業務効率化

賞与支給のお知らせ文例|社内通知・寸志・不支給の文面と12月の実務

賞与(ボーナス)の支給を社員に知らせる「賞与支給のお知らせ」は、支給日・支給対象・支給方法・明細の渡し方・問い合わせ先の5点が入っていれば、短い文面で十分に機能します。難しいのは、寸志にとどまる年や、減額・不支給を伝えなければならない年の文面です。

この記事では、社内掲示・全社メール・明細に添える一言・寸志・減額・不支給・支給日変更の7パターンの文例をコピペで使える形でまとめ、あわせて12月賞与で経理総務が押さえる控除と届出の流れを一次情報に沿って整理します。

この記事で分かること

  • 賞与支給のお知らせに入れる項目と、掲示・メール・明細添え書きの使い分け
  • そのまま使える文例7パターン(通常・寸志・減額・不支給・支給日変更ほか)
  • 減額・不支給を伝える前に就業規則で確認すること
  • 賞与明細の渡し方(手渡し・PDF・Web明細)と電子交付の承諾
  • 12月賞与の社会保険料・源泉所得税・賞与支払届のスケジュール
  • AIでお知らせ文を作るプロンプト例と、AIに任せてはいけない部分

賞与支給のお知らせに書く項目と出し方

お知らせの目的は「いつ・いくら(どう決まったか)・どう受け取るか」を全員に同じ情報で伝え、個別の問い合わせを減らすことです。金額そのものは明細や個別通知で伝え、全体向けの文面には載せないのが一般的です。

お知らせに入れる7項目

項目

書き方の例

抜けると起きること

支給日

2026年12月10日(木)

「いつ入るのか」の問い合わせが集中する

支給対象者

支給日に在籍する正社員・契約社員(規程第◯条)

退職予定者・パートからの問い合わせが増える

算定期間

2026年4月1日〜9月30日

中途入社者が自分の扱いを判断できない

支給方法

給与振込口座へ振込

口座変更の締切を守れない人が出る

明細の渡し方

支給日にWeb明細で公開/手渡し

「明細が届かない」問い合わせ

控除の概要

社会保険料・雇用保険料・所得税を控除

手取りが想定より少ないという不満

問い合わせ先

総務部 給与担当(内線◯◯)

上司や同僚経由で情報が混乱する

社内掲示・メール・明細添え書きの使い分け

手段

向いている会社・場面

注意点

社内掲示・社内ポータル

全員が同じ場所を見る工場・店舗、10人以上の事業所

個人の金額や評価は書かない

全社員向けメール・チャット

事務職中心・リモート勤務がある会社

BCCや宛先グループを確認。件名に支給日を入れる

明細に添える一言

少人数の会社、手渡しの会社

感謝の言葉は短く。評価コメントは面談で

個別面談+書面

減額・不支給・個別事情がある場合

全体通知だけで済ませない

賞与支給のお知らせ文例【コピペ可】

【】の部分を自社の内容に置き換えて使ってください。規程の条番号や支給対象の書き方は、自社の就業規則・賃金規程と必ず一致させます。

文例1:社内掲示・ポータル(通常支給)

【2026】年【12】月【1】日
従業員各位
【株式会社◯◯】総務部

冬季賞与支給のお知らせ

日頃より業務にご尽力いただき、ありがとうございます。
冬季賞与を下記のとおり支給しますので、お知らせします。

記
1. 支給日  【2026年12月10日(木)】
2. 支給対象 支給日に在籍する【正社員・契約社員】(賃金規程第【◯】条)
3. 算定期間 【2026年4月1日〜2026年9月30日】
4. 支給方法 給与振込口座へ振込
5. 明細   支給日に【Web明細】で公開します
6. 控除   健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・所得税等を控除します
7. お問い合わせ 総務部 給与担当【氏名】(内線【◯◯】)
以上

文例2:全社員向けメール

件名:【12/10支給】冬季賞与の支給と明細公開のお知らせ

従業員の皆さま

総務部の【氏名】です。
冬季賞与を【12月10日(木)】に、給与振込口座へ振り込みます。

・明細は同日【9時】以降、【Web明細システム名】で確認できます
・振込口座を変更した方は【11月25日】までに総務部へご連絡ください
・控除額(社会保険料・所得税等)は明細でご確認ください

金額や算定についてのご質問は、メールではなく
【総務部 給与担当(内線◯◯)】へ個別にお問い合わせください。

今年も一年、ありがとうございました。

文例3:明細に添える一言(手渡し・PDF配布)

【氏名】さん

今期もお疲れさまでした。冬季賞与の明細をお渡しします。
支給額と控除の内訳をご確認のうえ、ご不明な点は【総務部 ◯◯】までお知らせください。
来期もよろしくお願いします。

【代表取締役 氏名】

PDFで送る場合は、パスワードを本文とは別の経路(口頭・チャット)で伝え、宛先の確認を二人で行うと誤送信を防げます。

文例4:寸志のお知らせ(創業期・小規模事業所)

従業員各位

本年は厳しい事業環境の中、皆さまのおかげで年末を迎えることができました。
感謝の気持ちとして、下記のとおり寸志を支給します。

支給日 【12月25日(金)】
対象  支給日に在籍する従業員
金額  一律【◯万円】(パート・アルバイトは【◯万円】)
支給方法 給与振込口座へ振込(明細を別途お渡しします)

寸志も賞与と同じく、社会保険料・所得税等の控除対象となります。

名目が「寸志」でも、社会保険では年3回以下の支給であれば賞与として扱われ、賞与支払届の対象になります(日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」)。届出の書き方は賞与支払届の書き方と記入例で解説しています。

文例5:減額支給のお知らせ

従業員各位

冬季賞与の支給について

本年度上期は【主要取引先の受注減少】により、売上高が前年同期比【◯%】減となりました。
賃金規程第【◯】条「会社の業績等を勘案して支給額を決定する」に基づき、
今期の冬季賞与は【前年冬季比で平均◯割程度の水準】で支給することとしました。

支給日 【12月10日(木)】
個別の支給額は明細でお知らせします。

ご期待に沿えない結果となり、申し訳ありません。
来期は【◯◯の施策】により業績の回復に取り組みます。
算定についてのご質問は、所属長または総務部【氏名】が個別にお受けします。

【代表取締役 氏名】

文例6:不支給のお知らせ

従業員各位

冬季賞与の不支給について

本年度は【◯◯】の影響により、【◯期連続の営業赤字】となる見込みです。
賃金規程第【◯】条ただし書き「会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合は、
支給時期を延期し、または支給しないことがある」に基づき、
誠に遺憾ながら今冬の賞与は支給を見送ることといたしました。

皆さまの日々の努力に報いることができず、心よりお詫び申し上げます。
【12月◯日】に全体説明会を開き、業績の状況と来期の見通しをご説明します。
個別のご相談は総務部【氏名】までお寄せください。

【代表取締役 氏名】

文例7:支給日変更のお知らせ

件名:冬季賞与の支給日変更のお知らせ(12/10→12/15)

従業員の皆さま

冬季賞与の支給日を、【金融機関の振込手続の都合】により
【12月10日(木)】から【12月15日(火)】に変更します。
直前のご連絡となり申し訳ありません。

支給額・明細の公開方法に変更はありません。
ご不明な点は総務部【氏名】(内線【◯◯】)までお問い合わせください。

うまくいかない例→直し方

うまくいかない例

直し方

「業績不振のため賞与はありません」の一文だけ

根拠の規程条文、業績の数字、説明の場(説明会・個別相談)を必ず添える

全体メールに個人の評価や支給額の幅を書く

全体向けは事実と手続きだけ。個人の内容は明細と面談で伝える

「例年どおり支給予定」と早めに書いてしまう

金額が確定するまでは「支給日と方法」だけを伝え、水準の約束はしない

減額・不支給を伝える前に確認すること

文面より先に確認すべきなのが、就業規則・賃金規程の定めです。労働基準法では、賞与などの「臨時の賃金等」の定めをする場合は就業規則に記載することとされています(労働基準法第89条第4号)。

支給が「約束」になっていないか

厚生労働省沖縄労働局の労働相談事例では、支給金額を具体的に明示し、必ず支給することを就業規則等に明記している場合は支給義務があり、「会社の業績により支給しないことがある」等の規定がある場合は不支給もやむを得ない場合がある、と整理されています(沖縄労働局「労働相談事例 賃金・賞与・退職金Q3」)。雇用契約書に「賞与 年2回 基本給の◯か月分」と確定額で書いている場合などは、減額・不支給の前に社労士へ相談するのが安全です。

支給日在籍要件と退職予定者

同じ相談事例では、「支給日に在籍している者」と明確な規定がない場合、算定期間に勤務して既に退職した人の扱いが問題になり得るとしています。お知らせに支給対象を書くときは、規程の文言をそのまま引用し、独自の言い回しにしないことがトラブル防止になります。

全体通知と個別説明をセットにする

減額・不支給は、全体のお知らせだけで終わらせず、説明会や個別面談の日程を同じ文面で示します。問い合わせへの回答文は労務の問い合わせ回答テンプレ集の型も参考になります。

賞与明細の渡し方|手渡し・PDF・Web明細

賞与を支払うときも、毎月の給与と同じく支払明細書の交付が必要です。書面のほか、本人の承諾を得れば電子交付(PDF・Web明細)もできます。

電子交付には事前の承諾が必要

国税庁のQ&Aでは、給与等の支払明細書は、受給者の承諾を得れば電磁的方法で提供できるとされ、あらかじめ用いる方法の種類と内容を示して承諾を得ることが求められています(国税庁「源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A」)。冬の賞与からWeb明細に切り替える場合は、お知らせと同時に承諾の取得を済ませておきます。

渡すときのチェックリスト

  • 明細の支給額・控除額と、振込データの金額が一致しているか
  • 寸志・決算賞与も明細を発行しているか
  • PDFの宛先・ファイル名(氏名)が一致しているか、パスワードは別経路で伝えたか
  • 電子交付の承諾がない人に書面を用意しているか
  • 賃金台帳の賞与欄に記入したか(記入例は賃金台帳テンプレートと賞与の記入例)

賞与明細の書式は、標準賞与額の保険料と算出率による源泉所得税を自動計算するテンプレートを用意しています。欄ごとの書き方は給与明細テンプレート(賞与明細つき)で解説しています。

  • 給与明細テンプレート「賞与明細書(源泉税の計算つき)」の記入例(無料・Excel・PDF)

    04賞与明細書(源泉税の計算つき)

    ボーナス用。標準賞与額の保険料と、算出率の表による源泉所得税を自動で計算します。

    • 賞与
    • ボーナス
    • 算出率で計算

12月賞与の経理実務|控除・届出・納付の流れ

お知らせを出したあとの経理総務の作業は、「控除額の計算 → 支給・明細交付 → 5日以内の賞与支払届 → 翌月の納付」の順に進みます。

社会保険料と子ども・子育て支援金

賞与の健康保険・厚生年金保険の保険料は、税引き前の賞与額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に保険料率を掛けて計算し、労使折半で負担します。標準賞与額の上限は、健康保険が年度累計573万円、厚生年金保険が1か月あたり150万円です(日本年金機構)。

2026年4月分からは子ども・子育て支援金の拠出が始まり、令和8年度の支援金率は0.23%(労使折半)です。こども家庭庁の事業主向け資料では、賞与からも「標準賞与額×支援金率」で拠出するとされています(こども家庭庁 事業主向けリーフレット)。給与ソフトの設定が賞与にも反映されているか、12月の支給前に一度確認しておくと安心です。

雇用保険料

雇用保険料は賞与の支給額にも掛かります。令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の労働者負担の料率は、一般の事業で5/1000、農林水産・清酒製造の事業と建設の事業で6/1000です(厚生労働省 山梨労働局「令和8年度 雇用保険料率のご案内」)。

源泉所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」

賞与の源泉所得税は、月額表ではなく「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使います。前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額と扶養親族等の数で税率を求め、社会保険料等を差し引いた賞与額に掛けます。国税庁の例では、前月の給与(社会保険料等控除後)285,454円・扶養親族等3人で税率2.042%となり、賞与(同控除後)389,558円×2.042%=7,954円です(国税庁 No.2523 賞与に対する源泉徴収)。

前月に給与の支払がない場合と、賞与が前月の給与(社会保険料等控除後)の10倍を超える場合は、月額表を使う別の計算になります。なお、国税庁は令和9年分以後の算出率の表・月額表は改正されている旨を案内しているため、2026年12月の賞与は令和8年分の表を使い、2027年夏の賞与では表の切替えを確認します。表の読み方は源泉徴収税額表の見方も参考にしてください。

12月賞与のスケジュール早見表

時期

作業

根拠・参照

支給の2〜3週間前

支給額の決定、お知らせ文の掲示・送信、口座変更の締切告知

就業規則・賃金規程

支給の1週間前

控除額の計算・明細作成・振込データ作成、ダブルチェック

算出率の表・保険料率

支給日

振込、明細の交付(書面または電子交付)

所得税法の支払明細書の交付

支給日から5日以内

被保険者賞与支払届を年金事務所・事務センターへ提出

日本年金機構

翌年1月10日まで

賞与から徴収した源泉所得税を納付(納期の特例の承認を受けている場合は7〜12月分を翌年1月20日まで)

国税庁 No.2505

翌月末

賞与分を含む社会保険料を納入告知書で納付

日本年金機構

12月に支払う賞与も、その年に支払うことが確定した給与として年末調整の計算に含まれます(国税庁 No.2662 年末調整のしかた)。年末調整と賞与の作業が重なる12月の段取りは年末調整の効率化ガイド、源泉所得税の納付書は源泉所得税の納付書の書き方で解説しています。

AIで賞与のお知らせ文を作るプロンプト例

お知らせ文は「事実を正確に」「感情に配慮して」書く必要があり、生成AIの下書きが役立つ場面です。ただし金額・規程の条番号・日付はAIに考えさせず、人が入力した事実だけで文章を組み立てさせます。

プロンプト1:通常支給のお知らせ(掲示+メール)

あなたは中小企業の総務担当です。以下の事実だけを使って、
①社内掲示用(記書き形式)と②全社員向けメール(件名つき・300字以内)の
「冬季賞与支給のお知らせ」を作ってください。
事実にない日付・金額・規程は書かないでください。不足があれば質問してください。

・会社名:【株式会社◯◯】
・支給日:【2026年12月10日(木)】
・支給対象:【支給日に在籍する正社員・契約社員(賃金規程第◯条)】
・算定期間:【2026年4月1日〜9月30日】
・明細:【Web明細で支給日9時に公開】
・口座変更の締切:【11月25日】
・問い合わせ先:【総務部 ◯◯(内線◯◯)】

プロンプト2:減額・不支給の説明文

以下の事実をもとに、従業員向け「冬季賞与の【減額/不支給】のお知らせ」を作ってください。
条件:
・規程の条文は下に貼ったものをそのまま引用し、言い換えない
・業績の数字は下の数字だけを使う
・謝意とお詫び、説明会の日程、個別相談の窓口を必ず入れる
・責任転嫁や従業員を責める表現は使わない
・400字以内、代表者名で締める

【賃金規程の該当条文】:(貼り付け)
【業績の事実】:売上高 前年同期比【◯%】、営業損益【◯◯】
【説明会】:【12月◯日 ◯時 会議室A/オンライン】
【相談窓口】:【総務部 ◯◯】

うまくいかない例は、条文を貼らずに「業績悪化で不支給にする文を書いて」と頼むケースです。AIがもっともらしい規程の文言を作ってしまうため、必ず自社の条文を貼り、「言い換えない」と指示します。

AIに任せてはいけないこと

  • 減額・不支給が就業規則上できるかの判断(社労士・専門家に確認)
  • 保険料率・税率・上限額などの数字(公的機関の最新情報で確認)
  • 個人の評価や支給額を含む文面を、社外のAIサービスにそのまま入力すること

汎用の生成AIでも文面の下書きまではできますが、根拠となる公的情報を確かめながら使えるかどうかで、確認の手間は大きく変わります。給与計算の検算に使うプロンプトは給与計算のチェックをAIで行うプロンプト集にまとめています。経理・総務の日常業務での使い方は経理スタッフ向けの士業AIで紹介しています。

よくある質問

賞与支給のお知らせは必ず出さなければいけませんか?

お知らせの文書自体を出す法律上の義務はありません。ただし、支払明細書の交付は必要です。支給日・明細の渡し方・控除の概要を事前に伝えておくと、支給日前後の問い合わせを大きく減らせます。

お知らせに個人の支給額を書いてもよいですか?

全員が見る掲示やメールには書かず、明細や個別通知で本人にだけ伝えます。支給額の算定基準(基本給の◯か月分など)を全体に示すかどうかは、賃金規程の定め方と社内の運用に合わせて判断します。

賞与を支給しない場合、年金事務所への手続きは必要ですか?

日本年金機構に登録されている賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、不支給の届出が必要です。様式は賞与支払届と同じで、記入方法は賞与支払届・賞与不支給報告書の書き方で解説しています。

パート・アルバイトにもお知らせは必要ですか?

パート・アルバイトに賞与や寸志を支給する場合は、正社員と同じく支給日・明細の渡し方を伝えます。支給しない場合も、規程上の扱いを問われたときに説明できるよう、対象者の範囲を規程どおりに整理しておきます。

まとめ

  • 賞与支給のお知らせは「支給日・対象・算定期間・支給方法・明細・控除・問い合わせ先」の7項目で組み立てる
  • 寸志・減額・不支給は、規程の条文と事実を示し、説明の場をセットで案内する
  • 電子明細は事前の承諾が前提。承諾のない人には書面を用意する
  • 12月賞与は、算出率の表による源泉所得税、子ども・子育て支援金を含む社会保険料、5日以内の賞与支払届まで一連で段取りする
  • AIは文面の下書きに使い、数字と規程の判断は人と一次情報で確認する

年末は賞与のほかにも、年末年始休業の案内など社内外への連絡が続きます。休業案内の文例は年末年始休業のお知らせ例文にまとめています。

参考文献

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