法定調書合計表の書き方|記入例と記載ミス【令和8年分・みなし提出対応】
法定調書合計表(正式名称「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」)は、税務署に出す6種類の法定調書の人数と金額をまとめた1枚の表です。令和8年分は令和9年2月1日(月)が提出期限で、いくつか大きな変更があります。
一番の変更は「源泉徴収票のみなし提出の特例」です。市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署に給与所得の源泉徴収票を出したものとみなされます。その場合、合計表の「1 給与所得の源泉徴収票合計表」欄は記載不要です。一方で、退職所得の源泉徴収票は全ての退職者分が提出対象になり、e-Tax等による提出義務の基準も「100枚以上」から「30枚以上」に下がりました。
この記事では、合計表という1枚の様式を上から順に、欄ごとの記入例と記載ミスの起きやすい箇所で整理します。支払調書や源泉徴収票そのものの書き方は、それぞれの専門記事へご案内します。
この記事で分かること
- 令和8年分の合計表で変わった3点(給与欄・退職欄・e-Tax義務の基準)
- 提出者欄・提出区分・提出媒体コードの書き方
- 給与・退職・報酬・不動産の4区分ごとの記入例(数字入り)
- 現場で多い記載ミス7つと、提出前のチェックリスト
- 訂正・追加のときの合計表の出し方
- AIに任せてよい作業と、そのまま使える確認用プロンプト
法定調書合計表とは|6種類の調書をまとめる1枚の表
合計表は、次の6種類の法定調書を税務署に出すときに、あわせて提出する兼用の様式です。国税庁の「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(以下「手引」)は、法定調書を税務署に出す際は調書と合計表を併せて提出するよう求めています。
合計表の欄 | 対応する法定調書 | 令和8年分の提出範囲(要点) |
|---|---|---|
1 給与(375) | 給与所得の源泉徴収票 | 中途退職者で支払30万円以下を除く全て。ただし給与支払報告書を市区町村に出せば税務署提出はみなし |
2 退職(316) | 退職所得の源泉徴収票 | 令和8年中に支払が確定した退職手当等の全て |
3 報酬(309) | 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 | 原則、同一人への年間支払が5万円超(外交員・ホステス等は50万円超など区分あり) |
4 使用料(313) | 不動産の使用料等の支払調書 | 同一人への年間支払が15万円超(法人への支払は権利金・更新料等のみ) |
5 譲受け(376) | 不動産等の譲受けの対価の支払調書 | 同一人への年間支払が100万円超 |
6 あっせん(314) | 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 | 同一人への年間支払が15万円超 |
不動産関係の3つの調書は、提出義務者が法人と不動産業者である個人に限られます。報酬の区分ごとの提出範囲や、調書1枚の書き方は支払調書の書き方(報酬・料金等の記入例と提出範囲)で詳しく扱っています。本記事は、それらを合計表に集計する段階に絞ります。
提出期限は令和9年2月1日(月)
本来の期限は1月31日ですが、令和9年1月31日は日曜日のため、手引では令和9年2月1日(月)が期限とされています。提出先は、給与や報酬の支払事務を行う事務所の所在地を所轄する税務署です。郵送の場合は、税務署ではなくその税務署を担当する業務センター宛てに送るよう手引で案内されています。
合計表を出さなくてよいケース
国税庁の「源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A」(令和8年4月)問8では、給与支払報告書を市区町村に出して源泉徴収票がみなし提出になる場合、合計表の提出も不要になると説明しています。ただし、退職所得の源泉徴収票や報酬の支払調書など、他の5種類のどれか1つでも税務署に出すなら、合計表は引き続き必要です。
なお、e-Taxのよくある質問では、提出すべき調書がなかった場合は合計表の「摘要」欄に「該当なし」と入力して合計表のみ送信する、と案内されています。税務署から提出の案内が届いている先で「出す調書がない」と判断したときは、どちらの扱いになるかを所轄税務署に確認しておくと安心です。
令和8年分の合計表で変わった3つのこと
昨年の合計表を写して作ると、ここで間違えます。手引の第1章「令和8年分の法定調書の提出から適用される主な改正事項」と第8章で確認できる変更点は次のとおりです。
項目 | 令和7年分まで | 令和8年分から |
|---|---|---|
1 給与欄 | 税務署に出す源泉徴収票(給与500万円超など)を集計して記載 | みなし提出の特例で源泉徴収票を税務署に出さない場合は記載不要。提出媒体欄の「1給与」も記載不要 |
2 退職欄 | 提出が必要なのは法人役員分のみ。Ⓑは役員分 | 提出省略範囲の規定が廃止。ⒶとⒷの両方に全受給者を記載 |
e-Tax等の義務 | 基準年の提出枚数100枚以上 | 令和9年1月以後の提出分は30枚以上 |
あわせて、国税システムの更改に伴い、税務署に書面で出す法定調書の様式が令和8年に変わっています。国税庁のF1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)のページは、書面で出すなら掲載中の最新様式を使うよう案内しています。手元に残っている昨年の用紙は使わないでください。
給与欄が空欄になっても「源泉徴収票づくり」は終わらない
みなし提出で不要になるのは税務署提出用の源泉徴収票だけです。受給者に交付する源泉徴収票は、引き続き全員分を作って令和9年2月1日までに交付します。手引では、みなし提出の場合の作成枚数を「受給者交付用1枚+給与支払報告書1枚」の計2枚としています。欄ごとの書き方は源泉徴収票の書き方(欄別の記入例と令和8年分の変更点)を参照してください。
e-Tax等で出す義務があるか|30枚基準の判定方法
手引によると、前々年(基準年)に提出すべきであった法定調書の枚数が30枚以上なら、その調書はe-Tax、認定クラウド等、光ディスク等のいずれかで提出しなければならず、書面では出せません。令和9年に出す令和8年分なら、基準年は令和7年です。
- 判定は調書の種類ごと:報酬の支払調書が30枚以上でも、不動産の使用料等の支払調書が10枚なら、後者の義務は種類ごとに判定します
- 「出した枚数」ではなく「出すべきだった枚数」:提出漏れがあった年も、本来の枚数で数えます
- e-Taxを使うには事前準備が要る:開始届出書を出して利用者識別番号を取得するなどの手続が必要です
市区町村に出す給与支払報告書の電子的提出義務も、基準年に税務署に提出すべきであった源泉徴収票の枚数で判定します。前述のQ&A問9によると、みなし提出で実際の提出枚数が0枚でも「提出すべきであった枚数」は0枚にならず、枚数は改正前の提出範囲で数えます。給与欄が空欄になったからといって、翌々年の電子提出義務まで消えるわけではない点に注意してください。
手書きで出せる事業所でも、e-Taxソフト(WEB版)が早い
手引の6種類の調書と合計表は、e-Taxソフト(WEB版)で作成・提出できます。調書を入力すると合計表の数字に反映されるため、手集計の転記ミスを減らせます。顧問先が書面で出す場合も、事務所側で一度システムに入れて合計を検算しておくと、数字のずれに気づきやすくなります。
上段(提出者欄・提出区分・提出媒体)の書き方
様式の上段は毎年ほぼ同じですが、コードを書く欄が多く、空欄のまま出してしまう例が目立ちます。手引第8章の記載要領を、記入例つきでまとめます。
欄 | 書き方 | 記入例 |
|---|---|---|
年分 | 提出する法定調書の年分 | 令和8年分 |
提出者(住所・氏名又は名称・個人番号又は法人番号・代表者氏名・電話番号) | 支払者の情報。法人は法人番号 | (法人番号13桁) |
作成担当者・作成税理士 | 作成した担当者名。税理士が作成した場合は署名。税理士番号は任意 | (担当者名) |
調書の提出区分 | 新規=1、追加=2、訂正=3、無効=4 | 1 |
本店一括 | 本店等一括提出をする場合は1、しない場合は2 | 2 |
提出媒体 | 調書の種類ごとに2桁のコード(電子=14、FD=15、MO=16、CD=17、DVD=18、書面=30、その他=99) | 3報酬:30、4使用:30 |
提出媒体は「1給与」から「6斡旋」まで種類ごとに欄が分かれています。出す調書の欄にだけコードを書き、みなし提出で税務署に源泉徴収票を出さない場合は「1給与」を空けます。税務署整理欄は記入しません。手書きの場合は黒のボールペンを使い、金額欄に「¥」や「円」を書かないことも手引に明記されています。
本店等一括提出を選んでいる会社の注意点
本店が支店分の調書をまとめて出す本店等一括提出は、e-Tax等で提出する場合の制度で、支店等が所轄税務署長の承認を受ける必要があります。光ディスク等で一括提出する場合は、「支払調書等合計表付表(光ディスク等提出分)」の次葉「支店等別、支払調書別件数表」も添えます。承認を受けていないのに「1」を書いている例は、引き継ぎのタイミングで起きがちです。
給与欄・退職欄の記入例
給与欄と退職欄は、どちらも「Ⓐ総額」と「Ⓑ源泉徴収票を提出するもの」の2段構成です。Ⓐは支払った全体、Ⓑは税務署に実際に出す分、と覚えると整理しやすくなります。
給与欄(375)を書く場合
みなし提出を使わず、税務署に給与所得の源泉徴収票を出す場合だけ記載します。手引の記載要領の要点は次の4つです。
- 人員:給与の支払を受けた人の実人員(丙欄の日雇労務者は除く)。通常は源泉徴収簿の枚数と一致します
- 左のうち源泉徴収税額のない者:源泉徴収票の源泉徴収税額が0円の人の数
- Ⓐの支払金額・源泉徴収税額:年の途中で入社した人の前職分を含めない
- Ⓑの支払金額・源泉徴収税額:税務署に出す源泉徴収票の合計で、前職分を含める
ⒶとⒷで前職分の扱いが逆になるのが、このブロック最大の落とし穴です。また手引は、納付書(所得税徴収高計算書)に毎月書いた人員を12か月分足し上げて書かないよう注意しています。毎月の納付書の書き方は源泉所得税の納付書の書き方で解説していますが、そこで書く人員は「その月の人数」で、合計表の「年間の実人員」とは別物です。
退職欄(316)の記入例
令和8年分からは役員以外の退職者分も全て提出対象になったため、ⒶとⒷは同じ数字になるのが基本です。たとえば令和8年中に従業員2人へ退職金を支払った会社なら、次のようになります。
区分 | 人員 | 支払金額 | 源泉徴収税額 |
|---|---|---|---|
Ⓐ退職手当等の総額 | 2 | 8,000,000 | 2人分の源泉徴収票の税額合計 |
Ⓑ Ⓐのうち、源泉徴収票を提出するもの | 2 | 8,000,000 | 同上 |
(数字は説明用の例です。)退職所得の源泉徴収票は退職後1か月以内の提出が原則ですが、手引では令和8年中の退職者分をまとめて令和9年2月1日までに出しても差し支えないとされています。まとめて出す場合は、合計表もその時点で全員分を集計します。
報酬欄(309)の記入例|個人と個人以外で人員を分ける
報酬欄は、所得税法第204条の区分(1号の原稿料・講演料、2号の弁護士・税理士等の報酬など)ごとに、人員・支払金額・源泉徴収税額を書きます。人員は「個人」と「個人以外」の欄に分けて、実人員を記載します。
手引の記載要領では、支払金額と源泉徴収税額は該当する区分ごとに全ての報酬・料金等を書くとされています(実際に提出する支払調書の分だけを書いても差し支えない旨の注記があります)。そのうえで、Ⓑに「支払調書を提出するもの」を書きます。
数字で見る記入例
次のような支払があった会社を例にします(説明用の数字です)。
- 原稿料:個人A 120,000円、個人B 90,000円、個人C 30,000円(Cは年5万円以下なので支払調書は出さない)
- 税理士報酬:個人の税理士D 660,000円、個人の弁護士E 660,000円
源泉徴収税額は、いずれも支払額100万円以下なので10.21%で計算しています。
区分 | 人員(個人) | 支払金額 | 源泉徴収税額 |
|---|---|---|---|
原稿料、講演料等(1号該当) | 3 | 240,000 | 24,504 |
弁護士、税理士等(2号該当) | 2 | 1,320,000 | 134,772 |
Ⓐ計 | 5 | 1,560,000 | 159,276 |
Ⓑ Ⓐのうち、支払調書を提出するもの | 4 | 1,530,000 | 156,213 |
Ⓑは、Cの30,000円(税額3,063円)を除いた数字です。同じ人に原稿料と講演料を払った場合も、同じ区分内では1人と数えます。源泉徴収税額の計算方法そのものは報酬の源泉徴収の計算方法(10.21%と消費税の判定)で整理しています。
消費税を含めるか含めないか
手引の参考ページでは、提出範囲の金額判定も支払金額の記載も、原則は消費税等を含めた額で行うとしています。請求書などで消費税等の額が明確に区分されていれば税抜でも構いませんが、その場合は調書の「摘要」欄に消費税等の額を書きます。調書と合計表で税込・税抜が混ざると合計が合わなくなるので、顧問先ごとにどちらで統一するかを最初に決めておきます。
不動産3区分(使用料・譲受け・あっせん)の記入例
不動産関係の3欄は、「Ⓐ総額」と「Ⓑ Ⓐのうち支払調書を提出するもの」に、人員と支払金額を書く構成です。こちらには源泉徴収税額の欄がありません。
不動産の使用料等(313)
個人の家主に事務所家賃 年2,400,000円、別の個人に月極駐車場代 年120,000円を払った会社の例です(説明用の数字)。駐車場代は15万円以下なので支払調書は出しません。
区分 | 人員 | 支払金額 |
|---|---|---|
Ⓐ使用料等の総額 | 2 | 2,520,000 |
Ⓑ Ⓐのうち、支払調書を提出するもの | 1 | 2,400,000 |
法人に払う使用料は、賃借料を除いた権利金や更新料等だけが提出対象です。法人オーナーの事務所家賃について支払調書を出そうとしている場合は、提出範囲をもう一度確認してください。
不動産等の譲受け(376)とあっせん手数料(314)
譲受けの対価は、補償金がある場合は総額に含め、その補償金の額を「摘要」欄に書きます。あっせん手数料は、名目が紹介料やコンサルタント料でも、実質があっせん手数料なら対象になると手引に記載されています。
見落としやすいのが、あっせん手数料の調書を省略した場合の書き方です。使用料等や譲受けの対価の支払調書の「あっせんをした者」欄にあっせん手数料の事項を書いて提出したため、あっせん手数料の支払調書を省略したときは、その支払先の人員と支払金額の合計を合計表の「摘要」欄に記載します。
よくある記載ミス7つと提出前チェックリスト
実務でよく見るのは、計算の誤りより「集計の単位」と「昨年からの思い込み」によるミスです。手引の記載要領に照らして、つまずきやすい順に並べます。
- 給与欄を昨年どおり書いてしまう:みなし提出で源泉徴収票を税務署に出さないなら、給与欄も提出媒体の「1給与」も空けます
- 退職欄Ⓑに役員分しか書かない:令和8年分から全受給者が提出対象。ⒶとⒷに全員を書きます
- 人員を延べ人数で数える:給与は実人員、報酬は区分ごとの実人員。毎月の納付書の人員を足し上げるのも誤りです
- 給与欄のⒶに前職分を入れる:Ⓐは前職分を含めず、Ⓑは含めます
- 報酬の「個人」と「個人以外」を混ぜる:法人への支払を個人欄に入れると、調書の件数と合いません
- 提出区分・提出媒体のコードが空欄:手引も提出区分の記載漏れに注意を促しています
- 古い様式を使う:令和8年に税務署提出用の書面様式が変わっています。国税庁ページから最新版を取り直します
ミスに気づいたときの直し方
手引の第9章では、提出後に誤りが見つかった場合、書面なら次の4点を出すとしています。
- 誤った調書と同じ内容の調書(無効区分「1」)
- その無効分の金額等を書いた合計表(提出区分「4」)
- 正しい内容の調書(無効区分「0」、摘要に「訂正分」)
- その訂正分の金額等を書いた合計表(提出区分「3」)
合計表は無効分・訂正分ともに、該当する箇所だけを書きます。出し忘れた調書を追加する場合は、追加分の調書(摘要に「追加分」)と、追加分だけを書いた合計表(提出区分「2」)を出します。みなし提出で済ませた給与支払報告書に誤りがあった場合は、市区町村に訂正分を出せば足り、税務署に源泉徴収票の無効分・訂正分を出す必要はないとQ&A問12で説明されています。
提出前チェックリスト
顧問先から届いた調書データと合計表を照合するときは、次の順で見ると漏れが少なくなります。
- 年分は「令和8年分」か。用紙は国税庁ページの最新様式か
- 給与支払報告書を市区町村に出す予定か。出すなら給与欄と「1給与」は空欄か
- 退職者は全員分の源泉徴収票を作ったか。退職欄ⒶとⒷは一致しているか
- 報酬欄の人員は区分ごとの実人員か。個人と個人以外を分けたか
- 各欄のⒷの合計は、実際に添付する調書の枚数・金額の合計と一致するか
- 消費税等の扱い(税込か税抜か)が調書と合計表でそろっているか
- 提出区分・本店一括・提出媒体のコードを書いたか
- 基準年(令和7年)に提出すべきだった枚数が30枚以上の種類はないか。あるならe-Tax等で出す準備ができているか
- 郵送の場合、宛先は所轄税務署を担当する業務センターか。期限は令和9年2月1日(月)か
AIに任せる範囲|集計と照合は任せ、判定と期限は人が持つ
合計表づくりで時間を取られるのは、支払台帳から区分ごとに人数と金額を拾い、調書の合計と突き合わせる作業です。ここは表計算とAIの得意分野で、職員が一から電卓を叩く必要はありません。一方で、提出要否の判定、期限、様式の版は年ごとに変わるため、AIの答えをそのまま採用せず、手引で裏を取る部分として残します。
作業 | AIに任せる | 人が確認する |
|---|---|---|
支払台帳から区分別に人数・金額を集計 | ○ | 集計結果の検算 |
同一人の名寄せ(表記ゆれの統合) | ○(候補の提示) | 同一人かどうかの最終判断 |
Ⓐ総額とⒷ提出分の差の説明 | ○ | 差額の理由が正しいか |
報酬が何号に当たるかの区分 | △(候補の提示) | 契約内容に照らした判定 |
提出期限・提出範囲・e-Tax義務の判定 | × | 手引・国税庁ページで確認 |
マイナンバーは汎用のAIサービスに入力しないでください。支払先は「支払先01」のような仮IDに置き換え、金額と区分だけを渡せば、集計と照合には十分です。
そのまま使えるプロンプト1:区分別の集計
あなたは税理士事務所の職員です。以下は【顧問先名】の令和8年中の報酬支払台帳です(支払先は仮IDです)。
所得税法第204条の区分ごと(1号、2号…)に、
・人員(個人/個人以外に分けた実人員。同じIDは1人)
・支払金額の合計
・源泉徴収税額の合計
を表にしてください。
次に、同一IDへの年間支払が5万円以下のものを除いた「支払調書を提出するもの」の人員・金額・税額も別に集計してください。
区分が判断できない行は推測せず「要確認」として一覧にしてください。
【台帳:仮ID, 個人/法人, 内容, 支払金額, 源泉徴収税額】
うまくいかない例→直し方:「外交員報酬」が混じっているのに5万円基準で一律に判定され、本来50万円基準の人までⒷに入ってしまうことがあります。プロンプトに「外交員等は50万円超が提出範囲」のように、顧問先に当てはまる区分の基準を手引から転記して渡すと、判定のぶれが止まります。
そのまま使えるプロンプト2:調書と合計表の照合
以下の2つを照合してください。
A:作成済みの支払調書の一覧(仮ID, 区分, 支払金額, 源泉徴収税額)
B:法定調書合計表の各欄に記入予定の数字(区分, Ⓐ人員, Ⓐ金額, Ⓐ税額, Ⓑ人員, Ⓑ金額, Ⓑ税額)
確認してほしいこと:
1. BのⒷの人員・金額・税額が、Aの合計と一致しているか
2. ⒶとⒷの差額が、提出しない支払(基準以下)で説明できるか
3. 同じ人が二重に数えられていないか
不一致があれば、どの欄が何円ずれているかだけを表で示し、修正案は書かないでください。
A:
B:
うまくいかない例→直し方:「修正案も出して」と頼むと、AIが合計に合うよう数字を勝手に作り直すことがあります。照合の役割に絞り、ずれの場所だけを出させるほうが安全です。
そのまま使えるプロンプト3:顧問先への資料依頼文
【顧問先名】の経理担当者あてに、令和8年分の法定調書合計表を作るための資料依頼メールを書いてください。
依頼する資料:退職金を支払った人の一覧、報酬・料金の支払先一覧(個人か法人か、支払額、源泉徴収税額)、家賃・駐車場代など不動産の使用料の支払先一覧(個人か法人か、年額)
条件:
・事務所への提出締切は【社内締切日】
・マイナンバーはメール本文や添付に書かず、別途の方法で受け取ると明記
・300字以内、箇条書きを使う
うまくいかない例→直し方:期限をAIに任せると、昨年の日付や「1月31日」が入ることがあります。期限は必ずこちらで手引から確認した日付を入れ、AIには文面だけを書かせます。
年末調整から法定調書までの流れ全体をAIで効率化する方法は年末調整の効率化(回収・不備チェック・電子化をAIで)にまとめています。士業AIは税務の実務文書を前提にした日本語AIで、国税庁などの公的情報を参照しながら、集計表の作成や照合、顧問先への依頼文づくりを事務所の業務の流れの中で扱えます。税理士事務所での使い方は税理士向け士業AIのご紹介、企業の経理担当の方は経理・事務所スタッフ向けのご紹介をご覧ください。
まとめ|令和8年分は「給与欄を空ける・退職欄は全員・30枚基準」
令和8年分の法定調書合計表は、令和9年2月1日(月)までに税務署へ出します。給与支払報告書を市区町村に出すなら給与欄は空欄、退職欄は全受給者をⒶとⒷに書き、e-Tax等の義務は基準年30枚以上で種類ごとに判定します。報酬欄は区分ごとの実人員を個人と個人以外に分け、Ⓑは添付する調書の合計と一致させます。
集計と照合はAIや会計ソフトに任せ、提出要否・期限・様式の版は手引で確かめる。この分担にすると、1月の繁忙期でも合計表の確認に割く時間を減らせます。提出前には国税庁の手引 第8章「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方」で最新の記載要領を確認してください。

