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入社手続きチェックリスト|4月入社に総務・経理がやることと必要書類

入社手続きは、内定から入社後の翌月までに「従業員から書類を集める」「会社が書類を渡す」「役所へ届け出る」の3種類の作業を、期限の違う順番でこなす仕事です。期限が法令で決まっている届出は、健康保険・厚生年金保険の資格取得届(入社から5日以内)、健康保険の被扶養者(異動)届(5日以内)、雇用保険の資格取得届(入社した月の翌月10日まで)の3つで、ここを起点に段取りを組むと漏れが減ります。

4月入社は新卒の一斉入社と中途入社が重なり、総務・経理の手元に同じ種類の書類が何十人分も集まる時期です。この記事では、入社前・入社日・入社後(5日以内/10日以内/翌月)の時系列チェックリストと、集める書類・出す書類の一覧表をまとめました。表はそのまま社内のチェックシートに貼り付けて使えます。各届出の欄ごとの書き方は、それぞれの解説記事へ案内します。

この記事で分かること

  • 入社手続きの全体の流れと、期限が決まっている3つの届出
  • 内定〜入社日の前日までに済ませておくこと
  • 会社が従業員から集める書類と、会社が作る・届け出る書類の一覧
  • 入社後5日以内・10日以内・翌月にやることの順番
  • コピペで使える入社手続きチェックリスト(新卒用・中途/パート用)
  • AIでチェックリストや内定者への案内文を自社用に整えるプロンプト例

入社手続きの流れ|いつまでに何をするかの早見表

最初に全体像を押さえます。入社手続きは「入社前」「入社日」「入社後5日以内」「入社後10日以内〜翌月」の4つの区切りで考えると整理しやすくなります。下の表は、4月1日入社の正社員を想定した標準的な流れです。

時期

主な作業

相手・提出先

内定〜入社の1か月前

労働条件の確定、労働条件通知書・雇用契約書の準備、提出書類の案内送付

内定者

入社の2週間前〜前日

書類の回収・不足の催促、マイナンバーの本人確認の準備、雇入時の健康診断の段取り、労働者名簿・給与マスタの下準備

内定者・社内

入社日

労働条件通知書・雇用契約書の交付と署名、扶養控除等申告書・誓約書などの回収、就業規則の周知

本人

入社から5日以内

健康保険・厚生年金保険の資格取得届、被扶養者がいれば被扶養者(異動)届

日本年金機構(事務センター・年金事務所)

最初の給与の前日まで

扶養控除等申告書の受け取り(源泉徴収の甲欄・乙欄が決まる)

本人(会社で保管)

入社した月の翌月10日まで

雇用保険の資格取得届

ハローワーク

入社後の最初の給与〜翌月

住民税の特別徴収の切替(中途入社)、初回の給与計算と保険料控除の確認

市区町村・社内

期限が法令で決まっているのは3つの届出

入社手続きのうち、提出期限がはっきり決まっている役所への届出は次の3つです。どれも日本年金機構・厚生労働省の公式ページで確認できます。

届出

提出先

期限

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

事務センターまたは管轄の年金事務所

事実発生(入社)から5日以内

健康保険 被扶養者(異動)届

事務センターまたは管轄の年金事務所

事実発生から5日以内

雇用保険 被保険者資格取得届

事業所を管轄するハローワーク

被保険者となった日の属する月の翌月10日まで

出典は日本年金機構の「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」と「従業員が家族を被扶養者にするとき」、厚生労働省の「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」です。社会保険の2つは日数で、雇用保険は月単位で期限が決まるため、同じ日に入社した人でも締切日がずれます。

4月1日入社なら「4月上旬」と「5月10日」の2つの山

4月1日に入社した人の場合、社会保険の資格取得届と被扶養者(異動)届は4月の第1週のうちに出す計算になります。雇用保険の資格取得届は5月10日までです。新卒の一斉入社では、入社式や研修の週と社会保険の届出の締切が重なるので、内定者からの書類回収を3月中に終えておくのが現実的です。

社会保険と雇用保険の資格取得届の違い(加入基準・電子申請義務の範囲など)は、社会保険の資格取得届の書き方と4月入社の記入例で比較表にしています。

入社前(内定〜入社日の前日)のチェックリスト

入社前の準備で入社後の作業量が決まります。この段階でやることは、条件を確定して書面にすること、集める書類を案内すること、社内の受け入れ準備の3つです。

労働条件を確定し、労働条件通知書・雇用契約書を用意する

賃金・労働時間・就業場所・業務内容・契約期間などの労働条件は、労働契約を結ぶときに書面で明示する義務があります(労働基準法15条)。2024年4月からは、就業場所・業務の「変更の範囲」なども明示事項に加わりました。実務では「労働条件通知書 兼 雇用契約書」の1枚にまとめて、入社日までに本人に渡して署名をもらう会社が多いです。

通知書の賃金欄は、あとで社会保険の資格取得届の報酬月額を計算するときの元資料にもなります。基本給だけでなく、通勤手当・住宅手当などの手当を分けて書いておくと、入社後の届出がスムーズです。明示事項と様式は労働条件通知書の明示事項と記載例、契約書と兼用にするときの書き方は雇用契約書のひな形(労働条件通知書 兼 雇用契約書)で解説しています。

内定者に提出書類の案内を出す

集める書類は、入社日の2〜4週間前には一覧にして内定者に送ります。ポイントは「何を・いつまでに・どの形で(原本/コピー/データ)」を1枚にまとめることです。マイナンバーは郵送やメール添付で送らせず、入社日に本人確認とあわせて受け取るなど、受け取り方も案内に書いておきます。

中途入社の人には、前職の源泉徴収票と雇用保険被保険者証を「退職時に前の会社から受け取ってください」と早めに伝えます。退職後に前職へ再発行を頼むのは本人にとって手間で、届くまでの間は会社側の手続きも止まります。

社内の受け入れ準備

  • 雇入時の健康診断:常時使用する労働者を雇い入れるときは、医師による健康診断を行う義務があります(労働安全衛生規則43条。厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」)。受診先と日程を決めておきます。
  • 労働者名簿・賃金台帳の枠:入社日から記入できるよう、名簿と給与システムのマスタを用意します。名簿の記載事項は労働者名簿テンプレート(様式第19号準拠)を参照してください。
  • 就業規則の周知:入社日に読める状態にしておき、説明の時間を研修の予定に入れます。
  • 給与の締め日と初回支給日の確認:初回の給与日がいつかで、扶養控除等申告書の回収期限が決まります。
  • PC・アカウント・入館証:情報システム担当と、貸与物の一覧と受領書の形式をすり合わせます。

会社が従業員から集める書類一覧

従業員から受け取る書類は、全員から集めるものと、該当する人だけ集めるものに分かれます。下の表をそのまま案内文の元にしてください。

書類

対象

何に使うか

注意点

マイナンバー(個人番号)

全員(扶養家族の分も)

社会保険・雇用保険の資格取得届、源泉徴収票など

番号確認と身元確認をして受け取る。利用目的を本人に伝える

基礎年金番号が分かる書類(基礎年金番号通知書・年金手帳)

マイナンバーを届書に書けない人

社会保険の資格取得届

令和4年4月以降に初めて加入した人は年金手帳ではなく基礎年金番号通知書

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

全員(扶養家族がいなくても)

毎月の源泉徴収(甲欄の適用)と年末調整

最初の給与の前日までに提出。出ていないと乙欄になる

給与振込口座の届出

全員

給与の振込

口座振込は本人の同意が前提。同意書と兼ねる様式にしておく

雇用保険被保険者証

前職で雇用保険に入っていた人

雇用保険の資格取得届(被保険者番号の確認)

退職時に前職から受け取っているかを確認

前職の源泉徴収票(その年分)

年の途中で入社した人

年末調整で前職分の給与と税額を合算

入社時に出せなければ年末調整までに回収

被扶養者の続柄・収入が分かる書類

家族を健康保険の扶養に入れる人

被扶養者(異動)届の添付

続柄は戸籍謄本または住民票、収入は状況に応じた書類

誓約書・身元保証書

会社の規程で定めている場合

秘密保持・服務規律の確認、身元保証

身元保証書は期間と極度額の定めに注意

通勤経路の申請書

通勤手当を支給する人

通勤手当の計算、社会保険の報酬月額

通勤手当も報酬月額に含める

資格・免許の写し、卒業証明書など

業務上必要な場合

職務の確認

必要なものに絞る。目的外の書類は集めない

マイナンバーは本人確認とセットで受け取る

マイナンバーを受け取るときは、番号が正しいかの確認(番号確認)と、本人であることの確認(身元確認)の両方が必要です。マイナンバーカードの提示を受ければ1枚で両方を確認できます。カードがない人は、通知カードや番号付きの住民票で番号を確認し、運転免許証などで身元を確認します。

社会保険の資格取得届は、マイナンバーか基礎年金番号のどちらかが書かれていないと返戻されます(日本年金機構)。扶養家族の分のマイナンバーも、被扶養者(異動)届や扶養控除等申告書で使うため、入社時にまとめて集めておくと二度手間になりません。

「年金手帳を出して」と案内すると新卒が困る

令和4年4月以降に初めて年金制度に加入した人には、年金手帳の代わりに「基礎年金番号通知書」が発行されています。すでに年金手帳を持っている人は、引き続き手帳で基礎年金番号を確認します(日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」)。案内文は「年金手帳または基礎年金番号通知書(どちらか)」と書いておくと、問い合わせが減ります。マイナンバーで届け出るなら、どちらも提出不要です。

中途入社の人だけ集めるもの

中途入社では、前職の情報を引き継ぐ書類が3つ増えます。雇用保険被保険者証(雇用保険の被保険者番号の確認)、その年分の源泉徴収票(年末調整)、そして住民税の特別徴収を引き継ぐための「給与所得者異動届出書」です。

源泉徴収票は、年の途中で入社した人の年末調整で使います。前の勤務先に扶養控除等申告書を出して給与を受けていた人は、その給与も含めて年末調整を行う必要があり、前職分が源泉徴収票などで確認できなければ年末調整はできません(国税庁 No.2674 中途就職者の年末調整)。入社時に間に合わなくても、11月の年末調整の準備までには回収しておきます。

会社が作る・届け出る書類一覧

次に、会社側が作成して本人に渡す書類と、役所へ届け出る書類です。提出先と期限を1枚の表にしておくと、担当が交代しても引き継げます。

書類

渡す相手・提出先

期限・時期

詳しい書き方

労働条件通知書(兼 雇用契約書)

本人

労働契約を結ぶとき

労働条件通知書の記載例

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

日本年金機構

入社から5日以内

資格取得届の書き方

健康保険 被扶養者(異動)届

日本年金機構

事実発生から5日以内

被扶養者異動届の書き方

雇用保険 被保険者資格取得届

ハローワーク

入社した月の翌月10日まで

本記事の「入社後10日以内〜翌月」の節

給与所得者異動届出書(住民税の特別徴収の継続)

本人の住所地の市区町村

市区町村の案内に従う

本記事の「住民税」の節

労働者名簿

社内で作成・保存

雇い入れたら作成

労働者名簿テンプレート

雇用保険被保険者証・資格取得等確認通知書

本人へ交付

ハローワークから届いたら

受け取ったら本人に渡す

このほか、厚生年金基金や健康保険組合に加入している会社では、組合独自の届出や提出先がある場合があります。協会けんぽ以外の健康保険に入っている会社は、組合の案内を確認してください。

社会保険の届出全体(入社以外の算定基礎届・月額変更届・賞与支払届まで)の年間の流れは、社会保険の手続きをAIで効率化する実務で整理しています。

入社日〜入社後5日以内にやること

入社日に本人と交わす・回収するもの

  1. 労働条件通知書(兼 雇用契約書)の内容を説明し、署名をもらって1部を本人に渡す
  2. マイナンバーの本人確認をして番号を受け取る(扶養家族の分も)
  3. 扶養控除等申告書、給与振込口座の届出、通勤経路の申請書を回収する
  4. 会社の規程で定めている場合は、誓約書・身元保証書を受け取る
  5. 就業規則の場所と主な内容(勤務時間・休日・休暇の申請方法)を説明する
  6. 健康保険の扶養に入れる家族がいるかを確認し、いれば必要書類を案内する

誓約書と身元保証書は、何を誓約させるか・保証の期間と極度額をどう書くかで有効性が変わります。ひな形と注意点は誓約書テンプレート(入社誓約書・身元保証書つき)を参照してください。

社会保険の資格取得届・被扶養者(異動)届を5日以内に出す

健康保険・厚生年金保険の資格取得届は、入社から5日以内に事務センターまたは管轄の年金事務所へ出します。提出方法は電子申請・電子媒体・郵送・窓口持参から選べ、添付書類は原則不要です(日本年金機構)。配偶者や子を扶養に入れる場合は、被扶養者(異動)届も同じく5日以内に出します。こちらは続柄と収入を確認する書類の添付が必要です(日本年金機構)。

この段階で詰まりやすいのは、報酬月額の計算と、扶養に入れる家族の収入の確認です。資格取得届の欄ごとの書き方と報酬月額の出し方は資格取得届の書き方(4月入社の記入例つき)、家族の年収要件と添付書類は被扶養者異動届の書き方で、それぞれ詳しく解説しています。

扶養控除等申告書は「最初の給与の前日まで」

扶養控除等申告書の提出期限は、年の途中で入社した人なら入社後最初の給与の支払を受ける日の前日までです(国税庁 A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告)。提出がないと、源泉徴収税額表の乙欄で天引きすることになり、年末調整の対象にもなりません。扶養家族のいない独身の新卒でも、本人欄だけ書いて出してもらう必要があります。

欄ごとの書き方と、令和9年分の様式で変わった判定基準の金額は扶養控除等申告書の書き方【令和9年分】で確認できます。4月入社の時点で使うのは令和9年分の様式です。

入社後10日以内〜翌月にやること

雇用保険の資格取得届は入社した月の翌月10日まで

雇用保険の資格取得届は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までに、事業所を管轄するハローワークへ出します。加入の対象は、31日以上引き続き雇用される見込みがあり、1週間の所定労働時間が20時間以上の人です(厚生労働省)。パート・アルバイトでもこの2つを満たせば対象になります。

資本金・出資金などが1億円を超える法人は、雇用保険の資格取得届を電子申請で出す義務があります(厚生労働省リーフレット「2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されます。」)。届出が受理されると、ハローワークから「雇用保険被保険者証」と「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」が交付されます。事業主はこれを本人に確実に渡す義務があります。

住民税の特別徴収を前職から引き継ぐ

中途入社の人が前の会社で住民税を給与天引き(特別徴収)されていた場合、新しい会社で天引きを続けるには「給与所得者異動届出書」を本人の住所地の市区町村に出します。たとえば横浜市は、異動届出書の「給与支払者」欄は異動前の勤務先が、「新しい勤務先」欄は異動後の勤務先が記入し、異動後の勤務先から提出するよう案内しています(横浜市「給与所得者異動届出書」のFAQ)。

実務では、前職が上半分を記入した異動届出書を本人経由で受け取るか、前職から直接送られてくることがあります。様式・提出先・締切は市区町村ごとに異なるため、本人の住所地の自治体のページで確認してください。前職で住民税をどう精算したか(一括徴収か、普通徴収に切り替えたか)は本人に聞かないと分からないので、入社時のヒアリング項目に入れておきます。

初回の給与計算の前に確認すること

  • 社会保険料を何月の給与から控除するか(自社の控除ルールと、資格取得届の取得年月日が合っているか)
  • 雇用保険料の控除対象か(31日以上・週20時間以上)
  • 源泉徴収は甲欄か乙欄か(扶養控除等申告書が出ているか)
  • 住民税を天引きするか(特別徴収を引き継いだか)
  • 通勤手当・各種手当が通知書どおりに給与マスタに入っているか

初回の給与は入社手続きの答え合わせです。控除の有無や金額の検算は給与計算のチェックをAIで行うプロンプト集も使えます。また、1月〜5月に資格を取得した人はその年の7月の算定基礎届の対象になるため、4月入社の人は入社した年の7月に標準報酬月額を決め直す手続きがあります。定時決定の考え方は算定基礎届の書き方を参照してください。

入社手続きは、書類の種類が多いわりに一つひとつは定型作業です。チェックリストの整備や内定者への案内文づくりなど、毎年同じ形で繰り返す部分は、AIに下書きさせると準備の時間を短くできます。社労士事務所のスタッフや経理総務の担当者が日々の定型業務でどう使うかは、事務所スタッフ・経理総務向けの士業AIで紹介しています。

コピペで使える入社手続きチェックリスト

ここまでの内容を、そのまま社内のチェックシートに貼れる形にまとめました。「完了」の列に日付と担当者のイニシャルを入れていく使い方を想定しています。

新卒・正社員用(4月1日入社の例)

時期

チェック項目

担当

完了

2月〜3月上旬

□ 労働条件(賃金・手当・勤務時間・配属)を確定した

人事

2月〜3月上旬

□ 労働条件通知書 兼 雇用契約書を作成した

人事・総務

3月上旬

□ 内定者に提出書類一覧・期限・提出方法を送った

総務

3月中

□ 雇入時の健康診断の受診先・日程を決めた

総務

3月中

□ 扶養に入れる家族の有無を確認した

総務

3月下旬

□ 給与マスタ・労働者名簿の枠を作った

経理・総務

入社日

□ 通知書・契約書を説明し、署名をもらって1部渡した

人事

入社日

□ マイナンバーを本人確認のうえ受け取った(家族分も)

総務

入社日

□ 扶養控除等申告書・口座の届出・通勤経路を回収した

経理

入社日

□ 誓約書・身元保証書を回収した(規程がある場合)

総務

入社から5日以内

□ 健康保険・厚生年金保険の資格取得届を出した

総務・社労士

入社から5日以内

□ 被扶養者(異動)届を出した(該当者のみ)

総務・社労士

最初の給与の前日まで

□ 扶養控除等申告書の記載漏れを確認した

経理

5月10日まで

□ 雇用保険の資格取得届を出した

総務・社労士

届いたら

□ 雇用保険被保険者証・確認通知書を本人に渡した

総務

初回給与の前

□ 保険料・源泉徴収・手当の設定を検算した

経理

6月

□ 7月の算定基礎届の対象者に4月入社の人を入れた

総務・社労士

中途入社・パートの追加項目

対象

チェック項目

担当

完了

中途入社

□ 前職の雇用保険被保険者証を受け取った

総務

中途入社

□ 前職のその年分の源泉徴収票を受け取った(年末調整まで)

経理

中途入社

□ 住民税の特別徴収を引き継ぐか確認し、異動届出書を出した

経理

中途入社

□ 他社でも働いていないか(二か所給与・二以上事業所勤務)を確認した

総務・経理

パート・アルバイト

□ 週の所定労働時間・契約期間から社会保険の加入要否を判定した

総務・社労士

パート・アルバイト

□ 31日以上の雇用見込み・週20時間以上で雇用保険の加入要否を判定した

総務・社労士

パート・アルバイト

□ 有期契約なら更新の有無・更新上限を通知書に書いた

人事

60歳以上・外国籍など

□ 資格取得届の備考欄・添付書類の要否を確認した

総務・社労士

パートの社会保険の加入基準は、2026年10月1日に短時間労働者の賃金要件(月額8.8万円)が撤廃されるなど、ここ数年で変わっています。週20時間以上のパートを採用するときの判定は、106万円の壁の撤廃と適用拡大の早見表で確認してください。

入社手続きでよくある漏れと差し戻し

現場で多いのは、書類の不備そのものより「誰がいつ確認するか」が決まっていないことによる漏れです。よくあるパターンと防ぎ方をまとめます。

よくある漏れ

起きる理由

防ぎ方

社会保険の資格取得届が5日を過ぎる

入社日にマイナンバーが集まらない

内定者案内でマイナンバーの持参を入社日指定にし、カード・通知カードの持参を明記

扶養控除等申告書が出ないまま初回給与

「扶養家族がいないから不要」と思われている

全員提出と案内し、出ていない人は乙欄になると説明

家族の扶養の届出が後回し

家族の収入書類が揃わない

入社前に扶養の有無と必要書類を聞いておく

中途入社の住民税が普通徴収に切り替わる

前職からの異動届出書の受け渡しが遅れる

入社時に前職での住民税の扱いを本人に確認する

雇用保険被保険者証が本人に渡っていない

ハローワークからの書類を総務で保管したまま

受け取ったら交付日をチェックリストに記録

前職の源泉徴収票が年末調整までに揃わない

入社時に依頼していない

入社時の書類一覧に含め、10月に再催促

出し忘れが後で分かった場合でも、資格取得届は出し直す必要があり、保険料はさかのぼって発生します(詳しくは資格取得届の解説記事)。期限を過ぎたと気づいた時点で、すぐ提出の準備に入るのが基本です。

AIで入社手続きチェックリストを自社用に整える

ここまでのチェックリストは標準形なので、自社の給与締め日、規程で定めている書類、社労士への依頼範囲に合わせて手直しが要ります。この手直しや、内定者への案内文の作成は、AIに下書きさせると早く終わります。

AIに入れてよい情報・入れてはいけない情報

入れてよい

入れてはいけない

自社の締め日・支給日、規程で定めている提出書類の種類、担当の分担、この記事のチェックリストの表

従業員・内定者の氏名、住所、生年月日、マイナンバー、口座番号、家族の情報、提出された書類の画像

チェックリストや案内文は「仕組み」の話なので、個人を特定する情報は要りません。社内でAIを使うときのルール作りはChatGPTの情報漏洩対策(士業事務所の7手順)が参考になります。

プロンプト例1:自社用のチェックリストに作り替える

あなたは中小企業の総務担当者です。
下に貼るのは、入社手続きの標準的なチェックリストです。
これを次の条件に合わせて、自社用のチェックリスト(表形式:時期/項目/担当/期限日)に作り替えてください。

・入社日:【2027年4月1日】
・給与:【毎月末締め・翌月25日払い】
・社会保険・雇用保険の届出:【顧問社労士に依頼。必要情報は総務が入社日の翌日までに送る】
・会社の規程で提出させている書類:【誓約書/身元保証書/通勤経路申請書】
・健康保険:【協会けんぽ】

期限の日数(社会保険は入社から5日以内、雇用保険は翌月10日まで等)は、
貼り付けた表に書かれているものだけを使い、新しい期限を作らないでください。
具体的な日付が土日祝に当たるかどうかは判断せず、「要確認」と書いてください。

【ここにこの記事のチェックリストの表を貼り付け】

うまくいかない例は、表を貼らずに「入社手続きのチェックリストを作って」とだけ頼むケースです。期限の日数が古い情報のまま出てきたり、自社にない書類(健康保険組合独自の様式など)が混ざったりします。元になる表を貼り、「表にない期限を作らない」と書くと安定します。

プロンプト例2:内定者向けの提出書類の案内文を作る

4月入社の内定者に送る「入社時の提出書類のご案内」を作ってください。

・提出書類:【マイナンバーカード(提示のみ)/扶養控除等申告書/給与振込口座の届出/通勤経路申請書/誓約書】
・中途入社の人だけ追加:【雇用保険被保険者証/前職のその年分の源泉徴収票】
・提出期限:【入社日当日】、提出方法:【入社日に持参】
・注意:マイナンバーはメールや郵送では送らないこと
・年金の番号については「年金手帳または基礎年金番号通知書(マイナンバーカードを提示する場合は不要)」と書く

400字以内、箇条書き中心、敬語で。最後に問い合わせ先【総務部 担当者名・内線】を入れてください。

出力で多い誤りは「年金手帳を必ずご持参ください」と書いてしまうことです。令和4年4月以降に初めて加入した人は年金手帳を持っていないので、条件のとおり「どちらか」の書き方になっているかを確認します。

プロンプト例3:入社予定者の一覧から期限カレンダーを作る

次の入社予定の「人数と入社日」だけをもとに、届出の締切カレンダーを作ってください。
個人名は使わず「4/1入社 新卒5名」のように書きます。

・4/1入社:新卒【5】名(うち扶養家族あり【0】名)
・4/15入社:中途【1】名(扶養家族あり【1】名、前職あり)
・5/1入社:パート【2】名(週【25】時間)

締切のルール:
・健康保険・厚生年金保険の資格取得届:入社から5日以内
・被扶養者(異動)届:5日以内(扶養家族ありの人)
・雇用保険の資格取得届:入社した月の翌月10日まで
・扶養控除等申告書:最初の給与の前日まで(給与日は【毎月25日】)

日付ごとに「やること」を並べた表にしてください。
「5日以内」の数え方に迷う場合は、早いほうの日付で書き、備考に「数え方は要確認」と付けてください。

ここでの注意は、AIに日付の数え方を決めさせないことです。締切は早めの日付で書かせ、迷う点は必ず「要確認」として残させます。最終的な期限は日本年金機構・ハローワークの案内と、顧問の社労士に確認してください。

汎用のAIでも、表を貼って条件を指定すればここまでの下書きは作れます。士業AIは、厚生労働省や日本年金機構などの公的な情報を参照しながら回答する設計なので、制度の確認を伴う下書きにも使いやすくなっています。社労士業務での使い方は社労士のChatGPTプロンプト集にもまとめています。

入社手続きのよくある質問

試用期間中も社会保険・雇用保険の手続きは必要ですか?

必要です。社会保険の資格取得日は、契約日や内定日ではなく、実際に使用されるようになった日(入社日)です。試用期間かどうかで加入の扱いは変わらず、加入要件を満たしていれば入社日から手続きします。雇用保険も、31日以上の雇用見込みと週20時間以上の要件で判断します。

4月1日入社で、届出の書類が揃わず5日を過ぎそうなときは?

マイナンバーが揃わない場合でも、基礎年金番号が分かれば資格取得届は出せます。期限を過ぎても届出の義務はなくならないため、揃った情報で早めに出すのが基本です。扶養の家族の書類が揃わない場合は、本人の資格取得届を先に出し、被扶養者(異動)届を揃い次第出す、という分け方も検討してください。

まとめ|期限の違う3つの届出から逆算する

入社手続きは、社会保険の資格取得届と被扶養者(異動)届(入社から5日以内)、雇用保険の資格取得届(翌月10日まで)、扶養控除等申告書(最初の給与の前日まで)の4つの期限から逆算すると、入社前に何を集めておくべきかが決まります。4月入社なら、内定者からの書類回収を3月中に終えておくことが、入社週の作業を軽くする一番の近道です。

この記事のチェックリストを土台に、自社の締め日・規程・社労士との分担を足せば、毎年使い回せる入社手続きの手順書になります。各届出の書き方は、リンク先の解説記事で確認してください。士業AIは無料で試せるので、チェックリストの作り替えや案内文の下書きから使ってみてください。

参考文献

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