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顧問先への年末の挨拶メール例文10選|税理士事務所がそのまま使える件名付き

顧問先への年末の挨拶メールは、12月中旬から仕事納めの2〜3営業日前までに、「今年のお礼・来年のお願い・年末年始の休業日」の3点だけを短く送るのが基本です。年末調整や確定申告の資料のお願いは1〜2行の予告にとどめ、詳しい依頼は別のメールに分けると、挨拶も依頼もきちんと読まれます。

この記事では、税理士事務所の所長・担当者がそのまま使える年末の挨拶メールを、顧問先との関係や宛先、状況別に10本用意しました。各例文に件名例と「うまくいかない例→直し方」を付けています。一斉送信の注意点と、AIで文面を下書きするときのプロンプトもまとめました。

この記事で分かること

  • 年末の挨拶メールを送る時期の目安と、入れる要素・件名の付け方
  • 長年の顧問先・新規顧問先・担当者交代・報酬改定の予告など、場面別の例文10本(件名例付き)
  • 年末調整・確定申告の準備依頼を「同居させすぎない」書き方
  • 年末年始休業日の書き方と、一斉送信で失敗しないための確認ポイント
  • AIで事務所の「型」を作り、顧問先ごとの一言を整えるプロンプト

年末の挨拶メールはいつ送る?時期の目安と入れる要素

年末の挨拶メールは、顧問先が年内に読める時期に届くことが大切です。仕事納めの当日に送ると、顧問先もすでに休みに入っていて、年明けにまとめて読まれることになります。

送る時期は12月中旬〜仕事納めの2〜3営業日前

顧問先の多くは12月下旬に仕事納めを迎えます。事務所の仕事納めが12月28日(月)なら、12月15日(火)〜12月25日(金)ごろに送るのが目安です。

送る時期

向いている内容

注意点

12月上旬

年末調整の資料回収と一緒に、休業日だけ先に知らせる

挨拶としては早い。「年末のご挨拶」は改めて送る

12月中旬〜下旬(本命)

今年のお礼・来年のお願い・休業日

顧問先の繁忙日(給与支給日・月末)を避ける

仕事納めの前日・当日

短いお礼と休業日のみ

読まれるのは年明けになりやすい

年明け(1月上旬)

年始の挨拶に切り替える

「年末のご挨拶」とは書かない(例文10)

1件ずつ送る場合は、担当者がいる日のうちに送れば、返信が来たときにすぐ対応できます。一斉送信する場合も、送信日の午後は誰かが事務所にいる日を選ぶと安心です。

入れる要素は「お礼・来年のお願い・休業日」の3つ

年末の挨拶メールに入れる要素は次の3つで足ります。

  1. 今年のお礼:「本年も格別のお引き立てを賜り」のような定型文に、その顧問先との今年の出来事を1行添える
  2. 来年のお願い:「来年も変わらぬご愛顧を」に、来年の予定(決算、確定申告など)があれば軽く触れる
  3. 年末年始の休業日:休業期間・年明けの営業開始日・緊急時の連絡先

文面の丁寧さよりも、その顧問先のための1行があるかどうかで印象が変わります。「今年は新店舗の開業、お疲れさまでした」のような具体的な一言が、定型文の挨拶との違いになります。

資料依頼・年末調整のお願いは「同居させすぎない」

年末は年末調整や確定申告の準備も重なるため、挨拶メールに依頼を全部詰め込みたくなります。ただ、挨拶の中に依頼の一覧が入ると、顧問先は「結局何をすればいいのか」が分かりにくくなります。

内容

挨拶メールに入れてよいか

書き方

年末年始の休業日

入れる

期間・営業開始日・緊急連絡先を箇条書きで

年末調整・確定申告の準備の予告

1〜2行なら入れてよい

「詳細は別途ご案内します」と予告だけにする

資料の一覧・提出期限

入れない

別メールで、件名に「ご依頼」と締切を入れて送る

報酬改定・担当交代

予告なら入れてよい

詳細と正式なご案内は別に送る(例文3・4)

未払いの督促・不備の指摘

入れない

挨拶とは日を分けて個別に連絡する

資料の一覧と締切を伝える依頼メールは、確定申告・決算の資料依頼メール例文とチェックリストに場面別の文例があります。年末調整の案内文は年末調整の案内文テンプレートを使うと、挨拶メールとは別の、依頼専用の1通として送れます。

件名は「年末のご挨拶」と事務所名が見える形に

年末は顧問先にも挨拶メールが多く届きます。件名で「誰からの」「何のメールか」が分かるようにすると、埋もれずに開いてもらえます。

場面

件名の例

基本

年末のご挨拶と年末年始休業のお知らせ(【事務所名】)

依頼の予告を含む

【事務所名】年末のご挨拶(年末調整のご案内は別途お送りします)

担当交代を含む

年末のご挨拶と担当者変更のお知らせ(【事務所名】)

年明けに回した場合

新年のご挨拶(【事務所名】)

件名に「重要」「至急」を付けるのは避けます。挨拶メールで使うと、本当に急ぎの連絡が届いたときに区別がつかなくなります。

基本の例文|顧問先との関係で選ぶ4本

ここからの例文は、【】の部分を差し替えればそのまま使えます。事務所の休業日は「年末年始休業日の書き方」の節を参考に、実際の日付に置き換えてください。

例文1:長年お付き合いのある顧問先へ(基本形)

件名:年末のご挨拶と年末年始休業のお知らせ(【事務所名】)

【顧問先名】
【役職】【氏名】様

いつも大変お世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。

本年も格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。
【今年の出来事の一言:例)今年は2店舗目のご開業もあり、
お忙しい1年だったことと存じます。】
引き続き、日々の経理から決算まで、安心してお任せいただけるよう
努めてまいります。

誠に勝手ながら、年末年始は下記のとおり休業いたします。

■休業期間:【12月29日(火)〜1月3日(日)】
■営業開始:【1月4日(月)】
■休業中のご連絡:メールは受け付けております。
 返信は営業開始日以降、順次差し上げます。

来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
どうぞよいお年をお迎えください。

【署名】

うまくいかない例→直し方:「本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。」だけで終わる文面は、どの顧問先に送っても同じに見えます。今年その顧問先とやり取りした出来事を1行だけ足すと、長年の関係にふさわしい挨拶になります。

例文2:今年ご契約いただいた新規顧問先へ

件名:年末のご挨拶(【事務所名】)

【顧問先名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。

本年は顧問契約のご縁をいただき、誠にありがとうございました。
【例)9月からのお付き合いで、月次の流れもようやく
固まってきたところかと存じます。】
はじめての決算・申告に向けて、ご不明な点があれば
小さなことでも遠慮なくお声がけください。

年末年始の休業期間は下記のとおりです。
■休業期間:【12月29日(火)〜1月3日(日)】
■営業開始:【1月4日(月)】

来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。

【署名】

うまくいかない例→直し方:新規の顧問先に「本年も」と書くと、付き合いの長さが合いません。「本年は顧問契約のご縁をいただき」と、契約したことへのお礼に置き換えます。初めての年末は、相手も事務所との距離感を測っている時期なので、「小さなことでも」と質問しやすい一言を添えると効果的です。

例文3:担当者交代のご挨拶を兼ねる

件名:年末のご挨拶と担当者変更のお知らせ(【事務所名】)

【顧問先名】
【役職】【氏名】様

いつも大変お世話になっております。【事務所名】の【旧担当者名】です。

本年も格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

さて、私事で恐縮ですが、【1月】より貴社の担当が
【新担当者名】に代わることになりました。
これまでの経緯やご依頼内容は【新担当者名】に引き継いでおり、
【1月中】に改めてご挨拶に伺います。

長い間お世話になり、心より感謝申し上げます。
今後とも【事務所名】をよろしくお願い申し上げます。

なお、年末年始は【12月29日(火)〜1月3日(日)】を休業とし、
【1月4日(月)】から営業いたします。

【署名】
(CC:【新担当者名】)

うまくいかない例→直し方:交代の理由を細かく書く必要はありません。顧問先が気にするのは「引き継ぎは大丈夫か」と「いつ新しい担当者と話せるか」です。引き継ぎ済みであることと、新担当者からの挨拶の時期を書き、新担当者をCCに入れておくと、年明けの連絡がスムーズです。

例文4:報酬改定・体制変更の予告を兼ねる

件名:年末のご挨拶と来年のご案内について(【事務所名】)

【顧問先名】
【役職】【氏名】様

いつも大変お世話になっております。【事務所名】の【所長名】です。

本年も格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。

来年は【例)事務所の体制を見直し、月次のご報告を
より早くお届けできるよう準備を進めております】。
あわせて、【4月】以降の顧問料について見直しを検討しており、
詳しい内容は【1月中旬】までに改めてご説明の機会をいただけますと幸いです。

年末のお忙しい時期に恐縮ですが、
来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

■年末年始休業:【12月29日(火)〜1月3日(日)】

【署名】

うまくいかない例→直し方:挨拶メールの中で新しい金額を確定事項として伝えると、顧問先は年末の気持ちのまま値上げを受け止めることになり、話し合いの余地がない印象を与えます。挨拶では「見直しを検討している」「改めて説明する」までにとどめ、金額と理由は面談や個別の案内で伝えます。値上げの案内文そのものは顧問料値上げの案内文テンプレートを参考にしてください。

年末調整・確定申告の準備依頼を軽く添える例文

年末の挨拶に依頼を添えるときは、「何の準備が始まるか」と「詳細はいつ届くか」だけを書きます。資料の一覧や期限は、別のメールで送るほうが確実に読まれます。

例文5:法人の顧問先へ(年末調整の準備を添える)

件名:【事務所名】年末のご挨拶(年末調整のご案内は別途お送りします)

【顧問先名】
【役職】【氏名】様

いつもお世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。

本年も大変お世話になりました。
【例)今年は従業員の方が増え、手続きも多い1年でしたが、
いつも迅速にご対応いただきありがとうございました。】

年末調整につきましては、必要な書類と提出期限を
【12月○日(○)】に別のメールでお送りいたします。
お手数をおかけしますが、ご確認をお願いいたします。

■年末年始休業:【12月29日(火)〜1月3日(日)】
■営業開始:【1月4日(月)】

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

【署名】

うまくいかない例→直し方:挨拶メールの後半に「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」と書類名を並べてしまうと、挨拶の部分が読まれず、依頼も一覧として使えません。挨拶には予告だけを書き、書類の一覧は別メールにします。すでに年末調整の案内を送っている場合は「先日お送りした年末調整のご案内もあわせてご確認ください」の1行で十分です。

例文6:個人の顧問先へ(確定申告の準備を予告する)

件名:年末のご挨拶(【事務所名】)

【顧問先名】様

いつもお世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。

本年も大変お世話になりました。
【例)今年は事業用の車を買い替えられるなど、
大きな動きのある1年でしたね。】

年が明けますと、令和8年分の確定申告の準備が始まります。
ご用意いただく資料の一覧は、【1月上旬】にお送りいたします。
年末に届く控除証明書などは、まとめて保管しておいていただけますと
スムーズです。

■年末年始休業:【12月29日(火)〜1月3日(日)】
■営業開始:【1月4日(月)】

寒さが厳しくなってまいりましたので、
どうぞご自愛のうえ、よいお年をお迎えください。

【署名】

令和8年分の所得税の確定申告の期間は、国税庁のタックスアンサー No.2020 確定申告にある「翌年2月16日から3月15日まで」の原則どおり、令和9年2月16日(火)から3月15日(月)です。挨拶メールで期限まで書く必要はありませんが、年明けの依頼メールで締切を決めるときの基準になります。

うまくいかない例→直し方:「年内に〇〇を購入すれば節税になります」のような一言を挨拶に混ぜるのは避けます。顧問先ごとの所得や事業の状況によって結論が変わるため、挨拶メールのような一斉の文面で書くと誤解のもとになります。年末の節税の相談は、個別の面談やメールで受ける形にします。

宛先・状況で書き分ける例文

同じ顧問先でも、代表者と経理担当者では知りたいことが違います。また、喪中の顧問先や、年内に送れなかった場合は、文面そのものを変える必要があります。

例文7:法人の代表者宛(経営者向けの挨拶)

件名:年末のご挨拶(【事務所名】)

【顧問先名】
代表取締役 【氏名】様

いつも大変お世話になっております。【事務所名】の【所長名】です。

本年も格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
【例)今期は売上が大きく伸び、来期に向けた設備投資のご相談も
いただきました。】
来年も、数字の面から経営のお役に立てるよう努めてまいります。

経理ご担当の【経理担当者名】様には、年末年始の事務的なご連絡を
別途お送りしております。

来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

【署名】

代表者宛は、今年の経営の動きへのお礼と来年の関わり方を中心にし、休業日や書類の話は経理担当者宛に任せます。代表者が経理も兼ねている小規模な会社なら、例文1の基本形で十分です。

例文8:経理担当者宛(実務の連絡を兼ねる)

件名:年末のご挨拶と年末年始のご連絡について(【事務所名】)

【顧問先名】
【部署名】【氏名】様

いつもお世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。

本年も毎月の資料のご準備など、大変お世話になりました。
いつも丁寧にご対応いただき、心より感謝しております。

年末年始のご連絡を下記にまとめました。
■休業期間:【12月29日(火)〜1月3日(日)】
■営業開始:【1月4日(月)】
■12月分の月次資料:【1月○日(○)】までにご送付をお願いいたします
■源泉所得税(7〜12月分)の納付期限:【令和9年1月20日(水)】
 (納期の特例を受けている場合)

ご不明な点があれば、年内は【12月28日(月)】まで対応いたします。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

【署名】

給与の支給人員が常時10人未満で納期の特例を受けている場合、7月から12月までに源泉徴収した所得税等の納付期限は翌年1月20日です(国税庁タックスアンサー No.2505)。令和9年1月20日は水曜日のため、そのまま期限日になります。年末年始の休業明けすぐの期限なので、経理担当者宛の挨拶で触れておくと親切です。特例を受けていない顧問先には、この行を削除してください。

うまくいかない例→直し方:経理担当者に経営者向けと同じ「貴社のますますのご発展を」だけの文面を送ると、休業中の連絡や月次資料の扱いが分からず、年明けに問い合わせが重なります。経理担当者宛は「実務の段取りが分かる挨拶」にします。

例文9:喪中の顧問先への配慮

顧問先の代表者やご家族が今年亡くなった場合でも、年末の挨拶メールそのものは送ってかまいません。避けたいのは「よいお年を」「お慶び申し上げます」のようなお祝いの言葉です。

件名:年末のご挨拶(【事務所名】)

【顧問先名】
【氏名】様

いつもお世話になっております。【事務所名】の【担当者名】です。

本年は大変な中、【例)相続のお手続きや事業の引き継ぎに
ご尽力されましたこと、心よりお察し申し上げます。】
本年も変わらずお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

年末年始の休業期間は下記のとおりです。
■休業期間:【12月29日(火)〜1月3日(日)】
■営業開始:【1月4日(月)】

寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
来年もよろしくお願い申し上げます。

【署名】

うまくいかない例→直し方:一斉送信の文面をそのまま送ると、「よいお年をお迎えください」が入ったまま届いてしまいます。喪中の顧問先は宛先リストで事前に印を付け、一斉送信から外して個別に送ります。結びは「ご自愛ください」に置き換え、年明けの挨拶も「新年おめでとうございます」ではなく「本年もよろしくお願いいたします」にします。

例文10:年内に送れなかったとき(年明けの挨拶に回す)

件名:新年のご挨拶(【事務所名】)

【顧問先名】
【氏名】様

新年あけましておめでとうございます。
【事務所名】の【担当者名】です。

旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
本年も、【例)3月の確定申告まで】しっかりサポートしてまいりますので、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

当事務所は【1月4日(月)】より通常どおり営業しております。
確定申告の資料のご案内は、【1月○日(○)】にお送りいたします。

本年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

【署名】

うまくいかない例→直し方:年が明けてから「年末のご挨拶が遅くなり」と書く必要はありません。年明けに送るなら新年の挨拶として書き直します。年明けの挨拶は、事務所の仕事始めから1週間ほどのうちに送ると自然です。それより遅くなる場合は、確定申告の資料依頼のメールに一言添える形でもかまいません。

年末年始休業日の書き方

休業日の案内は、日付と曜日、年明けの営業開始日、休業中の連絡方法の3つを書けば足ります。「年末年始は休業します」だけでは、顧問先は何日まで連絡が取れるのか分かりません。

  • 日付には曜日を付ける:「12月29日(火)〜1月3日(日)」と書けば、営業開始日の勘違いが減ります
  • 最終営業日も書く:「年内の受付は12月28日(月)17時まで」と時刻まで書くと、駆け込みの依頼を整理できます
  • 休業中の連絡手段:メールは受け付けるか、返信はいつからか、緊急時の連絡先はあるか
  • 官公庁の休みとの関係:税務署などの行政機関は、行政機関の休日に関する法律により12月29日から翌年1月3日までが休日です。事務所が休みの間は申請や届出も動かないことを、必要に応じて添えます

年末年始休業のお知らせだけを単独で送る場合は、挨拶の部分を短くし、休業日を件名に入れます(例:「年末年始休業のお知らせ(12/29〜1/3)」)。挨拶メールと休業案内を1通にまとめるか分けるかは、事務所の顧問先数と、休業案内をウェブサイトにも掲載するかで決めるとよいでしょう。

一斉送信で失敗しないための注意点

顧問先が多い事務所では、年末の挨拶メールを一斉に送ることになります。挨拶メールの一斉送信で起こりやすい失敗は、文面よりも宛先の扱いです。

宛先はBCC、件数が多ければ配信ツールを使う

複数の顧問先に同じメールを送るときに、宛先をTOやCCに並べると、顧問先同士にメールアドレスと「この事務所の顧問先であること」が伝わってしまいます。一斉に送る場合は必ずBCCに入れ、TOには事務所自身のアドレスを入れます。

件数が多い場合は、BCCに何十件も貼るより、メール配信ツールや差し込み印刷の機能で1件ずつ送るほうが安全です。1通ずつ宛名が入るので、挨拶としての印象もよくなります。

宛名の差し込みと送信前の確認

宛名を差し込むときは、差し込み結果を数件だけ自分宛てに送って確認します。確認するのは次の点です。

  • 顧問先名と担当者名の組み合わせがずれていないか(並べ替えたリストの行ずれ)
  • 「様」「御中」が重複していないか(「株式会社〇〇御中 〇〇様」になっていないか)
  • 喪中の顧問先、契約終了予定の顧問先をリストから外したか
  • 休業日の日付と曜日が今年のものになっているか(昨年の文面の使い回しに注意)

誤送信してしまったとき

BCCのつもりがCCで送ってしまった、別の顧問先の宛名で送ってしまった、という場合は、まず所長や責任者に報告し、受け取った顧問先へのお詫びと削除のお願いを個別に行います。メールアドレスなどの個人データが漏えいした場合の対応の流れは、個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページで確認できます。事務所として報告が必要かどうかは、このページで確認してから判断してください。

年末の挨拶メールに書いてはいけないこと

挨拶メールは気軽に書けるぶん、普段の業務連絡より確認が甘くなりがちです。次の3つは、挨拶の文面にも入れないようにします。

他の顧問先の情報や事例

「今年は飲食店の顧問先さまで設備投資が多く」のような書き方でも、業種や地域が限られていれば顧問先が特定されることがあります。税理士には税理士法第38条の守秘義務があり、挨拶メールの世間話でも例外ではありません。今年の出来事は、その顧問先自身のことだけを書きます。

断定的な税務の助言

「年内に経費を使えば税金が減ります」「来年は〇〇の制度が使えます」といった一言は、一斉に送る挨拶メールでは避けます。顧問先の状況によって当てはまらないことがあり、誤った判断につながります。制度の話をする場合は「ご相談があればお声がけください」にとどめ、個別に確認してから伝えます。

督促・不備の指摘・営業色の強い提案

未払いの報酬や提出の遅れている資料の催促を挨拶メールに混ぜると、挨拶全体の印象が悪くなります。追加サービスの売り込みも同じです。これらは日を分けて、個別の連絡として送ります。

AIで年末の挨拶メールを下書きする手順

年末の挨拶メールは、顧問先ごとに「今年の一言」を変えるところに手間がかかります。AIを使うと、事務所の型を作る作業と、一言を整える作業を短くできます。顧問先メール全般のAI活用は顧問先メールをAIで時短作成する方法でまとめているので、ここでは年末の挨拶に絞ります。

手順は「型を作る→一言を整える→人が確認する」

  1. 事務所の型を作る:この記事の例文をもとに、事務所の言い回しに合わせた基本形をAIで整え、毎年使い回せる形で保存する
  2. 顧問先ごとの一言を整える:担当者が書いたメモ(「2店舗目開業」「担当交代」など)をAIに渡し、挨拶の1〜2行に直してもらう
  3. 人が確認して送る:宛名・日付・喪中の有無・依頼の予告の内容を担当者が確認する

AIに入力するときは、顧問先名・氏名・売上の金額などの固有情報は入れず、【顧問先名】のようなプレースホルダのまま使います。入力した内容の扱いや、事務所での使い方のルールづくりはChatGPTの情報漏洩対策|士業事務所が顧問先情報を守る7手順を参考にしてください。

プロンプト1:事務所の「型」を作る

あなたは税理士事務所の事務担当です。
顧問先へ送る年末の挨拶メールの基本形を作成してください。

【条件】
・件名と本文を作る
・本文は「今年のお礼」「来年のお願い」「年末年始の休業日」の3つで構成する
・休業日は【休業期間】【営業開始日】のプレースホルダにする
・今年の出来事を書く1行は【今年の一言】として空けておく
・丁寧だが堅すぎない文体。全体で300字程度
・税金の制度や節税の話は書かない
・宛先は【顧問先名】【氏名】のプレースホルダのままにする

【事務所の言い回しの例】
(過去に送った挨拶メールから、固有名詞を消した文面を貼る)

うまくいかない例→直し方:「年末の挨拶メールを書いて」だけで頼むと、季節の話題が長くなったり、「来年は〇〇の税制改正があります」と確認していない制度の話が混ざったりします。構成・文字数・書かないことを条件で指定し、事務所の過去の文面を見本として渡すと、毎年使える型になります。

プロンプト2:顧問先ごとの「今年の一言」を整える

以下のメモをもとに、年末の挨拶メールに入れる
「今年の一言」を1〜2文で作ってください。

【メモ】
・業種:【例:飲食業】
・今年の出来事:【例:2店舗目を開業/担当者が交代】
・関係の長さ:【例:契約3年目】

【条件】
・お礼やねぎらいの気持ちが伝わる表現にする
・金額や数字は書かない
・「節税」「税金が減る」など税務の判断は書かない
・3パターン出してください

メモには顧問先名を書かず、業種や出来事だけを渡します。3パターン出してもらい、担当者が一番その顧問先らしいものを選ぶと、AIの文面に頼りすぎずに済みます。

プロンプト3:場面に合わせて基本形を書き換える

以下の年末の挨拶メールの基本形を、【場面】に合わせて書き換えてください。

【場面】(どれか1つ)
・喪中の顧問先へ:お祝いの言葉を使わない
・担当者交代を兼ねる:引き継ぎ済みであることと、新担当者からの挨拶の時期を入れる
・年明けに送る:新年の挨拶として書き直す

【基本形】
(プロンプト1で作った型を貼る)

【条件】
・休業日と宛名のプレースホルダはそのまま残す
・書き換えた箇所を最後に箇条書きで示す

「書き換えた箇所を示す」と指示しておくと、担当者の確認が早くなります。できあがった文面の敬語や言い回しの最終確認は、メールをAIで添削・校正する方法の手順でチェックできます。

汎用のAIでも、型と条件を渡せば挨拶メールの下書きは十分に作れます。士業AIは税理士事務所の実務文書づくりを前提にした日本語AIで、挨拶メールのような定型文の下書きから、年末調整や確定申告の案内づくり、制度の調べ物までを同じ画面で扱えます。事務所での使い方は税理士向け士業AIのご紹介をご覧ください。

年末の挨拶メールでよくある質問

年賀状を出す顧問先にも、年末の挨拶メールは必要?

必須ではありません。年賀状を出す顧問先には、年末のメールを休業日のお知らせ中心の短い文面にし、挨拶は年賀状に任せる方法もあります。ただ、年賀状は顧問先の担当者の手元に届くまで時間がかかることがあるため、休業日の連絡はメールでも送っておくと確実です。

チャットツールでやり取りしている顧問先にはどう送る?

普段のやり取りがチャットツール中心の顧問先には、チャットで挨拶を送るほうが自然です。メールの例文をそのまま貼ると長すぎるので、お礼と休業日だけの3〜4行に縮めます。チャットでの言い回しは顧問先へのチャットワーク返信例文を参考にしてください。

顧問先から返信が来たら、返事は必要?

お礼の返信が来た場合は、短い返事を返すのが丁寧です。ただし、返信の中に質問や相談が含まれていたら、挨拶の返事とは分けて、担当者が内容を確認してから回答します。年末は「忘年会の費用は経費になるか」といった質問もよく届きます。顧問先からよく聞かれる年末の経理の質問は、忘年会・新年会の勘定科目と仕訳で整理しています。

挨拶メールは所長名と担当者名のどちらで送る?

日常の連絡を担当者がしているなら、担当者名で送るのが自然です。代表者宛の挨拶や、報酬改定・体制変更の予告を含む場合は所長名で送り、担当者をCCに入れます。同じ顧問先に所長と担当者の両方から挨拶が届くと重複するので、どちらから送るかを事務所内で決めておきます。

まとめ|年末の挨拶は短く、依頼は別に

顧問先への年末の挨拶メールは、12月中旬から仕事納めの2〜3営業日前までに、今年のお礼・来年のお願い・休業日の3点を短く送るのが基本です。その顧問先のための一言を1行添えるだけで、定型文との違いが伝わります。

年末調整や確定申告の準備は予告の1〜2行にとどめ、資料の一覧と締切は別のメールで送ります。一斉送信はBCCか配信ツールで、宛名の差し込みと喪中の顧問先の除外を確認してから送ってください。AIを使う場合は固有情報を入れず、事務所の型と顧問先ごとの一言を分けて作ると、毎年の手間を減らせます。

参考文献

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