会計×AI

忘年会の勘定科目は福利厚生費か交際費か|判定表と仕訳例7つ【2026年】

忘年会・新年会の費用は、全従業員を対象に社内行事として行い、金額が常識の範囲なら「福利厚生費」、取引先を招く・取引先の会に参加するなら「交際費」が基本です。役員だけの会、一部の人だけの二次会、不参加者への現金支給があると、福利厚生費にできず交際費や給与として扱うことになります。

この記事では、12月の忘年会シーズンに経理担当者と会計事務所の職員が迷いやすい場面を、判定早見表と仕訳例7パターンで整理しました。社内への周知文と顧問先への回答文の例、AIで判定を下調べするときのプロンプトも付けています。

この記事で分かること

  • 忘年会・新年会が福利厚生費・交際費・会議費・給与のどれになるかの判定早見表
  • 取引先との飲食の「1人当たり1万円以下」基準の計算方法と、保存書類に書く5項目
  • 二次会・会費制・景品・タクシー代・キャンセル料の扱いと、消費税・インボイスの注意点
  • 仕訳例7パターンと、社内・顧問先への説明文例、AIでの判定補助プロンプト

結論|勘定科目は「誰が参加し、誰のための会か」で決まる

忘年会の勘定科目は、店や金額より先に参加者の範囲で決まります。社内の人だけで全員が対象なら福利厚生費の候補、社外の人が入れば交際費の候補です。勘定科目全般の判定の考え方は勘定科目の逆引き早見表にまとめています。この記事では忘年会・新年会という1つの場面を掘り下げます。

忘年会・新年会の判定早見表

場面

勘定科目の目安

判断のポイント

全従業員を対象に会社が開く忘年会(一次会)

福利厚生費

全員に参加の機会がある/通常要する費用の範囲

役員だけの忘年会

交際費(社内飲食費)

「従業員の慰安」に当たらない。役員への給与とされる余地もある

特定の部署・有志だけの飲み会

交際費(社内飲食費)

全員が対象でないため福利厚生費にしにくい

二次会(有志・別の店)

交際費(社内飲食費)が多い

一次会と同じ条件を満たすかを別に判定する

取引先を招いた忘年会

交際費(1人当たり1万円以下なら交際費等から除外可)

参加者数で割った金額と保存書類

取引先・同業者の忘年会に会費を払って参加

交際費(同上)

会費は自社の飲食費相当額として扱う

不参加者に現金を渡した

給与

参加者を含む全員が給与課税の対象になる

「交際費(社内飲食費)」は、自社の役員・従業員だけで飲食した費用です。後で説明するとおり、社内飲食費は1万円基準も接待飲食費の50%損金算入も使えません。福利厚生費に当たるかどうかで税金の結果が大きく変わるのはこのためです。

迷ったときに確認する3つの質問

  1. 参加者に社外の人はいるか:いれば交際費の検討に進む
  2. 全従業員に参加の機会があったか:役員だけ・一部だけなら福利厚生費にしにくい
  3. 金額は社会通念上の範囲か:高級店での1人数万円の会は「通常要する費用」を超えやすい

福利厚生費にできる忘年会の条件

交際費等の定義は租税特別措置法61条の4第6項にあり、交際費等から除かれる費用として「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用」が挙げられています(国税庁タックスアンサー No.5265)。社内の忘年会・新年会はこの「慰安のための行事」として扱う考え方が基本です。

全従業員が対象で、通常要する費用の範囲であること

措置法通達61の4(1)-10は、創立記念日や新社屋落成式などに際し「従業員等におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用」を交際費等に含めないとしています(国税庁 租税特別措置法関係通達 第61条の4(1)関係)。忘年会もこれと同じく、全員が対象であることと通常の範囲の金額であることが実務上の目安になります。

「全員参加」は、全員が実際に出席することまでは求められていないと考えられます。全員に案内し、参加の機会を設けたことが大切です。案内メールや出欠表を残しておくと、後で説明しやすくなります。金額について法令上の上限額はありません。1人当たりの単価、店の格、時間を見て、社内行事として常識的かどうかで判断します。

役員だけ・一部の部署だけの会は福利厚生費にしにくい

役員だけの会は「専ら従業員の慰安のため」とは言いにくく、交際費(社内飲食費)として扱うのが基本です。所得税の面でも、所得税基本通達36-30は、レクリエーション行事の費用について「役員だけを対象として当該行事の費用を負担する場合」を非課税の扱いから外しています(国税庁 所得税基本通達36-30)。役員への給与とされる余地もあるため、役員だけの会を定例で開いている会社は顧問税理士に処理を確認してください。

部署ごとの忘年会は、会社が全部署に同じ基準(1人当たり〇円まで)で補助している場合と、特定の部署だけが飲んでいる場合で見え方が変わります。前者は全員に機会がある社内行事として説明しやすく、後者は交際費(社内飲食費)として処理するのが無難です。

不参加者に現金を渡すと、参加者も給与課税になる

所得税基本通達36-30は、社会通念上一般的なレクリエーション行事(会食を含む)の費用を使用者が負担しても、参加者に課税しなくて差し支えないとしています。ただし、参加しなかった人に参加の代わりとして金銭を支給する場合は、この扱いから外れます。国税庁のタックスアンサー No.2603(レクリエーション旅行)でも、不参加者に金銭を支給すると参加者と不参加者の全員に給与の支給があったものとされると説明されています。「欠席した人には商品券を」という運用は、給与課税の点から避けたほうが安全です。

交際費になる忘年会|取引先を招く・招かれる

取引先を招いた忘年会や、取引先・同業者の忘年会に会費を払って参加した費用は、事業に関係のある者への接待等として交際費等に当たります。ただし、取引先との飲食には1人当たり1万円以下なら交際費等から除ける特例があります。

1人当たり1万円以下の飲食費は交際費等から除外できる

令和6年4月1日以後に支出する飲食費は、支出額を参加者の数で割った金額が10,000円以下なら交際費等から除かれます(それ以前は5,000円以下)。根拠は措置法61条の4第6項第2号と、金額を1万円と定める同法施行令37条の5です(タックスアンサー No.5265)。押さえるべき点は次の3つです。

  • 参加者には自社の社員も含めて割る:取引先5人・自社3人で72,000円なら、72,000円÷8人=9,000円で判定
  • 1万円を超えたら全額が交際費等:1万円を超えた部分だけが交際費になるのではない(国税庁交際費等(飲食費)に関するQ&A Q9。旧5,000円基準の時期の資料ですが、考え方は同じです)
  • 税抜か税込かは会社の経理方式に従う:税抜経理なら税抜金額、税込経理なら税込金額で判定

一次会と二次会は、全く別の業態の店で単独で行われたと認められれば、それぞれで判定してかまいません。同じ店で支払いを分けただけなら全体で判定します(同Q&A Q10)。また、取引先を店へ送迎したタクシー代は飲食費に含めず、交際費になります(同Q4、国税庁接待飲食費に関するFAQ Q3)。

保存書類に書く5項目

1万円以下の特例は、次の事項を記載した書類を保存している場合に限り使えます(タックスアンサー No.5265)。領収書の裏や経費精算書の備考欄に書く運用が多く、様式の決まりはありません。

  1. 飲食等のあった年月日
  2. 参加した得意先・仕入先などの氏名または名称と、その関係(例:「〇〇株式会社 営業部 △△様 他4名、販売先」)
  3. 参加した者の数
  4. 費用の金額と、飲食店の名称・所在地
  5. その他、飲食費であることを明らかにするために必要な事項

人数の水増しや、1回の飲食を分けて記載することは、事実の隠ぺい・仮装に当たると国税庁のQ&A(Q14)は注意しています。経費精算書に上の5項目の欄を用意しておくと記入漏れを防げます。様式は経費精算書テンプレートを土台に、備考欄を足して使えます。

取引先の忘年会に会費を払った場合

同業者の懇親会や取引先と共同で開く懇親会に出て、自分の分の飲食費相当額を会費として払った場合、その費用は社内飲食費には当たりません(接待飲食費に関するFAQ Q4)。そのため1万円基準や接待飲食費の50%損金算入の対象になります。

1万円以下かどうかは、本来は会全体の飲食費を参加者数で割って判定します。主催者から総額の通知がなく、1人当たりがおおむね1万円程度に止まると想定される場合は、自社が払った会費の額で判定してかまわないとされています(措置法通達61の4(1)-23の注)。

社内だけの飲み会は1万円基準の対象外

よくある誤解が「社内の飲み会も1人1万円以下なら交際費にならない」というものです。1万円基準の対象からは、専ら自社の役員・従業員やその親族のための飲食費(社内飲食費)が除かれています。福利厚生費の条件を満たさない社内の飲み会は、1人5,000円でも交際費です。

中小法人は「800万円」と「接待飲食費の50%」を選べる

交際費等は原則として損金に算入できませんが、期末の資本金が1億円以下の法人(大法人の100%子会社などを除く)は、次のどちらかを事業年度ごとに選べます(タックスアンサー No.5265、接待飲食費に関するFAQ Q8)。

方法

損金に算入できる額

向いている会社

定額控除限度額

交際費等のうち年800万円まで(事業年度が12か月未満なら月数で按分)

交際費等の総額が800万円以下に収まる会社

接待飲食費の50%

社外の人との飲食費(接待飲食費)の50%

接待飲食費が年1,600万円を超える会社

接待飲食費の50%を使うには、帳簿書類に飲食の年月日・相手先と関係・金額と店名・所在地などを記載しておく必要があります(同FAQ Q6)。資本金1億円超の法人は定額控除限度額を使えず、資本金100億円超の法人は交際費等の全額が損金不算入です。

二次会・会費制・景品・タクシー代・キャンセル料の扱い

忘年会の経費精算で質問が集中するのが、本体以外の周辺費用です。結論を先に表にまとめます。

費用

勘定科目の目安

消費税

二次会(有志)

交際費(社内飲食費)

課税仕入れ

従業員から集めた会費

会社負担分だけを費用にする

-

景品(物品)

福利厚生費

課税仕入れ

景品(商品券・ギフト券)

福利厚生費(給与課税に注意)

非課税(仕入税額控除なし)

帰りのタクシー代

会の性質に合わせる(取引先の送迎は交際費)

課税仕入れ

会場のキャンセル料

福利厚生費・雑損失など

対象外(不課税)

二次会は一次会と別に判定する

二次会は有志だけ、別の店で行うことが多く、「全従業員が対象」という福利厚生費の条件を満たしにくくなります。会社が二次会代まで払う場合は、交際費(社内飲食費)として処理するのが無難です。二次会まで全員を対象に会社行事として組み込み、金額も通常の範囲に収まっているといった事情があれば、一次会と一体で考える余地もあります。

会費制・従業員の自己負担がある場合

1人3,000円の会費を集め、残りを会社が負担する形はよくあります。この場合、会社の費用になるのは店への支払総額から集めた会費を引いた会社負担分です。会費を集めた時点で預り金にし、支払時に相殺すると、総額と会社負担額の両方が帳簿に残ります。

景品・ビンゴの商品

全員が参加する忘年会の景品は、忘年会費用の一部として福利厚生費で処理します。物品の購入は課税仕入れですが、商品券・ギフト券などの物品切手等の購入は消費税が非課税です(国税庁タックスアンサー No.6229)。換金性の高い商品券を高額で配ると、従業員への給与として扱われるおそれもあります。景品の上限額は社内で決めておくのが安全です。

タクシー代

全員参加の忘年会の帰りに、終電を逃す人のタクシー代を会社のルールで一律に負担する場合は、忘年会の費用の一部として福利厚生費で処理する考え方がとれます。特定の役員だけの送迎など、対象が限られる場合は交際費や給与として扱う余地が出てきます。一方、取引先を店まで送迎したタクシー代は交際費で、1万円基準の計算に入れる飲食費には含めません。タクシーの領収書は、インボイス制度では記載事項が簡略化された適格簡易請求書として受け取れます(タックスアンサー No.6625)。

会場のキャンセル料

予約の取消しに伴うキャンセル料は、逸失利益に対する損害賠償金の性質のため、消費税の課税対象になりません(消費税法基本通達5-5-2)。ただし、解約の時期にかかわらず一定額を取る「取消手数料」は役務提供の対価として課税されます。科目は、予定していた忘年会の科目(福利厚生費など)か雑損失のどちらかに決めて継続します。

消費税とインボイスの扱い

忘年会の飲食代は、福利厚生費でも交際費でも消費税の課税仕入れです。国税庁のタックスアンサー No.6451は、課税仕入れになる取引の例として「厚生費、接待交際費」を挙げています。店内での飲食(外食)は軽減税率の対象外なので、税率は10%です(タックスアンサー No.6102)。

  • インボイスを受け取る:仕入税額控除には帳簿とインボイスの保存が必要。飲食店の領収書は適格簡易請求書として受け取れる
  • 登録番号を確認する:免税事業者の店のレシートは原則として仕入税額控除の対象外(経過措置あり)
  • 税抜経理の会社の注意点:交際費等に係る控除対象外消費税額等は、交際費等の額に含めて損金不算入額を計算する

インボイス制度の経過措置や2割特例の全体像はインボイス制度の最新対応で整理しています。なお、令和9年4月1日から2年間、飲食料品の譲渡について税率の引下げが予定されています(タックスアンサー No.6102)。景品で食品を買う場合などは、国税庁の特設サイトで最新の内容を確認してください。

仕訳例7パターン

以下は税込経理の例です。税抜経理の会社は、課税仕入れの部分を本体と仮払消費税に分けてください。

1. 全従業員の忘年会(福利厚生費)

(借)福利厚生費 220,000  (貸)普通預金 220,000
摘要:12/20 全社忘年会 〇〇亭 参加25名/在籍28名(全員に案内済)

2. 会費制の忘年会(会社負担分だけを費用に)

【会費の受取時】
(借)現金    90,000  (貸)預り金 90,000
摘要:忘年会会費 3,000円×30名

【店への支払時】
(借)福利厚生費 240,000  (貸)普通預金 330,000
   預り金    90,000

3. 役員だけの忘年会(交際費・社内飲食費)

(借)交際費 60,000  (貸)未払金 60,000
摘要:役員懇親会 〇〇 役員4名(社内飲食費)

社内飲食費は1万円基準も50%損金算入も使えません。補助科目で「社内飲食費」を分けておくと、決算時の別表十五の集計が楽になります。

4. 取引先を招いた忘年会・1人当たり1万円以下

(借)交際費(1万円以下飲食費) 72,000  (貸)普通預金 72,000
摘要:12/18 〇〇株式会社 営業部 △△様他4名(販売先)・当社3名 計8名
   1人当たり9,000円 〇〇亭(〇〇市〇〇町)

交際費等から除かれる費用なので、会議費などの別科目で処理する会社もあります。どちらでもよいので、科目か補助科目で区分して継続することが大切です。

5. 取引先を招いた忘年会・1人当たり1万円超

(借)交際費(接待飲食費) 90,000  (貸)普通預金 90,000
摘要:12/22 △△商事 □□様他3名(仕入先)・当社2名 計6名
   1人当たり15,000円 〇〇(〇〇市〇〇町)

6. 取引先の忘年会に会費を払って参加

(借)交際費(1万円以下飲食費) 8,000  (貸)現金 8,000
摘要:〇〇協同組合 忘年懇親会 会費(当社1名) 会場〇〇ホテル

7. 景品の購入とキャンセル料

(借)福利厚生費 33,000  (貸)普通預金 33,000
摘要:忘年会ビンゴ景品(雑貨) 課税仕入れ10%

(借)福利厚生費 20,000  (貸)普通預金 20,000
摘要:忘年会景品 ギフト券 消費税非課税

(借)雑損失   15,000  (貸)普通預金 15,000
摘要:新年会 会場キャンセル料 消費税対象外

12月決算・3月決算の会社は、忘年会の支払いが未払いのまま期末を迎えることもあります。交際費等は、支払っていなくても飲食等の行為があった事業年度の交際費等になる点にも注意してください(措置法通達61の4(1)-24)。期末の確認手順は決算整理仕訳の一覧と手順も参考になります。

個人事業主の忘年会は経費になる?

個人事業主の必要経費は、業務上の費用かどうかで判断します(所得税法37条、国税庁タックスアンサー No.2210)。法人の交際費等の損金不算入(800万円の枠や50%の計算)は法人税の規定なので、個人事業主には同じ上限はありません。

  • 従業員がいて全員を対象に開く忘年会:福利厚生費として必要経費になりうる
  • 取引先を招く・取引先の会に参加する:接待交際費として必要経費になりうる(業務との関係を説明できる記録を残す)
  • 従業員がおらず、事業主本人や家族だけで飲食する:家事上の費用(家事費)にあたり、必要経費にならない

家族を青色事業専従者にしている場合など、判断が分かれる場面もあります。迷う場合は顧問税理士に確認してください。個人事業主が使える節税策の全体像は個人事業主の節税10選で整理しています。

社内・顧問先への説明文例

判定ルールは、忘年会の前に共有しておくと精算の手戻りが減ります。経理担当者向けの社内周知と、会計事務所の職員が顧問先に答える文例を用意しました。

例文1:社内への周知(経理→全社)

件名:【経理】忘年会・新年会の費用精算ルール(【年度】)

各位

今年の忘年会・新年会の精算ルールをお知らせします。

■会社負担の対象
・全員に案内する部署単位の忘年会:1人当たり【上限額】円まで
・二次会は会社負担の対象外です

■精算時に必要なもの
・店の領収書(登録番号「T+13桁」の記載があるもの)
・参加者名簿(案内した人数と参加した人数)

■取引先が参加する場合
・経費精算書の備考欄に、相手先の会社名・氏名・関係・人数・店名と所在地を記入してください

■ご注意
・欠席者への現金や商品券の配布はしないでください(給与課税の対象になります)

ご不明点は【担当者名】までご連絡ください。

うまくいかない例→直し方:「常識の範囲で」とだけ書くと、部署ごとに解釈が分かれます。上限額を数字で示し、二次会の扱いも明記してください。

例文2:顧問先からの質問への回答(会計事務所→顧問先)

【顧問先名】様

お問い合わせの忘年会費用の処理についてご回答します。

・全従業員を対象とした一次会(1人当たり約【金額】円)は、
 福利厚生費として処理して差し支えないと考えます。
・役員の方のみで行われた二次会は、交際費(社内飲食費)となります。
 社内飲食費は1人当たり1万円以下の特例の対象外です。
・取引先の方が参加された会は、1人当たりの金額が1万円以下であれば
 交際費から除くことができます。相手先の会社名・氏名・人数・店名を
 領収書の裏面にご記入のうえ保管をお願いします。

判断に迷うものは、領収書の写しと参加者名簿をお送りください。

うまくいかない例→直し方:「一般的には福利厚生費です」とだけ答えると、役員だけの会まで福利厚生費にされがちです。参加者の範囲ごとに分けて答えるのがコツです。年末の連絡とあわせて送るなら顧問先への年末の挨拶メール例文も使えます。

AIで勘定科目の判定を補助する方法とプロンプト例

忘年会の精算は12月に集中し、件数が多い割に1件ごとの判定ポイントは似ています。AIに下調べ(論点の洗い出しと保存書類の確認)をさせ、最終判断は人が行う分担が向いています。会社名や個人名は入力せず、記号に置き換えてください。AIの利用と守秘義務の考え方は会計事務所のセキュリティ×AIでまとめています。

プロンプト1:判定の論点を洗い出す

あなたは日本の法人税に詳しい経理担当者の補助役です。
次の飲食費について、勘定科目の候補(福利厚生費・交際費・会議費・給与)と、
判定に必要な確認事項を一覧にしてください。

【条件】
・結論を断定せず、「候補」と「確認が必要な事実」を分けて書く
・根拠は、租税特別措置法61条の4、措置法通達61の4(1)-10、
 所得税基本通達36-30の考え方に沿って説明する
・不明な事実は推測で補わず「要確認」と書く

【飲食の内容】
・日付:【日付】
・参加者:社内【人数】名(役員【人数】名を含む)/社外【人数】名
・案内の範囲:【例:全従業員に案内/営業部のみ】
・支払総額:【金額】円(税込)
・店:【例:居酒屋/ホテル宴会場】
・その他:【例:二次会あり、従業員から会費3,000円を徴収】

うまくいかない例→直し方:「この飲み会は福利厚生費?」とだけ聞くと、AIは条件を推測して断定しがちです。参加者の範囲と案内の範囲を必ず書き、「推測で補わない」と指示してください。

プロンプト2:1万円基準の計算と保存書類のチェック

次の取引先との飲食について、
(1) 1人当たりの金額(支払総額÷参加者数。参加者には自社の社員も含む)
(2) 10,000円以下かどうか(当社は【税込経理/税抜経理】)
(3) 保存書類の5項目(年月日・相手先の名称と関係・人数・金額と店名と所在地・その他)
  のうち、下の記録で足りないもの
を表にしてください。

【記録】
・日付:【日付】
・相手先:【A社 営業部 B様 他3名】/関係:【販売先】
・当社参加者:【人数】名
・支払総額:【金額】円(税込)、うち消費税【金額】円
・店名:【店名】/所在地:【未記入】

うまくいかない例→直し方:割り算に社外の人数だけを使う誤りがよく出ます。「参加者には自社の社員も含む」と条件に書くと防げます。

汎用のAIでも論点の整理には使えますが、通達の番号や金額基準を古い情報のまま答えることがあります。士業AIは国税庁などの公的情報を参照して答える会計・税務向けのAIで、仕訳の下書きから根拠の確認までを1つの画面で行えます。経理担当者の使い方は経理・事務スタッフ向けのご紹介、顧問先対応が多い会計事務所の方は税理士・会計事務所向けのご紹介をご覧ください。

まとめ|忘年会の経理は「参加者の範囲」と「記録」で決まる

忘年会・新年会の費用は、全従業員を対象とした通常の範囲の会なら福利厚生費、取引先が関わる会なら交際費が基本です。役員だけの会や有志の二次会は社内飲食費として交際費になり、1万円基準も50%損金算入も使えません。不参加者に現金を渡すと、参加者を含めた全員が給与課税の対象になります。

取引先との飲食は、自社の社員を含めた人数で割って1万円以下かを判定し、相手先・人数・店名などの5項目を記録します。12月の精算が始まる前に社内ルールを周知し、AIは論点の洗い出しと記録漏れのチェックに使って、最終判断は国税庁の最新情報と顧問税理士の確認で行ってください。

参考文献

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