給与支払報告書の書き方|総括表・個人別明細書の記入例と提出先【令和9年1月提出】
給与支払報告書は、会社が従業員ごとの前年の給与を市区町村に報告し、住民税を計算してもらうための書類です。令和8年分(令和9年度)は、令和9年2月1日(月)までに、従業員の令和9年1月1日現在の住所地の市区町村へ提出します。総括表1枚と、従業員1人につき個人別明細書1枚が基本のセットです。
今回から大きく変わるのは、税務署との関係です。令和8年分からは、給与支払報告書を市区町村に出せば、税務署へ源泉徴収票を出したものとみなされます(源泉徴収票のみなし提出の特例)。税務署用の源泉徴収票を作る手間がなくなるぶん、給与支払報告書の正確さがそのまま税務署側の記録にもなります。この記事では、どの自治体でも共通する書き方を軸に、総括表の欄ごとの記入例、普通徴収切替理由書の符号、電子提出の義務までを1本にまとめました。
この記事で分かること
- 令和9年1月提出分の期限・提出先・提出範囲と、みなし提出の特例で何が変わるか
- 総括表の欄ごとの書き方と、受給者総人員・報告人員の数え方
- 個人別明細書が源泉徴収票と違う点(住所の基準日・マイナンバー・摘要欄)
- 普通徴収切替理由書の符号が自治体ごとに違うこと(東京都と大阪市の比較)
- eLTAXでの提出義務が「30枚以上」に下がった判定方法と、提出前のチェックリスト
- 経理・会計事務所の作業のうち、AIに任せてよい範囲とプロンプト例
給与支払報告書とは|源泉徴収票との違いと令和9年1月からの変化
市区町村が住民税を計算するための資料
源泉徴収票は所得税の書類で、従業員本人に交付し、これまでは一定の範囲を税務署にも提出してきました。給与支払報告書は住民税の書類で、提出先は市区町村です。市区町村はこの報告書をもとに住民税額を計算し、5月ごろに会社へ特別徴収税額の通知を送ります。
大阪市の案内では、源泉徴収義務のある事業主は法人・個人を問わず、給与の多少にかかわらず、パート・アルバイトや役員を含む全従業員分を作成・提出する義務がある(地方税法第317条の6)と説明しています。「年末調整をしていないから」「金額が少ないから」は出さない理由になりません。
令和8年分から、税務署への源泉徴収票の提出が不要に
国税庁の源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページによると、令和9年1月1日以後に市区町村へ給与支払報告書を提出した場合、税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされます。対象は令和8年分以後の源泉徴収票です。eLTAX・光ディスク等・書面のどの方法で出しても特例の対象になります。
注意点は3つあります。まず、従業員本人への源泉徴収票の交付はこれまでどおり必要です。次に、逆向きのみなしはありません。税務署に源泉徴収票を出しても、市区町村に給与支払報告書を出したことにはなりません。最後に、令和7年分以前の源泉徴収票は特例の対象外です。出し忘れや訂正は、従来どおり税務署へ出します。
作る枚数は「本人交付用1枚+市区町村提出用1枚」
国税庁の令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引では、特例を受ける場合の作成枚数を、受給者交付用の源泉徴収票1枚と、市区町村提出用の給与支払報告書1枚の計2枚としています。
項目 | 令和7年分まで | 令和8年分から(令和9年1月提出) |
|---|---|---|
市区町村へ | 給与支払報告書(総括表・個人別明細書) | 同じ(これを出すと税務署にも出したことになる) |
税務署へ | 源泉徴収票(一定額を超える人だけ)+法定調書合計表 | 給与所得の源泉徴収票は不要 |
従業員本人へ | 源泉徴収票を交付 | 同じ(全員に交付) |
源泉徴収票の提出範囲 | 役員150万円超、一般500万円超など | 給与支払報告書と同じ(退職者で30万円以下を除く全員) |
法定調書合計表は、税務署に出す調書がなければ不要になります。ただし合計表は6種類の調書の兼用様式なので、報酬・料金等の支払調書や退職所得の源泉徴収票を税務署に出す会社は、それらについて記載した合計表を引き続き出します(国税庁みなし提出の特例に関するQ&A問8)。源泉徴収票そのものの欄ごとの書き方と交付期限は、源泉徴収票の書き方|欄別の記入例と令和8年分の変更点で詳しく解説しています。
提出期限・提出先・提出範囲|令和9年度(令和8年分)
期限は令和9年2月1日(月)
法律上の期限は1月31日ですが、令和9年1月31日は日曜日です。国税庁の手引でも、給与支払報告書の提出期限は「令和9年2月1日(月)」と明記されています。ただ、紙で出す場合は郵送日数がかかり、eLTAXでも初めて使う場合は事前の利用届出が要ります。社内締切は1月中旬、顧問先からの資料回収は年末調整の完了時点に置くのが現実的です。
提出先は「1月1日現在の住所地」、退職者は退職時の住所地
提出先は、従業員の令和9年1月1日現在の住所がある市区町村です。会社の所在地でも、勤務先の事業所の所在地でもありません。年の途中で退職した人は、退職時の住所地の市区町村に出します。
実務で間違いが多いのは、年末から年始に引っ越した人です。12月中に転居していれば新住所の市区町村、1月2日以降の転居なら旧住所の市区町村が提出先になります。年末調整のときに、扶養控除等申告書の住所が1月1日時点のものか、本人に確認しておくと安全です。
提出範囲は「ほぼ全員」
提出が必要なのは、令和8年中に給与を支払ったすべての人です。例外は、年の途中で退職し、その年の支払額が30万円以下の人だけです。それも「省略できる」という扱いで、岩手県久慈市のように公平・適正な課税のため提出をお願いしている自治体もあります。
従業員の状況 | 提出の要否 | 提出先 |
|---|---|---|
1月1日に在職している人(パート・役員を含む) | 必要 | 1月1日現在の住所地 |
年の途中で退職、支払額30万円超 | 必要 | 退職時の住所地 |
年の途中で退職、支払額30万円以下 | 省略可(提出を求める自治体あり) | 退職時の住所地 |
給与が2,000万円を超え年末調整をしていない人 | 必要 | 1月1日現在の住所地 |
乙欄の人(他社がメインの人) | 必要 | 1月1日現在の住所地 |
総括表の書き方|欄ごとの記入例
総括表は、提出先の市区町村ごとに1枚作る「表紙」です。様式は自治体ごとに少しずつ違いますが、欄の構成はほぼ共通しています。以下は板橋区が公開している記入例をもとに、どの自治体でも通用する書き方を整理したものです。
欄 | 書き方 | よくある間違い |
|---|---|---|
提出区分(追加・訂正) | 初回は空欄。後から追加・訂正するときに○を付ける | 訂正分なのに区分が無記入で、二重登録になる |
指定番号 | 前年に市区町村から通知された番号(特別徴収義務者の番号) | 別の自治体の番号を書く |
給与の支払期間 | 令和8年1月分から12月分まで(途中開業なら開始月から) | 年度(令和9年度)と年分(令和8年分)を取り違える |
給与支払者の個人番号又は法人番号 | 法人は13桁の法人番号。個人事業主は個人番号(左を1文字空ける) | 法人なのに代表者の個人番号を書く |
給与支払者の氏名又は名称 | 法人名または個人事業主名。屋号があれば併記 | 屋号だけで本人名がない |
代表者の氏名 | 法人の場合に代表者の役職と氏名 | 空欄 |
連絡者・関与税理士等 | 問い合わせに答える担当者と電話番号。顧問の会計事務所があれば事務所名と電話番号 | 代表番号だけで担当者が分からない |
受給者総人員 | 1月1日現在、その事務所等から給与を受けている人の総数(ほかの市区町村に住む人を含む) | 提出先の市区町村の人数だけを書く |
報告人員 | その市区町村に出す個人別明細書の人数(特別徴収・普通徴収の内訳つき) | 退職者を数えない、内訳の合計が合わない |
給与の支払方法及びその期日 | 「月給・毎月25日」のように記入 | 空欄 |
納入書の送付 | 市区町村からの納入書が必要かどうか | 電子納税にしたのに「必要」のまま |
受給者総人員と報告人員は数え方が違う
もっとも間違えやすいのがこの2つの欄です。受給者総人員は給与を支払う事務所等の全体の人数なので、どの市区町村あての総括表にも同じ数字が入ります。報告人員はその市区町村に出す個人別明細書の枚数で、前年中の退職者も含めて数えます。報告人員はさらに「特別徴収」「普通徴収(退職者)」「普通徴収(退職者を除く)」に分けて書き、その合計が個人別明細書の枚数と一致しているかを確認します。
横浜市は、市内在住の従業員がいない場合でも、送付済みの総括表に受給者総人員と報告人員0人を書いて出すよう求めています。前年まで提出していた自治体から総括表が届いたのに今回は該当者がいない、という場合は、自治体の案内を確認してください。
市区町村から届く総括表を使う
前年に書面で提出した会社には、名称・所在地・指定番号を印字した総括表を送ってくる自治体があります(大阪市は12月上旬に送付)。届いた場合はそれを使うと、指定番号の照合がスムーズです。様式は年度ごとに変わるため、必ず「令和9年度」用を使います。
個人別明細書の書き方|源泉徴収票と違う3つの点
個人別明細書の記載項目は、源泉徴収票とほぼ同じです。支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額、控除対象配偶者や扶養親族などの欄の書き方は、国税庁の手引のとおりで共通しています。そのうえで、市区町村に出すからこその違いが3つあります。
1. 住所は1月1日現在、退職者は退職時
受給者の住所欄は、令和9年1月1日現在の住所を書きます。年の途中で退職した人は退職時の住所です。源泉徴収票の作成時点の住所をそのまま流用すると、提出先の市区町村と住所欄が食い違うことがあります。
2. マイナンバーは16歳未満の扶養親族の分も書く
本人に渡す源泉徴収票にはマイナンバーを書きません。一方、市区町村に出す給与支払報告書には、受給者本人と配偶者・扶養親族のマイナンバーを書きます。国税庁の手引では、市区町村に出す給与支払報告書には16歳未満の扶養親族のマイナンバーも記載することになっている、と注意しています。
3. 摘要欄に前職分と普通徴収の符号を書く
中途入社の人について前職の給与を含めて年末調整した場合は、摘要欄に前職の会社名、支払金額、社会保険料、源泉徴収税額を書きます。板橋区も、この記載を必ずするよう求めています。また、普通徴収にする人は、摘要欄に自治体の決めた符号(次の章で説明)を書くのが一般的です。中途就職・退職の欄は、令和8年中の日付を書きます。
年末調整の申告書から明細書の各欄への転記ルールは、年末調整の書き方【令和8年分】申告書の記入手順と合わせて読むと、どこから数字が来るのかが追いやすくなります。
普通徴収切替理由書の書き方|符号は自治体ごとに違う
住民税は、給与から天引きする特別徴収が原則です。本人が自分で納める普通徴収にできるのは、自治体が定めた理由に当てはまる人だけです。理由を示す書類が「普通徴収切替理由書(兼仕切紙)」で、これがないと全員が特別徴収として扱われます。
理由と符号は自治体(都道府県の統一基準)で異なる
ここがネット上の記入例をそのまま使えない理由です。同じ「退職者」でも、東京都内では「普F」、大阪市では「a」になります。必ず提出先の自治体の様式を見て符号を書きます。
理由 | 東京都統一基準(板橋区の案内) | 大阪市 |
|---|---|---|
総従業員数が2名以下 | 普A | (該当する区分なし) |
他の事業所で特別徴収されている(乙欄等) | 普B | d |
給与が少なく税額を引けない | 普C | b |
給与の支払が不定期(毎月でない等) | 普D | c |
事業専従者(個人事業主のみ) | 普E | (該当する区分なし) |
退職者・退職予定者 | 普F(令和8年度は5月末までの退職予定、休職者も対象) | a(提出年の5月31日までの退職予定者を含む) |
上の表は、各自治体が令和8年度向けに公開している案内をもとにしています。令和9年度の基準や符号は、提出前に提出先の最新の案内で確認してください。どちらの自治体も、ここに挙げた理由以外では普通徴収にできないとしています。「本人が希望したから」は理由になりません。
書面で出すときは「仕切紙」として挟む
書面の場合、普通徴収切替理由書は特別徴収分と普通徴収分の明細書を分ける仕切りの役割を兼ねます。横浜市は次の順番で重ね、ホチキスではなくクリップで留めるよう案内しています。
- 総括表
- 個人別明細書(特別徴収分)
- 普通徴収切替理由書(兼仕切紙)
- 個人別明細書(普通徴収分)
理由書には、符号ごとの人数を記入します。普通徴収分の明細書の摘要欄にも同じ符号を書き、人数と枚数を合わせます。
eLTAXで出すときは「普通徴収」欄のチェックと摘要の符号
eLTAXでは理由書を添付する代わりに、個人別明細書データの「普通徴収」欄にチェックを入れます。大阪市は、あわせて摘要欄の最初に符号を入力するよう求めています。チェックや符号がなければ特別徴収として扱われるため、普通徴収の人の扱いは提出前に一覧で確認します。
提出後に退職した人は「給与所得者異動届出書」
1月に特別徴収で報告した人が、その後に退職や休職をした場合は、給与所得者異動届出書を出します。大阪市は、普通徴収へ切り替えるための提出期限を4月15日としています(令和8年度の案内。横浜市も一定の場合に同じ日を期限としています)。期限を過ぎると、会社に特別徴収の税額通知が届いてしまいます。
提出方法と電子提出の義務|30枚以上はeLTAXか光ディスク
提出方法は、eLTAX(地方税ポータルシステム)、光ディスク等、書面の3つです。eLTAXなら、1回の送信でデータが各市区町村に自動で振り分けられます。さらに令和8年分からは、eLTAXで出した給与支払報告書の情報が、従業員が確定申告をするときのマイナポータル連携の対象になります。書面や光ディスクで出した分は対象外です。
電子提出の義務は「100枚以上」から「30枚以上」へ
国税庁のリーフレット「e-Tax等による法定調書の提出が義務化されています」(令和8年8月)によると、給与支払報告書も、基準年(前々年)に提出すべきだった給与所得の源泉徴収票が30枚以上なら、eLTAXか光ディスク等で出す必要があります。令和8年までは100枚以上が基準でした。
令和9年1月に出す給与支払報告書の場合、基準年は令和7年です。つまり、令和7年1月に税務署へ出すべきだった源泉徴収票(令和6年分)が30枚以上なら、今回は書面で出せません。ここでの枚数は、市区町村に出した報告書の枚数ではなく、改正前の税務署向けの提出範囲(役員150万円超・一般500万円超など)で数えた枚数です。国税庁のQ&A問9では、乙欄の少額分などは数に入らない計算例を示しています。また、みなし提出で実際に税務署に出した枚数が0枚でも、「提出すべきだった枚数」は0枚にならない点にも注意が必要です。
源泉徴収票との「一元化機能」は令和8年9月で終了
これまでeLTAXには、源泉徴収票と給与支払報告書を1回の操作で税務署と市区町村に出せる「電子的提出の一元化機能」がありました。国税庁の特設ページでは、この機能は令和8年9月をもって終了するとしています。前年の操作手順書に一元化の手順が残っている場合は、今回から書き換えが必要です。
初めてeLTAXを使う場合は利用届出が必要です。大阪市は遅くとも12月までの手続きを勧めています。給与計算ソフトがeLTAX形式の出力に対応しているかも、年内に確認しておきます。
よくあるミスと訂正・追加の方法
給与支払報告書の誤りは、住民税の税額通知の誤りにつながります。さらに令和8年分からは、税務署に出した源泉徴収票の誤りでもあることになります。現場で多いミスは次のとおりです。
- 1月1日住所ではなく、入社時の住所のまま提出した
- 前職分を合算して年末調整したのに、摘要欄に前職の情報がない
- 普通徴収にしたい人の符号やチェックが漏れ、特別徴収で税額通知が届いた
- 退職者を報告人員に数えず、総括表と明細書の枚数が合わない
- 年度(令和9年度)用の様式ではなく、前年度の様式を使った
誤りに気づいたら、eLTAXで出した分は提出区分を「訂正」にして出し直します。書面や光ディスクで出した分は、訂正方法が市区町村ごとに異なるため、提出先に問い合わせます(国税庁Q&A問12)。訂正した報告書を市区町村に出せば、税務署に訂正後の源泉徴収票を出したものとみなされるので、税務署へ別途出す必要はありません。本人に渡した源泉徴収票に同じ誤りがあれば、正しいものを渡し直しておきましょう。
提出前チェックリスト
- 提出先は従業員ごとの令和9年1月1日現在の住所(退職者は退職時の住所)で振り分けたか
- 令和8年中に退職した人のうち、支払額30万円超の人を漏れなく入れたか
- 総括表の受給者総人員は会社全体、報告人員はその市区町村分になっているか
- 報告人員の内訳(特別徴収・普通徴収)の合計と明細書の枚数が一致しているか
- 普通徴収の人は、提出先の基準に当てはまり、符号とチェックが入っているか
- 本人・配偶者・扶養親族(16歳未満を含む)のマイナンバーが入っているか
- 前職分を合算した人の摘要欄に、前職の会社名と金額が書いてあるか
- 基準年(令和7年)の源泉徴収票が改正前の範囲で30枚以上なら、eLTAXか光ディスクで出す準備ができているか
- 全員分の源泉徴収票を本人に交付したか(退職者は退職日から1か月以内)
- 令和9年度用の様式を使い、期限(令和9年2月1日)より前の社内締切を設けたか
年末調整の書類回収から提出までの流れ全体を短くしたい場合は、年末調整の効率化【2026年】回収・不備チェック・電子化をAIでも参考になります。
AIに任せる範囲とプロンプト例
給与支払報告書づくりの中心は給与計算ソフトです。金額の計算や様式への出力はソフトに任せるのが正解で、AIの出番は「一覧を突き合わせて漏れや食い違いを見つける」「自治体ごとの案内を読み比べる」といった確認の作業です。
AIに任せてよい作業・任せない作業
作業 | AIに任せる? | 理由 |
|---|---|---|
従業員一覧から提出先別の人数を集計する | 任せてよい | 表の集計で、結果を総括表と照合できる |
普通徴収の候補を洗い出す | 下書きまで | 自治体の基準を貼れば当てはめはできるが、最終判断は人が行う |
摘要欄の記載漏れを探す | 任せてよい | 中途入社者・退職者の条件で機械的に拾える |
提出期限・符号・枚数基準を答えさせる | 任せない | 年度で変わる。一次情報で確認する |
マイナンバー入りのデータを貼る | しない | 番号は社員IDなどに置き換えてから使う |
プロンプト1:提出先別の人数集計と総括表の検算
あなたは経理担当者の補助です。以下の従業員一覧(CSV)から、給与支払報告書の提出先ごとに人数を集計してください。
【ルール】
・提出先は「1月1日現在の住所の市区町村」。ただし令和8年中の退職者は「退職時の住所の市区町村」
・令和8年中に退職し、支払金額が30万円以下の人は「省略可」として別枠に出す
・提出先ごとに「特別徴収」「普通徴収(退職者)」「普通徴収(退職者を除く)」の人数と合計を表にする
・最後に、会社全体の受給者総人員を1行で示す
・判断できない行(住所が空欄など)は推測せず、社員IDを挙げて「要確認」とする
【従業員一覧】
社員ID,1月1日住所の市区町村,退職日,退職時住所の市区町村,令和8年支払金額,徴収区分の希望
【ここにCSVを貼る(氏名・マイナンバーは入れない)】うまくいかない例→直し方:「住所」の列が1つしかないと、AIは退職者も1月1日住所で振り分けてしまいます。退職時の住所を別の列に分け、ルールに「退職者は退職時の住所」と明記すると、提出先の取り違えが減ります。
プロンプト2:普通徴収の候補を自治体の基準で当てはめる
次の【自治体の普通徴収切替基準】に従い、【従業員一覧】のうち普通徴収にできる可能性がある人を挙げてください。
【出力】社員ID/当てはまる符号/根拠にした列の値/確信度(高・低)
【注意】
・基準に書かれていない理由(本人の希望など)では普通徴収にしない
・どの符号にも当てはまらない人は「特別徴収」とする
・符号は基準に書かれた表記をそのまま使い、別の自治体の符号を使わない
【自治体の普通徴収切替基準】
【提出先の自治体の案内文を貼る】
【従業員一覧】
社員ID,提出先,在籍状況,退職日,毎月の支給の有無,乙欄,事業専従者
【ここに貼る】うまくいかない例→直し方:基準を貼らずに「普通徴収の符号を付けて」とだけ頼むと、AIは別の地域でよく見る符号を当てはめがちです。提出先ごとに基準の文面を貼り、提出先ごとに分けて実行します。
プロンプト3:個人別明細書の記載漏れチェック
給与支払報告書(個人別明細書)の作成前チェックをします。以下の一覧から、記載漏れの可能性がある行を指摘してください。
【チェック項目】
1. 令和8年中の中途入社で、前職の給与を合算して年末調整した人に「前職の会社名・支払金額・社会保険料・源泉徴収税額」が入っているか
2. 令和8年中の退職者に退職年月日が入っているか(令和8年中の日付か)
3. 16歳未満の扶養親族がいる人に、その人数と「番号記載済み」のフラグがあるか
4. 普通徴収の人に符号が入っているか
【出力】社員ID/該当項目/不足している情報/確認先(本人・前職の源泉徴収票など)
【一覧】
【ここに貼る(マイナンバーは「記載済み/未」のフラグに置き換える)】うまくいかない例→直し方:「おかしいところを探して」と頼むと、税額の再計算まで始めてしまい、ソフトの正しい計算に疑問を出すことがあります。チェック項目を番号で限定し、計算はしないよう一文足すと、指摘が絞られます。
汎用のAIでも、表の突き合わせ程度なら十分に役立ちます。士業AIは、経理や会計事務所の実務文書を前提にした日本語のAIで、こうした確認作業や顧問先への資料依頼文の下書きを業務の流れの中で扱えるようにしています。経理担当者や会計事務所スタッフの使い方は経理担当者向け士業AIのご紹介にまとめています。給与計算そのものの検算に使うプロンプトは、給与計算のチェックをAIで|検算・社会保険料確認プロンプト集が参考になります。
まとめ|「1月1日の住所」「符号」「30枚」の3点を先に固める
令和8年分の給与支払報告書は、令和9年2月1日(月)までに、従業員の1月1日現在の住所地(退職者は退職時の住所地)の市区町村へ出します。市区町村に出せば税務署への源泉徴収票の提出は不要になりますが、本人への交付は続きます。また、報告書の誤りは税務署側の記録の誤りにもなります。
書き方そのものは源泉徴収票とほぼ共通です。差が出るのは、総括表の人数の数え方、普通徴収の符号、電子提出の義務の3点です。とくに符号と様式は自治体ごとに違うため、提出先の最新の案内と国税庁のみなし提出の特例 特設ページを見ながら進めてください。報酬や料金の支払調書を税務署に出す場合は、支払調書の書き方【令和8年分】で提出範囲を確認しておくと、1月の作業がまとめて片付きます。

