退職所得の受給に関する申告書の書き方|A〜E欄記入例と提出しない場合【令和8年】
「退職所得の受給に関する申告書」は、退職金を受け取る人が受け取る時までに会社(退職手当等の支払者)へ出す書類です。会社はこの申告書の内容をもとに退職所得控除を反映した源泉徴収税額を計算し、提出がなければ支給額の20.42%を源泉徴収します。様式は令和8年1月1日以後用に改められ、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの一時金を受け取った人のための記載欄が変わりました。
多くの退職者は上部とA欄だけで足りますが、前に退職金や企業年金・iDeCoの一時金を受け取った人はB〜E欄も書きます。経理・総務向けに「誰にどの欄を書いてもらい、何を確かめるか」を国税庁の様式と記載要領に沿って整理しました。
この記事で分かること
- 令和8年1月1日以後用の様式の全体像と、上部・A〜E欄それぞれの意味
- 一般的な退職者/同じ年に企業年金の一時金がある人/iDeCo一時金を受け取った人の記入例
- 会社側の受付・個人番号(マイナンバー)の扱い・保管期間
- 退職予定者に渡す案内文(コピペ用)と、受け取った申告書のチェックリスト
- AIで記入内容を点検するプロンプトと、AIに入れてはいけない情報
退職金の税額そのもの(退職所得控除・速算表・住民税)の計算は、退職金の税金の計算方法|控除額・源泉徴収・住民税の早見表で詳しく解説しています。本記事では計算は最小限にとどめ、様式の書き方と会社側の実務に絞ります。
退職所得の受給に関する申告書とは|誰が・いつ・どこへ出すか
退職金を受け取る本人が、受け取る時までに会社へ出す
国税庁の手続案内「A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)」では、手続の対象者は「退職手当等の支払を受ける居住者」、提出時期は「退職手当等の支払を受ける時まで」、提出先は「退職手当等の支払者」とされています。根拠は所得税法第203条と所得税法施行規則第77条です。
条文上は「支払者を経由して所轄税務署長に提出する」形ですが、支払者が受理した時点で税務署長に提出されたものとみなされます。実務では、会社が受け取って保管し、税務署から求められない限り税務署へは送りません。
1枚で所得税と住民税の両方の申告を兼ねる
様式の正式な表題は「退職所得の受給に関する申告書 兼 退職所得申告書」で、宛名欄も「税務署長 殿/市町村長 殿」の併記です。後半の「退職所得申告書」は住民税(地方税法第50条の7など)の申告書で、退職金を受け取る年の1月1日現在の住所地の市町村長あてになります。様式に「その年1月1日現在の住所」欄があるのはこのためです。
出さないと20.42%。詳しい影響は計算記事へ
提出がない場合、所得税・復興特別所得税は支払金額の20.42%で源泉徴収されます。様式の注意事項には、住民税について延滞金を徴収されることがある旨も書かれています。税額の違いの具体例や、提出漏れに気づいたときの戻し方は退職金の税金の計算方法の「申告書で何が変わるか」の章にまとめています。
電子で受け取ることもできる
国税庁タックスアンサーNo.2732によると、支払者が次の3つの措置を講じていれば、申告書の内容を電磁的方法で受け取れます。
- 記載事項の提供を適正に受けることができる措置
- 提供した人を特定するための措置
- 受け取った内容を画面に表示し、書面に出力するための措置
様式の全体像|令和8年1月1日以後用は何が変わったか
上部とA〜E欄の役割
国税庁は令和8年1月1日以後用の様式(PDF・入力用PDF)を手続案内ページに掲載しています。欄の構成は次のとおりです。
欄 | 書く人 | 内容 |
|---|---|---|
上部(支払者欄) | 会社 | 退職手当の支払者の所在地・名称・法人番号 |
上部(本人欄) | 本人 | 現住所・氏名・個人番号・その年1月1日現在の住所 |
A欄(①〜③) | 全員 | 退職年月日、退職の区分(一般・障害、生活扶助の有無)、今回の退職金の勤続期間 |
B欄(④⑤) | 該当者 | 同じ年に他の退職手当等を受け取っている場合の勤続期間と通算 |
C欄(⑥⑦) | 該当者 | 前年以前の一定期間内に退職手当等を受け取っている場合の勤続期間と重複期間 |
D欄(⑧〜⑪) | 該当者 | 今回の勤続期間に、前の退職金の勤続期間が通算されている場合 |
E欄 | B・C欄がある人 | 前の退職手当等の支払年月日・収入金額・源泉徴収税額・特別徴収税額・支払者など |
A欄の見出しには「前に退職手当等の支払を受けたことがない場合には、下のB以下の各欄には記載する必要がありません」と明記されています。初めて退職金を受け取る人は、上部とA欄だけで完成です。
令和8年版の変更点はC欄とE欄
令和8年1月1日以後用の様式では、C欄の対象となる「前年以前に支払を受けた退職手当等」の範囲が、次の3区分で書き直されました。
本人の状況 | C欄に書く前の退職手当等 |
|---|---|
⑴ 前年以前4年内に退職手当等を受け取った(⑵⑶以外) | 前年以前4年内に受け取った退職手当等 |
⑵ 令和8年1月1日以後、かつ前年以前9年内に確定拠出年金法の一時金を受け取った(⑶以外) | 令和8年1月1日以後かつ前年以前9年内に受け取った退職手当等/令和8年1月1日前かつ前年以前4年内に受け取った退職手当等 |
⑶ 本年中に確定拠出年金法の一時金を受け取る | 前年以前19年内に受け取った退職手当等 |
あわせてE欄に「老齢給付金」の列が加わり、前に受け取ったものが確定拠出年金法に基づく老齢給付金としての一時金であれば「○」を付けることになりました。古い様式を配ると、この欄がありません。退職予定者に渡す前に、様式右下の改正表示が新しいものかを確認してください(国税庁サイトの入力用PDFでは「07.06改正」と表示されています)。
上部の書き方①:本人が書く欄
- 年分:退職金を受け取る年(例:令和8年分)
- あなたの現住所・氏名:提出時点の住所と氏名
- 個人番号:本人のマイナンバー。会社が一定の帳簿を備えている場合は記載不要(後述)
- その年1月1日現在の住所:年の途中で引っ越した人は、現住所と異なる場合がある。住民税の市町村を決める欄なので、ここの記載漏れは要注意
上部の書き方②:会社が書く欄
「退職手当の支払者の所在地(住所)」「名称(氏名)」「法人番号」の欄です。法人番号の欄には「提出を受けた退職手当の支払者が記載してください」と注記されています。本人に渡す前に会社側で所在地と名称を記入(印字)しておくと、記入漏れや略称の書き間違いが減ります。宛名欄の税務署長・市町村長、提出日も含めて、事前に埋められる部分は埋めて渡すのが実務的です。
A欄(①〜③)の書き方|全員が書く欄
① 退職手当等の支払を受けることとなった年月日
記載要領では、原則として退職年月日を書きます。ただし、役員等の退職手当等で株主総会等の決議が必要なものは、決議で支払金額が具体的に定められた年月日です。役員の退任日と決議日がずれるケースでは、ここが一番間違えやすいポイントになります。
② 退職の区分等(一般・障害/生活扶助の有無)
在職中に障害者となったことに直接基因して退職した人は「障害」を○で囲み、かっこ内に障害の状態や身体障害者手帳等の交付年月日などを書きます。それ以外の人は「一般」です。障害退職に当たると退職所得控除額に100万円が加算されるため、会社側でも事実関係を確認しておきます。
生活扶助の有無は、その年1月1日現在で生活保護法による生活扶助を受けていれば「有」、それ以外は「無」です。
③ 今回の退職手当等についての勤続期間
「自 年月日 至 年月日」で勤続期間を書き、右端に年数を書きます。年数は1年未満の端数を切り上げます。勤続期間は原則としてその会社で引き続き勤務した期間ですが、退職給与規程などで前の勤務期間を通算している場合や、一時他社に勤務して戻った場合などは、その期間を加えます。
③の下には「うち 特定役員等勤続期間」「うち 短期勤続期間」などの内書欄があり、有・無を○で囲み、有なら期間と年数を書きます。区分の意味は次のとおりです(記載要領より)。
- 特定役員等勤続期間:役員等としての勤続年数が5年以下の人の、その役員等期間に対応する部分
- 短期勤続期間:役員等以外として勤務した期間で計算した勤続年数が5年以下の人の、その期間に対応する部分(特定役員に当たるものを除く)
勤続5年を超える一般の従業員なら、内書はすべて「無」で構いません。勤続5年以下の従業員や役員経験者がいる場合は、計算区分が変わるため、退職金の税金の計算方法の判定表もあわせて確認してください。
B〜E欄の書き方|前の退職金・iDeCo一時金がある人
B欄(④⑤):同じ年に他の退職手当等を受け取っている
本年中にすでに他の支払者から退職手当等を受け取っている場合に書きます。④にその退職手当等の勤続期間、⑤に③と④を重複部分を二重に数えないよう通算した期間を書きます(年数は1年未満切上げ)。B欄に記載する人は、その退職手当等の「退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)」またはその写しを添付します。
国税庁タックスアンサーNo.2735は、会社のほかに企業年金基金などから退職手当等とみなす一時金が支払われる場面を例に挙げています。この場合、後から支払う側が、先に支払われた分を合算して税額を計算します。複数の支払者に同時に申告書を出すときは提出の順位を記載することとされています。
C欄(⑥⑦):前年以前に退職手当等を受け取っている
前の表の⑴〜⑶に当たる人が書きます。⑥に前の退職手当等の勤続期間、⑦に今回の勤続期間(③または⑤)のうち⑥と重なる期間を書き、その重複期間のうち特定役員等・短期勤続期間と重なる部分を㋑㋺に書きます。⑦以降の年数は1年未満切捨てです。③⑤(切上げ)と端数処理が逆なので注意します。
前の退職手当等の収入金額が、その退職所得控除額に満たなかった場合は、⑥に書く期間が短くなります。記載要領では、勤続期間の初日から次の算式で求めた年数(小数点以下切捨て)が経過する日までの期間を書くとされています。
- 収入金額が800万円以下:収入金額÷40万円
- 収入金額が800万円超:(収入金額-800万円)÷70万円+20
D欄(⑧〜⑪):前の退職金の勤続期間が通算されている
今回(A)や本年中の他の退職金(B)の勤続期間に、前に退職金を受け取ったときの勤続期間が通算されている場合に書きます。典型例は、従業員から役員になる際に一度退職金を受け取り、その後の役員退職金の計算で従業員期間も通算しているようなケースです。⑧⑨に通算された前の勤続期間、⑩に⑧⑨だけからなる部分の期間、⑪に⑦と⑩の通算期間を書きます。いずれも年数は1年未満切捨てです。
E欄:前の退職手当等の金額と税額
B欄またはC欄がある人は、E欄も書きます。区分(B・C)ごとに、退職手当等の支払を受けることとなった年月日、収入金額、源泉徴収税額、特別徴収税額(市町村民税・道府県民税)、支払を受けた年月日、退職の区分(一般・障害)、支払者の所在地・名称を記入し、確定拠出年金の老齢給付金としての一時金なら「老齢給付金」欄に○を付けます。数字は前の退職所得の源泉徴収票から転記するのが確実です。
ケース別の記入例
記入例1:初めて退職金を受け取る一般の従業員
欄 | 記入内容 |
|---|---|
年分 | 令和8年分 |
① | 令和8年10月31日 |
② | 一般に○/生活扶助「無」に○ |
③ | 自 平成26年4月1日 至 令和8年10月31日 13年(12年7か月を切上げ) |
③の内書 | 特定役員等勤続期間「無」、短期勤続期間「無」 |
B〜E欄 | 記載不要 |
記入例2:同じ年に企業年金基金の一時金を先に受け取っている
会社の退職金より先に企業年金基金などから退職手当等とみなされる一時金を受け取った人は、会社に出す申告書でB欄とE欄(B行)を書きます。④に一時金の勤続期間(源泉徴収票などで確認)、⑤に③との通算期間を書き、E欄に収入金額や源泉徴収税額を転記して、源泉徴収票(写し)を添付します。順番が逆で会社の退職金が先なら、会社に出す申告書にはB欄は不要で、後から支払う側への申告書に会社の分を書くことになります。
記入例3:令和8年にiDeCoの一時金を受け取り、数年後に退職する
たとえば令和8年5月にiDeCoの老齢給付金を一時金で受け取り、令和12年に会社を退職する場合、⑵の「令和8年1月1日以後、かつ前年以前9年内に確定拠出年金法の一時金を受け取った」に当たるため、C欄・E欄(C行)を書きます。⑥⑦はその一時金の退職所得の源泉徴収票の記載をもとに書き、E欄の「老齢給付金」に○を付けます。従来の「4年内」の感覚で見落としやすい項目です。
会社側の受付・確認・保管
受付は支給日より前に締切を置く
申告書は「支払を受ける時まで」に出すものなので、支給日の後では間に合いません。退職届の受理と同時に案内し、最終出社日までに回収する流れにしておくと安全です。退職届の受理から社内手続の流れは退職届・退職願テンプレートと会社側の受理・手続き、退職者から求められやすい書類は在職証明書・退職証明書テンプレートで整理しています。
個人番号は「帳簿」があれば記載不要。本人確認は都度
平成28年度税制改正で、退職手当等の支払者が、本人の個人番号などを記載した一定の帳簿を備えているときは、退職所得の受給に関する申告書への個人番号の記載を要しないこととされました(国税庁マイナンバー記載対象書類の見直しのお知らせ)。帳簿は、扶養控除等申告書などの提出を受けて作成したものに限られます。国税庁の源泉所得税関係に関するFAQでは、帳簿の氏名・個人番号と申告書に書くべき内容が異なる場合はこの取扱いができないとされています。
個人番号を記載してもらう場合は、提供のたびに本人確認が必要です。同FAQでは、番号確認は過去に本人確認をして作成した特定個人情報ファイルの参照で行える場合があり、身元確認は雇用時に同程度の確認を済ませた従業員で対面で本人と確認できるなら書類の提示は不要とされています。
保管は7年。税務署へは求められたときだけ
同FAQでは、退職所得の受給に関する申告書には7年間の保存義務があり、記載された個人番号は申告書の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年を経過する日まで保管するとされています。退職者の書類だからと早めに廃棄しないよう、保管ルールに入れておきましょう。
あわせて、退職所得の源泉徴収票は退職の日以後1か月以内に本人へ交付します(国税庁F1-2 退職所得の源泉徴収票)。税務署への提出分は年1回の法定調書合計表にまとめ、源泉徴収した税額は原則として翌月10日までに納付します(源泉所得税の納付書の書き方)。
記載漏れが後から分かったら、会社側で是正する
国税庁の質疑応答事例「申告書に支払済の退職手当を記載しないで提出した場合の是正方法」では、支払済の他の退職手当等を書かずに出した申告書は記載誤りのある申告書であり、支払者は不足税額を知った時点で直ちに徴収・納付する、確定申告での精算はできない、という回答になっています。受付時にB欄・C欄の該当性を確認しておく理由はここにあります。
【コピペ可】退職予定者に渡す案内文
【 】部分を自社の情報に置き換えて使ってください。前の退職金やiDeCoの有無を選択式で聞くのがコツです。
案内メール(退職届の受理後に送る)
件名:【ご提出のお願い】退職所得の受給に関する申告書(【提出期限】まで)
【氏名】さん
人事総務の【担当者名】です。退職金のお支払いにあたり、
「退職所得の受給に関する申告書」のご提出をお願いします。
■提出期限:【提出期限(支給日の1週間前など)】
■提出方法:添付の様式に記入のうえ【提出方法(手渡し・システム等)】
■記入する欄:
・上部(現住所、氏名、【個人番号の要否】、本年1月1日現在の住所)
・A欄(会社で記入済みの案を同封しています。内容をご確認ください)
次のいずれかに当てはまる方は、B〜E欄の記入と書類の添付が必要です。
□ 今年、他の会社や企業年金基金から退職金・一時金を受け取った
□ 前年以前に退職金を受け取った(目安:4年以内)
□ iDeCo・企業型DCの一時金を令和8年以後に受け取った(9年以内)
□ 今年、iDeCo・企業型DCの一時金を受け取る予定がある
当てはまる方は、そのときの「退職所得の源泉徴収票」をお手元にご用意ください。
ご提出がない場合、退職金から20.42%の所得税等が差し引かれます。
ご不明点は【連絡先】までお気軽にお尋ねください。前の退職金の有無を確かめる確認票
【退職金の受取状況の確認票】 氏名:【氏名】
1. 今年(【年】年1月〜現在)に、当社以外から退職金・一時金を受け取りましたか
□ いいえ □ はい(支払者名: 受取日: )
2. 前年以前に退職金を受け取ったことがありますか
□ いいえ □ はい(支払者名: 受取年: )
3. iDeCo・企業型DCの一時金を受け取ったことがありますか/今年受け取る予定ですか
□ いいえ □ 受け取った(受取年: ) □ 今年受け取る予定
4. 「はい」の場合、退職所得の源泉徴収票の写しを添付してください
□ 添付したうまくいかない例→直し方
うまくいかない例:「前に退職金をもらったことがある方はB欄以下も書いてください」とだけ書く。→ 何年前までが対象か分からず、iDeCoの一時金が「退職金」に当たると気づかない人が出ます。直し方:上の確認票のように、期間(4年・9年・19年)と一時金の種類を具体的に挙げ、該当者だけ源泉徴収票を用意してもらいます。
受け取った申告書の点検|チェックリストとAIプロンプト
受付時のチェックリスト
- 令和8年1月1日以後用の様式か(E欄に「老齢給付金」の列があるか)
- 年分・提出日が書かれているか
- その年1月1日現在の住所が書かれているか(年内に転居した人は特に)
- 個人番号を記載不要とした場合、帳簿の氏名・番号と一致しているか
- ①が退職年月日になっているか(役員は支給額が決議された日)
- ②の一般・障害、生活扶助の有無に○があるか
- ③の期間が人事記録の入社日・退職日と一致し、年数が切上げになっているか
- 勤続5年以下・役員経験者の場合、③の内書(特定役員等・短期)が正しいか
- 確認票で「はい」があるのに、B〜E欄が空欄になっていないか
- ⑦以降の年数が切捨てになっているか
- B欄がある場合、源泉徴収票(写し)が添付されているか
- E欄の金額が添付の源泉徴収票と一致しているか
欄同士の整合(期間の重なり、端数処理の向き、記載の要否)は、AIに読ませると見落としを拾いやすい作業です。ただし個人番号・氏名・住所はAIに入力しないでください。日付と金額だけを、匿名化して渡します。
AIプロンプト1:記入内容の整合チェック
あなたは源泉所得税の実務に詳しい経理担当者です。
以下は「退職所得の受給に関する申告書(令和8年1月1日以後用)」の記入内容です
(個人を特定する情報は除いています)。次の観点で矛盾や記載漏れを指摘してください。
観点:
1. ③⑤の年数は1年未満切上げ、⑦〜⑪の年数は1年未満切捨てになっているか
2. 確認票の回答とB・C・D・E欄の記載の有無が合っているか
3. ④⑥の期間と③の期間の重なりが、⑤⑦に正しく反映されているか
4. E欄の金額・日付が源泉徴収票の転記値と一致しているか
5. 判断できない点は「要確認」として挙げ、推測で埋めないこと
記入内容:
【①〜⑪、内書、E欄の内容を貼り付け】
確認票の回答:【回答を貼り付け】
源泉徴収票の転記値:【支払年月日・収入金額・源泉徴収税額・勤続年数】AIプロンプト2:案内文を本人の状況に合わせて書き直す
次の案内文を、退職予定者【属性:例 勤続30年・令和8年にiDeCo一時金受取済み】向けに
書き直してください。記入が必要な欄(上部・A欄に加えてC欄・E欄)と、
用意してもらう書類を箇条書きで具体的に示し、専門用語には短い説明を添えてください。
期限・税率などの数字は元の文面から変えないでください。
【案内文を貼り付け】AIに任せすぎる例→直し方
うまくいかない例:「この人の退職金の税額を計算して、申告書も書いて」と丸ごと任せる。→ 勤続期間の通算や「9年内」の判定を、AIが古い制度のまま処理することがあります。直し方:AIには点検と文面調整だけを任せ、期間の判定や税額は様式の記載要領とタックスアンサーで人が確定します。期限・税率・年数の区切りは、AIの回答ではなく国税庁の一次情報で確かめてください。
士業AIは、こうした源泉所得税や年末調整まわりの書類点検・案内文づくりを、経理・総務の業務の流れの中で使える日本語AIです。経理・総務スタッフ向けの使い方は事務所スタッフ・経理向けの士業AIで紹介しています。
よくある質問
申告書はいつまでに出してもらえばよいですか?
退職金の支払を受ける時までです。支給日当日の回収は事務が詰まるので、支給日の1週間前など社内の締切を決めて案内するのがおすすめです。
提出前に退職金を支払ってしまいました。どうなりますか?
20.42%で源泉徴収することになります。本人側の精算方法は退職金の税金の計算方法の「提出漏れに気づいたときのリカバリ」で解説しています。
受け取った申告書は税務署に送りますか?
原則として送りません。会社が保管し、税務署長から特に求められた場合に提出します。保存期間は7年です。
まとめ|「誰がどの欄を書くか」を決めてから配る
退職所得の受給に関する申告書は、初めての退職者なら上部とA欄だけで足ります。手間がかかるのは、前の退職金や企業年金・iDeCoの一時金がある人です。令和8年1月1日以後用の様式ではC欄の対象期間とE欄の「老齢給付金」が変わったため、最新の様式を配り、確認票で該当者を拾い上げることが大切です。
会社側は、支払者欄とA欄の案を記入して渡し、支給日前に回収、チェックリストで点検、7年保管という流れを決めておけば、毎回迷わずに済みます。税額の計算や住民税の扱いは退職金の税金の計算方法とあわせてご確認ください。

