税務×AI

贈与契約書のひな形6種|現金・不動産の記載例と印紙の要否【2026年】

贈与契約書とは、「あげます」「もらいます」という当事者の合意を書面にしたものです。贈与そのものは口約束でも成立しますが(民法549条)、書面にしていない贈与は各当事者がいつでも解除できてしまいます(民法550条)。さらに税務の現場では、贈与契約書の有無が名義預金と判断されるかどうかの分かれ目になります。

この記事では、現金・不動産・上場株式・負担付贈与・死因贈与・未成年の子への贈与という6つの場面について、そのままコピーして使える全文のひな形と、数字を入れた記載例を用意しました。印紙の要否(現金だけの贈与は不要、不動産の贈与は200円)も国税庁の一次情報で確認しています。

この記事で分かること

  • 場面別の贈与契約書ひな形6種(全文・コピーしてそのまま使える形)
  • 贈与契約書に必ず入れる8項目と、税務調査で見られるポイント
  • 印紙の要否と金額(現金=不課税/不動産=第1号の1文書200円)の根拠
  • 「連年贈与(定期贈与)」と見られない書き方と、作成日をさかのぼらない実務
  • 出来上がった契約書をAIで点検するときのプロンプトと、任せてはいけない範囲

贈与契約書とは|ひな形を使う前に押さえる3つの効果

口約束でも贈与は成立する。ただし「書面によらない贈与」は解除できる

民法549条は「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と定めています。つまり契約書がなくても贈与は成立します。

問題はその次です。民法550条は「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない」と定めます。書面がない贈与は、渡し終わっていない部分についてはいつでも一方的に解除できるということです。親子間・親族間であっても、関係が変われば争いになります。書面にする第一の効果は、この不安定さを取り除くことです。

税務では「名義預金ではない」ことの証拠になる

相続税の調査で最も多く問題になるのが名義預金です。子や孫の名義の口座にお金が積み上がっていても、受け取る側が贈与を知らず、通帳も印鑑も渡す側が管理していた場合、その預金は被相続人の財産として相続税の課税対象に引き戻されます。

贈与は「あげる意思」と「もらう受諾」がそろって初めて効力を生じる契約です(民法549条)。受贈者が署名した贈与契約書は、受諾があったことを示す直接の証拠になります。実務では、契約書・受贈者名義の口座への振込記録・受贈者自身による通帳と印鑑の管理、この3点をセットでそろえるのが基本です。

ひな形6種の使い分け

ひな形

使う場面

印紙

特に注意する点

①現金・預金

暦年贈与でいちばん多い型

不要

定期贈与と誤解されない条文

②不動産

土地・建物の生前贈与

200円

物件の表示は登記事項証明書どおり

③上場株式・投資信託

証券口座間の移管を伴う贈与

不要

取得費と取得時期を引き継ぐ

④負担付贈与

住宅ローン付き不動産など

200円

評価が通常の取引価額になる

⑤死因贈与

亡くなったときに効力が生じる贈与

200円(不動産の場合)

相続税の対象。執行者の指定

⑥未成年の子・孫へ

受贈者が18歳未満

不要(現金の場合)

親権者が法定代理人として受諾

暦年贈与を続けるか相続時精算課税を選ぶかという制度そのものの判断は、生前贈与のやり方と暦年贈与の7年ルール・相続時精算課税の比較で詳しく整理しています。本記事は「どちらを選ぶか決まった後に、どう書面に落とすか」に絞ります。

ひな形①現金・預金の贈与契約書|コピーして使える全文

全文ひな形(暦年贈与の基本形)

贈与契約書

贈与者【父の氏名】(以下「甲」という。)と受贈者【子の氏名】(以下「乙」という。)
とは、本日、次のとおり贈与契約を締結した。

第1条(贈与)
 甲は、その所有する現金 金【1,100,000】円 を乙に贈与することを約し、
 乙はこれを承諾した。

第2条(履行の時期および方法)
 甲は、【令和8年10月31日】限り、前条の金員を、乙が指定する下記預金口座へ
 振り込む方法により引き渡す。振込手数料は甲の負担とする。
  【金融機関名】【支店名】 普通預金 口座番号【0000000】
  口座名義【口座名義人のカナ】

第3条(本契約の性質)
 本契約による贈与は本契約1回限りのものであり、甲が将来にわたり継続して
 乙に財産を贈与することを約するものではない。

第4条(協議)
 本契約に定めのない事項または本契約の解釈に疑義が生じた事項については、
 甲乙誠実に協議のうえこれを定める。

本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ、
各1通を保有する。

 【令和8年10月1日】

  贈与者(甲) 住所
         氏名              印

  受贈者(乙) 住所
         氏名              印

記載例(数字を入れるとこうなる)

第1条を「金1,100,000円」としているのは、暦年課税の基礎控除110万円をわずかに超える金額で贈与税の申告と納税を発生させ、贈与の事実を記録に残す、いわゆる「あえて申告する」やり方を想定した例です。110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要ですが(国税庁タックスアンサー No.4402)、そのぶん外形的な記録が残りません。どちらを選ぶかは方針次第で、ひな形上は金額欄を書き換えるだけです。

第2条で「現金手渡し」ではなく振込を指定しているのは、履行の事実が銀行の記録に残るからです。実務では、契約日と振込日を数日〜数週間ずらし、契約書どおりに実行された流れが読めるようにしておくと説明しやすくなります。

うまくいかない例と直し方|定期贈与に見える書き方

うまくいかない例:「甲は乙に対し、令和8年から令和17年まで毎年100万円を贈与する」と1通に書いてしまう。

直し方:この書き方は、はじめから1,000万円を贈与する約束(定期の給付を目的とする贈与=民法552条の定期贈与に近い形)と読まれ、契約した年に1,000万円全体へ課税されるリスクを自ら作ってしまいます。贈与するたびに1通ずつ作り、上のひな形の第3条のような「1回限り」の条項を入れるのが安全です。日付・金額・振込日も毎回変えます。

ひな形②不動産の贈与契約書|登記に通る書き方

全文ひな形(土地・建物)

不動産贈与契約書

贈与者【氏名】(以下「甲」という。)と受贈者【氏名】(以下「乙」という。)とは、
本日、次のとおり贈与契約を締結した。

第1条(贈与)
 甲は、その所有する後記物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)を
 乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。

第2条(所有権移転の時期)
 本件不動産の所有権は、本契約締結と同時に甲から乙に移転する。

第3条(引渡しおよび登記)
 甲は、【令和8年11月30日】限り、本件不動産を現状有姿のまま乙に引き渡し、
 かつ、【令和8年10月1日】贈与を原因とする所有権移転登記手続に必要な
 書類一式を乙に交付する。登記手続に要する費用(登録免許税を含む。)は
 乙の負担とする。

第4条(公租公課の負担)
 本件不動産に係る固定資産税および都市計画税は、引渡日をもって区分し、
 引渡日の前日までの分を甲、引渡日以降の分を乙の負担とする。

第5条(引渡しの状態)
 甲は、本件不動産を本契約締結時の現状のまま引き渡すものとし、
 本件不動産の隠れた不具合について、乙はこれを了承する。

第6条(協議)
 本契約に定めのない事項については、甲乙誠実に協議のうえこれを定める。

本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙各自署名押印のうえ、
各1通を保有する。

 【令和8年10月1日】

  贈与者(甲) 住所
         氏名              印
  受贈者(乙) 住所
         氏名              印

物件目録
 (土地)
  所 在 【○○市○○町一丁目】
  地 番 【12番3】
  地 目 【宅地】
  地 積 【123.45】平方メートル
 (建物)
  所 在 【○○市○○町一丁目 12番地3】
  家屋番号 【12番3】
  種 類 【居宅】
  構 造 【木造かわらぶき2階建】
  床面積 1階【60.00】平方メートル 2階【45.00】平方メートル

物件の表示は登記事項証明書の記載をそのまま写す

物件目録は、住所(住居表示)ではなく登記事項証明書の「表題部」の記載を一字一句そのまま写します。所在・地番・地目・地積、建物なら所在・家屋番号・種類・構造・床面積です。住居表示で書いてしまうと登記申請で補正になります。マンションなら敷地権の表示まで必要になるため、証明書を手元に置いて突き合わせてください。

登記原因は「年月日贈与」・登録免許税は固定資産税評価額の2%

贈与による所有権移転登記の登録免許税は、不動産の価額の1,000分の20(2%)です。相続による移転登記が1,000分の4(0.4%)であることと比べると、税率は5倍になります(国税庁タックスアンサー No.7191)。課税標準となる「不動産の価額」は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格です。

第5条は、贈与者が「贈与の目的として特定した時の状態で引き渡すことを約したものと推定する」という民法551条1項の考え方に沿った条項です。売買と違い、贈与者は原則として現状のまま渡せばよい、という整理を契約書上で明確にしておくと、後々の言った言わないを避けられます。

ひな形③〜⑥|株式・負担付贈与・死因贈与・未成年者への贈与

ひな形③上場株式・投資信託の贈与

贈与契約書

第1条(贈与)
 甲は、その所有する下記株式を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
  銘 柄 【株式会社○○】普通株式(証券コード【0000】)
  数 量 【1,000】株

第2条(履行)
 甲は、【令和8年11月28日】限り、前条の株式について、
 甲名義の証券口座から乙名義の証券口座へ移管(振替)の手続を行う。
 移管に要する手数料は甲の負担とする。
  【証券会社名】【支店名】 口座番号【0000000】

第3条(配当金等)
 前条の移管完了後に支払期日が到来する配当金は、乙に帰属する。

株式の贈与で見落とされやすいのが取得費と取得時期の引継ぎです。贈与で取得した資産を後で売ったときの譲渡所得は、「その者が引き続きこれを所有していたものとみなす」とされ(所得税法60条1項1号)、贈与した側が買ったときの価格と時期をそのまま引き継ぎます。受贈者が贈与時の時価で買ったことにはなりません。含み益の大きい銘柄を贈与すると、その含み益は受贈者の将来の譲渡所得として残ります。契約書に銘柄と数量を明記しておくと、後日の取得費の追跡が楽になります。

ひな形④負担付贈与(住宅ローンが残る不動産など)

負担付贈与契約書

第1条(贈与)
 甲は、その所有する後記物件目録記載の不動産を乙に贈与することを約し、
 乙はこれを承諾した。

第2条(負担)
 乙は、前条の贈与を受ける負担として、本件不動産に設定された
 【金融機関名】を抵当権者とする抵当権の被担保債務
 (【令和8年10月1日】現在の残元本 金【8,000,000】円)を引き受け、
 甲に代わってこれを弁済する。

第3条(債権者の承諾)
 前条の債務引受けは、【金融機関名】の承諾を得ることを条件とする。
 甲および乙は、その承諾を得るために必要な手続に協力する。

負担付贈与は税務の扱いが大きく変わります。個人から負担付贈与を受けた場合の贈与税の課税価格は「贈与財産の価額から負担額を控除した価額」ですが、贈与された財産が土地や家屋などのときは、相続税評価額ではなく「その贈与の時における通常の取引価額」から負担額を差し引くとされています(国税庁タックスアンサー No.4426)。路線価ベースで考えて無税のつもりが、時価ベースで多額の贈与税が出る、という事故が起きやすい類型です。加えて、贈与者側も負担額で譲渡したものとして所得税の対象になります。この型は必ず事前に税額試算をしてから契約書を作ってください。

ひな形⑤死因贈与契約書

死因贈与契約書

第1条(死因贈与)
 甲は、甲の死亡により効力を生ずる贈与として、後記物件目録記載の不動産を
 乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。

第2条(効力発生の時期)
 本契約は、甲が死亡した時からその効力を生ずる。

第3条(執行者)
 甲は、本契約の執行者として乙を指定する。

第4条(始期付所有権移転仮登記)
 甲は、乙が本契約に基づき、本件不動産について
 始期付所有権移転仮登記の申請手続をすることに同意し、これに協力する。

死因贈与は「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与」で、その性質に反しない限り遺贈に関する規定が準用されます(民法554条)。遺言と似ていますが、受贈者の承諾がある契約である点が違います。税金も贈与税ではなく相続税の対象です(国税庁タックスアンサー No.4105は、相続税がかかる財産を「相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した財産」としています)。

印紙は、対象が不動産であれば「不動産をその同一性を保持させつつ他人に移転させることを内容とする」文書として第1号の1文書に当たると整理され、契約金額の記載のないものとして200円になります。対象が金銭だけなら不要です。

死因贈与は公正証書にしておくのが安全です。また第4条の仮登記や執行者の指定の可否・書き方は事案ごとに判断が分かれるため、不動産が対象なら登記申請の段取りを司法書士に先に確認してから契約書を確定させるのが実務の順番です。

ひな形⑥未成年の子・孫への贈与

贈与契約書(受贈者が未成年の場合の署名欄)

  贈与者(甲) 住所
         氏名              印

  受贈者(乙) 住所
         氏名              印

  乙の法定代理人(親権者)
         住所
         氏名              印
         (上記受贈者の承諾につき、法定代理人として同意する)

未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要ですが、「単に権利を得、又は義務を免れる法律行為」は例外です(民法5条1項ただし書)。負担のない純粋な贈与を受けるだけならこのただし書に当たると整理されますが、実務では親権者が法定代理人として署名する欄を設けておくほうが、後から受諾の有無を争われにくくなります(民法824条)。

注意が必要なのは、親権者自身が贈与者となる場合や、負担付贈与で子に不利益が生じうる場合です。親権者と子の利益が相反する行為については、家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならないとされています(民法826条)。「負担付き」「親が贈与者」の組み合わせでは、契約書を作る前に司法書士・弁護士に確認してください。

さらに未成年者への贈与では、預金通帳とキャッシュカード・届出印を誰が持っているかが決定的です。贈与後も親がすべて管理していれば、契約書があっても名義預金と判断される余地が残ります。

贈与契約書の書き方|必ず入れる8項目チェックリスト

8項目と、抜けたときに起きること

項目

書き方

抜けると起きること

①当事者

贈与者・受贈者の氏名と住所

誰から誰への贈与か特定できない

②贈与の意思と受諾

「贈与することを約し、これを承諾した」

受諾の記載がなく名義預金を疑われる

③財産の特定

金額/物件目録/銘柄と数量

何を贈与したか特定できない

④契約の日付

末尾に契約締結日

どの年分の贈与か確定しない

⑤履行の時期と方法

振込日・移管日・引渡日

履行の事実を追えない

⑥負担・条件の有無

負担があれば内容と金額

評価方法を誤り課税額がずれる

⑦費用の負担

登記費用・振込手数料・印紙

あとで負担を押し付け合う

⑧署名押印と部数

2通作成し各1通保有

書面によらない贈与として解除されうる

手書きか印刷か、実印か認印か

贈与契約書に決まった様式はありません。パソコンで作成して印刷し、氏名だけは当事者本人が自署するのが現実的です。自署があれば、本人の意思で作られた書面であることを示しやすくなります。

印鑑は認印でも契約は有効ですが、不動産の贈与では登記手続で贈与者の印鑑証明書が必要になるため、実印を押して印鑑証明書を添付しておきます。現金の贈与でも、当事者それぞれが実印を押しておくと信頼性が上がります。

作成日はさかのぼらない。過去分は確定日付で補強する

もっともやってはいけないのが、過去の年分の贈与について今日作った契約書に過去の日付を書くことです。筆跡・用紙・印影・保管状況から作成時期はしばしば推定され、契約書全体の信用を失います。

すでに実行済みの贈与については、契約書ではなく振込記録・贈与税の申告書控え・受贈者による資金の管理実態で証明していく方針に切り替えます。今後の分から契約書を作り、その日付の正しさを補強したい場合は、公証役場で確定日付を付けます。手数料は1通700円です(公証人手数料令37条)。

贈与契約書の印紙|現金は不要、不動産は200円

金銭だけの贈与契約書に印紙は不要

印紙税は、印紙税法の別表第一(課税物件表)に掲げられた文書にだけかかります。金銭を贈与する契約書は、この課税物件表のどの号にも当たらないため印紙は不要です。同じ「お金を渡す書面」でも、借用書・金銭消費貸借契約書は第1号の3文書として課税されます。無償で渡す贈与と、返してもらう貸付けは、印紙税の扱いがまったく違うと覚えてください。

不動産の贈与契約書は第1号の1文書で200円

不動産の贈与契約書は課税されます。国税庁の質疑応答事例「土地贈与契約書」は、「不動産をその同一性を保持させつつ他人に移転させることを内容とするものは、対価を受けるかどうかを問わず、第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当します」と明示しています。そのうえで「贈与は無償契約ですから、贈与契約書に土地の評価額が記載されていても、その評価額は不動産譲渡の対価としての金額ではありませんので、記載金額には該当しません」としています。

第1号文書は「契約金額の記載のないもの」が200円です(国税庁タックスアンサー No.7140)。つまり、固定資産税評価額を契約書に書いても書かなくても、不動産の贈与契約書の印紙は200円ということになります。

貼り忘れると3倍。自主的に申し出れば1.1倍

課税文書に印紙を貼らなかった場合、納付すべき印紙税額の3倍の過怠税が徴収されます。ただし、調査を受ける前に自分から「印紙税不納付事実申出書」を提出した場合は1.1倍に軽減されます(国税庁タックスアンサー No.7131)。過怠税は法人税の損金にも所得税の必要経費にも算入できません。200円の判断を誤ると金額以上に面倒になる、という意味で軽視できない論点です。

なお、贈与契約書を2通作れば2通とも課税文書です。不動産の贈与で2通作成するなら、200円の収入印紙が2枚必要になります。

贈与契約書をAIで点検する|税理士事務所での使い方

ひな形をそのまま使えないのは、財産の中身と当事者の事情が案件ごとに違うからです。ここで生成AI(文章を作ったり直したりできるAI。ChatGPTなどが代表例)が効くのは、ゼロから作らせる場面ではなく、出来上がった案文を条件と突き合わせて点検させる場面です。

点検プロンプト|抜け漏れを洗い出す

あなたは相続・資産税を専門とする税理士事務所のベテラン担当者です。
以下の贈与契約書の案文を点検してください。

【前提】
・贈与者:【父・78歳】/受贈者:【長男・50歳】
・贈与財産:【現金 1,100,000円】
・課税方法:【暦年課税】
・実行方法:【贈与者名義口座から受贈者名義口座へ振込】

【点検してほしい観点】
1. 当事者・財産・日付・履行方法の特定が十分か
2. 連年の贈与をあらかじめ約束したと読める表現がないか
3. 受贈者の受諾が読み取れるか
4. 費用負担(振込手数料等)の定めが抜けていないか
5. この契約書だけでは足りず、別途そろえるべき資料は何か

【出力】
指摘事項を「該当箇所/なぜ問題か/修正案の文言」の3列の表で出してください。
条文番号や税額の判断は断定せず、確認が必要な点として分けて書いてください。

【案文】
(ここに契約書の全文を貼り付ける)

うまくいかない例:「この贈与に贈与税はいくらかかりますか」と続けて聞いてしまう。

直し方:税額や適用要件の判断は、改正のたびに内容が変わるうえ、AIは古い情報のまま自信をもって答えることがあります。税額と適用要件は必ず国税庁の一次情報で確認し、AIには文面の抜け漏れの洗い出しまでを任せる、と線を引いてください。7年ルールの加算年数のように、相続開始日によって答えが変わる論点は特に危険です。

記載例生成プロンプト|顧問先への説明資料を作る

あなたは相続対策の相談に慣れた税理士事務所のスタッフです。
下記の贈与契約書のひな形をもとに、顧問先に渡す「記入の手引き」を作ってください。

【前提】読み手は法律の専門家ではない70代の資産家です。
【条件】
・条文ごとに「ここに何を書くか」を1〜2文で説明する
・印鑑・部数・保管方法について最後にまとめる
・専門用語には必ずかっこ書きでかみ砕いた説明を添える
・分量はA4で1枚に収まる程度

【ひな形】
(ここにひな形を貼り付ける)

この使い方なら、事実関係の誤りが混ざってもスタッフが目視で気づけます。危ないのは「調べさせる」使い方、安全なのは「整えさせる」使い方です。

士業AIの税務AIは、国税庁などの公的情報を参照しながら回答する税務特化型のAIです。汎用のAIで文面を整えるところまで進めたら、制度や様式の確認は一次情報に当たる仕組みを持ったツールに切り替えると、確認の手間が目に見えて減ります。

国税庁等の公的情報を参照する税務特化AI のデモです。

よくある質問

110万円以下の贈与でも贈与契約書は必要ですか

贈与税の申告は不要でも、契約書は作るべきです。暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからず申告も不要です(国税庁タックスアンサー No.4402)。しかし相続の場面で問題になるのは贈与税ではなく、その預金が本当に受贈者のものだったかです。金額が小さいほど記録が残りにくいため、むしろ契約書の重要性は上がります。

贈与契約書は手書きでなければいけませんか

いいえ。様式は自由で、パソコンで作成して構いません。自筆証書遺言のような全文自書の要件はありません。ただし署名は当事者本人の自署にするのが実務の基本です。

贈与契約書に収入印紙は必要ですか

現金だけの贈与なら不要、不動産の贈与なら1通につき200円です。不動産の贈与契約書は第1号の1文書(不動産の譲渡に関する契約書)に該当し、契約金額の記載のないものとして200円になります(国税庁の質疑応答事例「土地贈与契約書」・タックスアンサー No.7140)。

過去にさかのぼって贈与契約書を作ってもよいですか

作成日をさかのぼって記載することは避けてください。実行済みの贈与は、振込記録と申告書控え、受贈者による資金の管理実態で立証する方針に切り替えます。今後の分について日付の正しさを補強したい場合は、公証役場の確定日付(1通700円・公証人手数料令37条)を利用します。

贈与税の申告はいつまでにしますか

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、受贈者の納税地の所轄税務署に申告と納税をします(相続税法28条1項)。相続時精算課税を初めて選ぶ場合は、この申告期間内に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります(国税庁タックスアンサー No.4103)。

まとめ|ひな形は出発点、決め手は履行の記録

贈与契約書は、民法550条の解除リスクを断ち切り、税務上は「受諾があった」ことを示す証拠になります。場面ごとにひな形を選び、8項目を埋め、契約書どおりに振込・移管・登記を実行して記録を残す。この順番を守れば、契約書は十分に機能します。

贈与を実行した後は、相続が起きたときにその贈与が相続税の課税価格に加算されるかという論点に移ります。加算の対象期間は相続開始日によって変わり、相続開始前3年超7年以内の部分からは合計100万円が控除されます(相続税法19条1項)。年別の当てはめは暦年贈与の7年ルールの年別早見表で確認してください。実際の申告段階での必要書類は相続税申告チェックシートと必要書類のチェックリストに、申告作業そのもののAI活用は相続税申告のAI活用ガイドにまとめています。相続発生後に作る書面については遺産分割協議書の書き方と記載例、財産の洗い出しは相続財産目録の作り方が対応します。

税理士・会計事務所の相続担当者向けには、税務特化のAIをまとめた税理士・税務向けAIのページで、申告書チェックや税法調査の補助にどう使えるかを紹介しています。

参考文献

本記事は【2026年9月21日】時点の法令・通達に基づいています。税額や適用要件の最終判断は、必ず国税庁の最新情報と所轄税務署・担当専門家への確認のうえ行ってください。

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