被扶養者異動届の書き方|記入例・年収要件と添付書類【2026年】
健康保険の被扶養者(異動)届は、従業員が家族を扶養に入れる・外すときに、事業主を経由して日本年金機構(協会けんぽの場合)へ出す届書です。扶養に入れる届出は事実発生から5日以内。配偶者の欄は国民年金第3号被保険者関係届を兼ねているので、1枚で健康保険と年金の両方の手続きになります。
2025年から2026年にかけて、扶養認定のルールが続けて変わりました。19歳以上23歳未満の年収要件が150万円未満になり(令和7年10月1日以降の認定)、令和8年4月からは労働契約の内容で年間収入を判定する取扱いも始まっています。この記事では、日本年金機構の様式と記入方法に沿って、欄ごとの書き方・記入例・添付書類の判定と、確認作業をAIで減らす方法を整理します。
この記事で分かること
- 被扶養者(異動)届を出す場面・期限・提出先と、協会けんぽと健康保険組合の違い
- 2026年時点の年収要件(130万円・180万円・150万円)と、労働契約による判定の新ルール
- A被保険者欄・B配偶者欄・Cその他の被扶養者欄の書き方と記入例
- 添付書類が要るケース・省略できるケースの判定表と、返戻されやすい記入ミス
- 記入チェック・添付書類の判定・従業員への案内文をAIで下書きするプロンプト例
被扶養者(異動)届とは|提出する場面・期限・提出先
社会保険の届出事務全体の流れや、どこにAIを使うかの全体像は社会保険の手続きをAIで効率化する社労士向けの実務解説にまとめています。この記事は、その中の被扶養者(異動)届1枚に絞って、様式の埋め方を掘り下げます。
提出が必要な3つの場面(該当・非該当・変更)
同じ様式を、目的に応じて「該当」「非該当」「変更」のどれかに○を付けて使います。日本年金機構の被扶養者の手続きページによると、場面は次のとおりです。
区分 | 主な場面 |
|---|---|
該当(扶養に入れる) | 入社時に扶養家族がいる、結婚、出産、家族の退職・収入減 |
非該当(扶養から外す) | 家族の就職・収入増加、後期高齢者医療制度への加入、離婚、死亡、同居要件のある家族の別居、国外転出 |
変更 | 被扶養者の氏名・生年月日・性別の変更や訂正 |
様式には「該当と非該当(変更)は同時に提出できない」旨の注意書きがあります。妻を扶養に入れて子を外す、といった場合は用紙を分けて作ります。
期限は事実発生から5日以内・提出先と提出方法
扶養に入れる届出は事実発生から5日以内、扶養から外す届出は「その都度」とされています。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、方法は電子申請・郵送・窓口持参の3つです。
入社と同時に家族を扶養に入れる場合は、資格取得届と同じタイミングで出すのが基本です。被扶養者になった日が受付日より60日以上さかのぼると、扶養の事実を確認できる書類を追加で求められます(出生・婚姻・20歳以下の子の養子縁組がきっかけで、日本の戸籍があり、双方のマイナンバーを書いた場合は不要)。入社書類と一緒に家族の情報も回収しておくと、遅れを防げます。
協会けんぽと健康保険組合で出し方が違う
この記事で扱う「健康保険 被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届」(様式コード2202)は、協会けんぽの事業所が日本年金機構に出す様式です。健康保険組合に加入している事業所では、健康保険の被扶養者の手続きは各健康保険組合の様式で行い、配偶者の第3号被保険者の手続きは「国民年金第3号被保険者関係届」(様式コード4300)で別に出します。顧問先ごとに加入先を確認してから様式を選んでください。
扶養に入れる家族の範囲と年収要件【2026年】
記入より先に、扶養に入れるかを判定します。ここを誤ると返戻か、後日の取消になります。
被扶養者になれる家族と同居要件
被扶養者は、日本国内に住所(住民票)があり、被保険者に主として生計を維持されている家族です。続柄によって同居が必要かどうかが分かれます。
- 同居でなくてよい:配偶者(事実婚を含む)、子、孫、兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属
- 同居が必要:上記以外の3親等内の親族(おじ・おば、甥・姪とその配偶者など)、内縁の配偶者の父母と子
海外に住む家族も、留学中の学生や海外赴任に同行する家族などは特例的に認定される場合があります。その場合は現況申立書や査証の写しなど、国内居住の家族とは別の書類が必要です。
年収要件の早見表(130万円・180万円・150万円)
年収要件は、家族の年齢などで基準額が変わります。あわせて、同居なら被保険者の年収の半分未満、別居なら被保険者からの仕送り額未満であることも必要です。
扶養認定を受ける家族 | 年間収入の基準 | 月額の目安(給与等) |
|---|---|---|
原則 | 130万円未満 | 108,333円以下 |
60歳以上、または障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方 | 180万円未満 | ― |
19歳以上23歳未満(配偶者を除く) | 150万円未満 | ― |
ここでいう年間収入は、過去の実績ではなく扶養に入る時点からの今後1年間の見込みです。失業給付・公的年金・傷病手当金・出産手当金も収入に含みます。雇用保険の基本手当を受け始め、日額が3,612円以上になると扶養から外す届出が必要です。
夫婦がともに働いている場合は、子をどちらの扶養に入れるかで迷いがちです。日本年金機構の案内では、年間収入の多い方の被扶養者として認定します。様式の「配偶者の収入(年収)」欄は、この判定のために書く欄です。
19歳以上23歳未満は150万円未満(令和7年10月1日以降の認定)
扶養認定日が令和7年10月1日以降で、19歳以上23歳未満(配偶者を除く)の家族は、年収要件が130万円未満から150万円未満に変わりました。厚生労働省の19歳以上23歳未満の被扶養者認定に関するQ&Aでは、次の点が示されています。
- 学生であることは要件ではなく、年齢だけで判断する
- 年齢はその年の12月31日時点で判定する(その年に19歳になる子は、その年から150万円未満)
- 令和7年10月1日より前にさかのぼって認定する場合は130万円未満のまま
- 同居なら被保険者の年収の半分未満、別居なら仕送り額未満という条件は従来どおり
この見直しは、税制の特定扶養控除の見直し(特定親族特別控除の創設)にそろえたものです。税金の側の変更点は年末調整の変更点(基礎控除・特定親族特別控除)で整理しています。社会保険と税では線の引き方が違うので、従業員には両方を並べて説明すると誤解が減ります。
令和8年4月から:労働契約の内容で年間収入を判定できる
扶養認定日が令和8年4月1日以降で、家族の収入が給与収入だけの場合、労働条件通知書などに書かれた賃金から見込まれる年間収入で判定できるようになりました。日本年金機構のお知らせと、厚生労働省の通知で確認できるポイントは次のとおりです。
- 見込みの年間収入には、契約で定められた諸手当と賞与も含める
- 当初想定していなかった臨時収入で結果的に基準額を超えても、社会通念上妥当な範囲なら扶養の取扱いは変えない
- 労働条件が変わったときは、その都度、契約内容の書類を求められる
- 契約期間が「被扶養者になった日」から1年未満、シフト制で労働時間が日ごとに違う、手当の額に幅があって年収を計算できない場合は、この方法では判定できない
この取扱いを使うかどうかで集める書類が変わります(後半の判定表を参照)。なお、パートの方が勤務先で社会保険に加入する基準(いわゆる106万円の壁)は別の論点です。106万円の壁・130万円の壁と適用拡大の早見表もあわせて確認してください。
記入前に集める情報と書類のチェックリスト
手戻りの多くは「書く前の情報不足」から起きます。従業員から回収する項目を固定しておけば、記入は転記作業になります。
集める項目 | 使う欄・用途 |
|---|---|
被保険者の被保険者整理番号・取得年月日 | A欄①⑥(資格取得届と同時なら整理番号は記入不要) |
被保険者の今後1年間の年収見込み | A欄⑦(同居家族の「半分未満」判定にも使う) |
家族の氏名(住民票どおり)・フリガナ・生年月日・続柄 | B欄・C欄 |
家族のマイナンバー(本人確認のうえ) | B欄⑤・C欄⑤(記入すると住所記入や続柄書類の省略につながる) |
同居か別居か、別居なら1回あたりの仕送り額 | 住所欄・備考欄、仕送りの証明書類 |
家族の職業と今後1年間の年収見込み(非課税収入を含む) | 職業欄・収入欄、収入の確認書類 |
扶養に入るきっかけと日付(入社・結婚・出生・退職など) | 被扶養者になった日・理由欄 |
マイナ保険証を使えるか | 資格確認書発行要否欄 |
マイナンバーは、事業主が本人確認をしたうえで記入する決まりです。従業員にメールで番号を送らせる運用は避け、事務所の決まった回収経路を使ってください。
被扶養者(異動)届の書き方|欄ごとの記入例
様式と公式の記入例は、日本年金機構の被扶養者異動届の様式ページから、PDF・エクセルでダウンロードできます(該当・非該当・変更・海外特例要件の記入例つき)。ここでは、様式裏面の記入方法に沿って欄ごとの要点を整理します。
提出者記入欄・事業主確認欄
- 事業所整理記号:新規適用時(または名称・所在地変更時)に付された記号を書く
- 事業主等受付年月日:事業主が、被保険者を通じて配偶者から届書を受け取った日(配偶者を扶養に入れない場合を除く)
- 事業主確認欄:家族の収入要件を事業主が確認した場合に「1.確認」を○で囲む。所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを確認して○を付けると、収入を確認する添付書類を原則省略できる
- 社会保険労務士記載欄:社労士が提出代行する場合に記入
A.被保険者欄
- ①被保険者整理番号:資格取得時に払い出された番号。資格取得届と同時に出すなら記入不要
- ②氏名・③生年月日・④性別:住民票どおりに書く
- ⑤個人番号[基礎年金番号]:マイナンバーか、基礎年金番号10桁を左詰めで
- ⑥取得年月日:健康保険に加入した日。資格取得届と同時なら取得年月日と同日
- ⑦収入(年収):被保険者の今後1年間の年収見込み
B.配偶者である被扶養者欄(第3号被保険者)
配偶者を扶養に入れる場合に使います。20歳以上60歳未満で厚生年金に加入していない配偶者は、原則として国民年金の第3号被保険者にもなるため、この欄が第3号の届出を兼ねます。
- ①氏名:届出人である配偶者の氏名と、事業主に提出する日付。「第3号被保険者関係届の提出は配偶者(第2号被保険者)に委任します」に✓を付けると委任状の添付を省略できる
- ③性別(続柄):内縁関係なら「夫(未届)」「妻(未届)」を選び、両人の戸籍謄(抄)本などを添付
- ⑤個人番号:記入した場合、⑧住所の記入は不要
- ⑨被扶養者になった日:資格取得と同時なら⑥取得年月日と同日、それ以外は婚姻日など実際に扶養に入った日。配偶者が20歳未満・60歳以上なら第3号に当たらないため、第3号としての日付は書かない
- ⑫収入(年収):今後1年間の見込み額。障害・遺族年金や失業給付など非課税の収入も含める
- 資格確認書発行要否:マイナンバーカードがない、保険証利用登録をしていない等の場合だけ「発行が必要」に✓
配偶者が第3号に当たらない(たとえば60歳以上)場合は、備考欄に「扶養届のみ」「3号届なし」などと書けば、健康保険の被扶養者届だけを出せます。
C.その他の被扶養者欄(子・父母など)
- ④続柄:実子・養子、父母・養父母、義父母、孫などから選ぶ
- ⑥住所:同居か別居かを○で囲み、住民票の住所を書く。別居なら1回あたりの仕送り額を備考欄に書き、仕送りの証明を添付
- ⑩被扶養者になった日:資格取得と同時なら取得年月日と同日、それ以外は出生日など実際の日
- ⑪職業:無職・パート・年金受給者・小中学生以下・高大学生(学年)など
- ⑫収入(年収):今後1年間の見込み。収入がなければ「0円」と書く
- ⑬理由:資格取得届と同時に出すなら記入不要
- 配偶者の収入(年収):配偶者以外を扶養に入れる場合で、配偶者が被扶養者でないときに書く
記入例:入社時に妻と大学生の子を扶養に入れる
次の設定で、主な欄の書き方を並べます(数値は説明用の仮のものです)。
欄 | 記入内容 |
|---|---|
区分 | B欄・C欄とも「該当」 |
A⑥取得年月日 | 入社日(資格取得届と同時提出なので①整理番号は空欄) |
A⑦収入 | 4,500,000円(今後1年間の見込み) |
B欄(妻・45歳・パート) | ⑨は入社日と同日、⑪職業「パート」、⑫収入960,000円、⑤マイナンバーを記入し⑧住所は省略 |
C欄(長女・20歳・大学2年) | ⑥「同居」、⑩は入社日と同日、⑪「高・大学生(2年生)」、⑫収入1,400,000円、⑬理由は記入不要 |
備考 | 事業主が戸籍謄本等で続柄を確認した場合は「※続柄確認済み」に✓ |
長女の年収見込み140万円は、130万円の基準なら扶養に入れません。令和7年10月1日以降の認定で、12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満なら150万円未満の基準が使えるため、被保険者の年収の半分未満という条件も満たせば扶養に入れます。届書の数字自体は同じでも、年齢で基準が変わる点が今回の見直しで最も間違えやすいところです。
扶養から外す(非該当)・変更の書き方
非該当では「被扶養者でなくなった日」と理由を書きます。日付は、死亡なら死亡日の翌日、それ以外(就職・収入増加など)は非該当になった当日です。資格確認書などが交付されている家族を外す場合は、その資格確認書を添付し、回収できなければ「資格確認書回収不能届」を付けます。変更では、変更の内容と理由を備考欄に書きます。
添付書類と省略できる条件の判定表
添付書類は「続柄」と「収入」の確認書類が全員に必要で、別居・内縁・資格確認書の回収は該当する場合だけ必要です。そのうえで、マイナンバーの記入や事業主の確認で省略できる道があります。
続柄の確認書類と省略の条件
原則は、提出日から90日以内に発行された戸籍謄(抄)本か住民票の写し(コピー不可・マイナンバーの記載がないもの)です。住民票で確認できるのは、被保険者が世帯主で家族と同一世帯の場合に限られます。
次のどちらかに当たれば、続柄の書類は省略できます。
- 被保険者と家族の双方のマイナンバーを記入し、事業主が戸籍謄本等で続柄を確認して「※続柄確認済み」に✓を付けた(内縁関係を除く)
- 配偶者との婚姻関係、または20歳以下の子との親子関係で、子の出生がきっかけの届出ではなく、双方に日本の戸籍があり、双方のマイナンバーを記入した
収入の確認書類(ケース別)
家族の状況 | 添付する書類 |
|---|---|
所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族で、事業主確認欄に○ | 原則不要(被保険者の合計所得金額が1,000万円超だと控除対象配偶者にならないため書類が必要) |
16歳未満 | 原則不要 |
退職して収入要件を満たす | 退職証明書または雇用保険被保険者離職票の写し |
失業給付の受給中・受給終了 | 雇用保険受給資格者証または受給資格通知の写し |
年金を受給中 | 年金額の改定通知書などの写し |
自営業・不動産収入がある | 直近の確定申告書の写し(収入は必要経費を引いた額) |
上記以外 | 課税(非課税)証明書 |
給与収入のみで労働契約により判定する | 労働条件通知書等と、「給与収入のみである」旨の申立て(届書や契約書類に記載があれば申立書は不要) |
障害年金・遺族年金・傷病手当金・失業給付などの非課税収入があるときは、受取額が分かる通知書の写しが別に必要です。なお、19歳以上23歳未満の子で、給与収入が税法上の扶養親族の範囲を超える場合は、事業主確認による省略が使えないことがあります。税と社会保険で基準額が違う年代なので、税法上の扱いを確かめてから事業主確認欄に○を付けてください。
別居の仕送り・海外居住・内縁の場合
- 別居:送金者・受取人・金額が分かる預金通帳の写しや振込明細書、現金書留の控え。16歳未満と16歳以上の学生は不要
- 内縁:両人の戸籍謄(抄)本と、被保険者の世帯全員の住民票
- 海外居住:現況申立書、続柄・収入を確認できる公的証明書、仕送りの書類、留学なら査証や在学証明書など(外国語の書類は翻訳文を添付)
返戻されやすい記入ミス7つ
日本年金機構は被扶養者(異動)届で不備や記入誤りの多い事例を公開しています。提出前に、少なくとも次の7点は確認してください。
- 続柄の確認書類がなく、「※続柄確認済み」の✓もない
- 収入の確認書類が付いていない(事業主確認欄の○もない)
- マイナンバー(または基礎年金番号)が書かれていない
- 収入欄が空欄(収入がなければ「0円」と書く)
- 住所が住民票と違う、部屋番号などが抜けている
- 別居なのに仕送りの証明がない
- 源泉徴収票など、今後の収入見込みが確認できない書類を付けている
特に多いのは、前年の源泉徴収票の金額をそのまま収入欄に書くケースです。退職して収入がない家族なら見込みは「0円」で、退職証明書や離職票で裏付けます。
電子申請(e-Gov)で出すときのポイント
被扶養者(異動)届はe-Gov電子申請の対象で、日本年金機構の届出は約330種類が電子申請できます。紙と比べた違いは主に3点です。
- 収入の確認書類などの添付書類は、スキャンしたPDFかJPEGで提出できる
- 画像で出した添付書類の原本は、届出後2年間の保管が必要
- 資格確認書(健康保険被保険者証を含む)など一部の書類は画像では出せず、電子申請のあとに郵送する
扶養から外す届出で資格確認書の回収が必要な場合は、この「郵送が残る」点を見落としがちです。賞与支払届など他の届出の電子申請の手順は賞与支払届の書き方と電子申請の手順でも解説しています。
AIで被扶養者届の確認作業を減らす|プロンプト例
被扶養者(異動)届で手間がかかるのは、記入そのものより「この家族は入れるか」「どの書類が要るか」「従業員に何を頼むか」の判断と連絡です。ここはAIの得意な作業です。一方で、年収要件や添付書類の条件はこの1年で変わっているため、AIの知識をそのまま信じると古い基準で答えることがあります。プロンプトには必ず判定基準を書き込み、結論は一次情報で確かめる前提で使います。
個人情報をAIに入れないルール
- マイナンバー・基礎年金番号・住所・生年月日は入力しない。年齢・続柄・年収見込み・同居か別居か、だけで判定できる
- 氏名は「従業員A」「長女」などに置き換える
- 入力内容が学習に使われない設定・契約のツールを使う
- AIの判定は下書き扱いにし、最終判断と提出は担当者・社労士が行う
プロンプト1:扶養に入れるかの一次判定
あなたは社会保険手続きの確認担当です。次の家族が協会けんぽの被扶養者になれるか、
下の「判定基準」だけを使って一次判定してください。判定基準にない知識で結論を変えないでください。
【判定基準】
・年収要件:今後1年間の見込みで130万円未満。60歳以上または障害者は180万円未満。
19歳以上23歳未満(配偶者を除く・12月31日時点の年齢)は150万円未満(扶養認定日が令和7年10月1日以降)。
・同居なら被保険者の年収の半分未満、別居なら被保険者からの仕送り額未満。
・同居が必要な続柄:配偶者・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属以外の3親等内の親族。
【被保険者】年収見込み【金額】円
【家族】続柄【続柄】/その年の12月31日時点の年齢【年齢】歳/同居・別居【どちらか】/
今後1年間の収入見込み【金額】円(内訳:【給与・年金・失業給付など】)/仕送り額【月額】円
出力:①判定(入れる見込み/入れない見込み/要確認)②根拠となる基準 ③確認が必要な点うまくいかない例→直し方:「大学生の子を扶養に入れられますか」とだけ聞くと、130万円の古い基準で答えることがあります。判定基準を本文に書き込み、年齢は「12月31日時点」で渡すと、150万円の基準を取り違えにくくなります。
プロンプト2:添付書類の判定
被扶養者(異動)届の添付書類を判定してください。
次の条件ごとに「必要な書類」と「省略できる条件」を表にしてください。
・続柄:【配偶者/子(年齢)/父母など】、出生がきっかけの届出か:【はい/いいえ】
・被保険者と家族の双方のマイナンバーを届書に書くか:【はい/いいえ】
・事業主が戸籍謄本等で続柄を確認するか:【はい/いいえ】
・所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族か:【はい/いいえ/不明】
・家族の収入の種類:【なし/給与のみ(労働条件通知書あり)/年金/失業給付/自営】
・同居・別居:【どちらか】、16歳以上の学生か:【はい/いいえ】
参照ルール:(ここに日本年金機構の手続きページの「添付書類」部分を貼り付ける)うまくいかない例→直し方:参照ルールを貼らずに聞くと、「源泉徴収票を添付」のように、返戻事例そのものの答えが返ることがあります。公式ページの該当部分を貼り付けて「このルールの範囲で」と指定してください。
プロンプト3:届書の記入チェック
次は被扶養者(異動)届の記入内容です(個人番号・住所は伏せています)。
以下の観点でおかしな点だけを指摘してください。問題がない項目は書かなくて結構です。
観点:
1. 該当と非該当が同じ用紙に混ざっていないか
2. 被扶養者になった日:資格取得と同時なら取得年月日と同日か、それ以外は実際の日付か
3. 被扶養者でなくなった日:死亡なら翌日、それ以外は当日か
4. 収入欄が空欄でないか(収入なしは0円)、過去の実績ではなく今後1年の見込みか
5. 別居なのに仕送り額と証明書類の記載がないか
6. 資格取得届と同時提出なのに「理由」欄や整理番号を書いていないか
【記入内容】
(欄名:内容 の形で貼り付け)プロンプト4:従業員への書類依頼文
総務担当として、従業員に家族を扶養に入れるための書類提出を依頼するメールを書いてください。
・相手:【従業員A】さん、扶養に入れる家族:【妻・長女(大学生)】
・提出してほしいもの:【判定済みの書類リスト】
・締切:【日付】(届出期限は事実発生から5日以内のため)
・マイナンバーは【社内の回収方法】で提出してもらい、メールには書かないよう注意書きを入れる
・住民票や戸籍を取る場合は「発行から90日以内」「コピー不可」「マイナンバーの記載なし」を明記
・丁寧だが簡潔に、箇条書きでうまくいかない例→直し方:「必要な書類を全部書いて」と任せると、該当しない書類まで並び、従業員が役所で余計な証明を取ってしまいます。プロンプト2で判定した書類リストだけを渡して書かせるのがコツです。
プロンプト5:労働契約による年収見込みの試算
次の労働条件から、今後1年間の給与収入の見込み額を計算してください。
諸手当と賞与は含め、契約書に定めのない残業代は含めません。計算式も示してください。
・時給【金額】円 × 1日【時間】時間 × 週【日数】日
・通勤手当など毎月の手当:【内容と金額】
・賞与:【契約上の定め】
・契約期間:【開始日〜終了日】(被扶養者になった日から1年未満なら、その旨を指摘)
・シフト制で日ごとの労働時間が決まっていない場合は「この方法では判定不可」と答えるここまでの作業は、汎用のAIでも判定基準を渡せば十分に進められます。社労士・事務所スタッフ向けの士業AIは、手続き案内や従業員向け文面の下書きを日本語の実務文書として整える使い方を想定しています。事務所での活用イメージは社労士・事務所スタッフ向けの士業AIで紹介しています。社会保険・労務で使えるプロンプトをさらに探す場合は社労士のChatGPTプロンプト集も参考にしてください。
よくある質問
Q. 被扶養者異動届の提出が5日を過ぎたら受け付けてもらえませんか?
期限を過ぎても提出はできますが、被扶養者になった日が受付日より60日以上さかのぼる場合は、扶養の事実を確認できる書類の追加を求められます。分かった時点ですぐに出すのが基本です。
Q. 19歳の子の年収が140万円になりそうです。扶養から外す届出は必要ですか?
19歳以上23歳未満(12月31日時点)の子は、令和7年10月1日以降の認定では150万円未満が基準です。140万円の見込みなら、同居で被保険者の年収の半分未満などほかの条件を満たす限り、外す届出は不要と考えられます。23歳になる年からは130万円未満に戻る点に注意してください。
Q. 協会けんぽから届いた「被扶養者状況リスト」とは何ですか?
協会けんぽが毎年行う被扶養者資格の再確認の書類です。令和8年度は10月下旬から11月中旬に事業所へ届き、提出期限は令和8年12月11日です。要件を満たさない家族がいれば、同封の案内に沿って扶養から外す手続きも行います。
まとめ|判定→書類→記入の順で進めれば手戻りが減る
被扶養者(異動)届は、扶養に入れる場合は事実発生から5日以内に、事業主を経由して提出します。2026年時点の年収要件は原則130万円未満、60歳以上などは180万円未満、19歳以上23歳未満は150万円未満で、令和8年4月からは給与収入だけの家族を労働契約の内容で判定する方法も使えます。
実務では、①扶養に入れるかの判定、②添付書類の判定、③記入と提出、の順に進めると返戻が減ります。①②の下書きと従業員への依頼文はAIに任せ、基準は日本年金機構・厚生労働省の最新の公表資料で確かめる。この分担が、間違えずに早く終わらせる近道です。算定基礎届など他の定例の届出も同じ考え方で進められます。算定基礎届の書き方と記入例もあわせてご覧ください。
参考文献
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」
- 日本年金機構「被扶養者異動届」(様式・記入例)
- 日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」
- 日本年金機構「届出に不備や記入誤りの多い事例の紹介(被扶養者(異動)届)」
- 厚生労働省「19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定に関するQ&A」
- 厚生労働省「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて」
- 日本年金機構「添付書類の画像ファイルによる提出」
- 全国健康保険協会「令和8年度被扶養者資格の再確認について」

