税務×AI

配偶者控除等申告書の書き方【令和8年分】区分Ⅰ・Ⅱの判定と基礎控除欄の記入例

配偶者控除等申告書は、令和8年分では「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という1枚の兼用様式の一部です。書く順番は、①本人の合計所得金額の見積額を出して基礎控除の額と「区分Ⅰ(A〜C)」を決める、②配偶者の合計所得金額の見積額を出して「区分Ⅱ(①〜④)」を決める、③区分Ⅰと区分Ⅱを表に当てはめて配偶者控除か配偶者特別控除の額を書く、の3段階です。令和8年分は改正で、配偶者控除の対象となる配偶者の所得要件が「合計所得金額62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)」に、配偶者特別控除の対象が「62万円超133万円以下(同136万円超207万円以下)」に変わりました。

この記事では、顧問先の経理担当者や事務所スタッフが従業員から申告書を回収して点検する立場を想定し、基礎控除の欄・配偶者控除等の欄・所得金額調整控除の欄を、欄の順に記入例つきで解説します。金額はすべて国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」と同じく国税庁の記載例で確認したものです。

この記事で分かること

  • 兼用様式のうち、誰がどの欄を書くか(書かなくてよい人)
  • 給与収入から合計所得金額の見積額を出す計算(令和8年分の給与所得控除74万円)
  • 区分Ⅰ(A・B・C)と区分Ⅱ(①〜④)の判定手順と控除額の表
  • 配偶者の年収別の早見表と、本人の年収別の記入例2つ
  • 所得金額調整控除の欄の要件と書き方
  • 回収時に見つけたい誤りと、AIで検算するときのプロンプト

令和8年分の兼用様式で、配偶者控除等申告書はどこか

1枚に4つの申告書|書く欄は人によって違う

国税庁の様式は4つの申告書を1枚にまとめたものです。全員が全部を書くわけではありません。回収前に従業員へ「あなたが書くのはここ」と伝えるだけで、白紙のまま戻ってくる申告書や、書かなくてよい欄に数字が入った申告書が減ります。

申告書の部分

書く人

本記事での扱い

基礎控除申告書

年末調整を受けるほぼ全員(合計所得金額2,500万円以下の人)

欄ごとに解説

配偶者控除等申告書

配偶者控除または配偶者特別控除を受ける人

欄ごとに解説(中心)

特定親族特別控除申告書

19歳以上23歳未満で、所得が62万円超123万円以下の子などがいる人

概要のみ

所得金額調整控除申告書

年末調整の対象となる給与が850万円超で、23歳未満の扶養親族などがいる人

欄ごとに解説

特定親族特別控除の欄(大学生の子のアルバイト収入が多い場合など)は書き方が独立しているため、特定親族特別控除申告書の書き方|19〜22歳の子の記入例で控除額の段階表と記入例をまとめています。この記事では、配偶者特別控除と特定親族特別控除の関係(同じ人を2人の所得者が重ねて控除できない点)だけを後の点検の章で触れます。

提出期限と、11月中に回収してよいか

この申告書は、その年最後に給与の支払を受ける日の前日までに、給与の支払者(会社)に提出します。令和8年度税制改正による基礎控除の引上げなどは令和8年12月1日施行ですが、国税庁の令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(Q1-2)は、改正を反映した申告書を12月1日より前に受け取っても差し支えないとしています。例年どおり11月に回収してかまいません。ただし、中身は「改正後の金額」で書いてもらう必要があります。

年末調整全体の段取り(扶養控除等申告書・保険料控除申告書を含む回収から精算まで)は年末調整の書き方【令和8年分】申告書の記入手順とAI下書き術、令和7年分から何が変わったかの総まとめは年末調整の変更点【令和8年分】で解説しています。

基礎控除の欄|合計所得金額の見積額から区分Ⅰまで

配偶者控除等の欄は、基礎控除の欄で出した「本人の合計所得金額の見積額」と「区分Ⅰ」を使います。配偶者の欄から書き始めると計算が止まるので、必ず基礎控除の欄から書きます。

手順1:給与収入から給与所得を出す(令和8年分の計算欄)

「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」の表の(1)給与所得の欄に、令和8年中の給与の収入金額の見積り(賞与を含む総額。2か所以上から給与を受けている場合は合計)を書き、次の計算で所得金額を出します。合計所得金額とは、収入から給与所得控除などを差し引いた後の「所得」を合計した金額のことで、年収そのものではありません。

給与の収入金額(A)

給与所得の金額

740,999円以下

0円

741,000円〜2,190,999円

A−740,000円

2,191,000円〜2,199,999円

1,451,000円〜1,456,000円(3段階の定額)

2,200,000円〜3,599,999円

A÷4(千円未満切捨て)×2.8−80,000円

3,600,000円〜6,599,999円

A÷4(千円未満切捨て)×3.2−440,000円

6,600,000円〜8,499,999円

A×0.9−1,100,000円

8,500,000円以上

A−1,950,000円(所得金額調整控除がある人はさらにその額を引く)

出典は国税庁の令和8年分 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書の記載例の「給与所得の計算欄」です。令和8・9年分は給与所得控除の最低保障額が74万円に上がったため、昨年の「−65万円」で計算すると所得が9万円多く出ます。給与以外の所得(事業・不動産・公的年金など)があれば(2)欄に所得金額の合計を書きます。源泉分離課税で終わる所得や、確定申告しないことを選んだ上場株式の配当などは含めません(国税庁「合計所得金額の計算について(令和8年分)」)。

手順2:判定欄にチェックし、基礎控除の額を書く

(1)と(2)の合計を「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」に書き、「控除額の計算」の判定欄で該当する□にチェックを付けます。令和8年分の基礎控除の額は次のとおりです。

本人の合計所得金額

給与だけの人の年収の目安

基礎控除の額

区分Ⅰ

489万円以下

665万5,556円以下

104万円

A

489万円超655万円以下

850万円以下

67万円

A

655万円超900万円以下

1,095万円以下

62万円

A

900万円超950万円以下

1,145万円以下

62万円

B

950万円超1,000万円以下

1,195万円以下

62万円

C

1,000万円超2,350万円以下

―

62万円

(配偶者控除なし)

2,350万円超2,500万円以下

―

48万円・32万円・16万円

(配偶者控除なし)

金額は国税庁「令和8年分の基礎控除額の表・配偶者控除額及び配偶者特別控除額の一覧表」のとおりです。年収の目安は所得金額調整控除がない場合で、ある場合は900万円・950万円・1,000万円の各ラインに15万円を足します(同一覧表の注3)。年末調整は給与が2,000万円を超える人は対象外なので、下2段は年末調整の現場ではまず出てきません。

手順3:区分Ⅰ(A・B・C)は配偶者控除等を受ける人だけ書く

判定結果が900万円以下ならA、900万円超950万円以下ならB、950万円超1,000万円以下ならCを「区分Ⅰ」欄に書きます。様式上は489万円以下・489万円超655万円以下・655万円超900万円以下の3段がまとめてAです。配偶者控除・配偶者特別控除を受けない人は区分Ⅰを書く必要はありません(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた 16〜20ページ」)。逆に、配偶者の欄を書いているのに区分Ⅰが空欄の申告書は、控除額が表から引けないので差し戻しの対象です。

配偶者控除等の欄|配偶者の所得の見積りと区分Ⅱ

手順4:配偶者の合計所得金額を見積もる

「配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算」の表も、本人の欄と同じ計算欄を使います。パート収入だけの配偶者なら、令和8年1月〜12月に支給日が来る給与の総額を見積もり、上の表に当てはめます。非課税の通勤手当は収入に含めません。12月分の給与がまだ確定していない時期に回収するため、「見積額」でよいことになっています。

配偶者に公的年金がある場合は、公的年金等控除後の雑所得を(2)欄に書きます。国税庁の年末調整のしかたでは、公的年金だけの配偶者は収入が65歳以上で172万円以下、65歳未満で122万円以下なら配偶者控除の範囲(所得62万円以下)に入るとしています。

手順5:判定欄で区分Ⅱ(①〜④)を決める

見積額と配偶者の生年月日から、判定欄の□にチェックし、記号を「区分Ⅱ」欄に書きます。

区分Ⅱ

配偶者の合計所得金額と年齢

給与だけの年収の目安

受ける控除

①

62万円以下かつ70歳以上(昭和32年1月1日以前生まれ)

136万円以下

配偶者控除(老人控除対象配偶者)

②

62万円以下かつ70歳未満

136万円以下

配偶者控除

③

62万円超95万円以下

136万円超169万円以下

配偶者特別控除

④

95万円超133万円以下

169万円超207万円以下

配偶者特別控除

区分Ⅱが①か②なら「配偶者控除の額」欄、③か④なら「配偶者特別控除の額」欄に書きます。どちらか一方にしか金額は入りません。配偶者の合計所得金額が133万円(給与だけなら207万円)を超えると、どちらの控除も受けられません。

手順6:区分Ⅰ×区分Ⅱの表で控除額を引く

様式の「控除額の計算」の表に、区分Ⅰ(A〜C)と区分Ⅱ(①〜④)を当てはめます。令和8年分の金額は次のとおりで、タックスアンサーNo.1191 配偶者控除・No.1195 配偶者特別控除とも一致しています。

配偶者の合計所得金額(給与だけの年収)

A(900万円以下)

B(900万円超950万円以下)

C(950万円超1,000万円以下)

①62万円以下・70歳以上(136万円以下)

48万円

32万円

16万円

②62万円以下・70歳未満(136万円以下)

38万円

26万円

13万円

③62万円超95万円以下(169万円以下)

38万円

26万円

13万円

④95万円超100万円以下(174万円以下)

36万円

24万円

12万円

④100万円超105万円以下(179万円以下)

31万円

21万円

11万円

④105万円超110万円以下(184万円以下)

26万円

18万円

9万円

④110万円超115万円以下(189万円以下)

21万円

14万円

7万円

④115万円超120万円以下(194万円以下)

16万円

11万円

6万円

④120万円超125万円以下(199万円以下)

11万円

8万円

4万円

④125万円超130万円以下(204万円以下)

6万円

4万円

2万円

④130万円超133万円以下(207万円以下)

3万円

2万円

1万円

③と②は同じ38万円ですが、欄が違います。②は「配偶者控除の額」、③は「配偶者特別控除の額」に書き、源泉徴収簿や源泉徴収票でも別の扱いになります。金額が同じだからと欄を取り違えないようにします。

配偶者の年収別 早見表と記入例

配偶者のパート年収別 早見表(本人の区分ⅠがAの場合)

回収時に最も多いのは「本人は給与だけで合計所得900万円以下、配偶者はパート収入だけ」という組み合わせです。この場合の見積額と記入先を、配偶者の年収別に並べると次のとおりです。

配偶者の給与収入

給与所得(見積額)

区分Ⅱ

書く欄

控除額

100万円

26万円

②

配偶者控除の額

38万円

130万円

56万円

②

配偶者控除の額

38万円

136万円

62万円

②

配偶者控除の額

38万円

150万円

76万円

③

配偶者特別控除の額

38万円

169万円

95万円

③

配偶者特別控除の額

38万円

170万円

96万円

④

配偶者特別控除の額

36万円

180万円

106万円

④

配偶者特別控除の額

26万円

190万円

116万円

④

配偶者特別控除の額

16万円

200万円

126万円

④

配偶者特別控除の額

6万円

207万円

133万円

④

配偶者特別控除の額

3万円

210万円

136万円

―

書かない

0円

配偶者が70歳以上なら、年収136万円以下の行は①・48万円になります。本人の区分ⅠがBかCなら、同じ行の控除額を上の表のB列・C列に読み替えます。なお、ここでいう136万円・207万円は所得税の話です。社会保険の扶養の基準(130万円など)は別の制度なので、従業員から「扶養を外れますか」と聞かれたときは分けて答えます。

記入例1:本人の年収600万円・配偶者のパート年収150万円

  • 本人の給与所得:600万円÷4=150万円、150万円×3.2−44万円=436万円
  • 基礎控除の欄:489万円以下にチェック、基礎控除の額104万円、区分ⅠA
  • 配偶者の給与所得:150万円−74万円=76万円(62万円超95万円以下)
  • 区分Ⅱ:③
  • 控除額:A×③で38万円を「配偶者特別控除の額」欄へ(配偶者控除の額は空欄)

昨年の感覚で「パート150万円は配偶者特別控除」と覚えている従業員は多く、結論は今年も同じです。ただ、配偶者の年収が130万円台なら、昨年は配偶者特別控除だった人が今年は配偶者控除に移ります。たとえば年収135万円なら、令和8年分の給与所得は61万円で②・配偶者控除です。昨年の申告書を写すと欄を取り違えやすい層です。

記入例2:本人の年収1,100万円・中学生の子あり(所得金額調整控除で区分Ⅰが変わる)

  • 所得金額調整控除:(1,000万円−850万円)×10%=15万円(収入は1,000万円が上限)
  • 本人の給与所得:1,100万円−195万円−15万円=890万円
  • 基礎控除の欄:655万円超900万円以下にチェック、基礎控除の額62万円、区分ⅠA
  • 配偶者の給与収入100万円→給与所得26万円、区分Ⅱ②
  • 控除額:A×②で38万円を「配偶者控除の額」欄へ

所得金額調整控除を引き忘れると、本人の見積額は905万円で区分ⅠがBになり、配偶者控除は26万円に下がります。様式の計算欄にも、所得金額調整控除の適用がある場合は控除後の金額を書くよう注記があります。年収が1,095万円〜1,210万円の従業員は、所得金額調整控除の欄と区分Ⅰをセットで確認するのが実務の定石です。

所得金額調整控除の欄|850万円超の人だけが書く

所得金額調整控除は、給与収入が850万円を超える人の給与所得を最大15万円減らす仕組みです。年末調整で使えるのは「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」で、次のどれかに当てはまる人が対象です(タックスアンサーNo.1411 所得金額調整控除)。

  • 本人が特別障害者
  • 年齢23歳未満(平成16年1月2日以後生まれ)の扶養親族がいる
  • 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる

書き方は3点です。「要件」欄で当てはまる項目に1つチェックを付けます(2つ以上当てはまってもチェックは1つで足ります)。23歳未満の扶養親族や特別障害者の家族に当てはまるときは、「☆扶養親族等」欄にその人の氏名・個人番号・生年月日などを書き、該当者が2人以上いても書くのは1人です。特別障害者に当てはまるときは「★特別障害者」欄に障害の状態や手帳の種類・交付年月日などを書きますが、扶養控除等申告書に書いた人と同じなら「扶養控除等申告書のとおり」にチェックするだけでかまいません(国税庁の記載例)。

現場で迷いやすいのは2点です。1つは、ここでいう「扶養親族」に年齢の下限がないことです。扶養控除の対象にならない16歳未満の子も、所得が62万円以下なら23歳未満の扶養親族として要件を満たします。もう1つは夫婦の扱いで、扶養控除と違い、夫婦がともに給与収入850万円超なら1人の子について双方がこの控除を受けられます。年末調整の対象となる給与が850万円以下の人は、この欄を書いても控除は受けられません。

回収時の点検|よくある誤り8つ

申告書を受け取ったら、少なくとも次の8点を見ます。上から順に「金額の年分」「計算」「欄の選び方」「重複」の順で並べています。

  1. 基礎控除の額が旧金額:95万円・88万円・68万円・63万円・58万円は令和7年分の金額です。令和8年分は104万円・67万円・62万円のいずれか(2,350万円超を除く)です。
  2. 給与所得を「年収−65万円」で計算:令和8年分は最低保障額74万円です。配偶者の欄で起きると、区分Ⅱがずれます。
  3. 年収をそのまま見積額に書いている:「合計所得金額の見積額」は所得です。配偶者のパート年収120万円を「120万円」と書いていたら、所得46万円に直してもらいます。
  4. 区分Ⅰが空欄:配偶者の欄を書いた人は必須です。
  5. 配偶者控除と配偶者特別控除の欄の取り違え:区分Ⅱ①②は配偶者控除、③④は配偶者特別控除です。
  6. 所得金額調整控除の引き忘れ・二重計上:見積額から引いたか、要件欄にチェックがあるかを確認します。
  7. 本人の合計所得金額が1,000万円超なのに配偶者の控除額が入っている:配偶者控除・配偶者特別控除とも受けられません。
  8. 夫婦が互いに配偶者特別控除を申告:共働き夫婦で双方の申告書が同じ会社に来ることがあります。どちらか一方しか受けられません。配偶者が別の所得者の特定親族にも当たる場合も、どちらか1人の控除にしか使えません。

加えて、令和8年分の扶養控除等申告書のA欄(源泉控除対象配偶者)との整合も見ます。年の途中で配偶者の働き方が変わった場合、扶養控除等申告書の記載と今回の見積額が食い違うことがあり、その場合は異動の申告をしてもらいます。扶養控除等申告書の欄ごとの見方(令和9年分の様式)は扶養控除等申告書の書き方|変更点と記入例にまとめています。同じ時期に回収する保険料控除申告書の点検は保険料控除申告書の書き方|記入例と新旧制度の計算を参照してください。

AIで検算するときのプロンプト(個人情報を入れない型)

この申告書はルールが表で決まっているため、生成AIに「この数字の組み合わせで区分と控除額はどうなるか」を検算させる使い方と相性がよい書類です。一方で、氏名・マイナンバー・生年月日・住所が並ぶ書類でもあります。AIに渡すのは年収などの数字と年齢区分だけにし、申告書の画像やPDFは貼りません。顧問先データの扱いの線引きは顧問先データはAIに貼ってよい?税理士法38条・守秘義務の判断基準で整理しています。

プロンプト1:1人分の区分と控除額を検算する

あなたは年末調整の点検担当です。令和8年分(令和8年12月に行う年末調整)の
「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」について、
以下の数字だけから検算してください。個人を特定する情報は含めていません。

【前提(令和8年分の国税庁の表)】
・給与所得:収入74万1,000円〜219万999円は「収入−74万円」、
  360万円〜659万9,999円は「収入÷4(千円未満切捨て)×3.2−44万円」、
  660万円〜849万9,999円は「収入×0.9−110万円」、850万円以上は「収入−195万円」
・基礎控除:489万円以下104万円/655万円以下67万円/2,350万円以下62万円
・区分Ⅰ:900万円以下A/950万円以下B/1,000万円以下C
・区分Ⅱ:62万円以下で70歳以上①・70歳未満②/62万円超95万円以下③/95万円超133万円以下④

【従業員の数字】
・本人の給与収入:【本人の年収】円(他の所得:【なし/あり◯円】)
・23歳未満の扶養親族:【いる/いない】、特別障害者:【いる/いない】
・配偶者の給与収入:【配偶者の年収】円、配偶者の年齢:【70歳以上/70歳未満】

【申告書に書かれていた値】
・本人の見積額【 】円、基礎控除の額【 】円、区分Ⅰ【 】
・配偶者の見積額【 】円、区分Ⅱ【 】、配偶者(特別)控除の額【 】円

【出力】
1. 正しい値(計算過程つき)
2. 申告書の値との差異と、差し戻し時に従業員へ伝える一文
3. 前提の表で判断できない点(あれば)

うまくいかない例→直し方:「年収600万円、妻のパート150万円の配偶者特別控除はいくら?」とだけ聞くと、AIは令和7年分以前の表(所得要件58万円・給与所得控除65万円)で答えることがあります。上のように年分と国税庁の表の数字をプロンプトに書き込み、AIには当てはめだけをさせると、古い金額が混ざりにくくなります。表の数字は毎年、国税庁の資料で確認してから貼ってください。

プロンプト2:回収した申告書の一覧から差し戻し候補を拾う

以下は、顧問先【A社】で回収した申告書の転記一覧です(氏名は社員番号に置き換え済み、
マイナンバー・住所・生年月日は含めていません)。
令和8年分の基礎控除の額・区分Ⅰ・区分Ⅱ・配偶者(特別)控除の額について、
前回のプロンプトと同じ前提の表で矛盾がある行を挙げてください。

【確認すること】
・基礎控除の額が95万・88万・68万・63万・58万(令和7年分の金額)になっていないか
・配偶者の見積額が「年収のまま」になっていないか
・区分Ⅱ①②なのに配偶者特別控除の欄、③④なのに配偶者控除の欄に金額がないか
・本人の見積額が1,000万円超なのに配偶者の控除額が入っていないか

【出力】社員番号/該当項目/申告書の値/正しいと考えられる値/確認先(本人・前年の源泉徴収票など)

【一覧】
【ここに貼る:社員番号, 本人年収, 本人見積額, 基礎控除額, 区分Ⅰ, 配偶者年収, 配偶者見積額, 区分Ⅱ, 控除額】

うまくいかない例→直し方:一覧の列名がばらばらだと、AIが「配偶者年収」と「配偶者見積額」を取り違えます。列名を固定し、年収と所得を別の列に分けてから貼ります。AIが指摘した行は、必ず人が申告書の原本と国税庁の表で確かめてから差し戻します。

汎用のAIでもここまでの検算はできますが、毎年の改正で表の数字を差し替える手間は残ります。士業AIは国税庁などの一次情報を根拠に回答し、出典のリンクも示すため、「令和8年分の区分Ⅱの境目はいくらか」といった確認をその場で原文に当たれます。税理士事務所での使い方は税理士向けの士業AI、事務所スタッフの年末調整業務での使い方は事務所スタッフ向けの士業AIで紹介しています。

よくある質問

配偶者の年収が136万円前後で、見積りが外れそうです。どう書けばよいですか?

回収時点で最も確からしい見積額で書いてもらいます。年末調整の後に配偶者の所得が確定し、見積額との差で配偶者控除・配偶者特別控除の額が変わる場合は、源泉徴収票を交付する翌年1月末日までなら年末調整をやり直せます(国税庁「年末調整のしかた」43ページ)。それを過ぎた場合は本人の確定申告で調整します。やり直しの手順は年末調整のやり直し|1月31日までの再調整と源泉徴収票の再発行手順で解説しています。

本人の合計所得金額が1,000万円を超えます。配偶者の欄は書きますか?

配偶者控除・配偶者特別控除は受けられないので、配偶者控除等申告書の部分は書きません。基礎控除の欄は書きます(合計所得金額2,500万円以下の場合)。配偶者が障害者で同一生計配偶者に当たる場合の障害者控除は、扶養控除等申告書のほうで申告します。

11月30日以前に退職した人にも、この記事の金額を使いますか?

使いません。国税庁のQ&A(Q1-3)は、令和8年分の最後の給与を11月30日以前に支払った人の年末調整には改正後の基礎控除などが適用されず、改正後の控除を受けるには本人の確定申告が必要としています。12月に在籍している従業員の申告書とは扱いを分けてください。

まとめ

  • 配偶者控除等申告書は、令和8年分では4つの申告書の兼用様式の一部。基礎控除の欄から書く
  • 見積額は「年収」ではなく「所得」。令和8年分の給与所得控除は最低74万円
  • 区分Ⅰは本人の所得900万円以下A・950万円以下B・1,000万円以下C。配偶者控除等を受ける人だけ書く
  • 区分Ⅱは配偶者の所得62万円以下(年収136万円以下)が①②で配偶者控除、62万円超133万円以下(年収207万円以下)が③④で配偶者特別控除
  • 年収1,095万〜1,210万円の人は、所得金額調整控除の有無で区分Ⅰが変わる
  • AIでの検算は数字と年齢区分だけを渡し、表の数字は国税庁の資料から貼る

参考文献

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