよくいただくご相談です。

主な理由は次の3つです。
1. 売上の入金が、請求から1〜2か月後になっている(売掛金)
2. 借入金の返済は、経費にならないのにお金は出ていく
3. 在庫を多めに仕入れている

まずは「この先3か月の入金と支払い」を月ごとに書き出すだけでも、
資金が足りなくなる月が見えてきます。
資金繰り表の作り方は、担当者がお手伝いしますのでお気軽にお声がけください。

うまくいかない例と直し方:「キャッシュフローの改善が重要です」のような一般論だけでは、顧問先は何をすればよいか分かりません。「この先3か月の入金と支払いを書き出す」のように、読んだその日にできる行動を1つ書くのがコツです。月次報告で説明しているコメントを流用すると書く手間も減ります(月次報告資料をAIで時短する方法も参考になります)。

例文6:事務所からのお知らせ(休業日・担当変更・料金改定の予告)

【休業日】
誠に勝手ながら、【◯月◯日(◯)〜◯月◯日(◯)】は休業とさせていただきます。
期間中にいただいたメールは、【◯月◯日(◯)】以降に順次ご返信いたします。

【担当変更】
【◯月】より、【顧問先区分:例)◯◯地区の皆さま】の担当が【旧担当者名】から
【新担当者名】に変わります。引き継ぎは済んでおりますので、ご安心ください。
対象の皆さまには、別途担当者からご挨拶のご連絡を差し上げます。

【提出方法の変更】
【◯月】より、資料のご提出に【クラウドの共有フォルダ】をご利用いただけるようになりました。
ご利用方法は担当者からご案内いたします。

うまくいかない例と直し方:顧問料の改定をニュースレターだけで知らせると、「一斉通知で済まされた」と受け取られがちです。料金・契約に関わることは個別の書面や面談で伝え、ニュースレターには載せないのが無難です。担当変更も、ニュースレターは予告にとどめ、本人からの挨拶を別に入れます。

例文7:よくあるご質問コーナー

■ よくあるご質問
Q.領収書をなくしてしまいました。経費にできますか?
A.支払った事実が分かる記録(クレジットカードの明細、振込の控え、出金伝票など)を
  残しておくことが大切です。インボイスが必要な取引かどうかでも扱いが変わりますので、
  なくしたことに気づいた時点で担当者にご相談ください。

Q.【顧問先から多かった質問】
A.【一般化した回答。個別の判断が要る部分は「担当者にご相談ください」で締める】

うまくいかない例と直し方:回答を断定しすぎると、条件の違う顧問先が「ニュースレターに書いてあったから」と自己判断してしまいます。原則だけを書き、例外がある論点は必ず担当者への相談で締めるようにします。

AIで毎月の顧問先レターを作る手順とプロンプト

手順は「ネタ決め→下書き→事実確認→体裁」の4つ

  1. ネタ決め(人): 月別の早見表から、今月のワンポイントを1つ選ぶ。その月に顧問先から多かった質問をメモしておく
  2. 下書き(AI): 下のプロンプトで、4ブロックの構成案と本文を作らせる
  3. 事実確認(人): 期限・金額・制度の名前を国税庁の資料と突き合わせる。ここは必ず人が行う
  4. 体裁(人): 事務所のひな形に流し込み、所長か担当者の近況を一言足す

実務では、下書きをAIに任せるだけで作成時間はおおむね半分になります。一方で、期限や金額をAIの回答のまま載せると、前年の数字や改正前の制度が混ざることがあります。数字の確認だけは省かないでください。税理士業務全体でのAIの使いどころは税理士のAI活用ガイドで整理しています。

プロンプト1:月号の構成案と本文を作る

あなたは会計事務所のスタッフです。顧問先(中小企業の経営者と個人事業主)向けの
月刊ニュースレター【◯月号】の原稿を作ってください。

# 条件
・A4で1〜2枚、全体で1,200字程度
・構成:①巻頭の挨拶(150字)②今月・来月の期限(箇条書き)
 ③今月のワンポイント(500字)④事務所からのお知らせ(150字)
・今月のワンポイントのテーマ:【テーマ】
・専門用語は使わず、経営者が読んで次に何をすればよいか分かる文章に
・期限や金額は【 】で空欄にし、自分で数字を入れないこと
・個別の判断が必要な点は「担当者にご相談ください」で締める

# 事務所の情報
・事務所名:【事務所名】
・今月の近況:【例)新しいスタッフが入った/所長が研修に参加した】
・今月のお知らせ:【例)年末年始の休業日】

うまくいかない例と直し方:「12月号のニュースレターを書いて」とだけ頼むと、AIがもっともらしい期限や金額を自分で埋めてきます。「期限や金額は【 】で空欄にし、自分で数字を入れないこと」と明記すると、確認すべき箇所が一目で分かる原稿になります。

プロンプト2:税制トピックを顧問先向けにやさしく書き直す

次の文章は国税庁の資料から抜き出した、今年の税制の変更点です。
これを、税金に詳しくない中小企業の経営者向けに、400字程度で書き直してください。

# 条件
・数字と日付は原文のまま変えない
・「誰に関係があるか」「何をすればよいか」を最初に書く
・原文にない内容は付け足さない
・最後に「該当しそうな方は担当者までご相談ください」と入れる

# 原文
【国税庁資料の該当部分を貼り付け】

うまくいかない例と直し方:原文を貼らずに「今年の年末調整の変更点をやさしく説明して」と頼むと、AIの知識が古い場合に改正前の内容で書かれます。一次資料の文章を貼り付けて「原文にない内容は付け足さない」と指定するのが、誤りを防ぐいちばん確実な方法です。

プロンプト3:顧問先の業種に合わせて一言を変える

次のニュースレター本文はそのままにして、顧問先の業種ごとに
巻末に添える「担当者からのひとこと」(60字以内)を作ってください。

# 業種
・飲食店
・建設業
・小売業
・不動産賃貸業(個人)

# 条件
・その業種の12月によくある状況(繁忙期・年末の資金繰りなど)に触れる
・特定の会社を想像させる具体的な数字や出来事は書かない

# ニュースレター本文
【本文を貼り付け】

うまくいかない例と直し方:顧問先名や売上の数字を入れて「この会社向けに書いて」と頼むのは避けます。顧問先の情報をAIに入力するときの判断基準は顧問先データはAIに貼ってよいかの判断基準で解説しています。業種と時期だけを渡す形にすれば、個別の情報を入れずに一言を変えられます。

AIに任せてはいけない3つのこと

  • 期限と金額: 年ごとに曜日や改正で変わる。必ず国税庁の資料で確認する
  • 他の顧問先の情報: 事例はすべて一般化し、AIにも入力しない
  • 個別の税務判断: 「あなたの場合は対象です」と読める表現は使わない

汎用のAIでも文章の下書きまでは十分にこなせます。税務の調べ物まで同じ画面で済ませたい場合は、国税庁などの公的情報を参照しながら答える税務特化のAIを使うと、原文を探して貼る手間が減ります。士業AIの税理士AIは、こうした顧問先向け文書の下書きと税務の調べ物をまとめて行えるように作られています。

配信手段の実務|紙・メール・PDFの選び方

紙・メール・PDFの比較

手段

向いている顧問先

手間・費用

注意点

紙(郵送・手渡し)

高齢の経営者、メールをあまり見ない顧問先

印刷・郵送料がかかる。月次訪問時の手渡しなら郵送料は不要

宛名の差し込みミス、封入の取り違え

メール本文

スマートフォンで読む経営者

費用はほぼかからない

宛先の入れ方、送信者名と配信停止の表示

PDF添付・共有リンク

紙と同じレイアウトで残したい顧問先

作成は紙と共通で済む

添付容量、スマートフォンでの読みやすさ

実務では、原稿は1つだけ作り、紙にもPDFにも使い回す形がいちばん続きます。メールは本文に要点3行とPDFへの案内だけを書き、詳しい内容はPDFで読んでもらうと、スマートフォンでも負担になりません。

メールで配信するときの注意点

複数の顧問先に一斉にメールを送るときは、宛先をBCCにするか、配信ツールを使います。To や CC に並べてしまうと、ほかの顧問先のメールアドレスが見えてしまいます。件数が多い事務所は、送信前に宛先を別のスタッフが確認するルールを決めておくと安心です。

また、セミナーや新サービスの案内など広告・宣伝を含むメールは、特定電子メール法の対象になる場合があります。同法第4条では、送信者の氏名または名称と、受信を拒否するための連絡先(メールアドレスやURL)を表示することが求められています(総務省「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」)。顧問先向けのニュースレターでも、末尾に事務所名と「配信停止をご希望の方はこのメールにご返信ください」の一文を入れておくのが無難です。

紙・PDFで配信するときの注意点

  • 宛名ラベルと封入物の顧問先名を突き合わせる(個別の書類を同封する月は特に注意)
  • PDFのファイル名に「【事務所名】通信_2026年12月号」のように号数を入れ、過去号を探しやすくする
  • PDFの文書情報(作成者など)に個人名や別の顧問先名が残っていないか確認する

よくある失敗と直し方

よくある失敗

起きること

直し方

改正点を全部載せる

読まれない。問い合わせが増える

1号1テーマに絞り、行動につながる一文を書く

期限を前年の日付のまま載せる

曜日や休日の扱いがずれる

毎年「主な国税の納期限」で確認し、曜日まで書く

他の顧問先の事例を具体的に書く

業種・地域・金額で特定されるおそれ

「よくあるご相談」として一般化する

個人向けと法人向けの話を混ぜる

対象外の顧問先が誤解する

見出しで「個人事業の方へ」など対象を明示する

発行日が毎月ばらばら

期限の予告が間に合わない

「毎月◯日発行」と決め、原稿の締切を前月末に置く

会計事務所のニュースレターでよくある質問

ニュースレターは毎月出さないと意味がないですか?

毎月が理想ですが、続かないなら隔月や四半期でも構いません。大切なのは発行の間隔を決めて守ることです。ただし、年末調整(10〜12月)と確定申告(1〜2月)の時期だけは、期限の予告を兼ねて毎月出すと個別連絡の手間が減ります。

所長名と担当者名、どちらで出すのがよいですか?

巻頭の挨拶は所長名、お知らせや問い合わせ先は担当者名にする事務所が多いです。担当者が複数いる場合は、顧問先ごとに担当者名を差し込むと、問い合わせ先に迷わなくなります。

AIで作ったことを顧問先に伝える必要はありますか?

文章の下書きにAIを使っても、内容を確認して事務所の名前で出すのであれば、事務所が作成した文書であることに変わりはありません。大切なのは、期限・金額・制度の内容を人が確認し、事務所として責任を持てる状態で出すことです。

ネタに困ったときはどうすればいいですか?

その月に顧問先から受けた質問を3つメモしておき、いちばん多かったものをワンポイントにするのが確実です。それでも埋まらない月は、事務所の中の話(スタッフ紹介や所長の近況)で十分です。顧問先が読みたいのは、税務の解説よりも「顔が見える事務所」の話であることが少なくありません。

まとめ|型を決めて、下書きはAI、数字は人が確認する

会計事務所のニュースレターは、4ブロックの型と月別のネタ表を決めてしまえば、毎月の負担は大きくありません。文章の下書きはAIに任せ、期限・金額は国税庁の資料で人が確認する、という分担がいちばん事故が少なく続けやすい方法です。まずは12月号から、この記事の例文を自事務所の言葉に直して使ってみてください。

参考文献

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