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契約書テンプレート無料41種|Word・PDF/覚書・念書・合意書の違いも

契約書まわりの書式を7種類・合計41パターン、Word・PDFで無料配布しています。登録は不要で、業務委託契約書、秘密保持契約書(NDA)、覚書、誓約書、念書、借用書、合意書・示談書がそろいます。士業向けの顧問契約書5パターンも同じ形式です。

結論は2つです。その文書が契約書かどうかは題名では決まりません。「覚書」「念書」でも、効力も印紙税の課税も中身で判断されます(国税庁 No.7100)。そして違いは「誰が署名するか」と「何を証明したいか」にあります。

この記事は、個々の書き方ではなく書式の選び方と、横断で効く注意点に絞ってまとめます。欄ごとの書き方は各解説記事へリンクしています。

この記事で分かること

  • 契約書・覚書・念書・合意書・誓約書の違いと、どれを使えばよいかの判断軸
  • 場面別(取引を始める/変える/終える/もめた後/お金を貸す/人を雇う)の書式の選び方
  • どの契約書にも共通して必要な7つの要素と、抜けたときに何が起きるか
  • 収入印紙が要る文書と要らない文書、電子契約が課税されない理由
  • 署名・記名押印・電子署名の違いと、2026年に押さえる2つの法改正

契約書テンプレート無料ダウンロード(7書式・41パターン)

まずは使用頻度の高い4書式です。取引を始めるなら業務委託契約書とNDA、既存の契約を変えるなら覚書、お金の貸し借りなら借用書を選んでください。WordとPDFで、社名を差し替えるだけで使えます。

残りの書式と、士業事務所向けの顧問契約書を含めた全8書式は次のとおりです。

書式

何に使うか

パターン数

解説記事

業務委託契約書

外部に仕事を頼む/請ける。請負・準委任・フリーランス発注

6

業務委託契約書の書き方

秘密保持契約書(NDA)

商談・検討の前に情報を出し合う

5

秘密保持契約書(NDA)の書き方

覚書

すでにある契約の変更・延長・合意解約

6

覚書の書き方

誓約書

入社時・退職時など、会社が従業員から受け取る

7

誓約書の書き方

念書

相手に一方的に約束を差し入れてもらう

5

念書の書き方

借用書

金銭の貸し借り。分割返済・連帯保証人つきも

6

借用書の書き方

合意書・示談書

トラブルの解決、退職合意、未払金の分割弁済

6

示談書・合意書の書き方

顧問契約書(士業向け)

税理士・社労士・行政書士が顧問先と結ぶ

5

顧問契約書のひな形と必須条項

契約書・覚書・念書・合意書・誓約書の違い

これらの呼び分けを定義した法律はなく、実務上の慣習です。違いは「双方が署名するか、一方だけが差し入れるか」と「何を証明する文書か」の2軸で整理できます。

書式

署名するのは

典型的な使い方

法的な位置づけ

契約書

当事者の双方

取引の開始時。権利義務をひととおり定める

合意の内容と成立を証明する文書

覚書

当事者の双方

既存契約の変更・延長・解約、本契約前の基本合意

実質は契約書。変更契約書として扱われる

合意書・示談書

当事者の双方

もめごとが解決したとき。示談・和解

互いに譲歩して争いをやめる「和解」(民法695条)

誓約書

差し入れる側の一方

入社時・退職時に会社へ提出する

一方的な約束。会社が受け取ることで合意になる

念書

差し入れる側の一方

支払い・返却・再発防止を相手に約束させる

同上。債務の承認として時効が更新されることがある(民法152条)

題名ではなく中身で判断される

契約は申込みと承諾が合致すれば成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面は要りません(民法522条)。書面は成立の条件ではなく、後で証明するための道具です。題名を「覚書」にしても効力は弱くならず、「念書」と書いたから印紙が不要になることもありません。印紙税の通達も、契約書を「契約の成立、更改又は内容の変更若しくは補充の事実を証明する目的で作成される文書」と定義し、判断は名称ではなく実質的な意味で行うとしています(印紙税法基本通達 第12条)。

一方が差し入れる文書の弱点

誓約書と念書は、差し入れる側だけが署名します。作成は早い反面、次の点が弱点です。

  • 受け取った側の義務を書けない:念書に「支払を続ける限り訴訟を起こさない」と書いても、会社側の署名がなければ約束させたとは言いにくい
  • 「書かされた」と言われやすい:強迫による意思表示は取り消せます(民法96条)。日付・場所・経緯を残す
  • 公序良俗に反する内容は無効(民法90条)。実現不可能な金額や過大な制約は、書かせても通らない

相手にも何か(請求の取り下げ、雇用の継続など)をしてもらうなら、念書ではなく双方署名の合意書にしてください。

場面別の選び方と、書式どうしのつながり

これから取引を始める

順番はNDA→業務委託契約書です。営業秘密の保護には「秘密として管理されている」ことが必要で(不正競争防止法2条6項)、NDAは管理の分かりやすい証拠になります。仕様を詰める段階で社内情報に触れるなら先に交わしてください。

すでにある契約を変える・延長する・終える

契約書を作り直さず、覚書で差分だけ書きます。単価・支払日・契約期間を変えるときは変更前と変更後を並べて書くと、後から経緯をたどれます。合意解約も覚書で足ります。

トラブルが起きた後

解決したことを確定させるのが合意書・示談書です。和解には、争いの目的だった権利の帰属を確定させる効力があります(民法696条)。裏を返せば、あとから証拠が出ても原則として蒸し返せません。何についての解決かという範囲を丁寧に書いてください。相手に約束させるだけでよい軽いケースは念書で足ります。

お金を貸す・分割で回収する

これから貸すなら借用書・金銭消費貸借契約書、すでにある未払金を分割で回収するなら分割弁済の合意書です。書面でする消費貸借は、お金を渡す前でも書面だけで効力が生じます(民法587条の2)。利息の上限は元本10万円未満で年20%、10万円以上100万円未満で年18%、100万円以上で年15%です(利息制限法1条)。

人を雇う・辞めてもらう

入社時は誓約書、退職の合意は退職合意書です。誓約書に「違反したら罰金○万円」とは書けません。労働契約の不履行について違約金や損害賠償額を予定する契約は禁止されています(労働基準法16条)。身元保証書は個人根保証契約にあたるため、極度額を定めなければ効力を生じません(民法465条の2第2項)。労働条件そのものは雇用契約書と労働条件通知書で定めます。

取引の段階

使う書式

置き換えではなく重ねる

検討・商談

NDA

取引が始まってもNDAは生き続ける

開始

業務委託契約書/顧問契約書

基本契約+個別の発注書という形も可

途中の変更

覚書

原契約を引用し、変更しない条項はそのままと明記

トラブル

念書/合意書・示談書

一方の約束で足りるか、相互の譲歩かで選ぶ

終了

合意解約の覚書/解約合意書

秘密保持・競業避止の残存条項の扱いを書く

どの契約書にも共通して必要な7つの要素

書式が違っても、抜けると同じトラブルになる項目があります。ひな形を使うときは、この7つが自社の取引の実態に合っているかを必ず確認してください。

要素

書くこと

抜けたときに起きること

当事者の特定

屋号ではなく登記上の名称、住所、代表者名

同名の別法人・個人と混同し、請求先でもめる

目的・業務の範囲

何をどこまでやるか。成果物なら仕様と数量

「そこまで含むと思っていた」と追加作業を求められる

対価と支払条件

金額(税抜・税込の別)、支払期日、振込手数料の負担

入金遅れと、手数料分の差額が毎回発生する

期間・更新

開始日と終了日、自動更新の有無と更新拒絶の通知期限

終わったつもりの契約が更新され続ける

解除

どんなときに解除できるか、催告の要否、予告期間

抜けたい取引から抜けられない

損害賠償

賠償の範囲と、上限を置くならその金額

小さな受注で青天井のリスクを負う

管轄・準拠法

第一審の専属的合意管轄裁判所

遠方の裁判所での対応を迫られる

末尾には「本書2通を作成し、各自1通を保有する」と作成部数を書きます。課税文書なら2通分の印紙が必要です。

収入印紙が必要な文書・不要な文書

印紙税がかかるのは、印紙税法の別表第一(課税物件表)に掲げられた20種類の文書だけです。契約書と名が付いていても、この表に載っていない契約なら課税されません。

文書

印紙

金銭消費貸借契約書・借用書

第1号の3

契約金額に応じて200円〜。50万円超100万円以下で1,000円

請負契約(成果物の完成を約する業務委託)

第2号

100万円以下200円、100万円超200万円以下400円など

継続的取引の基本となる契約書(契約期間が3か月超、または更新の定めがあるもの)

第7号

一律4,000円

債務の保証に関する契約書

第13号

200円(身元保証ニ関スル法律の身元保証は非課税)

準委任型の業務委託契約書・顧問契約書

請負に当たらなければ課税文書ではない

秘密保持契約書(NDA)

課税物件表にないため不要。業務委託の条項を併記すると別の号に当たることがある

誓約書・念書(金銭の約束を含まないもの)

不要。ただし債務承認と支払約束を含むと課税される場合がある

税額は国税庁 No.7140No.7141で確認できます。覚書の課否は、変更した項目が通達の別表第二「重要な事項の一覧表」に当たるかで決まり、金額や支払方法を変える覚書は原契約と同じ号の課税文書になるのが原則です。

電子契約に印紙が不要とされる理由

PDFをメールで送るだけなら印紙は不要です。国税庁の質疑応答事例は、課税対象は課税物件表に掲げられた文書であり「電磁的記録は文書に含まれません」として、電子メールで送信した注文請書の電磁的記録に印紙税は課税されないと回答しています(国税庁 質疑応答事例)。ただし電子で締結したあとに印刷して署名・押印すれば、その紙が課税文書になり得ます。

貼り忘れたときは、本来の印紙税額の3倍(自主的に申し出た場合は1.1倍)の過怠税がかかります(国税庁 No.7131)。印紙が不足していても契約自体が無効になるわけではありませんが、税務調査で指摘される典型例です。

署名・記名押印・電子署名の違い

押印は法律上の要件ではありません。それでも押すのは、文書の成立が裁判で争われたときに効くからです。私文書は本人またはその代理人の署名または押印があるときに真正に成立したものと推定されます(民事訴訟法228条4項)。

  • 署名:本人が自筆で氏名を書く。それだけで推定が働き、筆跡という証拠も残る
  • 記名押印:印字した名前に押印する。会社間で最も一般的
  • 電子署名:本人による電子署名があれば、電磁的記録も真正に成立したものと推定される(電子署名法3条

内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」でも、契約書に押印がなくても契約の効力に影響は生じないとされています。押印をやめるかどうかは、法律の要否ではなく「争われたときに何で立証するか」で決めてください。

2026年に押さえる2つの法改正

フリーランスへの発注は取引条件の明示が義務

従業員を使用しない個人などへ業務委託をする事業者は、委託後直ちに取引条件を書面または電磁的方法で明示しなければなりません(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 3条。2024年11月1日施行)。口頭で伝えることは認められていません。明示事項は次の8つです(公正取引委員会・厚生労働省パンフレット)。

  1. 発注事業者とフリーランスの名称
  2. 業務委託をした日
  3. 給付の内容(品目・数量・規格・仕様。知的財産権を譲渡・許諾させるならその範囲も)
  4. 給付を受領する(役務の提供を受ける)期日
  5. 給付を受領する(役務の提供を受ける)場所
  6. 検査をする場合は、検査を完了する期日
  7. 報酬の額および支払期日
  8. 金銭以外の方法で支払う場合の支払方法

電子メールやチャットツールでの明示も認められますが、書面の交付を求められたら遅滞なく交付します。契約書と発注書に8項目を振り分けて全部そろえるのが確実です。従業員を使用する発注事業者には、給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間で支払期日を定める義務も加わります(同法4条)。

下請法が「取適法」へ(2026年1月1日施行)

下請代金支払遅延等防止法が改正され、2026年1月1日から法律名が製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(通称:取適法)に変わりました。資本金基準に従業員基準(300人・100人)が加わって対象が広がり、手形払や一方的な代金決定が禁止されます。書面交付義務も、相手の承諾なしに電磁的方法で行えます(公正取引委員会「2026年1月から『下請法』は『取適法』へ!」)。製造委託・修理委託を行う会社は、契約書と発注書の様式をあわせて見直してください。

保存期間と電子での保存

契約書の控えは、法人税では確定申告書の提出期限の翌日から7年間(欠損金が生じた事業年度は10年間)、個人事業主は5年が基本です(国税庁 No.5930)。PDFでやりとりした契約書は電子取引にあたり、印刷した紙ではなくデータのまま保存します(国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」)。電子帳簿保存法の保存要件を満たすフォルダ命名ルールを先に決めるのが早道です。

AIで下書き・チェックする方法

ひな形をそのまま使えないときは、AIに差分だけ作らせると速くなります。白紙から全文を書かせず「ひな形+自社の事情+確認したい観点」を渡すのがコツです。

次の取引に使う書面が、契約書・覚書・念書・合意書・誓約書のどれに当たるか判定してください。

【状況】【取引の内容・すでに契約があるか・相手にも義務があるかを記載】
【相手】【法人/個人事業主/従業員 などを記載】

出力:
1. 適した書式とその理由(3行以内)
2. その書式に必ず入れる条項の一覧
3. 収入印紙の要否と、判断の根拠になる文書の種類(号)
4. 判断に必要なのに情報が足りない点

うまくいかない例は、状況を「業務委託です」の一語で済ませることです。成果物の完成を約束するのか稼働時間に対して払うのかで請負か準委任かが変わり、印紙の要否まで変わります。何をもって完了とするかを必ず書き添えてください。

次の契約書案を、受注者の立場でレビューしてください。

【契約書案】
(本文を貼り付け)

観点:
- 当事者・目的・対価と支払条件・期間・解除・損害賠償・管轄の7要素に抜けがないか
- 賠償責任の範囲に上限がなく、受注者に一方的に不利になっていないか
- 中途解除の予告期間と、解除時の既履行分の精算の定めがあるか
- 知的財産権の帰属と、譲渡するなら対価が報酬に含まれているか

出力は「条番号/指摘/修正文案」の表にしてください。条文にない論点は「追加提案」として分けてください。

AIの出力では条番号や法令名の取り違えが起こります。条文名はe-Gov法令検索で、印紙税の号は国税庁のページで必ず確認してください。プロンプトの組み立て方は契約書レビューをAIで効率化する手順にまとめています。

まとめ

  • 違いは「双方が署名するか」と「何を証明するか」。題名では効力も印紙の要否も決まらない
  • 相手にも義務があるなら双方署名の契約書・覚書・合意書、一方的な約束だけなら念書・誓約書
  • すでに契約があるなら作り直さず覚書で差分を書く。争いの終結は清算条項を入れた合意書・示談書で
  • 当事者・目的・対価・期間・解除・損害賠償・管轄の7要素は、どの書式でも必ず埋める
  • 印紙は課税物件表に載っている文書だけ。電磁的記録は文書に含まれず、電子契約は課税されない
  • フリーランスへの発注は8項目の明示が義務。2026年1月1日から下請法は取適法へ

ほかの書式は無料の書式テンプレート一覧から探せます。

本記事は2026年9月時点の法令・公的資料にもとづいています。法令や取扱いは改正されることがあるため、実際の運用ではe-Gov法令検索・国税庁などの最新情報を確認し、個別の事情は弁護士などの専門家にご相談ください。

参考文献

よくある質問

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