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契約書の収入印紙はいくら?印紙税額の早見表と電子契約【2026年】

契約書の収入印紙はいくら? 3ステップで決まります

契約書に貼る収入印紙の額は、担当者の感覚で決めるものではありません。①その契約書が課税文書の20種類(号)のどれに当たるか → ②その契約書の「記載金額」はいくらか → ③号ごとの階段表のどこに乗るか、この3ステップだけで一意に決まります。判断が割れるのはほぼ①と②で、③の表を読み違える人はまずいません。

いちばん使用頻度が高いところだけ先に書くと、請負契約書(第2号文書)は契約金額100万円以下なら200円、100万円超200万円以下で400円、不動産売買契約書(第1号の1文書)は1,000万円超5,000万円以下で1万円(軽減措置適用後)、取引基本契約書など第7号文書は金額にかかわらず一律4,000円です。そして電子契約で締結した場合は、金額にかかわらず収入印紙は不要です。

税額の根拠はすべて国税庁の「印紙税額の一覧表」で、本記事は令和8年4月1日現在の法令等に基づく版(No.7140 その1・第1号文書から第4号文書まで/No.7141 その2・第5号文書から第20号文書まで)を転記しています。

この記事で分かること:

  • 契約書の種類別に、契約金額いくらで印紙税額がいくらになるかの早見表
  • 不動産譲渡・建設工事請負の軽減措置(令和9年3月31日まで)の適用後の税額
  • 「記載金額」の判定を間違えやすい5つの場面(消費税の書き方・変更契約・2通作成・業務委託・書類の題名)
  • 電子契約に印紙が不要とされる国税庁の根拠と、それでも課税されてしまうケース
  • 貼り忘れ・貼りすぎたときの過怠税と還付の実務

なお領収書(第17号文書)に貼る印紙については、金額の早見表を本記事にも載せますが、書き方・記載例・インボイス対応まで含む詳細は領収書の書き方と収入印紙・インボイス対応の解説記事で扱っています。契約書のひな形そのものが必要な場合は契約書テンプレート(Word・PDF)のまとめを参照してください。本記事は金額を引くための参照ページに徹します。

文書の種類別 印紙税額 早見表(契約書編)

印紙税がかかるのは、印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられた20種類の文書だけです。「契約書」という題名でも、この表に載っていない契約なら1円もかかりません。実務で契約書として出てくるのは第1号・第2号・第7号・第12〜15号あたりに集中します。

第1号文書|不動産売買・土地賃貸借・金銭消費貸借・運送

第1号文書は4つの枝に分かれます。1号の1が不動産・鉱業権・無体財産権・船舶・航空機または営業の譲渡(不動産売買契約書、不動産交換契約書、不動産売渡証書など)、1号の2が地上権または土地の賃借権の設定・譲渡(土地賃貸借契約書、土地賃料変更契約書など)、1号の3が消費貸借(金銭消費貸借契約書、金銭の借用書など)、1号の4が運送(運送契約書、貨物運送引受書など)です。税額の階段は4つとも共通です。

記載された契約金額

印紙税額(1通につき)

1万円未満

非課税

1万円以上10万円以下

200円

10万円超 50万円以下

400円

50万円超 100万円以下

1,000円

100万円超 500万円以下

2,000円

500万円超 1,000万円以下

1万円

1,000万円超 5,000万円以下

2万円

5,000万円超 1億円以下

6万円

1億円超 5億円以下

10万円

5億円超 10億円以下

20万円

10億円超 50億円以下

40万円

50億円超

60万円

契約金額の記載のないもの

200円

注意点が2つあります。ひとつは、第1号文書と第3号〜第17号文書の両方に当たる文書で第1号文書に所属が決定されるものは、記載金額が1万円未満でも非課税にならないこと。もうひとつは、不動産の譲渡(1号の1)は次に示す軽減措置の対象なので、上の表の額をそのまま貼ると貼りすぎになる点です。土地の賃貸借(1号の2)や金銭消費貸借(1号の3)は軽減の対象外なので、上の表がそのまま適用されます。

第2号文書|請負契約書・工事注文請書・広告契約書

請負とは、一方が仕事の完成を約し、相手方が報酬を支払う契約です。建設工事のような有形の成果物だけでなく、警備・機械保守・清掃といった無形の結果を目的とするものも含まれます(国税庁 No.7102 請負に関する契約書)。工事請負契約書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書などが該当します。

記載された契約金額

印紙税額(1通につき)

1万円未満

非課税

1万円以上100万円以下

200円

100万円超 200万円以下

400円

200万円超 300万円以下

1,000円

300万円超 500万円以下

2,000円

500万円超 1,000万円以下

1万円

1,000万円超 5,000万円以下

2万円

5,000万円超 1億円以下

6万円

1億円超 5億円以下

10万円

5億円超 10億円以下

20万円

10億円超 50億円以下

40万円

50億円超

60万円

契約金額の記載のないもの

200円

第1号文書との違いは最初の段(1万円以上100万円以下が200円)が広いことです。100万円の請負契約書は200円、100万1円なら400円と、1円の差で倍になります。なお発注側が出す注文書に対して受注側が返す注文請書は、請負契約の成立を証する文書なので第2号文書として課税されます。注文書だけを一方的に出した場合は原則として課税されませんが、これは後述の「題名ではなく中身で決まる」の典型論点です。

不動産譲渡・建設工事請負の軽減措置(令和9年3月31日まで)

平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される、契約金額10万円超の不動産譲渡契約書(第1号の1文書)と契約金額100万円超の建設工事請負契約書(第2号文書)は税率が軽減されます(国税庁 No.7108、租税特別措置法91条)。不動産取引・建設業を扱う事務所ではこちらが実質的な本表です。

不動産譲渡の契約金額

建設工事請負の契約金額

軽減後の税額

10万円超 50万円以下

100万円超 200万円以下

200円

50万円超 100万円以下

200万円超 300万円以下

500円

100万円超 500万円以下

300万円超 500万円以下

1,000円

500万円超 1,000万円以下

500万円超 1,000万円以下

5,000円

1,000万円超 5,000万円以下

1,000万円超 5,000万円以下

1万円

5,000万円超 1億円以下

5,000万円超 1億円以下

3万円

1億円超 5億円以下

1億円超 5億円以下

6万円

5億円超 10億円以下

5億円超 10億円以下

16万円

10億円超 50億円以下

10億円超 50億円以下

32万円

50億円超

50億円超

48万円

軽減の境目に落ちる契約は要注意です。不動産譲渡で契約金額10万円以下、建設工事請負で100万円以下のものは軽減の対象外で、税額は200円になります(1万円未満は非課税)。また建設工事の請負契約に建設工事以外の請負事項が併記されていても、全体が軽減の対象です。国税庁の例では、建物建設工事5,000万円と建物設計500万円が併記された契約書は合計5,500万円として扱い、軽減後3万円になります。

第7号文書|継続的取引の基本となる契約書(一律4,000円)

取引基本契約書・特約店契約書・代理店契約書・銀行取引約定書などは、金額がいくらでも一律4,000円です。現場で最も見落とされるのがこの号で、「金額が書いていないから200円」と処理してしまう誤りが典型です。

該当するのは、営業者間で売買・売買の委託・運送・運送取扱い・請負に関する複数取引を継続的に行うため、目的物の種類/取扱数量/単価/対価の支払方法/債務不履行の場合の損害賠償の方法/再販売価格のうち1つ以上を定める契約書です(国税庁 No.7104)。ただし契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めがないものは除かれます。逆に言えば、単価と支払方法を定めた1年もの(または自動更新付き)の基本契約書は、ほぼ第7号文書だと考えて構いません。

その他の契約書と、そもそも印紙が不要な契約書

以下は定額または不課税のグループです。判断の軸は「課税物件表に載っているかどうか」だけで、文書の重要性や金額の大きさとは無関係です。

文書

号

印紙税額

合併契約書・吸収分割契約書・新設分割計画書

第5号

4万円

定款(設立時に作成する原本)

第6号

4万円(電磁的記録で作成する電子定款は課税されない)

信託行為に関する契約書(信託証書を含む)

第12号

200円

債務の保証に関する契約書(主たる債務の契約書に併記するものを除く)

第13号

200円(身元保証ニ関スル法律の身元保証は非課税)

金銭または有価証券の寄託に関する契約書

第14号

200円

債権譲渡・債務引受けに関する契約書

第15号

1万円未満は非課税、1万円以上と記載なしは200円

秘密保持契約書(NDA)

—

不課税(課税物件表にない)

準委任型の業務委託契約書・顧問契約書

—

不課税(請負に当たらない場合)

雇用契約書・労働条件通知書

—

不課税

建物の賃貸借契約書

—

不課税(課税されるのは土地の賃借権)

売買契約書(動産・商品)

—

不課税(不動産等でなければ第1号に当たらない)

秘密保持契約書(NDA)と建物賃貸借契約書が不課税というのは、覚えておくと事務所内の問い合わせが目に見えて減ります。ただしNDAに業務委託の条項を併記すると別の号に当たることがあり、「NDAだから不要」と機械的に処理するのは危険です。

領収書(第17号文書)の早見表

契約書ではありませんが、同じ案件で必ず併せて聞かれるので税額だけ載せます。売上代金に係る金銭または有価証券の受取書(第17号の1文書)は、5万円未満が非課税、5万円以上100万円以下200円、100万円超200万円以下400円、200万円超300万円以下600円、300万円超500万円以下1,000円、500万円超1,000万円以下2,000円、以降1,000万円超2,000万円以下4,000円、2,000万円超3,000万円以下6,000円、3,000万円超5,000万円以下1万円、5,000万円超1億円以下2万円、1億円超2億円以下4万円、2億円超3億円以下6万円、3億円超5億円以下10万円、5億円超10億円以下15万円、10億円超20万円、受取金額の記載のないものは200円です。借入金・保険金・損害賠償金などの売上代金以外の受取書は、5万円未満が非課税で、5万円以上は一律200円です。

書き方・宛名・但し書き・インボイス対応まで含めた領収書の実務は領収書の書き方と無料テンプレート10種の記事にまとめてあるので、発行側の作業はそちらを見てください。

記載金額の判定でつまずく5つの落とし穴

税務調査で指摘される印紙税の誤りは、階段表の読み違いではなく「記載金額」をいくらとみるかの判定ミスにほぼ集中します。現場で多いものを5つ挙げます。

①消費税額を区分記載すると税額が1段下がることがある

課税事業者が作成する課税文書で、消費税額等が区分記載されている場合、または税込価格と税抜価格の両方が書かれていて消費税額等が明らかな場合は、消費税額等を記載金額に含めません。ただしこの取扱いが使えるのは第1号文書・第2号文書・第17号文書の3つだけです(国税庁 No.7124)。

請負契約書の書き方

記載金額

印紙税額

請負金額1,100万円 うち消費税額等100万円

1,000万円

1万円

請負金額1,100万円 税抜価格1,000万円

1,000万円

1万円

請負金額1,100万円(税込)

1,100万円

2万円

請負金額1,100万円(消費税額等10パーセントを含む。)

1,100万円

2万円

同じ取引・同じ金額なのに、契約書1行の書き方で印紙代が倍になります。契約書のひな形に「うち消費税額等○○円」の行をあらかじめ入れておくだけで毎回効く、確実性が高い節税です。なお免税事業者が「消費税額等」として金額を区分記載しても、その取引に課されるべき消費税等がないため、区分した額も記載金額に含まれます。

②変更契約・覚書は「増えた分だけ」が記載金額になることがある

契約金額を変更する契約書の記載金額は、変更前の契約金額を記載した契約書が作成されていることが明らかかどうかで扱いが変わります(国税庁 No.7123)。変更契約書に元の契約書の名称・文書番号・契約年月日など特定できる事項が書いてあれば「明らか」な側です。

  • 明らかな場合・増額:増加金額が記載金額。当初90万円を110万円にするなら、記載金額は差額の20万円
  • 明らかな場合・減額:記載金額のない文書になる(第2号文書なら200円)
  • 明らかな場合・変更後の金額しか書いていない:変更後の金額が記載金額。「売買金額を90万円に変更する」なら90万円
  • 明らかでない場合:変更後の金額が算出できればその額、変更金額のみなら増額・減額を問わずその変更金額

つまり変更契約書に原契約を特定する一文を入れるかどうかで印紙代が変わります。実務では、原契約の締結日と表題を書き添えるのが原則と考えてよいでしょう。覚書の書き方とテンプレートで扱う覚書も同じ判定に服し、変更した項目が印紙税法基本通達 別表第二「重要な事項の一覧表」に当たるかで課否が決まります。

③2通作成すれば2通分、写し・副本も課税されることがある

印紙税は「1通または1冊につき」課されるため、契約書を2通作成して各自1通ずつ保有するなら印紙も2通分必要です。ここまでは多くの人が知っていますが、問題は「写し」「副本」「謄本」と書かれた文書の扱いです。

国税庁は、写し・副本・謄本と表示されていても、①契約当事者の双方または所持者以外の一方の署名・押印があるもの、②正本と相違ない旨などの契約当事者の証明があるものは、契約の成立を証明する目的で作られたことが明らかなので課税対象になるとしています(国税庁 No.7120)。一方、正本を複写機でコピーしただけで署名・押印も証明もないものは単なる写しなので課税されません。自分の印鑑だけを押したものも、相手方に対する証明の用をなさないため課税対象外です。

印紙代を抑えるなら、正本1通のみを作成して一方が保管し、他方はコピー(証明文言も押印もなし)を持つという運用が考えられます。ただし紛争時の証拠力が下がるため、契約の重要性と天秤にかける判断が必要です。金額の大きい契約でこれをやるのは、印紙代を惜しんで訴訟リスクを買う行為になりかねません。

④業務委託契約書は「請負か準委任か」、そして第7号に飛ぶか

いちばん問い合わせが多いのがこれです。業務委託契約書という題名は印紙税法のどこにも出てきません。判定は次の順で行います。

  1. 仕事の完成を約しているか(成果物の納品・検収がある)→ 請負なら第2号文書
  2. 事務処理そのものを委託しているだけか(顧問契約・コンサル・常駐型の準委任)→ 課税文書に該当しない
  3. ただし営業者間の継続的取引の基本条件を定めているか(単価や支払方法を定め、期間3か月超または更新の定めあり)→ 第7号文書として一律4,000円

③の存在が落とし穴です。個々の請負金額を書かない基本契約書だから200円だろう、と処理すると3,800円の不足になります。国税庁も、請負に関する契約書に当たるものでも営業者間で継続する複数取引の基本的な取引条件を定めるものは第7号文書に該当することがあると明記しています。まず第7号の要件を潰してから第2号を見るのが安全な順序です。

⑤題名ではなく中身で決まる(注文書・申込書・見積書)

印紙税の課否は文書の表題で決まりません。「注文書」「申込書」「依頼書」と題されていても、それが契約の申込みに対する承諾の事実を証明するものであれば課税文書になります(国税庁 No.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い)。契約書ファイルの棚卸しをするときは、題名ではなく「この文書だけで合意が証明できるか」を見てください。

電子契約に収入印紙が不要な根拠と、それでも課税されるケース

国税庁の見解:電磁的記録は「文書」に含まれない

電子契約に印紙が不要なのは慣行や解釈ではなく、課税対象の定義そのものに理由があります。国税庁の質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」は、建設工事の注文請書を書面ではなく電磁的記録に電子署名を付して電子メールで送信した事例について、「印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。したがって、おたずねの電磁的記録に印紙税は課税されません」と回答しています(国税庁 質疑応答事例、関係法令通達は印紙税法第2条、令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくもの)。

金額の上限はありません。10億円の工事請負契約でも、電子で締結すれば印紙税は0円です。紙なら軽減後32万円がかかる場面なので、契約金額が大きい取引ほど電子化の経済効果はそのまま印紙代の削減額になります。

それでも課税されてしまう2つのケース

1つ目は電子で締結した後に印刷して署名・押印したケースです。その紙が契約の成立を証明する目的で作成された文書に当たれば、課税文書として印紙が必要になり得ます。電子契約を導入したのに「保管用に印刷して両者が押印する」という運用が残っている事務所は、そこだけ課税されているおそれがあります。

2つ目は紙で作成した正本が別に存在するケースです。電子データをやり取りしただけなら不要ですが、同じ契約について紙の正本も作ったのであれば、その紙に対して課税されます。「電子契約サービスを使ったから全部不要」ではなく、紙の文書が1枚も作成されていないことが要件だと捉えるのが正確です。

逆に安心してよいのが、FAXや電子メールで送信する場合です。国税庁は、この場合も正本等は送付元に保存され送付先に交付されておらず、送付先で出力された文書は写しと同様であるため課税対象とならないとしています(No.7120)。PDFをメールで送るだけなら印紙は不要、という整理で問題ありません。

貼り忘れ・貼りすぎたときの実務対応

過怠税は本来の3倍、自主申出で1.1倍

課税文書の作成者が作成の時までに印紙税を納付しなかった場合、納付しなかった印紙税額とその2倍に相当する金額の合計、すなわち本来の税額の3倍の過怠税が徴収されます。ただし調査による決定を予知せずに「印紙税不納付事実申出書」を所轄税務署長に提出した場合は、1.1倍に軽減されます(国税庁 No.7131、印紙税法20条)。

見落としがちなのが過怠税は全額が法人税の損金・所得税の必要経費に算入されない点です(法人税法55条4項1号、所得税法45条1項3号)。4,000円の貼り忘れが12,000円の税外流出になり、しかもそれが損金にならない。金額は小さくても、顧問先に説明する価値のある論点です。なお、印紙を貼っていなくても契約そのものが無効になるわけではありません。

消印を忘れると額面相当額の過怠税

印紙は貼るだけでは納付になりません。作成者またはその代理人・使用人その他の従事者の印章または署名で、課税文書と印紙の彩紋とにかけて判明に消す必要があります(国税庁 No.7129)。貼り付けた印紙を所定の方法で消印しなかった場合は、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されます。契約印と同じ印である必要はなく、担当者のシャチハタでも署名でも構いませんが、印紙と台紙にまたがっていることが要件です。

貼りすぎたら還付、未使用は郵便局で交換

所定の額を超えて貼ってしまった場合や、課税文書でない文書(委任契約書など)を課税文書と誤認して貼ってしまった場合、使用見込みがなくなった場合は、「印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書」を納税地の所轄税務署長に提出して還付を受けられます(国税庁 No.7130)。申請には過誤納となっている文書の現物提示が必要で、請求権は請求できる日から5年で消滅します。

注意したいのは、登録免許税や特許手数料を納付するために貼った収入印紙は、誤って貼ったものでも印紙税法による還付の対象にならないことです。また汚損・毀損していない未使用の収入印紙は、最寄りの郵便局で1枚5円の手数料を払って他の額面と交換できますが、現金には交換できません。

印紙税の判定をAIに任せてよい範囲・任せてはいけない範囲

印紙税は、判断の8割が「どの号に当たるか」という分類の作業です。ここは経理・総務の担当者がいちばん時間を取られ、かつ事務所への問い合わせが集中する領域でもあります。AIとの相性は悪くありませんが、任せてよい範囲を線引きしておく必要があります。

任せてよいのは、契約書ドラフトを読んで論点を洗い出させるところまでです。「この業務委託契約書は仕事の完成を約しているか、事務処理の委託か」「継続的取引の基本条件(単価・支払方法・損害賠償の方法)を定めている条項はどれか」「契約期間は3か月超か、更新の定めがあるか」といった事実の抽出は、人が目視で拾うより速く、抜け漏れも少なくなります。消費税額等が区分記載されているかのチェックも同様です。

任せてはいけないのは、税額そのものの確定です。汎用のAIは階段表の境界(100万円と100万1円)や軽減措置の適用期限を平然と間違えますし、根拠を示さずに断定します。最終的な税額は、必ず国税庁の一覧表の該当行を自分の目で確認してください。士業AIの税務AIは、国税庁などの公的情報を参照しながら回答し根拠となる出典を提示する設計なので、「AIの答えを鵜呑みにする」のではなく「AIが示した出典を確認して自分で結論を出す」という使い方に向いています。

国税庁等の公的情報を参照する税務特化AI のデモです。

顧問先からの印紙税の問い合わせを事務所として効率化したい税理士の方は税理士向けの機能紹介ページを、自社の契約書処理をまず自分で速くしたい経理・総務の方は経理スタッフ向けのページをご覧ください。いずれも無料で試せます。

まとめ|迷ったら一覧表の該当行に戻る

契約書の収入印紙がいくらかは、①号の判定 → ②記載金額の判定 → ③階段表という順で機械的に決まります。間違いが起きるのは常に①と②で、特に第7号文書の一律4,000円の見落とし、消費税額等の区分記載の有無、変更契約書の記載金額の3つが頻出です。電子契約なら金額にかかわらず不要ですが、印刷して押印した紙が生まれた瞬間に課税対象が復活する点だけは押さえてください。

本記事の税額はすべて国税庁「印紙税額の一覧表」の令和8年4月1日現在の内容です。不動産譲渡・建設工事請負の軽減措置は令和9年3月31日までの時限措置なので、期限が近づいたら必ず最新の一覧表を確認してください。判断に迷う個別事案は、所轄税務署または顧問税理士への確認が最も確実です。

参考文献

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