贈与契約書のひな形6種|現金・不動産の記載例と印紙の要否【2026年】
贈与契約書とは、「あげます」「もらいます」という当事者の合意を書面にしたものです。贈与そのものは口約束でも成立しますが(民法549条)、書面にしていない贈与は各当事者がいつでも解除できてしまいます(民法550条)。さらに税務の現場では、贈与契約書の有無が名義預金と判断されるかどうかの分かれ目になります。
この記事では、現金・不動産・上場株式・負担付贈与・死因贈与・未成年の子への贈与という6つの場面について、そのままコピーして使える全文のひな形と、数字を入れた記載例を用意しました。印紙の要否(現金だけの贈与は不要、不動産の贈与は200円)も国税庁の一次情報で確認しています。
この記事で分かること
- 場面別の贈与契約書ひな形6種(全文・コピーしてそのまま使える形)
- 国税庁に贈与契約書のひな形はあるのか、代わりにどの様式を見ればよいか
- 土地・建物・マンション・共有持分の物件の表示の書き方と、不動産の贈与でかかる3つの税金
- WordやExcelでテンプレートとして使い回すための条文ブロックと管理表
- 贈与契約書に必ず入れる8項目と、税務調査で見られるポイント
- 印紙の要否と金額(現金=不課税/不動産=第1号の1文書200円)の根拠
- 「連年贈与(定期贈与)」と見られない書き方と、作成日をさかのぼらない実務
- 出来上がった契約書をAIで点検するときのプロンプトと、任せてはいけない範囲
贈与契約書とは|ひな形を使う前に押さえる3つの効果
口約束でも贈与は成立する。ただし「書面によらない贈与」は解除できる
民法549条は「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と定めています。つまり契約書がなくても贈与は成立します。
問題はその次です。民法550条は「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない」と定めます。書面がない贈与は、渡し終わっていない部分についてはいつでも一方的に解除できるということです。親子間・親族間であっても、関係が変われば争いになります。書面にする第一の効果は、この不安定さを取り除くことです。
税務では「名義預金ではない」ことの証拠になる
相続税の調査で最も多く問題になるのが名義預金です。子や孫の名義の口座にお金が積み上がっていても、受け取る側が贈与を知らず、通帳も印鑑も渡す側が管理していた場合、その預金は被相続人の財産として相続税の課税対象に引き戻されます。
贈与は「あげる意思」と「もらう受諾」がそろって初めて効力を生じる契約です(民法549条)。受贈者が署名した贈与契約書は、受諾があったことを示す直接の証拠になります。実務では、契約書・受贈者名義の口座への振込記録・受贈者自身による通帳と印鑑の管理、この3点をセットでそろえるのが基本です。
ひな形6種の使い分け
ひな形 | 使う場面 | 印紙 | 特に注意する点 |
|---|---|---|---|
①現金・預金 | 暦年贈与でいちばん多い型 | 不要 | 定期贈与と誤解されない条文 |
②不動産 | 土地・建物の生前贈与 | 200円 | 物件の表示は登記事項証明書どおり |
③上場株式・投資信託 | 証券口座間の移管を伴う贈与 | 不要 | 取得費と取得時期を引き継ぐ |
④負担付贈与 | 住宅ローン付き不動産など | 200円 | 評価が通常の取引価額になる |
⑤死因贈与 | 亡くなったときに効力が生じる贈与 | 200円(不動産の場合) | 相続税の対象。執行者の指定 |
⑥未成年の子・孫へ | 受贈者が18歳未満 | 不要(現金の場合) | 親権者が法定代理人として受諾 |
暦年贈与を続けるか相続時精算課税を選ぶかという制度そのものの判断は、生前贈与のやり方と暦年贈与の7年ルール・相続時精算課税の比較で詳しく整理しています。本記事は「どちらを選ぶか決まった後に、どう書面に落とすか」に絞ります。
国税庁に贈与契約書のひな形はある?|代わりに見るべき公式様式
結論から言うと、国税庁は贈与契約書のひな形(公式様式)を出していません。国税庁が毎年公表している「令和7年分贈与税の申告書等の様式一覧」に並んでいるのは、贈与税の申告書や付表、計算明細書、届出書であり、当事者同士で交わす契約書の様式は含まれていません。「贈与契約書 ひな形 国税庁」で探しても公式のひな形にたどり着かないのはこのためです。
贈与契約書は私人間の契約書なので、決まった様式はありません。民法の要件(あげる意思ともらう受諾)を満たし、税務署や相続人に説明できる内容が書いてあれば足ります。本記事のひな形は、その条件を満たすように条文を組んだものです。
契約書の代わりに国税庁の様式で確認すべきもの
国税庁のサイトで押さえておくべきなのは、契約書を作った後に出す書類です。贈与契約書と一緒に、どの様式を使うことになるかを先に把握しておくと、契約書に書くべき情報(財産の特定、日付、取得の経緯)も漏れにくくなります。
国税庁の様式 | 使う場面 | 契約書との関係 |
|---|---|---|
贈与税の申告書 第1表 | 暦年課税で110万円を超える贈与を受けた年 | 契約書の財産・金額・贈与日をもとに記入する |
第1表の付表2・相続時精算課税選択届出書 | 相続時精算課税を初めて選ぶ年 | 贈与者・受贈者の続柄と年齢要件を契約書の当事者欄と一致させる |
取得した不動産に関する明細書 | 不動産の贈与を受けたとき | 契約書の物件目録(登記事項証明書の表示)をそのまま使える |
住宅取得等資金の非課税の計算明細書 | 父母・祖父母から住宅資金の贈与を受けたとき | 契約書に「住宅取得等資金として」と目的を書いておく |
相続時精算課税は、贈与をした年の1月1日に60歳以上の父母・祖父母から、同じく1月1日に18歳以上の子・孫が受ける贈与で選べる制度で、一度選ぶとその贈与者からの贈与は暦年課税に戻せません(国税庁タックスアンサー No.4103)。申告書と届出書の具体的な書き方は贈与税の申告書の書き方と記入例(暦年・相続時精算課税の添付書類)で、表ごとに解説しています。令和8年分の様式一覧は例年12月ごろに公表されるため、提出前には最新年分の様式を国税庁サイトで確認してください。
「遺産分割協議書 ひな形 国税庁」を探している場合
贈与契約書と並んで探されることが多いのが遺産分割協議書です。こちらは生前の贈与ではなく、相続が起きた後に相続人全員で遺産の分け方を決めた書面で、本記事の範囲外です。書き方と記載例は遺産分割協議書の書き方と記載例・ひな形の作り方に、相続が重なった場合は数次相続の遺産分割協議書の書き方にまとめています。
ひな形①現金・預金の贈与契約書|コピーして使える全文
全文ひな形(暦年贈与の基本形)
贈与契約書
贈与者【父の氏名】(以下「甲」という。)と受贈者【子の氏名】(以下「乙」という。)
とは、本日、次のとおり贈与契約を締結した。
第1条(贈与)
甲は、その所有する現金 金【1,100,000】円 を乙に贈与することを約し、
乙はこれを承諾した。
第2条(履行の時期および方法)
甲は、【令和8年10月31日】限り、前条の金員を、乙が指定する下記預金口座へ
振り込む方法により引き渡す。振込手数料は甲の負担とする。
【金融機関名】【支店名】 普通預金 口座番号【0000000】
口座名義【口座名義人のカナ】
第3条(本契約の性質)
本契約による贈与は本契約1回限りのものであり、甲が将来にわたり継続して
乙に財産を贈与することを約するものではない。
第4条(協議)
本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた事項については、
甲乙誠実に協議のうえこれを定める。
本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ、
各1通を保有する。
【令和8年10月1日】
贈与者(甲) 住所
氏名 印
受贈者(乙) 住所
氏名 印
記載例(数字を入れるとこうなる)
第1条を「金1,100,000円」としているのは、暦年課税の基礎控除110万円をわずかに超える金額で贈与税の申告と納税を発生させ、贈与の事実を記録に残す、いわゆる「あえて申告する」やり方を想定した例です。110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要ですが(国税庁タックスアンサー No.4402)、そのぶん外形的な記録が残りません。どちらを選ぶかは方針次第で、ひな形上は金額欄を書き換えるだけです。
第2条で「現金手渡し」ではなく振込を指定しているのは、履行の事実が銀行の記録に残るからです。実務では、契約日と振込日を数日〜数週間ずらし、契約書どおりに実行された流れが読めるようにしておくと説明しやすくなります。
うまくいかない例と直し方|定期贈与に見える書き方
うまくいかない例:「甲は乙に対し、令和8年から令和17年まで毎年100万円を贈与する」と1通に書いてしまう。
直し方:この書き方は、はじめから1,000万円を贈与する約束(定期の給付を目的とする贈与=民法552条の定期贈与に近い形)と読まれ、契約した年に1,000万円全体へ課税されるリスクを自ら作ってしまいます。贈与するたびに1通ずつ作り、上のひな形の第3条のような「1回限り」の条項を入れるのが安全です。日付・金額・振込日も毎回変えます。
ひな形②不動産の贈与契約書|登記に通る書き方
全文ひな形(土地・建物)
不動産贈与契約書
贈与者【氏名】(以下「甲」という。)と受贈者【氏名】(以下「乙」という。)とは、
本日、次のとおり贈与契約を締結した。
第1条(贈与)
甲は、その所有する後記物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)を
乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
第2条(所有権移転の時期)
本件不動産の所有権は、本契約締結と同時に甲から乙に移転する。
第3条(引渡しおよび登記)
甲は、【令和8年11月30日】限り、本件不動産を現状有姿のまま乙に引き渡し、
かつ、【令和8年10月1日】贈与を原因とする所有権移転登記手続に必要な
書類一式を乙に交付する。登記手続に要する費用(登録免許税を含む。)は
乙の負担とする。
第4条(公租公課の負担)
本件不動産に係る固定資産税および都市計画税は、引渡日をもって区分し、
引渡日の前日までの分を甲、引渡日以降の分を乙の負担とする。
第5条(引渡しの状態)
甲は、本件不動産を本契約締結時の現状のまま引き渡すものとし、
本件不動産の隠れた不具合について、乙はこれを了承する。
第6条(協議)
本契約に定めのない事項については、甲乙誠実に協議のうえこれを定める。
本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ、
各1通を保有する。
【令和8年10月1日】
贈与者(甲) 住所
氏名 印
受贈者(乙) 住所
氏名 印
物件目録
(土地)
所 在 【○○市○○町一丁目】
地 番 【12番3】
地 目 【宅地】
地 積 【123.45】平方メートル
(建物)
所 在 【○○市○○町一丁目 12番地3】
家屋番号 【12番3】
種 類 【居宅】
構 造 【木造かわらぶき2階建】
床面積 1階【60.00】平方メートル 2階【45.00】平方メートル
物件の表示は登記事項証明書の記載をそのまま写す
物件目録は、住所(住居表示)ではなく登記事項証明書の「表題部」の記載を一字一句そのまま写します。所在・地番・地目・地積、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積です。住居表示で書いてしまうと登記申請で補正になります。マンションなら敷地権の表示まで必要になるため、証明書を手元に置いて突き合わせてください。
登記原因は「年月日贈与」・登録免許税は固定資産税評価額の2%
贈与による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の価額の1,000分の20(2%)です。相続による移転登記が1,000分の4(0.4%)であることと比べると、税率は5倍になります(国税庁タックスアンサー No.7191)。課税標準となる「不動産の価額」は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。
第5条は、贈与者が「贈与の目的として特定した時の状態で引き渡すことを約したものと推定する」という民法551条1項の考え方に沿った条項です。売買と違い、贈与者は原則として現状のまま渡せばよい、という整理を契約書上で明確にしておくと、後々の言った言わないを避けられます。
物件目録の記載例|土地だけ・マンション・共有持分
「土地 贈与契約書 ひな形」で探している方が迷いやすいのが、物件目録の書き分けです。どの型でも登記事項証明書の表題部(マンションは一棟の建物の表示・専有部分の建物の表示・敷地権の表示)を写すという原則は同じです。以下は差し替え用のブロックで、ひな形②の物件目録と入れ替えて使います。
【土地だけを贈与する場合】
物件目録
所 在 【○○市○○町二丁目】
地 番 【45番6】
地 目 【宅地】
地 積 【165.28】平方メートル
【分譲マンション(敷地権付き区分建物)を贈与する場合】
物件目録
(一棟の建物の表示)
所 在 【○○市○○町三丁目 7番地8】
建物の名称 【○○マンション】
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 【○○町三丁目 7番8の305】
建物の名称 【305】
種 類 【居宅】
構 造 【鉄筋コンクリート造1階建】
床面積 【3階部分 72.50】平方メートル
(敷地権の表示)
土地の符号 【1】
所在及び地番 【○○市○○町三丁目 7番8】
地 目 【宅地】
地 積 【1,234.56】平方メートル
敷地権の種類 【所有権】
敷地権の割合 【123456分の7250】
マンションで敷地権の表示を落とすと、どの土地の権利まで贈与したのかが契約書から読めなくなります。家屋番号と住居表示(部屋番号)は一致しないことが多いので、住所や郵便物の宛名から書き起こさず、必ず証明書から写してください。
共有持分の一部を贈与する場合の条文
暦年課税の基礎控除の範囲に収めるために、土地や自宅の持分を毎年少しずつ贈与するという相談は実務でよくあります。この場合は、第1条で「何分のいくつを贈与するのか」を明記します。
第1条(贈与)
甲は、後記物件目録記載の不動産について甲が有する持分【全部(2分の1)】のうち、
持分【20分の1】を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
第3条(登記)
甲は、【令和8年11月30日】限り、前条の持分について、
【令和8年10月1日】贈与を原因とする甲持分一部移転登記手続に
必要な書類一式を乙に交付する。登記費用は乙の負担とする。
持分の贈与は、毎年の評価額と持分割合を突き合わせる作業がついて回ります。登記も年ごとに必要になり、そのたびに登録免許税と司法書士報酬がかかります。贈与税の節約額と登記コストを比べてからこの方法を選ぶのが現実的です。また、毎年同じ割合を贈与する前提の書き方(「毎年20分の1ずつ贈与する」)は、現金の場合と同じく定期贈与と読まれるリスクがあるため、1回ごとに契約書を作ります。
不動産の贈与でかかる3つの税金|贈与税・登録免許税・不動産取得税
現金の贈与と違い、不動産の贈与では受贈者に贈与税のほかに2つの税金がかかります。契約書の費用負担条項(ひな形②の第3条)で誰が負担するかを決めておく理由はここにあります。
税金 | 納める先 | 計算のもと | 税率など |
|---|---|---|---|
贈与税 | 国(税務署) | 相続税評価額(路線価・固定資産税評価額の倍率など) | 暦年課税は基礎控除110万円、相続時精算課税は特別控除2,500万円・一律20%(No.4402・No.4103) |
登録免許税 | 国(登記のとき) | 固定資産課税台帳に登録された価格 | 1,000分の20(2%)。売買に設けられている土地の軽減税率は、贈与には設けられていない(No.7191) |
不動産取得税 | 都道府県 | 固定資産課税台帳に登録された価格(宅地は令和9年3月31日までの取得なら2分の1) | 東京都の案内では令和9年3月31日までの取得で土地・住宅3%、住宅以外の家屋4% |
見落とされやすいのが不動産取得税です。相続による取得は課税されませんが、贈与による取得は課税対象で、東京都主税局は夫婦間の居住用不動産の贈与の特例や相続時精算課税を使った場合でも課税の対象になると案内しています(東京都主税局「不動産取得税」)。贈与税がかからない設計にしても、登記と取得税の負担は残る、と顧客に先に伝えておくと後から揉めません。税率や軽減の細目は都道府県ごとに案内が出ているので、物件所在地の都道府県税事務所で確認してください。
夫婦間で自宅を贈与する場合(配偶者控除)の書き方
婚姻期間が20年を過ぎた夫婦の間で居住用不動産(またはその取得資金)を贈与した場合、基礎控除110万円に加えて最高2,000万円を控除できます(贈与税の配偶者控除・国税庁タックスアンサー No.4452)。翌年3月15日までに住み、その後も住み続ける見込みであることが要件で、同じ配偶者からは一生に一度しか使えず、税額がゼロでも申告が必要です。
契約書はひな形②をそのまま使い、第1条の財産を「甲乙が居住の用に供している後記物件目録記載の不動産のうち、甲の持分【2分の1】」のように書きます。土地だけ・建物だけ・持分だけの贈与も可能なので、どの部分を何分の何贈与するのかを物件目録と持分で特定するのが要点です。
ひな形③〜⑥|株式・負担付贈与・死因贈与・未成年者への贈与
ひな形③上場株式・投資信託の贈与
贈与契約書
第1条(贈与)
甲は、その所有する下記株式を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
銘 柄 【株式会社○○】普通株式(証券コード【0000】)
数 量 【1,000】株
第2条(履行)
甲は、【令和8年11月28日】限り、前条の株式について、
甲名義の証券口座から乙名義の証券口座へ移管(振替)の手続を行う。
移管に要する手数料は甲の負担とする。
【証券会社名】【支店名】 口座番号【0000000】
第3条(配当金等)
前条の移管完了後に支払期日が到来する配当金は、乙に帰属する。
株式の贈与で見落とされやすいのが取得費と取得時期の引継ぎです。贈与で取得した資産を後で売ったときの譲渡所得は、「その者が引き続きこれを所有していたものとみなす」とされ(所得税法60条1項1号)、贈与した側が買ったときの価格と時期をそのまま引き継ぎます。受贈者が贈与時の時価で買ったことにはなりません。含み益の大きい銘柄を贈与すると、その含み益は受贈者の将来の譲渡所得として残ります。契約書に銘柄と数量を明記しておくと、後日の取得費の追跡が楽になります。
ひな形④負担付贈与(住宅ローンが残る不動産など)
負担付贈与契約書
第1条(贈与)
甲は、その所有する後記物件目録記載の不動産を乙に贈与することを約し、
乙はこれを承諾した。
第2条(負担)
乙は、前条の贈与を受ける負担として、本件不動産に設定された
【金融機関名】を抵当権者とする抵当権の被担保債務
(【令和8年10月1日】現在の残元本 金【8,000,000】円)を引き受け、
甲に代わってこれを弁済する。
第3条(債権者の承諾)
前条の債務引受けは、【金融機関名】の承諾を得ることを条件とする。
甲および乙は、その承諾を得るために必要な手続に協力する。
負担付贈与は税務の扱いが大きく変わります。個人から負担付贈与を受けた場合の贈与税の課税価格は「贈与財産の価額から負担額を控除した価額」ですが、贈与された財産が土地や家屋などのときは、相続税評価額ではなく「その贈与の時における通常の取引価額」から負担額を差し引くとされています(国税庁タックスアンサー No.4426)。路線価ベースで考えて無税のつもりが、時価ベースで多額の贈与税が出る、という事故が起きやすい類型です。加えて、贈与者側は負担額でその財産を譲渡したことになり、譲渡益が出れば所得税の対象になります(同 No.4426)。この型は必ず事前に税額試算をしてから契約書を作ってください。
ひな形⑤死因贈与契約書
死因贈与契約書
第1条(死因贈与)
甲は、甲の死亡により効力を生ずる贈与として、後記物件目録記載の不動産を
乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
第2条(効力発生の時期)
本契約は、甲が死亡した時からその効力を生ずる。
第3条(執行者)
甲は、本契約の執行者として乙を指定する。
第4条(始期付所有権移転仮登記)
甲は、乙が本契約に基づき、本件不動産について
始期付所有権移転仮登記の申請手続をすることに同意し、これに協力する。
死因贈与は「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与」で、その性質に反しない限り遺贈に関する規定が準用されます(民法554条)。遺言と似ていますが、受贈者の承諾がある契約である点が違います。税金も贈与税ではなく相続税の対象です(国税庁タックスアンサー No.4105は、相続税がかかる財産を「相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した財産」としています)。
印紙は、対象が不動産であれば「不動産をその同一性を保持させつつ他人に移転させることを内容とする」文書として第1号の1文書に当たると整理され、契約金額の記載のないものとして200円になります。対象が金銭だけなら不要です。
死因贈与は公正証書にしておくのが安全です。また第4条の仮登記や執行者の指定の可否・書き方は事案ごとに判断が分かれるため、不動産が対象なら登記申請の段取りを司法書士に先に確認してから契約書を確定させるのが実務の順番です。
ひな形⑥未成年の子・孫への贈与
贈与契約書(受贈者が未成年の場合の署名欄)
贈与者(甲) 住所
氏名 印
受贈者(乙) 住所
氏名 印
乙の法定代理人(親権者)
住所
氏名 印
(上記受贈者の承諾につき、法定代理人として同意する)
未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要ですが、「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為」は例外です(民法5条1項ただし書)。負担のない純粋な贈与を受けるだけならこのただし書に当たると整理されますが、実務では親権者が法定代理人として署名する欄を設けておくほうが、後から受諾の有無を争われにくくなります(民法824条)。
注意が必要なのは、親権者自身が贈与者となる場合や、負担付贈与で子に不利益が生じうる場合です。親権者と子の利益が相反する行為については、家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならないとされています(民法826条)。「負担付き」「親が贈与者」の組み合わせでは、契約書を作る前に司法書士・弁護士に確認してください。
さらに未成年者への贈与では、預金通帳とキャッシュカード・届出印を誰が持っているかが決定的です。贈与後も親がすべて管理していれば、契約書があっても名義預金と判断される余地が残ります。
贈与契約書テンプレートをWord・Excelで使う|差し替え用の条文ブロック
「贈与契約書 テンプレート」で探している方の多くは、Wordで1枚作って毎回使い回したい、という事務所の担当者です。本記事では配布用のファイルは用意していませんが、上のひな形はコードブロックごとコピーしてWordに貼り付けるだけで使えるように、全角スペースで字下げしてあります。
Wordで使う手順|3分でテンプレート化する
- 使う場面のひな形(①〜⑥)をコードブロックごとコピーし、Wordの新規文書に「テキストのみ保持」で貼り付ける
- 【 】で囲んだ部分を検索(Ctrl+F で「【」)し、黄色の蛍光ペンを付けて差し替え箇所を見えるようにする
- フォントを明朝体10.5〜11ポイント、余白を上下25mm程度にして、署名欄が2ページ目に泳がないよう改ページ位置を調整する
- 不動産の贈与なら、1ページ目右上に印紙を貼る欄(「収入印紙」と書いた枠)を空けておく
- 「贈与契約書_原本.dotx」としてテンプレート形式で保存し、案件ごとに「名前を付けて保存」する
差し替え漏れで多いのは、第2条の振込期限と末尾の契約日が前年の日付のまま残るケースです。日付は文書内に2〜3か所あるので、印刷前に「令和」で検索して全部を目視するのが確実です。
Excelで作る贈与の管理表|毎年の契約書と振込記録をひも付ける
暦年贈与を毎年続ける顧問先では、契約書そのものより何年に誰から誰へいくら、どの証拠が揃っているかを一覧にしておくほうが役に立ちます。相続が起きたときに加算対象の期間を当てはめる作業も、この表があればすぐに終わります。
列 | 入れる内容 | 見る理由 |
|---|---|---|
契約日/振込日 | 契約書末尾の日付と通帳の日付 | 契約→履行の順になっているか |
贈与者/受贈者 | 氏名と続柄 | 相続時精算課税の届出の有無を贈与者ごとに分ける |
財産・金額 | 現金額、物件、銘柄と株数 | 年間110万円の判定、取得費の引継ぎ |
課税方式 | 暦年/精算課税/特例(住宅資金・配偶者控除) | 相続時の加算の扱いが変わる |
申告 | 申告の有無と提出日 | 控えの所在を追える |
証拠の保管場所 | 契約書原本・通帳コピー・登記事項証明書 | 調査で求められたときすぐ出せる |
相続開始前の贈与の加算期間は、相続開始日が令和8年12月31日までなら3年以内、令和9年1月1日から令和12年12月31日までなら令和6年1月1日以後の分、令和13年1月1日以後なら7年以内と段階的に延びます(国税庁タックスアンサー No.4161)。管理表に「契約日」列があれば、この当てはめはフィルタ1つで済みます。
住宅取得等資金の贈与契約書ひな形
父母・祖父母から住宅の購入資金をもらう場合は、ひな形①を使い、資金の目的を条文に書いておくのが要点です。直系尊属からの住宅取得等資金の非課税は、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの贈与が対象で、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外は500万円まで非課税になり、適用には申告が必要です(国税庁タックスアンサー No.4508)。受贈者は贈与を受けた年の1月1日に18歳以上、合計所得金額2,000万円以下などの要件もあります。
第1条(贈与)
甲は、乙が自己の居住の用に供する家屋の【新築/取得】の対価に充てるための
資金として、現金 金【5,000,000】円 を乙に贈与することを約し、
乙はこれを承諾した。
第2条(履行)
甲は、【令和8年11月10日】限り、前条の金員を乙名義の下記口座へ振り込む。
【金融機関名】【支店名】 普通預金 口座番号【0000000】
第3条(資金の使途)
乙は、前条により受領した金員を、第1条の家屋の取得の対価
(【売主・請負業者名】への支払)に充てるものとする。
住宅資金の特例は、金銭の贈与が対象です。親名義の家そのものを子に贈与する場合はひな形②(不動産)を使い、この特例は使えません。また非課税の期限が令和8年12月31日までの贈与と定められているため、年をまたぐ案件は契約日と振込日をこの日までに収める必要があります。延長の有無は税制改正で決まるので、翌年分は改正後の国税庁の案内で確認してください。
動産(自動車・美術品など)の贈与契約書ひな形
自動車や貴金属、美術品などの動産を贈与する場合も、構成は現金と同じです。違うのは財産の特定方法で、自動車なら車検証の記載、美術品なら作者・題名・寸法など、第三者が見て同じ物だと分かる情報を書きます。
第1条(贈与)
甲は、その所有する下記自動車を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
車 名 【○○】
登録番号 【○○ 300 あ 12-34】
車台番号 【ABC-1234567】
第2条(引渡しおよび名義変更)
甲は、【令和8年11月15日】限り、本件自動車を乙に引き渡し、
移転登録に必要な書類を乙に交付する。移転登録の費用は乙の負担とする。
動産の贈与契約書は印紙税の課税物件表に当たらないため、現金と同じく印紙は不要です。贈与税の評価は財産の種類ごとに異なるため、高額な美術品などは評価方法を税理士に確認してから金額欄の扱いを決めてください。
贈与契約書の書き方|必ず入れる8項目チェックリスト
8項目と、抜けたときに起きること
項目 | 書き方 | 抜けると起きること |
|---|---|---|
①当事者 | 贈与者・受贈者の氏名と住所 | 誰から誰への贈与か特定できない |
②贈与の意思と受諾 | 「贈与することを約し、これを承諾した」 | 受諾の記載がなく名義預金を疑われる |
③財産の特定 | 金額/物件目録/銘柄と数量 | 何を贈与したか特定できない |
④契約の日付 | 末尾に契約締結日 | どの年分の贈与か確定しない |
⑤履行の時期と方法 | 振込日・移管日・引渡日 | 履行の事実を追えない |
⑥負担・条件の有無 | 負担があれば内容と金額 | 評価方法を誤り課税額がずれる |
⑦費用の負担 | 登記費用・振込手数料・印紙 | あとで負担を押し付け合う |
⑧署名押印と部数 | 2通作成し各1通保有 | 書面によらない贈与として解除されうる |
手書きか印刷か、実印か認印か
贈与契約書に決まった様式はありません。パソコンで作成して印刷し、氏名だけは当事者本人が自署するのが現実的です。自署があれば、本人の意思で作られた書面であることを示しやすくなります。
印鑑は認印でも契約は有効ですが、不動産の贈与では登記手続で贈与者の印鑑証明書が必要になるため、実印を押して印鑑証明書を添付しておきます。現金の贈与でも、当事者それぞれが実印を押しておくと信頼性が上がります。
作成日はさかのぼらない。過去分は確定日付で補強する
もっともやってはいけないのが、過去の年分の贈与について今日作った契約書に過去の日付を書くことです。筆跡・用紙・印影・保管状況から作成時期はしばしば推定され、契約書全体の信用を失います。
すでに実行済みの贈与については、契約書ではなく振込記録・贈与税の申告書控え・受贈者による資金の管理実態で証明していく方針に切り替えます。今後の分から契約書を作り、その日付の正しさを補強したい場合は、公証役場で確定日付を付けます。手数料は1通700円です(公証人手数料令37条)。
贈与契約書の印紙|現金は不要、不動産は200円
金銭だけの贈与契約書に印紙は不要
印紙税は、印紙税法の別表第一(課税物件表)に掲げられた文書にだけかかります。金銭を贈与する契約書は、この課税物件表のどの号にも当たらないため印紙は不要です。同じ「お金を渡す書面」でも、借用書・金銭消費貸借契約書は第1号の3文書として課税されます。無償で渡す贈与と、返してもらう貸付けは、印紙税の扱いがまったく違うと覚えてください。
不動産の贈与契約書は第1号の1文書で200円
不動産の贈与契約書は課税されます。国税庁の質疑応答事例「土地贈与契約書」は、「不動産をその同一性を保持させつつ他人に移転させることを内容とするものは、対価を受けるかどうかを問わず、第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当します」と明示しています。そのうえで「贈与は無償契約ですから、贈与契約書に土地の評価額が記載されていても、その評価額は不動産譲渡の対価としての金額ではありませんので、記載金額には該当しません」としています。
第1号文書は「契約金額の記載のないもの」が200円です(国税庁タックスアンサー No.7140)。つまり、固定資産税評価額を契約書に書いても書かなくても、不動産の贈与契約書の印紙は200円ということになります。
貼り忘れると3倍。自主的に申し出れば1.1倍
課税文書に印紙を貼らなかった場合、納付すべき印紙税額の3倍の過怠税が徴収されます。ただし、調査を受ける前に自分から「印紙税不納付事実申出書」を提出した場合は1.1倍に軽減されます(国税庁タックスアンサー No.7131)。過怠税は法人税の損金にも所得税の必要経費にも算入できません。200円の判断を誤ると金額以上に面倒になる、という意味で軽視できない論点です。
なお、贈与契約書を2通作れば2通とも課税文書です。不動産の贈与で2通作成するなら、200円の収入印紙が2枚必要になります。
贈与契約書をAIで点検する|税理士事務所での使い方
ひな形をそのまま使えないのは、財産の中身と当事者の事情が案件ごとに違うからです。ここで生成AI(文章を作ったり直したりできるAI。ChatGPTなどが代表例)が効くのは、ゼロから作らせる場面ではなく、出来上がった案文を条件と突き合わせて点検させる場面です。
点検プロンプト|抜け漏れを洗い出す
あなたは相続・資産税を専門とする税理士事務所のベテラン担当者です。
以下の贈与契約書の案文を点検してください。
【前提】
・贈与者:【父・78歳】/受贈者:【長男・50歳】
・贈与財産:【現金 1,100,000円】
・課税方法:【暦年課税】
・実行方法:【贈与者名義口座から受贈者名義口座へ振込】
【点検してほしい観点】
1. 当事者・財産・日付・履行方法の特定が十分か
2. 連年の贈与をあらかじめ約束したと読める表現がないか
3. 受贈者の受諾が読み取れるか
4. 費用負担(振込手数料等)の定めが抜けていないか
5. この契約書だけでは足りず、別途そろえるべき資料は何か
【出力】
指摘事項を「該当箇所/なぜ問題か/修正案の文言」の3列の表で出してください。
条文番号や税額の判断は断定せず、確認が必要な点として分けて書いてください。
【案文】
(ここに契約書の全文を貼り付ける)
うまくいかない例:「この贈与に贈与税はいくらかかりますか」と続けて聞いてしまう。
直し方:税額や適用要件の判断は、改正のたびに内容が変わるうえ、AIは古い情報のまま自信をもって答えることがあります。税額と適用要件は必ず国税庁の一次情報で確認し、AIには文面の抜け漏れの洗い出しまでを任せる、と線を引いてください。7年ルールの加算年数のように、相続開始日によって答えが変わる論点は特に危険です。
記載例生成プロンプト|顧問先への説明資料を作る
あなたは相続対策の相談に慣れた税理士事務所のスタッフです。
下記の贈与契約書のひな形をもとに、顧問先に渡す「記入の手引き」を作ってください。
【前提】読み手は法律の専門家ではない70代の資産家です。
【条件】
・条文ごとに「ここに何を書くか」を1〜2文で説明する
・印鑑・部数・保管方法について最後にまとめる
・専門用語には必ずかっこ書きでかみ砕いた説明を添える
・分量はA4で1枚に収まる程度
【ひな形】
(ここにひな形を貼り付ける)
この使い方なら、事実関係の誤りが混ざってもスタッフが目視で気づけます。危ないのは「調べさせる」使い方、安全なのは「整えさせる」使い方です。
士業AIの税務AIは、国税庁などの公的情報を参照しながら回答する税務特化型のAIです。汎用のAIで文面を整えるところまで進めたら、制度や様式の確認は一次情報に当たる仕組みを持ったツールに切り替えると、確認の手間が目に見えて減ります。
よくある質問
国税庁のホームページに贈与契約書のひな形はありますか
ありません。国税庁が公表している贈与税関係の様式は、申告書・付表・計算明細書・相続時精算課税選択届出書などで、贈与契約書の様式は含まれていません(令和7年分贈与税の申告書等の様式一覧)。契約書は本記事のひな形のように自分で作成し、申告が必要な場合に国税庁の様式を使います。
不動産の贈与契約書を作ったら、ほかに何の費用がかかりますか
贈与税(かかる場合)に加えて、所有権移転登記の登録免許税(固定資産課税台帳の価格の2%)と、都道府県の不動産取得税がかかります。司法書士に登記を依頼すればその報酬も必要です。契約書の印紙は1通200円です。
110万円以下の贈与でも贈与契約書は必要ですか
贈与税の申告は不要でも、契約書は作るべきです。暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要です(国税庁タックスアンサー No.4402)。しかし相続の場面で問題になるのは贈与税ではなく、その預金が本当に受贈者のものだったかです。金額が小さいほど記録が残りにくいため、むしろ契約書の重要性は上がります。
贈与契約書は手書きでなければいけませんか
いいえ。様式は自由で、パソコンで作成して構いません。自筆証書遺言のような全文自書の要件はありません。ただし署名は当事者本人の自署にするのが実務の基本です。
贈与契約書に収入印紙は必要ですか
現金だけの贈与なら不要、不動産の贈与なら1通につき200円です。不動産の贈与契約書は第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当し、契約金額の記載のないものとして200円になります(国税庁の質疑応答事例「土地贈与契約書」・タックスアンサー No.7140)。
過去にさかのぼって贈与契約書を作ってもよいですか
作成日をさかのぼって記載することは避けてください。実行済みの贈与は、振込記録と申告書控え、受贈者による資金の管理実態で立証する方針に切り替えます。今後の分について日付の正しさを補強したい場合は、公証役場の確定日付(1通700円・公証人手数料令37条)を利用します。
贈与税の申告はいつまでにしますか
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の納税地の所轄税務署に申告と納税をします(相続税法28条1項)。相続時精算課税を初めて選ぶ場合は、この申告期間内に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります(国税庁タックスアンサー No.4103)。
まとめ|ひな形は出発点、決め手は履行の記録
贈与契約書は、民法550条の解除リスクを断ち切り、税務上は「受諾があった」ことを示す証拠になります。場面ごとにひな形を選び、8項目を埋め、契約書どおりに振込・移管・登記を実行して記録を残す。この順番を守れば、契約書は十分に機能します。
贈与を実行した後は、相続が起きたときにその贈与が相続税の課税価格に加算されるかという論点に移ります。加算の対象期間は相続開始日によって変わり、相続開始前3年超7年以内の部分からは合計100万円が控除されます(相続税法19条1項)。年別の当てはめは暦年贈与の7年ルールの年別早見表で確認してください。加算した贈与財産を実際に書き込むのは相続税申告書の第14表で、表ごとの記入手順は相続税申告書の記入順序と第11表・第14表の書き方にまとめています。実際の申告段階での必要書類は相続税申告チェックシートと必要書類のチェックリストに、申告作業そのもののAI活用は相続税申告のAI活用ガイドにまとめています。相続発生後に作る書面については遺産分割協議書の書き方と記載例、財産の洗い出しは相続財産目録の作り方が対応します。
税理士・会計事務所の相続担当者向けには、税務特化のAIをまとめた税理士・税務向けAIのページで、申告書チェックや税法調査の補助にどう使えるかを紹介しています。
参考文献
- 民法(e-Gov 法令検索)|第549条〜第554条(贈与、書面によらない贈与の解除、贈与者の引渡義務等、定期贈与、負担付贈与、死因贈与)、第5条・第824条・第826条
- 相続税法(e-Gov 法令検索)|第19条(相続開始前7年以内に贈与があつた場合の相続税額)、第28条(贈与税の申告書)
- 国税庁 質疑応答事例「土地贈与契約書」
- 国税庁 タックスアンサー No.7140 印紙税額の一覧表(その1)
- 国税庁 タックスアンサー No.7131 印紙税を納めなかったとき
- 国税庁 タックスアンサー No.4402 贈与税がかかる場合
- 国税庁 タックスアンサー No.4426 負担付贈与に対する課税
- 国税庁 タックスアンサー No.7191 登録免許税の税額表
- 国税庁 タックスアンサー No.4105 相続税がかかる財産
- 国税庁 令和7年分贈与税の申告書等の様式一覧
- 国税庁 タックスアンサー No.4103 相続時精算課税の選択
- 国税庁 タックスアンサー No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
- 国税庁 タックスアンサー No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除
- 国税庁 タックスアンサー No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
- 東京都主税局 不動産取得税
- 公証人手数料令(e-Gov 法令検索)|第37条(確定日付の付与)
本記事は【2026年10月24日】時点の法令・通達に基づいています。税額や適用要件の最終判断は、必ず国税庁の最新情報と所轄税務署・担当専門家への確認のうえ行ってください。

