法務×AI

出勤簿テンプレート無料6種|Excel自動計算・残業深夜の集計つき【2026年】

出勤簿のテンプレートを6種類、Excel・PDFの2形式で無料配布しています。会員登録は不要です。出勤・退勤・休憩を入れるだけの月間出勤簿から、タイムカード形式、残業・深夜・休日労働の集計つき、シフト制、テレワーク(中抜け時間つき)、1年分を月別にまとめる年間集計表まであります。Excel版は労働時間と残業を数式で自動計算します。

書き方の結論は3つです。始業・終業の時刻は1分単位の実績で書くこと(日ごとの15分未満の切り捨ては違法になります)。残業は「1日8時間」と「週40時間」の両方で数えること。そして出勤簿は、完結の日(賃金の支払期日のほうが遅ければ支払期日)から3年間保存することです。

この記事で分かること

  • 用途別に選べる出勤簿テンプレート6種類(Excel・PDF)
  • 出勤簿の作成・保存の義務(労働基準法109条・厚生労働省のガイドライン)
  • 記載項目と、欄ごとの書き方・注意点
  • 残業・深夜・休日労働の数え方と、Excelの計算式
  • シフト制・テレワーク・管理職など、ケース別の注意点
  • 法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳)との関係と、Excelで一から作る手順
  • 電子データで保存するときの条件と、36協定・賃金台帳との突合
  • AIで出勤簿をチェックするときのプロンプト例

出勤簿テンプレート無料ダウンロード(6種類)

毎日の時刻を記録するなら01か02、割増賃金の計算まで見据えるなら03を目安に選んでください。Excel版は「記入例」シートで完成形を確認でき、空欄のシートに入力すると労働時間・残業・合計が自動で計算されます。

用途

おすすめのテンプレート

ポイント

一般的な日勤の事務所

01 月間出勤簿

出勤・退勤・休憩から労働時間と8時間超の残業を自動計算

休憩も打刻で管理したい

02 タイムカード形式

出勤・休憩入・休憩戻・退勤の4つの時刻から実働を算出

残業代を正しく計算したい

03 残業・深夜・休日の集計

時間外・深夜・法定休日の労働を別々に集計

飲食・小売・介護のシフト勤務

04 シフト制

シフト記号・実績の時刻・深夜時間・日ごとの確認印

在宅勤務がある

05 テレワーク

勤務場所と中抜け時間を記録し、労働時間から差し引く

賃金台帳への転記・年間の確認

06 年間集計表

月別の出勤日数・有給・時間外・休日・深夜を1枚に

01〜05の曜日の列は、記入例と同じ2026年10月の並びで印字しています。ほかの月に使うときは、Excel版で曜日の列を書き換えてください。賃金台帳・労働条件通知書など、ほかの書式は無料の書式テンプレート一覧にまとめています。

Excel版とPDF版の使い分け

Excel版は数式で労働時間・残業・深夜を自動計算します。打刻データを貼り付けるだけで月の合計まで出るので、給与計算の前に検算したい会社はExcel版を選んでください。PDF版は同じレイアウトをそのまま印刷して手書きで使う版です。パソコンを共有していない現場、直行直帰で紙を持ち回る職種、監督署の調査に紙の控えで備えたい場合に向きます。

PDF版を使うときの注意は2つです。1つは、手書きの記録も労働時間の記録として扱われるため、あとから書き換えられる運用にしないこと。もう1つは、月末に合計を手計算すると誤差が出やすいので、集計だけはExcel版か電卓で二重に確かめることです。紙で集めてExcelに転記する会社は、転記した人と転記日も残しておくと、数字が食い違ったときに追いやすくなります。

シンプルな様式で足りる会社・足りない会社

どの様式を選ぶかは、自社で割増賃金をどこまで払う必要があるかで決めます。全員が所定内で働き、残業も深夜も休日出勤もほとんど発生しない事務所なら、01の月間出勤簿のようなシンプルなひな形(日付・曜日・出勤・退勤・休憩・労働時間)で足ります。

一方、次のどれかに当てはまる会社は、シンプルな様式だけでは賃金台帳に必要な数字が作れません。残業が恒常的にある/22時以降に働く人がいる/法定休日に出勤することがある/シフト制や変形労働時間制をとっている/在宅勤務がある。この場合は03以降の集計欄つきの様式に切り替えるか、シンプルな様式に「時間外」「深夜」「休日」の3列を足してください。1種類だけ選ぶなら、あとから列を足せるExcel版が安全です。

スマホ・Googleスプレッドシートで使うとき

Excel版はGoogleスプレッドシートにそのままインポートできます。共有すればスマホのブラウザやアプリから各自が入力でき、事務所側は集計をその場で見られます。ただしインポートのときに次の3点が崩れやすいので、最初の1か月は必ず目視で確認してください。

  • 表示形式「[h]:mm」— 24時間を超える合計を出す設定。スプレッドシートでは「表示形式 → 数値 → カスタム数値形式」で入れ直す
  • 時刻の入力 — 「9:00」と入れるべきところに「900」と入ると文字列になり、合計が0になる
  • シートの保護 — 数式の列を保護しないと、入力する人が誤って上書きする

スマホからの自己申告だけで運用する場合は、厚生労働省のガイドラインが自己申告制に求める措置(実態調査と乖離の是正、申告できる時間に上限を設けないこと)が別に必要になります。打刻アプリのログなど、客観的な裏づけが残る仕組みと組み合わせるのが安全です。

出勤簿とは|作成と保存の義務

出勤簿は、従業員が日々何時から何時まで働いたかを記録する帳簿です。労働者名簿や賃金台帳と違って法律で決まった様式はありませんが、記録そのものは使用者の義務です。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録することを求めています。

確認の方法は、原則として「使用者が自ら現認する」か「タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間などの客観的な記録を基礎にする」かのどちらかです。本人の自己申告に頼る場合は、実態と合っているかの調査や、申告の上限を設けないことなどの措置が必要とされています。

ルール

内容

根拠

始業・終業時刻の記録

労働日ごとに確認して記録する

厚生労働省ガイドライン 4(1)(2)

労働時間の状況の把握

管理監督者を含めて、客観的な方法で把握し記録を3年間保存

労働安全衛生法66条の8の3・安衛則52条の7の3

保存期間

本則は5年、当分の間は3年

労働基準法109条・附則143条

保存の起算日

記録の完結の日。賃金の支払期日のほうが遅ければ支払期日

労働基準法施行規則56条

違反したとき

109条の違反は30万円以下の罰金

労働基準法120条

出勤簿やタイムカードは、109条の「その他労働関係に関する重要な書類」に当たります(厚生労働省リーフレット「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」)。たとえば10月31日締め・11月25日払いの会社なら、10月分の出勤簿は支払期日の2026年11月25日から3年間、つまり2029年11月25日まで保存します。2020年の改正で本則は5年に延びており、「当分の間3年」の経過措置が見直されれば期間が変わる点にも注意してください。

出勤簿は法定三帳簿とセットで整える

労働基準法が事業場ごとに備えることを求めている帳簿は、労働者名簿(107条)、賃金台帳(108条)、そして出勤簿を含む「労働関係に関する重要な書類」(109条)です。この3つをまとめて法定三帳簿と呼びます。出勤簿だけを整えても、賃金台帳の労働日数・労働時間数・時間外・休日・深夜の欄(施行規則54条1項4号〜6号)が埋まらなければ、監督署の是正指導の対象になります。

帳簿

根拠

様式

保存期間の起算日

労働者名簿

労働基準法107条・施行規則53条

様式第19号

死亡・退職・解雇の日

賃金台帳

労働基準法108条・施行規則54条・55条

様式第20号

最後の記入をした日(支払期日が遅ければ支払期日)

出勤簿

労働基準法109条

定めなし(自由)

完結の日(支払期日が遅ければ支払期日)

年次有給休暇管理簿

施行規則24条の7

定めなし(自由)

付与した期間中および満了後

労働時間の状況の記録

安衛則52条の7の3第2項

定めなし(自由)

記録の作成時(3年保存)

保存期間は、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿が本則5年で当分の間3年(労働基準法109条・附則143条2項)、年次有給休暇管理簿も本則5年で当分の間3年(施行規則24条の7・同附則)です。施行規則55条の2は、年次有給休暇管理簿・労働者名簿・賃金台帳を合わせて調製してよいと定めています。出勤簿も同じファイルで管理して構いません。それぞれの書式は労働者名簿テンプレート(様式第19号準拠)、賃金台帳テンプレート(様式第20号対応)、年次有給休暇管理簿テンプレートで配布しています。三帳簿をまとめてそろえたい場合は労務書式テンプレート無料まとめが早いです。労働者名簿と賃金台帳の様式は、厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」でも配布されています。

タイムカード・ICカードと出勤簿の違い

タイムカードは打刻の生データ、出勤簿は1か月分を1枚にまとめた帳簿です。役割が違うので、どちらか一方があればよいというものではありません。ガイドラインが求める「客観的な記録」はタイムカードやICカード、パソコンの使用時間の記録が典型で、労働安全衛生規則52条の7の3第1項も労働時間の状況の把握方法を「タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法」と定めています。

実務では、打刻データを出勤簿に転記し、本人と上長が確認して確定させる流れにします。打刻と出勤簿の数字が食い違ったときは、出勤簿を打刻に合わせて直すのが原則です。打刻より短い時間に丸めた出勤簿を作っても、未払い残業を争われたときには打刻データのほうが記録として重く見られます。打刻を修正したときは、誰がいつ何を直したかの記録も残してください。同条2項は、把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存する措置を事業者に求めています。

出勤簿の書き方|記載項目と必須・任意

様式は自由ですが、賃金台帳には労働日数・労働時間数・時間外・休日・深夜の労働時間数を書く義務があり(施行規則54条)、その元になるのが出勤簿です。テンプレートは次の項目をそろえています。

項目

必須/任意

根拠・理由

注意点

氏名・所属・対象期間

必須(実務上)

誰のいつの記録かを特定する

締日が月末でない会社は「9月21日〜10月20日」のように書く

日付・曜日

必須(実務上)

週40時間・休日の判定に使う

法定休日の曜日を決めておく

始業・終業時刻

必須

ガイドライン 4(1)

1分単位の実績。所定の時刻を機械的に書かない

休憩時間

推奨

労働基準法34条

6時間超で45分、8時間超で1時間以上。実際に取れた時間を書く

労働時間

必須(賃金台帳の基礎)

施行規則54条1項5号

終業−始業−休憩。Excelは自動計算

時間外・休日・深夜の時間数

必須(賃金台帳の基礎)

施行規則54条1項6号

それぞれ別に集計する(03の書式)

休暇・欠勤・遅刻早退

推奨

労働日数と賃金控除の根拠

年次有給休暇は別に管理簿も必要

確認印

任意

本人と上長の確認の記録

自己申告制なら、実態との照合も残しておく

休み(有給・欠勤・特別休暇)の書き方

休んだ日は時刻の欄を空けたままにせず、理由が分かる記号を入れます。空欄のままだと、記録を忘れたのか休んだのかが後から分からず、労働日数の集計も合わなくなるためです。テンプレートでは次の記号を使っています。

記号

意味

労働時間の欄

扱い

有

年次有給休暇

0:00

賃金は支払う。年休の付与要件(8割出勤)の判定では出勤したものとして扱う

半

半日の年次有給休暇

実働分を記入

午前・午後どちらを取ったかを備考に書く

時

時間単位の年次有給休暇

実働分を記入

取得した時間数を備考に書く(労使協定が前提)

欠

欠勤

0:00

出勤日数に入れない。賃金控除の根拠になる

特

慶弔などの特別休暇

0:00

有給か無給かは就業規則の定めによる。どちらかを明記しておく

休

所定休日

—

もともと労働日ではない

法休

法定休日

—

出勤した場合だけ休日労働として別に集計する

年次有給休暇は、出勤簿に記号を入れるだけでは足りません。年10日以上の年休が付与される人については、使用者が5日分の時季を指定して取得させる義務があり(労働基準法39条7項)、時季・日数・基準日を労働者ごとに明らかにした年次有給休暇管理簿を作成して保存する必要があります(施行規則24条の7。本則5年、当分の間3年)。進め方と管理簿の例は、厚生労働省の「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」にまとまっています。出勤簿の「有」の数と管理簿の日数が合っているかは、月末に必ず突き合わせてください。

遅刻・早退は休んだ扱いにせず、実際の始業・終業時刻をそのまま書きます。定時の「9:00〜18:00」と書いておいて別に賃金を控除する運用にすると、出勤簿の上では働いたことになり、残業の計算まで狂います。

始業・終業時刻は1分単位で書く

厚生労働省のリーフレット「労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょう」は、1日ごとに15分未満などを一律に切り捨てて賃金を払わないことを労働基準法違反としています。認められている端数処理は、1か月の時間外・休日・深夜それぞれの合計について、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる方法です。

始業前の着替えや朝礼の準備を指示しているなら、その時間も労働時間です(ガイドライン 3)。02の記入例では、上長の指示で8:30から朝礼準備をした日を、打刻どおり実働に含めています。

労働時間と残業の計算式

Excel版は、時刻をExcelの時刻(1日=1)として入れ、次の式で計算しています。退勤が出勤より前なら日付をまたいだとみなすため、夜勤でもマイナスになりません。

労働時間:=IF(OR(出勤="",退勤=""),"",ROUND((MOD(退勤-出勤,1)-N(休憩))*1440,0)/1440)
残業  :=IF(労働時間="","",MAX(0,労働時間-480/1440))
表示形式:[h]:mm;;(24時間を超える合計も表示し、0は空欄にする)

合計欄の表示形式を「h:mm」にすると、24時間を超えた分が消えて「165:10」が「21:10」と表示されます。自作の出勤簿で合計がおかしいときは、まず表示形式を確認してください。

出勤簿をExcelで一から作る手順

配布しているテンプレートをそのまま使うのが早いですが、締日や勤務パターンが独特で自作したい会社もあります。ゼロから作るときは、次の4ステップの順に固めると崩れません。あとから列を足すと数式の参照がずれるので、必要な列は最初に決めてください。

①締日に合わせて日付と曜日を並べる

A列に日付、B列に曜日を置きます。締日が月末でない会社は、期間の開始日をどこか1つのセル(たとえばH1)に入れ、A2に「=H1」、A3に「=A2+1」と入れて下へコピーします。こうしておくと、翌月はH1の日付を変えるだけで全体が動きます。曜日はB2に「=TEXT(A2,"aaa")」と入れると「月」「火」の形で出ます。

土日に色を付けるなら、日付から曜日の欄までを選んで条件付き書式に「=WEEKDAY($A2,2)>5」を入れます。法定休日を日曜と決めている会社は、日曜だけ別の色にしておくと、休日労働の見落としが減ります。締日をまたぐ月(たとえば9月21日〜10月20日)は、シートの見出しに対象期間をそのまま書いておくと、賃金台帳へ転記するときに取り違えません。

②時刻の入力規則と表示形式を決める

出勤・退勤の列は、表示形式を「h:mm」にします。ここを「標準」のままにすると、入力した9:00が0.375という数値に見えて混乱します。入力する人が「900」や「9時」と打つのを防ぐには、データの入力規則で「時刻」「0:00から23:59の間」を指定し、エラーメッセージに「9:00の形式で入力してください」と出しておくのが確実です。

休憩の列は、時刻ではなく「1:00」のような長さで入れます。休憩の入りと戻りを打刻する会社は、02のタイムカード形式のように4つの時刻を取って差で出してください。夜勤がある会社は、退勤の列に「翌1:30」のような文字を入れさせず、時刻として1:30と入れる運用に統一します。翌日にまたがるかどうかは、次の手順の数式が自動で判定します。

③労働時間・残業・深夜を数式で出す

労働時間は「=IF(OR(出勤="",退勤=""),"",ROUND((MOD(退勤-出勤,1)-N(休憩))*1440,0)/1440)」です。MODを使うのは、退勤が翌日にまたがる夜勤でマイナスにならないようにするためです。1440を掛けて分に直し、ROUNDで丸めてから戻しているのは、Excelの小数の誤差で「7:59:59.9」のような値が残り、合計が1分ずれるのを防ぐためです。

残業(1日8時間超)は「=MAX(0,労働時間-480/1440)」で出ます。自作でいちばん間違えるのは深夜です。22時から翌5時までを拾うには、日をまたぐ勤務で「当日22:00〜24:00」と「24:00〜翌5:00」を別々に計算して足す必要があり、1本の式で済ませようとすると必ずどこかが抜けます。テンプレートの03は、この切り出しを補助列で行っています。自作する場合も、補助列を隠して使うほうが検算しやすくなります。

数式が思ったとおりに動かないときは、式と期待する結果をAIに渡して直させると早いです。経理スタッフ向けAI(Excel関数・文書作成)は「この式だと夜勤の日だけ深夜が0になる」といった相談にもそのまま答えます。

④合計欄・印刷・ファイル名のルールを決める

合計欄の表示形式は必ず「[h]:mm」にします。角かっこのない「h:mm」だと24時間を超えた分が消え、月165時間10分が21時間10分と表示されます。0を空欄にしたいときは「[h]:mm;;」とセミコロンを2つ付けます。日数の合計はCOUNTではなくCOUNTIFで記号ごとに数え、「出勤日数」「有給日数」「欠勤日数」を別々に出しておくと、賃金台帳へそのまま転記できます。

印刷は、1人1か月が1ページに収まるように「印刷の向き=縦」「拡大縮小=1ページに収める」を先に設定します。氏名・対象期間・締日は印刷時に必ず出る位置(1行目)に置いてください。ファイル名は「出勤簿_2026-10_社員番号.xlsx」のように期間と対象者が分かる形にそろえると、3年間の保存で探せなくなりません。

残業・深夜・休日労働の数え方(ケース別)

1日8時間・週40時間の両方で数える

法定労働時間は1日8時間・1週40時間です(労働基準法32条)。テンプレートの残業欄は1日8時間を超えた部分を自動で出しますが、週40時間を超えた部分(平日8時間×5日に加えて土曜に出勤した日など)は式に入れていません。所定休日に出勤した週は、週の合計も確認してください。

所定労働時間が7時間30分の会社では、7時間30分から8時間までは「法定内残業」です。割増は法律上不要ですが、賃金の支払いは必要なので、就業規則の定めに沿って分けて集計します。割増率と計算手順は残業代の計算方法(算定基礎・割増率・端数処理)で詳しく解説しています。

深夜と時間外は重なる

22時から翌5時までの労働は深夜労働で、割増賃金の対象です(労働基準法37条4項)。03の記入例では、10月23日に15:00〜翌0:30(休憩1時間)働いた日の労働時間は8:30、時間外は0:30、深夜は22:00〜0:30の2:30です。時間外が深夜に及んだ部分は、時間外と深夜の割増を合わせて5割以上になります(施行規則20条)。

  • 出勤簿テンプレート「残業・深夜・休日労働の集計つき」の記入例(無料・Excel・PDF)

    03残業・深夜・休日労働の集計つき

    時間外(8時間超)・深夜(22時〜翌5時)・法定休日の労働を別々に集計。賃金台帳への転記と割増賃金の計算に。

    • 残業代
    • 深夜
    • 休日労働

03の深夜欄は、休憩を深夜帯の外で取った前提で計算します。深夜帯に休憩を取った日は、深夜欄を手で直してください。

法定休日と所定休日を分ける

法定休日(週1回または4週4日。労働基準法35条)に働いた時間は「休日労働」で、時間外とは別に集計します。土曜・日曜が休みの会社でも、法定休日は通常どちらか1日です。03は区分に「法定休日」と入れた日の労働を休日労働に回し、時間外には数えない作りにしています。10月18日(日)の5時間がその例です。

シフト制・変形労働時間制

1か月単位の変形労働時間制(労働基準法32条の2)では、シフトで8時間を超える日を設けることができ、時間外になるのは「シフトで定めた時間を超えた部分」などです。1日8時間超で一律に数えると過大になるため、04のシフト制には残業欄を置かず、実働時間と深夜時間の集計にとどめています。残業は就業規則の定めに沿って別に集計してください。

  • 出勤簿テンプレート「シフト制(早番・遅番)」の記入例(無料・Excel・PDF)

    04シフト制(早番・遅番)

    日ごとのシフト記号と実績の時刻を並べて記録。遅番の深夜時間も自動で集計。飲食・小売・介護などに。

    • シフト制
    • 早番・遅番
    • 深夜

テレワークの中抜け時間

厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は、中抜け時間を把握する場合は休憩として扱って終業時刻を繰り下げるか時間単位の年休とし、把握しない場合は始業から終業までを(休憩を除き)労働時間とする扱いを示しています。どちらにするかは就業規則などで先に決めておきます。

05は中抜けを休憩として差し引く書式です。10月2日は子の送迎で16:00〜17:00に中抜けし、終業を19:00に繰り下げたので、労働時間は8:00のまま残業は付きません。

  • 出勤簿テンプレート「テレワーク(在宅・中抜け時間つき)」の記入例(無料・Excel・PDF)

    05テレワーク(在宅・中抜け時間つき)

    勤務場所(在宅・出社)と中抜け時間を記録。中抜けは休憩として労働時間から差し引き、残業も自動計算。

    • テレワーク
    • 在宅勤務
    • 中抜け

直行直帰・事業場外みなし労働時間制

営業職の直行直帰でも、出勤簿の記録は必要です。事業場外で働いて「労働時間を算定し難いとき」は所定労働時間労働したものとみなせますが(労働基準法38条の2第1項)、みなしが使えるのは本当に時間を把握できない場合に限られます。携帯電話で随時指示を受けている、訪問先と時刻があらかじめ決まっている、アプリや日報で開始・終了を報告している、といった状況では労働時間を算定できるため、みなしは適用できません。

実務では、直行直帰の日も本人に始業・終業の時刻を申告させ、出勤簿には「直行」「直帰」と備考を付けて時刻を書きます。自己申告になるので、訪問記録・メールの送信時刻・社用車の運行記録など、突き合わせられる資料を月に一度は確認してください。みなしを適用する場合でも、業務の遂行に通常必要とされる時間が所定を超えるならその時間でみなすことになり(同項ただし書)、深夜と休日の割増賃金は別に必要です。日々の行動を記録に残す運用にするなら、日報テンプレート(作業時間の自動計算つき)を併用すると出勤簿との突合が楽になります。

管理職・固定残業代でも記録は要る

管理監督者は労働時間・休日の規定の適用が除外されますが(労働基準法41条)、労働安全衛生法66条の8の3の「労働時間の状況の把握」は管理監督者も対象です。時間外・休日労働が月80時間を超えて疲労の蓄積が認められる人は、申出により医師の面接指導の対象になります(安衛則52条の2)。深夜の割増賃金は管理監督者にも支払う必要があるため(厚生労働省「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」)、深夜の時間数も残します。

固定残業代(定額の残業手当)を払っている会社も、実際の時間外の時間数が分からなければ超過分を精算できません。ガイドラインも、時間外手当の定額払いが適正な申告を妨げていないか確認するよう求めています。

よくある間違いと直し方

よくある間違い

起きること

直し方

毎日「9:00〜18:00」と所定の時刻を書く

実態と食い違い、未払い残業の証拠が残らない

打刻やPCログの実績を書く。乖離があれば理由を記録する

日ごとに15分未満を切り捨てる

切り捨てた分の賃金不払い(労働基準法違反)

1分単位で集計し、端数処理は月の合計でだけ行う

休憩を取れなかった日も「1:00」と書く

労働時間が過少になる

実際に取れた休憩時間を書く

土曜出勤を残業に数えない

週40時間超の時間外が漏れる

週の合計を確認する(Excelの残業欄は1日8時間超のみ)

合計の表示形式が「h:mm」

24時間を超えた分が消える

「[h]:mm」にする

1年たったら廃棄する

109条違反(30万円以下の罰金)

起算日から3年間保存する。退職者の分も同じ

36協定の上限(原則は月45時間・年360時間。労働基準法36条4項)を超えていないかも、出勤簿の集計で確認します。協定届の書き方は36協定届の書き方とAI活用を参考にしてください。

出勤簿の保存・電子化と月次の突合

電子データのまま保存するときに整える3つのこと

労働基準法109条も労働安全衛生規則52条の7の3も、保存する媒体を紙に限っていません。勤怠システムやExcelのデータのまま3年間保存して差し支えありません。むしろ安衛則52条の7の3第1項は、労働時間の状況の把握方法としてパソコンの使用時間の記録などの客観的な方法を挙げており、電子データでの保存が前提になっています。

電子で持つときに整えるのは次の3点です。厚生労働省が所管する法令の書面を電子で保存する場合の要件を定めた平成17年厚生労働省令第44号(e-文書法の厚生労働省令)が、ほかの書類について求めている水準です。出勤簿も同じ考え方で運用しておけば、監督署の調査で困りません。

  • 見読性:求められたときに直ちに画面へ表示し、書面として出力できること(同省令4条3項・4項1号)
  • 改変の記録:保存期間中の改変・消去の有無とその内容を確認でき、作成の責任の所在が分かること(同条4項2号)
  • 保存期間の管理:起算日(完結の日。賃金の支払期日のほうが遅ければ支払期日)から3年、退職者の分も含めて残すこと

見落としやすいのが、クラウドの勤怠システムを解約したときです。解約後は過去データを取り出せなくなることがあるため、切り替える前に月別のCSVかPDFを書き出して保管してください。スキャンして紙を捨てる場合も、あとから読めない解像度にしないよう、氏名と時刻が判読できるかを1枚確認してから運用に乗せます。

36協定・賃金台帳と月次で突き合わせる

出勤簿は作って終わりではなく、月次で3つの数字と突き合わせると誤りが早く見つかります。

突合先

見る数字

ずれたときに疑うこと

賃金台帳

労働日数・労働時間数・時間外・休日・深夜の時間数

転記漏れ、締日の取り違え、端数処理の二重適用

36協定

月の時間外と休日労働の合計

週40時間超の計上漏れ、特別条項を使った回数の数え違い

年次有給休暇管理簿

「有」「半」「時」の日数

半日・時間単位の年休の換算、基準日のずれ

36協定の上限は、原則が月45時間・年360時間(労働基準法36条4項)です。特別条項を結んでも、時間外と休日労働の合計は単月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内(同条6項2号・3号)、月45時間を超えられるのは年6回までで、年間の時間外は720時間以内(同条5項)に収める必要があります。詳しくは厚生労働省の「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」を確認してください。この上限は1か月が終わってから気づいても戻せないので、月の途中で残り時間を見るのが実務です。06の年間集計表は、月別の時間外と休日労働を並べて年間の合計まで出すので、そのまま突合に使えます。

シフトを組む段階で週40時間を超えないか確かめたい場合は、シフト表テンプレート(週40時間チェックつき)を先に使うと、出勤簿の段階で慌てずに済みます。締めのあとの検算を誰が担当するかまで決めておくと、担当者が替わっても運用が続きます。日々の集計や転記に手が回らない事務所は、経理スタッフ向けAIにExcelの集計と文面づくりを任せる方法もあります。

AIで出勤簿をチェックする方法

1か月分の出勤簿をまとめてチェックする

出勤簿の点検は、ルールが決まっている割に見落としが起きやすい作業です。ExcelやCSVの内容を貼り付けて、AIに一次チェックをさせると確認の手間を減らせます。個人名は社員番号などに置き換えてから渡してください。

次の出勤簿(1か月分)をチェックしてください。
【日付・曜日・出勤・退勤・休憩の表を貼り付け】
前提:所定労働時間【9:00〜18:00・休憩1時間】、法定休日【日曜日】、週の起算日【日曜日】
確認観点:
1. 各日の労働時間・1日8時間超の時間外・22時〜翌5時の深夜時間の計算
2. 週40時間を超える時間外(1日8時間超の分と重複させない)
3. 労働時間が6時間超で休憩45分未満、8時間超で1時間未満の日
4. 法定休日の労働時間
結果は「日付/指摘/正しい値」の表と、月の合計(時間外・休日・深夜)で出してください。

うまくいかない例は、前提を書かずに「残業を計算して」と頼むことです。法定休日や週の起算日が分からないと、AIは土曜と日曜を同じ扱いにしがちです。前提を1行ずつ渡し、出力された合計はExcelの数式と突き合わせてください。

年間の時間外を36協定と照らす

次の月別の時間外・休日労働の時間数を、36協定の内容と照らしてください。
【06年間集計表の月・時間外・休日労働の列を貼り付け】
36協定:延長の上限【月45時間・年360時間】、特別条項【あり/なし・月◯時間・年◯時間・回数◯回】
確認観点:月45時間超の月数、年間合計、時間外と休日労働の合計が月100時間未満か、2〜6か月平均で80時間以内か。
上限に近い月は「何時間余裕があるか」も出してください。

給与計算まで含めて検算するプロンプトは給与計算のチェックをAIで行うプロンプト集にまとめています。士業AIは社労士・経理の実務文書に合わせて調整したAIで、出勤簿の点検や就業規則の中抜け規定の下書きにも使えます。Excelの集計や社内への案内メールまで含めて任せたい場合は経理スタッフ向けAIのページをご覧ください。制度の最新動向は労働基準法改正2026の動向と企業の対応もあわせて確認してください。

まとめ

  • 出勤簿テンプレートは6種類。Excel版は労働時間・残業・深夜・休日労働と合計を自動計算する
  • 始業・終業は1分単位の実績で記録する。端数処理は月の合計についてだけ認められている
  • 残業は1日8時間と週40時間の両方で数え、深夜・法定休日の労働は別に集計する
  • 出勤簿は完結の日(支払期日が遅ければ支払期日)から3年間保存する(本則は5年)

本記事は2026年9月時点の法令・公的資料にもとづいています。保存期間の経過措置や労働時間の扱いは、今後の法改正で変わる可能性があります。変形労働時間制や固定残業代など個別の事情は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

参考文献

よくある質問

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