法務×AI

1ヶ月単位の変形労働時間制のシフト表と協定書|総枠早見表と残業判定【2026年】

1ヶ月単位の変形労働時間制は、1か月以内の期間を平均して週40時間以内に収めれば、特定の日に8時間、特定の週に40時間を超えるシフトを組める制度です(労働基準法32条の2)。使うための条件は3つあります。労使協定か就業規則で導入すること、期間中の所定労働時間の合計を「40時間×暦日数÷7」の総枠に収めること、そして各日の労働時間を期間が始まる前にシフト表で決めておくことです。

実務でつまずくのは、制度の理解よりもシフト表の作り方と残業の数え方です。この記事では、社労士事務所のスタッフや顧問先の労務担当がそのまま使えるよう、総枠の早見表、Excelの数式、協定書と就業規則の記載例、AIでのチェック方法をまとめました。

この記事で分かること

  • 1ヶ月単位の変形労働時間制を使える条件と、労使協定・就業規則の違い
  • 法定労働時間の総枠(暦日数×40÷7)の早見表と、Excelでの計算式
  • シフト表で「各日・各週の労働時間を特定する」ときの具体的な作り方
  • 時間外労働になる時間の3段階の判定方法(1日→1週→期間)
  • 協定書(様式第3号の2)と就業規則の記載例、AIで記載漏れを確認する手順

1ヶ月単位の変形労働時間制とは|使える条件と対象外の人

通常、労働時間は1日8時間・1週40時間が上限です(労働基準法32条)。1ヶ月単位の変形労働時間制を導入すると、この枠を1か月以内の期間で平均して考えられるようになり、月末に忙しい経理部門や、8時間を超える夜勤がある介護施設などでシフトを組みやすくなります。

導入に必要な4つの定め

厚生労働省のリーフレット「1か月単位の変形労働時間制」では、労使協定または就業規則に次の事項をすべて定めるよう求めています。

  1. 対象労働者の範囲:法令上の制限はないが、範囲は明確にする
  2. 対象期間と起算日:対象期間は1か月以内。起算日は具体的に定める(労働基準法施行規則12条の2第1項)
  3. 労働日と労働日ごとの労働時間:シフト表や会社カレンダーで、期間中のすべての労働日について事前に具体的に定める
  4. 労使協定の有効期間:協定で導入する場合は必須(施行規則12条の2の2第1項)。リーフレットは3年以内程度が望ましいとしている

変形労働時間制を適用できない人・配慮が必要な人

  • 満18歳未満:原則として適用できない(労働基準法60条1項)。満15歳以上満18歳未満の者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除き、1週48時間・1日8時間を超えない範囲で例外的に適用できる(同条3項2号)
  • 妊産婦が請求した場合:1日8時間・1週40時間を超えて働かせることはできない(同法66条1項)
  • 育児・介護を行う人など:必要な時間を確保できるよう配慮する(施行規則12条の6)

なお、常時10人未満の商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業は「特例措置対象事業場」として週44時間が基準になり、変形労働時間制の総枠も44時間で計算します(施行規則25条の2第2項)。

変形労働時間制の協定書と就業規則|どちらで導入するか

導入の方法は「労使協定」と「就業規則(10人未満の事業場はこれに準ずるものでも可)」の2つです。手続きの違いを表にまとめます。

項目

労使協定で導入

就業規則で導入

相手方

過半数労働組合、なければ過半数代表者

使用者が作成(過半数代表者の意見を聴く)

監督署への届出

協定届(様式第3号の2)を所轄の労働基準監督署長へ(法32条の2第2項・施行規則12条の2の2第2項)

常時10人以上なら就業規則の作成・届出義務(法89条)

有効期間

定めが必要

規定上の定めは不要

周知

協定も周知義務の対象(法106条)

就業規則として周知(法106条)。10人未満で準ずるものによる場合も周知(施行規則12条)

届出を怠った場合

30万円以下の罰金(法120条1号)

同左(法89条違反として法120条1号)

注意したいのは、協定で導入しても就業規則を省略できるわけではない点です。始業・終業の時刻は就業規則に必ず書く事項で(法89条1号)、厚生労働省の通達(昭和63年1月1日基発第1号)も、就業規則には各日の労働時間の長さだけでなく始業・終業の時刻も定める必要があるとしています。常時10人以上の事業場では、協定と就業規則の両方を整えるのが基本です。

過半数代表者の選び方

協定の相手方となる過半数代表者は、管理監督者でないこと、協定を結ぶ人を選ぶと明らかにしたうえで投票・挙手などで選ばれ、使用者の意向で選ばれた人でないことが条件です(施行規則6条の2第1項)。様式第3号の2にはこの2点を確認するチェックボックスがあり、チェックがないと届出の形式要件を満たさないと記載心得に明記されています。

協定書の記載例(コピペ用)

協定書そのものに決まった書式はありません。届出の様式第3号の2(厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー」からWord版を入手できます)の欄に合わせて書いておくと、転記の漏れが減ります。【】の部分を事業場に合わせて書き換えてください。

1箇月単位の変形労働時間制に関する協定書

【会社名】(以下「会社」という)と【過半数労働組合名/従業員代表 氏名】は、
労働基準法第32条の2第1項に基づき、次のとおり協定する。

第1条(対象労働者)
  本協定は、【介護職員/店舗勤務の従業員など範囲を具体的に】に適用する。
  ただし、満18歳未満の者および請求のあった妊産婦には適用しない。

第2条(変形期間・起算日)
  変形期間は毎月【1】日を起算日とする1か月とする。

第3条(労働時間)
  変形期間を平均し1週間当たりの労働時間は40時間を超えないものとし、
  変形期間中の所定労働時間の合計は、40時間×変形期間の暦日数÷7の範囲内とする。
  各日の始業・終業時刻、休憩時間および休日は、別紙の勤務パターンを組み合わせて
  作成する勤務割表により定め、変形期間の開始日の【7】日前までに対象労働者へ通知する。

第4条(勤務パターン)
  A勤務 始業【9:00】終業【18:00】休憩【60分】実働8時間
  B勤務 始業【9:00】終業【16:00】休憩【60分】実働6時間
  夜勤  始業【16:00】終業翌【9:00】休憩【120分】実働15時間

第5条(有効期間)
  本協定の有効期間は【2026年11月1日】から【2027年10月31日】までの1年間とする。

【協定成立日】
【会社名・代表者職氏名】
【過半数労働組合名または過半数代表者の職名・氏名】

「勤務割表の通知期限」は法令で日数が決まっているわけではありませんが、各日の労働時間を期間の開始前に特定する必要があるため、協定や就業規則で期限を書いておくと運用がぶれません。

就業規則の規定例(コピペ用)

(1か月単位の変形労働時間制)
第【 】条 【対象者】の所定労働時間は、毎月【1】日を起算日とする1か月単位の
変形労働時間制とし、1か月を平均して1週間当たり40時間を超えないものとする。
2 各日の始業・終業時刻および休憩時間は、次の勤務パターンの組合せにより定める。
  (A勤務・B勤務・夜勤の時刻と休憩を列挙)
3 各人の勤務割表は、前項の勤務パターンを組み合わせて作成し、
  変形期間の開始日の【7】日前までに通知する。
4 1週間は【日曜日】から【土曜日】までとする。
5 休日は、勤務割表により1週間に1日以上または4週間に4日以上与える。
  4週間の起算日は【 】とする。

第4項の「1週間の区切り」は、就業規則などに定めがなければ日曜日から土曜日までの暦週になります(昭和63年1月1日基発第1号)。後述する週単位の時間外判定に直結するので、明記しておくのがおすすめです。規程全体の作り方は就業規則のドラフトとチェックをAIで行う手順でも解説しています。

法定労働時間の総枠|暦日数×40÷7の早見表

シフトを組む前に、まず「その期間に組んでよい所定労働時間の上限」を出します。式は次のとおりです(昭和63年1月1日基発第1号)。

法定労働時間の総枠 = 40時間(特例措置対象事業場は44時間)× 変形期間の暦日数 ÷ 7

総枠の早見表(コピペ用)

変形期間の暦日数

週40時間の事業場

週44時間(特例措置対象事業場)

31日

177.1時間

194.8時間

30日

171.4時間

188.5時間

29日

165.7時間

182.2時間

28日(4週間)

160.0時間

176.0時間

14日(2週間)

80.0時間

88.0時間

28〜31日の値は厚生労働省のリーフレットとモデル就業規則(令和7年12月版)の表と同じで、小数点第2位以下を切り捨てた数字です。14日の行は同じ式で計算したものです。給与の締日に合わせて「21日〜翌月20日」を変形期間にする場合も、その期間の暦日数で計算します。

1日の所定時間別|勤務日数の上限

1日の所定労働時間がほぼ一定の職場では、「何日まで出勤日を入れられるか」で考えると早く組めます。総枠を1日の所定時間で割った値の整数部分です。

1日の所定時間

31日の月

30日の月

29日の月

28日の月

8時間

22日(176h)

21日(168h)

20日(160h)

20日(160h)

7時間45分

22日(170.5h)

22日(170.5h)

21日(162.75h)

20日(155h)

7時間30分

23日(172.5h)

22日(165h)

22日(165h)

21日(157.5h)

7時間

25日(175h)

24日(168h)

23日(161h)

22日(154h)

たとえば1日8時間の事務所が30日の月に22日出勤させると176時間となり、総枠171.4時間を超えます。この場合は1日を休日に変えるか、一部の日の所定時間を短くする調整が必要です。

Excelでの総枠の計算式

開始日をB1、終了日をB2に入れておけば、次の式で総枠が出ます。小数第1位までの切り捨てで、厚生労働省の早見表と同じ値になります。

総枠(週40時間):=ROUNDDOWN(40*(B2-B1+1)/7,1)
総枠(週44時間):=ROUNDDOWN(44*(B2-B1+1)/7,1)
所定合計の判定  :=IF(SUM(所定時間の列)<=40*(B2-B1+1)/7,"OK","総枠超過")

判定式は切り捨て前の値と比べています。切り捨て後の数字と比べると、ごくわずかに厳しめの判定になるためです。

1ヶ月単位の変形労働時間制のシフト表の作り方

シフト表は、この制度では「各日・各週の労働時間を特定する書類」そのものです。厚生労働省の通達は、各日・各週の労働時間を具体的に定める必要があり、使用者が業務の都合で任意に労働時間を変更するような制度は変形労働時間制に当たらないとしています(昭和63年1月1日基発第1号)。

シフト表に必ず入れる項目

  • 変形期間と起算日(例:2026年11月1日〜11月30日、暦日数30日)
  • 総枠(171.4時間)と、各人の所定労働時間の合計
  • 各日の勤務記号と、その記号の始業・終業時刻・休憩(凡例)
  • 週ごとの所定労働時間の小計(週の区切りは就業規則の定めに合わせる)
  • 作成日と通知日(期間開始前に特定したことの記録になる)

勤務記号の凡例の付け方や、Excelで人数・時間を自動集計する仕組みはシフト表テンプレート6種(Excel自動集計・週40時間チェック)で配布しているひな形がそのまま使えます。変形労働時間制で使う場合は、週40時間のチェック欄を「総枠のチェック」と「週ごとの所定小計」に読み替えてください。

夜勤がある職場の組み方

介護施設などで16時から翌9時までの夜勤(休憩2時間・実働15時間)がある場合、日をまたぐ勤務は始業時刻の属する日の労働として扱います(昭和63年1月1日基発第1号)。30日の月に「日勤8時間×13回+夜勤15時間×4回」と組むと、104時間+60時間=164時間で総枠171.4時間に収まります。夜勤明けの日は休日に数えられない点は、通常のシフトと同じです。

シフトを決めた後の変更

期間が始まった後に、会社の都合でシフトを入れ替えて所定時間を動かすと、「任意の変更」とみなされるおそれがあります。急な欠員でやむを得ず勤務を変えた場合は、変更後の時間を所定とは扱わず、後述の時間外判定で処理するのが安全です。変更のルールをどこまで定められるかは事業場の実態によるため、迷うケースは所轄の労働基準監督署に確認してください。

時間外労働の判定方法|1日→1週→期間の3段階

変形労働時間制でも残業代はなくなりません。時間外労働になるのは次の時間で、①→②→③の順に、前の段階で数えた時間を除きながら判定します(昭和63年1月1日基発第1号、厚生労働省リーフレット)。

段階

所定を8時間(週40時間)超で定めた日・週

それ以外の日・週

①1日

その所定時間を超えた時間

8時間を超えた時間

②1週

その所定時間を超えた時間(①を除く)

40時間を超えた時間(①を除く)

③期間

総枠を超えた時間(①②を除く)

厚生労働省リーフレットの例で確認する

リーフレットの例は、31日の月で所定合計172.0時間、総枠177.1時間のケースです。1日の所定(所定が8時間以下の日は8時間)を超えた分や、週40時間かつ週の所定を超えた分など計3時間が①②の時間外になり、所定は超えたが8時間・40時間に届かない6時間は「法定内」の扱いです。ところがその6時間を働かせた結果、月の実労働が総枠を超えたため、最終週の所定どおりの勤務のうち0.9時間が③の時間外になっています。所定どおり働いた時間でも、月末に時間外になることがあるのがこの制度の落とし穴です。

Excelでの判定式(コピペ用)

日ごとの行にC列=所定時間、D列=実労働時間を入れる前提です。

①1日の時間外(E列):=MAX(0, D2-MAX(8, C2))
②1週の時間外(週の小計行):
   =MAX(0, SUM(週の実労働) - SUM(週の①) - MAX(40, SUM(週の所定)))
③期間の時間外(最終行):
   =MAX(0, SUM(全期間の実労働) - SUM(全期間の①) - SUM(全期間の②) - 40*暦日数/7)

リーフレットの例に当てはめると、実労働181時間-①②の3時間-177.14時間で、③は約0.86時間です。総枠を177.1時間として計算したリーフレットの0.9時間と整合します。割増率や端数処理は残業代の計算方法(割増率・端数処理の実務)、時間外労働をさせるための36協定届の書き方もあわせて確認してください。変形労働時間制を入れても、時間外労働が出る以上36協定は別に必要です。

導入時・運用時のチェックリスト

  • 労使協定または就業規則に、対象者・変形期間と起算日・勤務パターン・有効期間(協定の場合)がそろっているか
  • 協定で導入した場合、様式第3号の2を所轄の労働基準監督署長に届け出たか(協定の有効期間ごとに再締結・再届出)
  • 常時10人以上の事業場で、就業規則にも変形労働時間制と始業・終業時刻を書き、届け出たか
  • 過半数代表者の選出手続を記録しているか
  • 毎月のシフト表を期間開始前に確定・通知し、作成日を残しているか
  • 各人の所定合計が総枠以内か、週の区切りが就業規則どおりか
  • 18歳未満・請求のあった妊産婦を対象から外しているか
  • 出勤簿で実績を1分単位で記録し、①②③の判定ができる形になっているか(記録の付け方は出勤簿テンプレートと残業・深夜の集計方法)

AIで協定書・シフト表をチェックする方法

総枠の計算や記載漏れの確認は、生成AIが得意な作業です。一方で、制度を使えるかどうかの判断や、条文番号・様式の最新版の確認はAIに任せず、必ず一次情報で確かめてください。

プロンプト1:シフト表の総枠と週小計を検算する

あなたは社会保険労務士事務所のスタッフです。
以下は1ヶ月単位の変形労働時間制のシフト表です。次の点を表形式で確認してください。
1. 変形期間の暦日数と、総枠(40時間×暦日数÷7、小数第1位切り捨て)
2. 従業員ごとの所定労働時間の合計と、総枠を超えていないか
3. 週ごとの所定労働時間の小計(週は【日曜〜土曜】で区切る)
4. 日をまたぐ勤務は始業日の労働として数えているか
計算過程も示し、判断できない点は「要確認」と書いてください。

【勤務パターン】A=9:00-18:00(休憩60分) B=9:00-16:00(休憩60分) 夜=16:00-翌9:00(休憩120分)
【変形期間】【2026/11/1〜11/30】
【シフト】(従業員ごとに日付と記号を貼り付け。氏名は記号に置き換える)

うまくいかない例→直し方:勤務記号だけを貼ると、AIが休憩時間を推測で引いて合計がずれます。凡例(始業・終業・休憩)を必ず一緒に渡し、「凡例にない記号があれば止まって質問して」と一文足すと精度が上がります。

プロンプト2:実績から時間外を3段階で判定する

1ヶ月単位の変形労働時間制の時間外労働を、次の順で判定してください。
①1日:所定が8時間超の日は所定超過分、それ以外は8時間超過分
②1週:所定が40時間超の週は所定超過分、それ以外は40時間超過分(①を除く)
③期間:総枠【171.4】時間を超えた分(①②を除く)
日ごとの所定と実績は下の表です。段階ごとの時間と合計を表にしてください。
(日付|所定時間|実労働時間 の表を貼り付け)

うまくいかない例→直し方:「残業を計算して」とだけ頼むと、1日8時間超を一律に時間外として数え、過大になりがちです。判定の順番と除外のルールをプロンプトに書き込むのがコツです。

プロンプト3:協定書の記載漏れを確認する

以下の「1箇月単位の変形労働時間制に関する協定書」の案について、
様式第3号の2の欄(業務の種類、該当労働者数、変形期間と起算日、
各日・各週の労働時間と所定休日、協定の有効期間、最も長い日・週の労働時間数、
過半数代表者の選出方法)に転記できる情報がそろっているかを一覧で示してください。
不足している項目は、何を決めれば埋まるかを質問の形で書いてください。
(協定書案を貼り付け)

顧問先から届いたシフト表や協定書をAIに渡すときは、氏名を記号に置き換えるなど個人情報を外してから使ってください。社労士業務での使い方は社労士のChatGPTプロンプト集にもまとめています。

士業AIは、e-Gov法令などの公的情報を参照しながら答える士業向けのAIです。条文の確認や協定書・規程の文面チェックを日常業務で使いたい社労士事務所・労務担当の方は、事務所スタッフ・労務担当向けの士業AIで使い方を確認できます。

よくある質問

パート・アルバイトにも1ヶ月単位の変形労働時間制を適用できますか?

できます。法令上、対象労働者の範囲に制限はありません。ただし範囲は協定や就業規則で明確にし、18歳未満の人や請求のあった妊産婦には適用しない扱いが必要です。

給与の締日(20日締めなど)に合わせて変形期間を決めてもよいですか?

1か月以内であれば起算日は自由に決められます。起算日を協定や就業規則に明記し、総枠はその期間の暦日数で計算します。

1ヶ月単位の変形労働時間制を入れれば、36協定は不要ですか?

不要にはなりません。変形労働時間制は所定労働時間の配分を変える制度で、①〜③で時間外労働が出る場合は36協定の締結・届出と割増賃金の支払いが必要です。

1年単位の変形労働時間制との違いは何ですか?

1年単位(労働基準法32条の4)は、1か月を超え1年以内の期間で使う制度で、労使協定が必須です。シフトを毎月作り直す職場や、月内の繁閑に合わせたい職場は1ヶ月単位が向いています。

まとめ

  • 1ヶ月単位の変形労働時間制は、労使協定か就業規則で導入し、1か月以内の期間を平均して週40時間(特例措置対象事業場は44時間)以内に収める制度
  • 協定で導入したら様式第3号の2で届け出る。10人以上の事業場は就業規則にも始業・終業時刻を定める
  • 総枠は「40時間×暦日数÷7」。31日177.1時間、30日171.4時間、29日165.7時間、28日160.0時間
  • シフト表は期間開始前に確定させる。開始後に会社都合で動かすと変形労働時間制が否定されるおそれがある
  • 時間外は1日→1週→期間の3段階で判定する。所定どおりの勤務でも月末に時間外になることがある

本記事は2026年10月時点の法令・公的資料にもとづいています。個別の事業場での導入可否や運用の判断は、社会保険労務士や所轄の労働基準監督署にご確認ください。

参考文献

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