示談書テンプレート無料6種|合意書・退職合意書もWord・PDF【2026年】
示談書・合意書(和解書)のテンプレートを6種類、Word・PDFで無料配布しています。会員登録は不要です。取引上のトラブルを解決する汎用の合意書、交通事故(物損)の示談書、けがを伴う損害賠償の示談書、退職合意書、取引の解約合意書、未払金の分割弁済合意書をそろえました。
書き方の結論は、「何の争いを・いくらで・いつまでに・どう払って終わらせるか」を特定し、清算条項の範囲を意識して書くことです。示談書も合意書も多くは民法の「和解」に当たり、署名後は原則として蒸し返せません。けがの示談では後遺障害の扱い、退職合意書では本人の自由な意思による合意であることを丁寧に残します。
この記事で分かること
- 場面別に選べる合意書・示談書テンプレート6種(Word・PDF)
- 和解契約(民法695条・696条)と、清算条項・謝罪条項の意味
- 交通事故の示談で物損と人身を分ける理由と、後遺障害の留保
- 退職合意書の注意点(退職勧奨の限度・合意の任意性・離職理由)
- 示談書・和解書・合意書・債務確認書の違いと使い分け
- そのまま使える清算条項の文例(限定型・包括型・一部を除く型)
- 金銭・近隣・労働トラブルなど場面別の示談書の書き方
- 示談書・合意書に収入印紙が必要になるケース
- 示談金が払われないときの回収手段(公正証書・支払督促・少額訴訟・調停)
合意書・示談書テンプレート無料ダウンロード(6種類)
会社間のトラブルを解決金で終わらせるなら01、交通事故の物損なら02、けがを伴う事故なら03が基本です。社員の退職、取引の終了、未払金の分割払いは、それぞれ専用の条項を入れた04〜06を選んでください。
FREE TEMPLATE
合意書・示談書テンプレート 6種類
- Word・PDF
- 登録不要・無料
- 商用利用OK
民法695条・696条(和解)・152条(承認による時効の更新)・419条・509条・724条・724条の2(e-Gov法令検索)、最高裁昭和43年3月15日判決(示談後の後遺症)・昭和48年1月19日判決(退職金債権の放棄)、厚生労働省の退職勧奨の解説と特定受給資格者の範囲、国土交通省の自賠責保険の解説、国税庁の印紙税の通達・質疑応答事例を確認して作成
書式を埋めるときの「これで合ってる?」に、根拠つきで答えます
士業AIは、経理・事務の毎日の調べ物を引き受けるAIです。専門知識がなくても、質問を入力するだけで使えます。
- Excelの関数や操作を聞く(例:「SUMIFSで複数条件の集計をしたい」)
- 送付メールや社内文書を作る・添削する
- 税務・会計・法務は専門AIに切り替え(有料プランのPlusモードで税理士試験 簿記論・公認会計士試験 財務会計論・司法試験 民法とも正答率100%)
ご利用条件:無料・商用利用可・改変可。テンプレート自体の再配布や販売はご遠慮ください。記載内容の最終確認はご自身または専門家にて行ってください。利用条件/ほかの書式テンプレート
こんなとき | おすすめ | ポイント |
|---|---|---|
納品物の不具合など取引上の争いを解決する | 01 合意書(一般) | 解決金・支払方法・その他の合意事項・清算条項 |
車同士の物損事故を当事者で示談する | 02 示談書(交通事故・物損) | 損害の内訳表と過失割合の差引計算。人身損害は含めない |
自転車事故などで相手にけがをさせた | 03 示談書(損害賠償) | 謝罪条項・既払金の控除・後遺障害の留保 |
退職勧奨に社員が応じた | 04 退職合意書 | 退職日・離職理由・解決金・任意性の確認 |
業務委託などの継続契約を終える | 05 解約合意書 | 残務と支払・引継ぎ・存続条項 |
取引先の未払代金を分割で回収する | 06 分割弁済合意書 | 債務の承認・支払予定表・期限の利益の喪失 |
Word版は空欄のまま配布しています。プレビューの記入例(株式会社〇〇商事・山田 太郎などはすべて架空です)を参考に、前文と条文の空欄、署名欄を埋めれば完成します。ほかの書式は無料の書式テンプレート一覧にまとめています。
示談書テンプレートのWord版・PDF版を直接ダウンロード
上のプレビューが表示されないときや、ファイルだけ欲しいときは、次の表から直接ダウンロードできます。どのファイルも同じ内容で、Word版は空欄のまま、PDF版は印刷して手書きで埋める前提の書式です。
書式 | Word(編集用) | PDF(印刷・手書き用) |
|---|---|---|
01 合意書(一般・トラブルの解決) | ||
02 示談書(交通事故・物損) | ||
03 示談書(損害賠償・けがを含む) | ||
04 退職合意書(退職勧奨に応じた場合) | ||
05 解約合意書(取引・契約の終了) | ||
06 未払金の分割弁済合意書(支払予定表つき) |
Word版とPDF版は次のように使い分けます。
- Word版:金額の内訳表や合意事項を打ち込んで整えたいとき。条文の追加・削除もできる。相手にメールで案を送り、修正をやりとりする場合にも向く
- PDF版:その場で手書きして署名まで済ませたいとき。交通事故の現場近くや先方の事務所で、印刷した紙に記入する使い方を想定
どちらで作っても効力は同じです。合意書・示談書に法定の様式はなく、手書きでも、パソコンで作って印刷したものでも、当事者が内容に合意して署名していれば合意の証拠になります。手書きの場合も、金額は後から書き換えられないよう、算用数字に加えて「金弐拾壱万四千円」のように漢数字(大字)を併記しておくと安心です。
示談書・和解書・合意書の違い|どれも「和解契約」
民法695条は、和解を「当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約する」契約と定めています。交通事故や損害賠償の場面で使う「示談書」も、取引のトラブルで使う「合意書」も、争いを互いの譲歩で終わらせる内容ならどちらも和解契約です。名称で効力は変わりません(民法(e-Gov法令検索))。
和解の特徴は、同法696条の「確定効」です。和解で「甲に権利がある(ない)」と決めた後に、反対の証拠が見つかっても、権利は和解の内容どおりに移転し、または消滅したものとされます。つまり、署名した後に「もっと請求できたはずだ」と気づいても、原則として蒸し返せません。示談書・合意書は、署名前に金額と清算の範囲を確かめ切ることが大切です。
示談書・和解書・合意書の使い分け(比較表)
名前による法的な違いはありませんが、実務では場面によって呼び方が分かれています。検索で「和解書テンプレート」「合意書テンプレート」を探している人も、中身は次の表のどれかに当たります。
書面の名前 | よく使う場面 | この記事のテンプレート |
|---|---|---|
示談書 | 交通事故、物を壊した・けがをさせたなど、損害賠償をめぐる個人間の争い | 02・03 |
和解書・和解契約書 | 会社間の取引トラブル、代金や貸金をめぐる争い。名前で「和解契約であること」をはっきりさせたいとき | 01(表題を「和解書」に変えて使える) |
合意書 | 争いの解決に限らず、退職・解約・支払方法など、当事者で決めたこと全般 | 01・04・05・06 |
和解調書・調停調書 | 裁判所の手続(訴訟や調停)の中で和解・合意が成立したときに、裁判所が作る書面 | 当事者が作るものではない |
大きな違いが出るのは、当事者だけで作る書面と、裁判所で作られる書面の間です。裁判所の調停で合意が成立すると、その内容は調停調書に記載され、確定した判決と同じ効力を持ち、これに基づいて強制執行もできます(裁判所「民事調停」)。訴訟の途中で成立した和解も、和解調書に基づいて強制執行を申し立てられます(裁判所「少額訴訟」)。一方、当事者だけで作った示談書・和解書・合意書は、名前を何にしても、それだけで強制執行はできません(回収の手段は示談金が払われないときで説明します)。
債務確認書・借用書・念書との違い
示談書と混同しやすいのが、債務確認書(債務承認書)や借用書です。いずれも「お金を払う約束」を書きますが、書く目的が違います。
書面 | 何を証明するか | 争いの有無 |
|---|---|---|
示談書・和解書 | 争いを互いに譲歩して終わらせたこと(金額・清算の範囲) | 争いがある前提 |
債務確認書(債務承認書) | すでにある債務の残額を、債務者が認めたこと。支払方法を決め直すことも多い | 争いがなくてもよい |
借用書 | お金を貸し借りしたこと(金銭消費貸借)と返済の約束 | 争いがない前提 |
念書 | 一方が相手に約束したことを差し入れる形の書面 | どちらもあり得る |
未払代金の残額を認めてもらい、分割で払ってもらう場面なら、テンプレート06の分割弁済合意書がそのまま債務確認書の役割を果たします(第1条が債務の承認)。債務者が債務を承認すると、時効はその時から新たに進み始めるため(民法152条)、回収が長引きそうなときほど書面で残しておく意味があります。これからお金を貸すときの書面は借用書テンプレートと返済予定表の作り方、一方からの差入れ形式で約束させたいときは念書テンプレートと書き方を参照してください。
印紙税の扱いも違います。借入金の残額を確認して返済期限や返済方法を変える債務承認弁済契約書は、元の消費貸借契約と同じ第1号の3文書(消費貸借に関する契約書)に当たるとされています(国税庁 質疑応答事例「債務承認弁済契約書」)。この事例では、記載された金額は既に成立している契約金額で新たに成立する金額ではないため、「契約金額の記載のない消費貸借に関する契約書」として扱うと説明されており、第1号文書で契約金額の記載のないものの税額は200円です(国税庁 No.7140 印紙税額の一覧表)。ただし、元の契約で金額の定めがない場合や口頭の契約だった場合は、契約金額の記載がある消費貸借契約書として扱われるとされているため、金額に応じた税額になります。
合意書・示談書の書き方|記載事項と注意点
合意書・示談書に法定の様式はありません。ただ、後から「何について合意したのか」で争いにならないよう、次の項目は押さえておきます。
項目 | 必須/任意 | 根拠 | 注意点 |
|---|---|---|---|
当事者(住所・氏名/名称・代表者) | 必須 | 当事者の特定 | 会社は代表者名まで。個人は自署が望ましい |
争いの対象(事故・取引の特定) | 必須 | 民法695条 | 日時・場所・契約名で特定。清算の範囲を決める |
金額(示談金・解決金) | 必須 | 和解の内容 | 計算の内訳(損害額・過失割合・既払金)を残す |
支払期日・支払方法 | 必須(実務上) | 和解の内容 | 振込手数料の負担、分割なら支払予定表 |
遅延損害金・期限の利益の喪失 | 任意 | 民法419条 | 定めがなければ法定利率(年3%) |
清算条項 | 任意(ほぼ必須) | 和解の内容 | 「本件に関し」で範囲を限るかを判断 |
謝罪条項・口外禁止 | 任意 | 当事者の合意 | 謝罪は法的な強制力を持たない |
作成日・署名押印・通数 | 必須(実務上) | 証拠化 | 当事者の数だけ作成し各1通を保有 |
争いの対象を特定する
前文や「事故の表示」で、交通事故なら日時・場所・車両・事故の態様、取引なら契約の日付と名称まで書きます。この特定が曖昧だと、清算条項がどこまで及ぶのかも曖昧になります。
金額と支払方法は計算の過程まで書く
示談金は結論の金額だけでなく、損害の内訳・過失割合・既払金の控除など計算の過程を残します(テンプレート02・03は内訳表つき)。支払期日と振込手数料の負担、遅れたときの遅延損害金も定めます。定めがない場合、金銭債務の遅延損害金は法定利率で計算され(民法419条)、法定利率は2029年3月31日まで年3%です(法務省「令和8年4月1日以降の法定利率について」)。
清算条項は「限定型」か「包括型」かを選ぶ
清算条項は「本書に定めるもののほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する」という条項で、合意の後に追加の請求をしないことを確認するものです。書き方には2つの型があります。
- 限定型:「本件事故に関し」「本件紛争に関し」と範囲を限る。別の取引の売掛金などは残る
- 包括型:範囲を限らず、当事者間の債権債務すべてを清算する。退職合意書でよく使う
取引が続く会社間で包括型を使うと、無関係の売掛金まで消えたと主張される余地があります。テンプレート01・02・03・05は限定型、04は包括型にしています。そのまま使える文例は清算条項の文例集にまとめました。
謝罪条項(宗教的条項)の意味
「乙は甲に対し謝罪する」のように、法的な強制力(強制執行できる義務)を生じさせない条項を、実務では宗教的条項・道義的条項と呼ぶことがあります。守られなくても強制はできませんが、被害者の納得につながり、示談が成立しやすくなる効果があります。テンプレート03に入れています。
収入印紙は原則不要、内容によって必要
印紙税がかかるのは、印紙税法別表第一に掲げられた20種類の文書だけです(国税庁 No.7100)。和解契約・示談そのものはこの一覧にないため、損害賠償金の支払だけを定める示談書・合意書は原則として課税されません。ただし、課税文書に当たるかは名称ではなく記載の内容で判断されるため、次のような内容を含むと印紙が必要になり得ます。
合意の内容 | 印紙税の扱い | 根拠 |
|---|---|---|
損害賠償金・解決金の支払だけを定める | 原則として不課税 | No.7100(別表第一に該当なし) |
未払の代金を借入金に改める(準消費貸借) | 第1号の3文書(消費貸借) | |
借入金の返済方法・期限を変える | 第1号の3文書 | |
請負代金の支払方法・期日を変える | 第2号文書になり得る | |
契約を解約する(消滅させる)だけ | 契約書に含まれない |
分割弁済合意書は、元の契約が売買・請負・金銭の貸借のどれかで扱いが変わります。判断に迷うときは、文書を持参して税務署に確認するのが確実です。契約書の種類ごとの税額は契約書の収入印紙の早見表で一覧にしています。
清算条項の文例集|限定型・包括型・一部を除く型
清算条項は、合意書・示談書の中で最も影響が大きい1行です。範囲を広げすぎれば本来請求できたものまで消え、狭すぎれば同じ争いが再燃します。ここでは、テンプレートの清算条項を差し替えるときにそのまま使える文例を、型ごとにまとめました。【 】は事案に合わせて書き換えてください。
限定型の文例(取引トラブル・物損事故)
争いの対象を特定し、その範囲だけを清算する型です。取引が続く相手や、別の債権債務が残っている相手とはこちらを使います。
第【5】条(清算条項)
甲及び乙は、本件紛争に関し、本合意書に定めるもののほか、
甲乙間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。第【5】条(清算条項)
甲及び乙は、【 年 月 日付「〇〇業務委託契約」に基づく
年 月分の納品物の不具合】に関し、本合意書に定めるもののほか、
甲乙間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。
なお、甲乙間の上記契約に基づくその余の取引による債権債務は、
本条の対象に含まれない。2つ目の文例のように「その余の取引は含まない」と一文足しておくと、別の月の売掛金まで消えたという主張を防ぎやすくなります。
包括型の文例(退職・取引の完全な終了)
当事者間の関係をすべて終わらせるときの型です。退職合意書や、取引を完全にやめる相手との解決で使います。
第【9】条(清算条項)
甲及び乙は、本合意書に定めるもののほか、
甲乙間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。「本件に関し」を外すだけで包括型になります。署名する側から見ると、自分が把握していない請求権まで手放す可能性がある条項です。会社が社員と結ぶ場合、未払賃金を包括型で消そうとしても、労働者の自由な意思に基づくと認められる客観的な理由がなければ放棄の効力が否定されることがあるのは、退職合意書の注意点で見たとおりです。
一部を除く型の文例(後遺障害・人身損害の留保)
清算の対象から、まだ金額が決まらない損害を外しておく型です。けがを伴う事故や、物損だけを先に示談する場合に使います。
第【5】条(清算条項)
甲及び乙は、本件事故に関し、本示談書に定めるもののほか、
甲乙間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。
ただし、本件事故により甲に後遺障害が生じたと認められたときは、
その損害については、本条にかかわらず、甲乙別途協議する。第【5】条(清算条項)
甲及び乙は、本件事故による物的損害に関し、本示談書に定めるもののほか、
甲乙間に何らの債権債務がないことを相互に確認する。
本件事故による人身損害は、本条の対象に含まれない。清算条項を書くときの確認リスト
- 清算の対象(事故・紛争・契約)を日付と名称で特定したか
- 相手との間に、今回の件とは別の売掛金・貸付金・預り金が残っていないか
- 保険会社からの支払、すでに受け取った見舞金・立替金をどう扱うか書いたか
- 後遺障害・人身損害・未確定の損害を外す必要がないか
- 相手の家族・会社の役員など、当事者以外への請求をどうするか決めたか(書面の効力は原則として署名した当事者の間に及ぶ)
迷ったときは限定型を基本にし、包括型にする理由(関係を完全に終える、など)を説明できるかで判断すると失敗が少なくなります。
ケース別の注意点|交通事故・物損・金銭・労働トラブル
示談書は、場面によって入れるべき条項が変わります。交通事故・けが・退職・解約・分割払いに加えて、問い合わせの多い金銭トラブルや近隣トラブルの書き方も順に見ていきます。
交通事故の示談書|物損と人身を分ける
交通事故の示談は、物損(車の修理費など)と人身(治療費・慰謝料など)で性質が大きく違います。自動車の自賠責保険・共済は人身事故の対人賠償だけが対象で、物損事故は補償の対象になりません(国土交通省「自賠責保険・共済ってどんなもの?」)。物損を先に示談する場合は、テンプレート02の第4条のように「本示談は物的損害に限る」と明記し、人身損害を清算の対象から外しておきます。
任意保険に入っていれば、保険会社が損害額や過失割合を調整し、保険会社の書式で手続きが進むのが一般的です。人身事故では、任意保険会社が自賠責保険の分も含めて支払う「一括払制度」もあります(国土交通省「支払までの流れと請求方法」)。当事者同士の示談書は、保険を使わない場合などに使います。テンプレート02には、保険会社から支払われた分をその限度で支払済みとする条項を入れています。
過失割合がある事故では、「相手の損害額×自分の過失割合」を互いに計算し、差し引いた額を一方が払う形がよく使われます。記入例では、甲の損害305,000円×乙の過失80%=244,000円から、乙の損害150,000円×甲の過失20%=30,000円を差し引き、乙が214,000円を払う計算です。人身損害の賠償債務は加害者側から一方的に相殺できない(民法509条2号)ため、人身を含めて差し引くときは専門家に確認してください。
けがを伴う示談|後遺障害の留保を入れる
最高裁は、全損害を正確に把握しにくい状況で早急に少額の示談をした事案で、示談で放棄したのは当時予想していた損害に限られ、予想できなかった後遺症等の損害は後日請求できると判断しています(最高裁昭和43年3月15日判決)。ただし、これは事情によって判断される例外です。けがの示談では、テンプレート03の第4条のように後遺障害の損害を清算の対象から外す「留保条項」を明記しておくのが安全です。
示談は、治療が終わるか症状固定の診断を受けてから金額を決めるのが基本です。人の生命・身体を害する不法行為の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から5年で時効にかかります(民法724条の2)。物損は3年です(同724条)。自動車事故の自賠責保険の被害者請求は、傷害は事故の翌日から、後遺障害は症状固定日の翌日から3年以内とされています(国土交通省「支払までの流れと請求方法」)。
退職合意書|退職勧奨の限度と合意の任意性
退職勧奨は、会社が社員に退職を勧めることで、一方的に労働契約を終わらせる解雇とは違います。厚生労働省は、退職勧奨は労働契約を終了させる「申込」であり、承諾するかどうかは労働者の自由だと説明しています。執拗に勧奨を繰り返したり、その場で退職手続きを迫ったりすると違法とされた裁判例もあります(厚生労働省「退職勧奨とはどのようなものでしょうか」、確かめよう労働条件「退職勧奨」)。虚偽の説明や脅しによる合意は、錯誤・詐欺・強迫として取り消されることがあります(民法95条・96条)。
テンプレート04の第10条は、案を渡した日と検討期間を記録し、自由な意思で署名したことを確認する条項です。実際に考える時間を与えずに署名を迫れば意味がないため、面談の日時と内容の記録も残します。社員側の相談対応は労務相談の回答をAIで下書きする方法でも扱っています。
注意したいのが、包括型の清算条項と未払賃金の関係です。最高裁は、賃金に当たる退職金債権の放棄は、それが労働者の自由な意思に基づくと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するときに有効としています(最高裁昭和48年1月19日判決)。未払残業代などがある可能性があるなら、清算条項で消そうとせず、先に精算して金額を合意書に書くのが筋です。
離職理由も揉めやすい点です。厚生労働省は、退職勧奨に応じて退職した場合は自己都合退職にはならないと説明しており(厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」)、事業主から退職の勧奨を受けて離職した人は雇用保険の特定受給資格者の範囲に含まれます(ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」)。ただし、離職理由の最終的な判定は、事業主と離職者の主張と確認資料をもとにハローワークが行います(厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」)。離職証明書の書き方は離職票の書き方と離職理由の判断で詳しく解説しています。
会社側は、特定受給資格者となる離職者を出すと、一部の助成金の支給要件に影響する場合がある点も確認しておきます(厚生労働省「特定受給資格者となる離職理由の判定基準」)。解決金の所得区分と源泉徴収の要否は支払の趣旨で変わるため、税理士に確認してください。
物を壊した・ペットがけがをさせた|個人間の損害賠償の示談書
自転車で相手の車に傷をつけた、子どもが他人の物を壊した、飼い犬が通行人にかみついた、といった交通事故以外の損害賠償でも、示談書の骨組みは同じです。物の損害だけならテンプレート02の「事故の表示」を「事故の日時・場所・壊れた物」に読み替え、けがを含むならテンプレート03を使います。
- 壊れた物の修理見積書・購入時の領収書など、金額の根拠を添付書類として番号を振っておく
- 個人賠償責任保険などから支払われる場合は、保険金が支払われた限度で支払済みとする条項を入れる(二重払い防止)
- けががある場合は、治療が終わってから金額を決め、後遺障害の留保を入れる
金銭トラブル(貸したお金・立替金・代金)の示談書
貸したお金が返ってこない、立て替えた費用を払ってもらえない、代金の額で揉めている、といった金銭トラブルを話し合いで終わらせるときは、テンプレート01を使い、第2条の解決金と第4条の合意事項を書き換えます。争いの中身が「いくら残っているか」だけなら、和解というより債務の確認に近いので、残額を認めてもらうテンプレート06のほうが合う場合もあります。
金額を減額して決着させるなら、「本来の請求額」「減額後の解決金」「期日どおり払えば残りは免除する」という3点をはっきり書きます。減額した金額の支払が遅れたら元の金額を請求できる、という条件を付けるかどうかも、ここで決めておきます。
労働トラブル(未払残業代・ハラスメント)の合意書
退職を伴わない労働トラブル、たとえば在職中の社員との未払残業代の精算や、ハラスメントの申告を受けた後の解決では、テンプレート01の合意事項を差し替えて使えます。支払う金額が賃金なのか、それ以外の解決金なのかで、給与計算・源泉徴収・社会保険の扱いが変わるため、名目は社労士・税理士と確認してから書きます。
労働トラブルの合意書で避けたいのは、退職合意書と同じく、未払賃金を包括型の清算条項で消そうとすることです。計算した未払額を合意書に書いて支払い、そのうえで「本件に関し」と範囲を限った清算条項を置くのが安全です。退職を伴う場合の退職届の扱いは退職届・退職願のテンプレートと会社側の受理手続きも参考になります。
近隣トラブル(騒音・境界・ペット)の合意書
騒音や越境した枝、ペットの鳴き声など、金銭よりも「今後の行動」が争点になる近隣トラブルでは、テンプレート01の第4条(その他の合意事項)が中心になります。「夜10時以降は楽器を演奏しない」「〇月〇日までに越境した枝を剪定する」のように、いつまでに・何を・どの程度するかを具体的に書きます。「迷惑をかけない」といった抽象的な約束は、守られたかどうかを判断できず、後の争いの種になります。
当事者だけの話し合いでまとまらないときは、裁判所の民事調停も選択肢です。調停は話し合いでお互いの合意を目指す手続で、騒音などの近隣公害の事件には専門家の調停委員が関与することもあると案内されています(裁判所「民事調停」)。
刑事事件の示談は弁護士に相談する
暴行や窃盗など刑事事件になっている(なりそうな)件の被害者との示談は、この記事のテンプレートの対象外です。示談の内容が捜査や処分の判断で考慮されることがあり、条項の書き方も民事の示談とは目的が異なるため、加害者側・被害者側とも弁護士に相談してください。
解約合意書|残す条項を決めてから終える
継続的な契約を合意で解約するときは、解約日までの業務と代金、引継ぎ、資料・データの返還や消去を決めます。原契約の秘密保持・知的財産権・損害賠償の条項は、条番号を挙げて解約後も効力が残る(存続条項)と確認しておくと、後の争いを防げます。業務委託契約そのものの条項は業務委託契約書テンプレートで確認できます。
分割弁済合意書|債務の承認と回収の手当て
分割払いの合意書に「債務を承認する」と書いておくと、時効は承認の時から新たに進み始めます(民法152条)。支払予定表と、何回分滞ったら残額を一括請求できるか(期限の利益の喪失)を必ず入れます。
ただ、合意書だけでは、支払が止まってもすぐに強制執行はできません。強制執行には判決などの「債務名義」が必要で、公証人が作成した強制執行認諾文言付きの公正証書(執行証書)もその一つです(民事執行法22条5号)。金額が大きいときは、テンプレート06の第6条のように公正証書にする約束を入れておくと安心です(詳しくは示談金が払われないとき)。支払が滞ったときの督促状は内容証明郵便の文例とAIでの作り方が参考になります。
示談金が払われないとき|公正証書・支払督促・少額訴訟・調停
示談書・合意書を交わしても、相手が約束どおり払うとは限りません。当事者だけで作った書面は強い証拠にはなりますが、それだけでは相手の預金や給料を差し押さえる強制執行はできないためです。支払が分割になる、金額が大きい、相手の支払能力に不安がある、といった場合は、作る段階で次の手当てを考えておきます。
示談書を公正証書にする(強制執行認諾文言つき)
公証人が作成した公正証書に、債務者がすぐに強制執行に服する旨の文言(強制執行認諾文言)を入れると、裁判をしなくても強制執行の手続に進めます(民事執行法22条5号)。流れは、①当事者で示談書・合意書の内容を固める、②公証役場に連絡して必要書類と手数料を確認する、③当事者(または代理人)が公証役場で内容を確認して署名する、という順です。公正証書のメリットと費用の考え方は借用書テンプレートの記事の「公正証書にするメリット」で詳しく説明しているので、ここでは示談書ならではの注意だけ挙げます。
- 強制執行の対象にできるのは金銭の一定額の支払で、謝罪や「今後近づかない」といった約束は対象にならない
- 分割払いなら、期限の利益の喪失(何回滞ったら残額を一括で払うか)を公正証書にも必ず入れる
- 相手が公正証書の作成に応じない場合に備え、テンプレート06の第6条のように「求めがあれば公正証書の作成に協力する」と合意書に書いておく
合意書だけのときは裁判所の手続を使う
公正証書がない場合に相手が払わなければ、裁判所の手続で強制執行できる書面(債務名義)を得ることになります。示談書・合意書は、その手続で「相手が支払を約束した」ことを示す有力な証拠になります。
手続 | 向いている場面 | 特徴(裁判所の案内より) |
|---|---|---|
支払督促 | 相手が金額を争っていない未払 | 書類審査のみ。相手が受け取ってから2週間以内に異議を出さなければ、仮執行宣言を申し立てて強制執行に進める。異議が出ると通常の訴訟に移る |
少額訴訟 | 60万円以下の金銭の請求 | 原則1回の審理で解決を目指す。分割払いなどの判決や和解もあり、判決書・和解調書に基づき強制執行を申し立てられる |
民事調停 | 話し合いの余地がある争い | 調停委員を交えて話し合う。成立すると調停調書は確定判決と同じ効力を持ち、強制執行もできる |
出典:裁判所「支払督促」、裁判所「少額訴訟」、裁判所「民事調停」。手数料や申立先は各ページで確認できます。
裁判所の手続の前に、まずは支払期限を区切った督促状や内容証明郵便で請求するのが一般的です。文面は督促状テンプレートと段階別の文例を参考にしてください。
よくある間違い・トラブル
よくある間違い | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
けがの示談を治療中に済ませ、包括的な清算条項を入れた | 後遺障害が出ても請求できるかが争いになる | 症状固定後に示談し、後遺障害の留保条項を入れる |
取引が続く相手と範囲を限らない清算条項を結んだ | 別件の売掛金まで消えたと主張される | 「本件紛争に関し」と範囲を限る |
金額だけ書いて支払期日がない | いつまでも払われない | 期日・振込先・手数料・遅延損害金を書く |
保険会社の支払と当事者の支払の関係を書いていない | 二重払い・未払いの争い | 保険金が支払われた限度で支払済みとする条項を入れる |
退職合意書をその場で署名させた | 合意の任意性が争われ、無効や取消しの主張を招く | 案を事前に渡し、検討期間を置いて記録する |
分割弁済で期限の利益の喪失を定めていない | 滞っても分割期日ごとにしか請求できない | 「2回分に達したら残額を一括」などを定める |
当事者以外の人が報酬を得る目的で示談交渉を代わりに行うことは、弁護士・弁護士法人でなければできません(弁護士法72条)。相手方との交渉に第三者が入る場合は、その点にも注意してください。
AIで合意書・示談書を下書き・チェックする方法
合意書・示談書は構成が決まっているため、生成AIに下書きや抜け漏れのチェックを任せやすい書類です。ただし、過失割合や印紙税の扱いのように事実や一次情報で決まる部分は、必ず確かめてください。契約書全般のチェック手順は契約書レビューのAIプロンプト集でも解説しています。
次の条件で示談書(または合意書)の下書きを作ってください。
条文は「である調」、決まっていない箇所は【 】で残してください。
・当事者:甲【氏名・住所】/乙【氏名・住所】
・争いの対象:【事故の日時・場所・態様 or 契約名と紛争の内容】
・金額:【示談金・解決金の額と計算の内訳】
・支払:【期日】までに振込み、手数料は【甲 or 乙】負担
・清算条項:【「本件に関し」で限定 or 包括】
・入れたい条項:【謝罪/後遺障害の留保/口外禁止 など】
最後に、清算条項の範囲で消える可能性がある請求と、
印紙税がかかる可能性がある記載を箇条書きで示してください。以下の退職合意書をチェックしてください。
(1)退職日・退職理由・金銭の支払(賃金・退職金・解決金)の抜け
(2)清算条項で、未払賃金など本来払うべきものを消していないか
(3)本人の自由な意思による合意であることを示す記録があるか
(4)離職理由の記載が事実(退職勧奨の有無)と合っているか
指摘は「条項番号・問題点・修正案」の表で出してください。
---
【退職合意書の本文を貼り付け】うまくいかない例は、「示談書を作って」とだけ頼むケースです。金額や過失割合が空想で埋まり、範囲の広すぎる清算条項が入った文面が出てくることがあります。事実関係を箇条書きで渡し、決まっていない箇所は【 】で残すよう指示すると、使える下書きになります。
士業AIは、条文や公的機関の資料を根拠として示しながら回答するため、清算条項の範囲の検討や印紙税の判断のように「根拠まで知りたい」確認に向いています。弁護士・司法書士・行政書士の事務所で、示談書や合意書の下書き・条文確認に使う場面は法務の専門家向け 士業AIの紹介ページにまとめています。
示談書・合意書のよくある質問
示談書は自分で作成しても効力がありますか?
あります。示談書・合意書に法定の様式はなく、弁護士が作ったものでなくても、当事者が内容に合意して署名すれば、和解契約の証拠として効力を持ちます。ただし、効力があるからこそ、清算条項の範囲を誤ると取り返しがつきません。金額が大きい、けがや後遺障害が絡む、相手が会社で書面を用意してきた、といった場合は、署名前に弁護士に確認してもらうと安心です。
示談書は手書きでもいいですか?押印は必要ですか?
手書きでも有効です。PDF版を印刷して記入すれば、その場で完成させられます。署名だけでも合意の証拠にはなりますが、実務では本人が署名し、押印もしておくのが一般的です。会社が当事者なら、会社名・代表者名を記載して代表者印を押します。2通作って双方が署名・押印し、各1通を持つのが基本です。
示談書を郵送でやりとりするときの手順は?
①Word版で作った案をメールなどで送り内容を確定する、②確定版を2通印刷して自分の署名・押印をする、③送付状を添えて2通とも相手に郵送し、署名・押印のうえ1通の返送を頼む、という流れが一般的です。返送用の封筒を同封しておくと戻りが早くなります。添える送付状は送付状テンプレートが使えます。
まとめ
- 示談書・合意書の多くは民法の和解契約で、署名後は原則として蒸し返せない(民法696条)
- 争いの対象・金額の内訳・支払期日を特定し、清算条項は限定型か包括型かを選ぶ
- 交通事故は物損と人身を分け、けがの示談には後遺障害の留保を入れる
- 退職合意書は検討期間を置いた任意の合意とし、離職理由は事実どおりに記載する
- 清算条項は限定型を基本に、包括型や一部を除く型は理由を説明できるときに使う
- 印紙は原則不要だが、準消費貸借や借入金・請負代金の支払方法の変更などを含むと必要になり得る
- 当事者だけの示談書では強制執行できない。高額・分割なら公正証書、払われなければ支払督促・少額訴訟・調停を検討する
本記事は2026年10月時点の法令・公的資料にもとづいています。制度は改正されることがあるため、利用時は各機関の最新情報を確認し、個別の事情は弁護士・社会保険労務士・税理士などの専門家にご相談ください。
参考文献
- e-Gov法令検索「民法」(95条・96条・152条・419条・509条・695条・696条・724条・724条の2)
- e-Gov法令検索「民事執行法」(22条)
- e-Gov法令検索「弁護士法」(72条)
- 裁判所「最高裁昭和43年3月15日判決(示談当時予想しなかった後遺症等が発生した場合と示談の効力)」
- 裁判所「最高裁昭和48年1月19日判決(賃金にあたる退職金債権放棄の効力)」
- 厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」
- 厚生労働省 スタートアップ労働条件「退職勧奨とはどのようなものでしょうか」
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「退職勧奨(裁判例)」
- ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
- 厚生労働省「雇用保険被保険者離職証明書についての注意」
- 厚生労働省「特定受給資格者となる離職理由の判定基準」
- 裁判所「支払督促」
- 裁判所「少額訴訟」
- 裁判所「民事調停」
- 国土交通省「自賠責保険・共済ってどんなもの?」
- 国土交通省「支払までの流れと請求方法」
- 国税庁「No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断」
- 国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(第1号文書から第4号文書まで)」
- 国税庁「印紙税法基本通達 第4節 契約書の取扱い」
- 国税庁「印紙税法基本通達 別表第2 重要な事項の一覧表」
- 国税庁 質疑応答事例「債務承認弁済契約書」
- 国税庁 質疑応答事例「消費貸借の意義」
- 法務省「令和8年4月1日以降の法定利率について」
よくある質問
法的な効力に違いはありません。争いを互いの譲歩で終わらせる内容なら、どちらも民法695条の和解契約です。交通事故や損害賠償の場面では示談書、取引のトラブルや契約の終了では合意書と呼ぶことが多いという、呼び方の違いです。和解が成立すると、後から反対の証拠が出ても合意の内容どおりに扱われます(民法696条)。
損害賠償金や解決金の支払だけを定める示談書・合意書は、印紙税法の課税文書(別表第一の20種類)に当たらないため、原則として印紙は不要です。ただし、未払代金を借入金に改める内容(準消費貸借)や、請負代金・借入金の支払方法を変える内容を含むと、第1号の3文書や第2号文書として課税されることがあります。
最高裁昭和43年3月15日判決は、全損害を把握しにくい状況で早急に少額の示談をした事案で、示談当時に予想できなかった後遺症等の損害は後日請求できると判断しました。ただし事情による判断のため、けがの示談では、後遺障害の損害を清算の対象から外す留保条項を示談書に明記しておくのが安全です。
「本書に定めるもののほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する」という条項で、合意の後に追加の請求をしないことを確認するものです。「本件に関し」と範囲を限る限定型と、当事者間のすべてを清算する包括型があります。取引が続く相手と包括型を結ぶと、無関係の売掛金まで消えたと主張される余地があるため注意が必要です。
退職勧奨に応じて退職した場合、厚生労働省は自己都合退職にはならないと説明しており、雇用保険の特定受給資格者の範囲にも含まれます。ただし、離職理由の最終的な判定は、事業主と離職者の主張と資料をもとにハローワークが行います。合意書に書いた内容でなく、実際の経緯で判断される点に注意してください。
合意書だけでは強制執行はできず、判決などの債務名義が必要です。強制執行認諾文言を付けた公正証書(執行証書)にしておけば、裁判をせずに強制執行を申し立てられます(民事執行法22条5号)。金額が大きい場合は、合意書に公正証書を作成する約束を入れておくと回収の手当てになります。

