税務×AI

事業計画書テンプレート無料8種|Excel・Word・PDF/創業・収支計画

事業計画書は、融資・補助金・社内の意思決定のどれに使うかで、書く項目と数字の出し方が変わります。この記事では、創業計画書・融資用の事業計画書・5か年の収支計画書・月次損益計画・経営計画書・補助金向け・新規事業(リーンキャンバス型)・資金計画書の8種類のテンプレートを、Excel・Word・PDFで無料配布しています。会員登録は不要です。

書き方の結論は、「数字には必ず計算式の根拠を添え、利益から借入の返済ができることを示す」ことです。Excel版は売上総利益(粗利)・営業利益・返済後の収支などを数式で自動計算するので、前提の数字を入れ替えながら計画を詰められます。

この記事で分かること

  • 目的別(創業融資・既存事業の融資・補助金・社内計画)に合う事業計画書の選び方
  • 1枚にまとめる事業計画書の項目と、Excel・Word・PDFの使い分け
  • 日本政策金融公庫の創業計画書に沿った、項目ごとの書き方と注意点
  • 売上高・原価・経費の「根拠」の作り方と、月次の収支・資金繰りの組み立て方
  • せどり・自動車整備・コールセンターなど業種別の書き分け例
  • 審査で指摘されやすい間違いと直し方、AIで下書き・点検するプロンプト

事業計画書テンプレート無料ダウンロード(8種類)

創業時の融資なら01、開業資金の積み上げなら08、既存事業の設備投資なら02と03、補助金の申請準備なら06から選ぶと迷いません。いずれもA4・1枚に収まる書式で、プレビュー画像は記入例、配布ファイルは空欄(行見出しのみ印字)です。

テンプレート

向いている場面

自動計算(Excel)

01 創業計画書

創業融資の申込み・面談準備

経費計・利益、資金の合計

02 事業計画書(融資用)

既存事業の設備資金の借入

粗利・営業利益・簡易CF・返済余力

03 収支計画書(5か年)

中期計画・金融機関への説明

粗利・粗利率・営業利益・経常利益・資金の累計

04 月次損益計画表

季節変動のある業種の資金繰り

月別の営業利益・返済後の収支・累計

05 経営計画書(1枚)

社内共有・経営方針の明文化

数値目標の増減率

06 補助金向け

補助金の申請書の下書き

経費合計・付加価値額・前年比

07 新規事業(リーンキャンバス型)

新規事業の社内提案・仮説検証

なし(記述中心)

08 資金計画書

開業資金の積み上げと調達の整理

必要資金の合計・月々の元金返済

01は日本政策金融公庫(以下「公庫」)の創業計画書の記載項目を参考にした独自書式で、公庫の様式そのものではありません。公庫の創業計画書には「お客さまご自身が作成された計画書をご提出いただいても結構です」との注記があり(日本政策金融公庫「創業計画書」)、公式の様式は公庫の各種書式ダウンロードから入手できます。提出先が様式を指定している場合は、そちらを優先してください。

1枚の事業計画書に入れる項目と書き方

「まず1枚で全体像を見せたい」場面は多く、金融機関の担当者との最初の相談、商工会・商工会議所への相談、社内の経営会議などがそれにあたります。1枚版で大事なのは、項目を削ることではなく各項目を1〜2行に絞り、数字は計算式だけ残すことです。詳しい説明は面談や別紙に回し、1枚目では「何の事業で、いくら必要で、どう返すか」が30秒で読める状態を目指します。

ブロック

書く内容

1行の書き方の例

事業の概要

誰に・何を・どこで

【地域】の【顧客層】向けに【商品・サービス】を提供する

強みと競合

選ばれる理由と、近隣の競合との違い

前職10年の整備経験と、半径3km内に同業2社のみ

売上の根拠

業種に合った算式と前提の数字

客単価4,000円×1日25人×月24日=月240万円

必要な資金と調達

設備資金・運転資金の合計と、自己資金・借入の内訳

必要600万円=自己資金150万円+借入450万円

収支の見通し

開業当初と軌道に乗った後の月の利益

当初は月▲10万円、7か月目から月30万円

返済の見通し

月の利益と元金返済の比較

元金返済 月7.5万円 < 利益+減価償却費 月35万円

実行スケジュール

開業・採用・販促の時期

3月物件契約、4月内装、5月開業、6月から広告

リスクと対策

売上が想定を下回った場合の手当て

売上が2割減でも返済できる経費の水準を確認済み

表の金額は書き方を示すための例です。05の経営計画書(1枚)は理念・数値目標・SWOT・重点施策を、01の創業計画書は動機・略歴・資金・収支見通しを、それぞれA4・1枚に収める書式です。1枚で融資の相談に持っていくなら01、社内や金融機関に方針を共有するなら05が向いています。

  • 事業計画書テンプレート「経営計画書(1枚・ビジョン〜重点施策)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    05経営計画書(1枚・ビジョン〜重点施策)

    経営理念・ビジョン・数値目標・SWOT・重点施策をA4 1枚に。社内共有や金融機関への説明に。

    • 経営計画
    • 1枚
    • SWOT

Excel・Word・PDFの使い分けと作り方

配布しているテンプレートは同じ書式をExcel・Word・PDFの3形式で用意しています。どれを使うかは「数字を何度も入れ替えるか」「文章が中心か」「手書きで持ち込むか」で決めると迷いません。

形式

向いている人・場面

注意点

Excel

数字を何度も見直す人。融資・5か年計画・月次計画

計算式のセルを上書きしない。提出前にPDFにして体裁を確認する

Word

文章が中心の計画(創業の動機・新規事業の説明)

数字は手計算になるので、合計と内訳の一致を必ず確認する

PDF

印刷して手書きで下書きしたい人。面談に紙で持ち込む場合

書き直しが多い項目(売上・経費)は鉛筆で下書きしてから清書する

Excelで数値計画を作る手順

  1. 前提の数字(客単価・客数・営業日数・原価率・家賃・人件費)を1か所にまとめて入力する
  2. 売上高を「前提のセル同士の掛け算」で出す(例:=客単価*1日の客数*営業日数)
  3. 売上原価は原価率から出す(例:=売上高*原価率)。粗利は=売上高-売上原価
  4. 経費を項目別に並べ、営業利益を=粗利-経費合計で出す
  5. 返済の目安として=営業利益+減価償却費-元金返済額を確認する
  6. 前提の数字を1つずつ変えて、売上が1〜2割下がっても返済できるかを試す

前提を1か所に集めておくと、面談で「客数が半分なら?」と聞かれても、その場で数字を入れ替えて答えられます。配布するExcel版はこの考え方で作っており、粗利・営業利益・返済後の収支は数式で自動計算されます。公庫も各種書式ダウンロードで、創業計画書のExcel版や月別収支計画書・資金繰り表を配布しているので、提出先が公庫なら公式様式に転記する前提で、数字の検討にこちらのテンプレートを使う方法もあります。

IF関数やSUMIFSなど、計画表づくりでよく使う関数は士業事務所の経理が使うExcel関数・ショートカット100選にまとめています。数式の作り方をその場でAIに聞きたい経営者・経理担当の方には、Excel関数や文書作成をサポートする経理AIも用意しています。

事業計画書に書く項目と書き方

事業計画書に法律で決まった記載事項はありません。ただし融資の審査では、公庫の創業計画書の項目が事実上の標準になっています。公庫の様式にある項目と、書くときの要点を整理しました。

項目

必須度

書き方の要点

創業の動機

必須

目的と、創業を決めたきっかけ(経験・需要の手応え)

経営者の略歴等

必須

勤務先名だけでなく担当業務・役職・実績・資格

取扱商品・サービス

必須

誰に・何を・いくらで。売上シェア、強み、販売戦略、競合

従業員

必須

役員数・従業員数(うち家族・パート)

取引先・取引関係等

必須

販売先・仕入先と、回収・支払の条件(何日締め何日払い)

関連企業・お借入の状況

該当時

経営する別会社、住宅・車・カードも含む借入残高と年間返済額

必要な資金と調達方法

必須

設備資金・運転資金と見積先。調達の合計と一致させる

事業の見通し(月平均)

必須

創業当初と軌道に乗った後の売上・原価・経費・利益と根拠

公庫が公開している創業計画書セルフチェックリストでは、「誰に、何を、いくらで販売するか」「計算根拠をもって売上高や売上原価の予測を立てているか」「利益から借入の返済が可能な収支計画となっているか」などが確認項目に挙がっています。書き終えたら、この観点で読み直すのが近道です。

創業の動機・経営者の略歴

動機は「独立したかった」で終わらせず、なぜこの事業なら続けられるのかが伝わるように書きます。前職で顧客から相談を受けていた、取引の見込み先がある、といった事実があれば一文で添えます。略歴は年月ごとに、担当業務・役職・数字で示せる実績(店長として月商約350万円の店舗を運営、法人の卸先を30社開拓など)を書くと、経験と事業のつながりが伝わります。

取扱商品・サービスと取引条件

商品・サービスは売上の構成比まで書くと、後の売上計算と整合しているかを確認しやすくなります。取引先欄の「回収・支払の条件」は、運転資金の額を決める重要な情報です。売上の回収が翌月末で、仕入の支払いが当月末なら、その差の期間の資金を運転資金として手当てする必要があります。

  • 事業計画書テンプレート「創業計画書(公庫の記載項目を参考)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    01創業計画書(公庫の記載項目を参考)

    創業の動機・略歴・商品・資金と調達・月平均の収支見通しを1枚に。融資の面談準備に。

    • 創業融資
    • 日本政策金融公庫
    • 自動計算

必要な資金と調達方法

必要な資金は、店舗の内装・機械・車両・物件の保証金などの設備資金と、仕入や経費の支払いに充てる運転資金に分けます。設備資金は見積書の金額と見積先を書きます。セルフチェックリストでも、相場を調べたり相見積もりを取ったりして金額が適切かを検証しているか、事業開始後の運転資金(半年程度の赤字補てん資金など)を検討しているかが問われています。

自己資金について、公庫は創業支援のQ&Aで、自己資金は重要な要素だが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要と説明しています。同じページでは、創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度とされています。08の資金計画書では、自己資金の割合と「必要な資金=調達の合計」を確認する欄を設けています。

事業の見通し(売上・原価・経費の根拠)

売上高は「客単価×席数×回転数×営業日数」のように、業種に合った計算式で積み上げるのが基本です。公庫の売上高等の計算方法では、業種別に次の算式が示されています。

業種のタイプ

売上高の算式(例)

設備が売上に直結する業種(部品製造・印刷・運送など)

設備の生産能力×設備数

店舗売りが中心の販売業(コンビニエンスストアなど)

1㎡(1坪)当たりの売上高×売場面積

飲食・理容・美容などのサービス業

客単価×設備単位数(席数)×回転数

労働集約的な業種(自動車販売・ビル清掃など)

従業者1人当たり売上高×従業者数

同じ資料では、支払利息は「借入金残高×金利(年利)÷12か月」で月額を出すこと、個人営業の場合は人件費に事業主本人の分を含めないことも説明されています。テンプレートの記入例(01)も、売上・人件費・支払利息の根拠を計算式で書いています。

数値計画(売上・利益・資金繰り)の作り方

数値計画は「売上計画→損益計画→資金繰り計画」の順に組み立てます。売上は前提から積み上げ、損益で利益を確認し、最後に資金繰りで「通帳の残高が途中でマイナスにならないか」を確かめます。利益が出ていても、仕入の支払いが先で売上の入金が後なら、手元の資金は減ることがあるためです。

売上計画は3つのケースで作る

売上は1つの数字に決め打ちせず、「標準」「慎重(標準の8割程度)」「好調」の3ケースで作っておくと、面談での説明がぶれません。金融機関が気にするのは好調ケースではなく、慎重ケースでも返済が続くかどうかです。慎重ケースで赤字が続くなら、家賃や人件費の水準、借入額そのものを見直すサインになります。

計算例:月の利益から返済できるかを確かめる

美容室を例に、軌道に乗った後の月の数字を置いてみます(金額は説明のための例です)。

項目

計算

金額(月)

売上高

客単価6,000円×1日16人×月24日

230.4万円

売上原価(材料費)

売上高×10%

23.0万円

人件費

スタッフ2名(事業主本人は含めない)

50.0万円

家賃

店舗の賃料

25.0万円

支払利息

借入残高900万円×年2%÷12か月

1.5万円

その他経費

広告・水道光熱・消耗品・保険など

40.0万円

利益

売上高-原価-経費

90.9万円

元金返済

900万円÷10年÷12か月

7.5万円

個人事業の場合、この「利益」から事業主本人の生活費と所得税・住民税などを賄うことになります。公庫の様式では人件費に事業主分を含めないため、利益から生活費と元金返済を引いても残るかを確認します。上の例で生活費を月35万円とすると、残りは約48万円で、ここが税金や設備の更新に充てる余力です。

月次の収支と資金繰りを確認する

開業直後は売上が立ち上がるまで赤字が続くのが普通です。公庫の月別収支計画書(記入例)でも、開業当初の数か月は利益がマイナスで、その後に黒字へ転じる流れで書かれており、売上高を達成するための取組みを「どのようにして」「いつまでに」で書く欄があります。04の月次損益計画表は、月別の売上と経費から返済後の収支と累計を自動計算するので、累計がもっとも深くなる月の金額が、運転資金として用意すべき目安になります。

  • 事業計画書テンプレート「月次損益計画表(12か月・累計つき)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    04月次損益計画表(12か月・累計つき)

    4月〜3月の月別に売上と経費を入れると、粗利・営業利益・返済後の収支と累計を自動計算。

    • 月別
    • 損益計画
    • 累計

入金と支払いのタイミングまで反映した資金繰り表の作り方は資金繰り表の作り方とAI活用で、設備の減価償却費の扱いは固定資産台帳テンプレートの作り方で解説しています。開業資金の積み上げには08の資金計画書が使えます。

  • 事業計画書テンプレート「資金計画書(設備資金・運転資金と調達)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    08資金計画書(設備資金・運転資金と調達)

    必要な資金を数量×単価で積み上げ、調達先ごとの月々の元金返済額を自動計算。開業資金の整理に。

    • 資金計画
    • 設備資金
    • 運転資金

目的別の書き分けのポイント

同じ事業でも、読む人が変われば見られるところが変わります。最初に「誰が・何を判断するために読むのか」を決めてから書き始めると、項目の過不足が出にくくなります。

目的

主な読み手

重視される点

合う書式

創業融資(個人事業主・新設法人)

公庫・信用金庫の担当者

経験と事業のつながり、売上の根拠、自己資金、返済の見通し

01・08・04

既存事業の融資

銀行・信用金庫

過去の実績、投資の効果、返済余力

02・03

補助金の申請

審査員

公募要領の審査項目への対応、付加価値額などの数値目標

06

社内計画・新規事業

経営陣・社員

方針と数値目標のつながり、検証の判断基準

05・07

スタートアップの資金調達

投資家

市場の大きさ、成長の道筋、手元資金で何か月持つか

07・03

個人事業主の創業融資:公庫の創業計画書に合わせる

個人事業主として開業し、公庫の創業融資を申し込むなら、公庫の創業計画書の項目に沿って書くのが近道です。公庫は各種書式ダウンロードで創業計画書のExcel版・PDF版に加え、洋風居酒屋・美容業・中古自動車販売業・婦人服・子供服小売業・ソフトウェア開発業・内装工事業・学習塾・歯科診療所・介護サービスの9業種の記入例を公開しています。自分の業種に近い記入例を見て、売上の根拠や取引条件の書き方の粒度をそろえると、面談での確認が短く済みます。

個人事業主の計画で抜けやすいのは、事業以外の借入(住宅ローン・自動車ローン・カードローン)と、家族の生活費です。利益から生活費と元金返済を引いても残るかを、数値計画の段階で確かめておきます。開業時の届出は開業届の書き方と記入例、法人で始める場合の準備は定款をAIで作成する方法を参考にしてください。

スタートアップ:投資家向けは「成長の道筋」と「残りの月数」を書く

投資家向けの事業計画には決まった様式がなく、スライドで作ることが多いのが実情です。融資向けと違い、黒字化の時期より「どの市場で、どの指標(会員数・継続率・顧客単価など)を、いつまでにどこまで伸ばすか」が問われます。あわせて、毎月の資金の減り(人件費や開発費の合計)と手元資金から、資金が何か月持つかを示します。数値部分は03の5か年収支計画、仮説の整理は07のリーンキャンバス型が下書きに使えます。

既存事業の融資:返済できることを数字で示す

設備投資の借入では、金融機関は「投資で利益がどれだけ増え、その利益で返済できるか」を見ます。02は実績と3か年計画を並べ、営業利益に減価償却費を足した簡易キャッシュフロー(CF)から年間返済額を引いた「返済余力」を自動計算します。簡易CFは支払利息・法人税等を差し引く前の目安なので、余裕を持った水準かどうかで判断してください。資金の出入りを月単位で詰めるなら、資金繰り表の作り方とAI活用もあわせて使うと、季節変動による資金不足を事前に把握できます。

中期計画:行=年度、列=項目で前提を固定する

5か年の収支計画は、売上だけ伸ばして経費を据え置く「右肩上がり」の計画になりがちです。03は年度ごとに人件費・家賃・減価償却費を分けて入力し、粗利率と経常利益を自動計算します。下段の「資金の見通し」では、税引後利益+減価償却費から設備投資と返済を引いた資金の増減を累計で確認できます。

  • 事業計画書テンプレート「収支計画書(5か年・自動計算)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    03収支計画書(5か年・自動計算)

    1年目〜5年目の売上・原価・経費を入れると、粗利・粗利率・営業利益・経常利益を自動で計算します。

    • 5か年計画
    • 収支計画
    • Excel自動計算

補助金:課題→取組→効果の順に一貫させる

補助金の事業計画書は、公募要領の審査項目に沿って書くのが原則です。たとえばものづくり補助金(第23次締切)の公募要領では、経営力・事業性・実現可能性・政策面などの審査項目が示され、付加価値額は「営業利益、人件費、減価償却費を足したもの」と定義されています。06はこの定義で付加価値額と前年比を自動計算します。基本要件(付加価値額の年平均成長率など)は公募回ごとに変わるため、必ず申請する回の公募要領で確認してください。

  • 事業計画書テンプレート「補助金申請向け(課題・取組・効果)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    06補助金申請向け(課題・取組・効果)

    課題→取組→経費→効果の順に整理する下書き用。付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を自動計算。

    • 補助金
    • 付加価値額
    • 下書き

小規模事業者持続化補助金の様式ごとの書き方は持続化補助金の申請ガイド、会計事務所が申請を支援する際の進め方は補助金の事業計画書をAIで下書きする方法で詳しく解説しています。持続化補助金は地域の商工会・商工会議所に計画を見てもらう流れがあるため、「商工会 事業計画書」で探している方は、まずこの補助金の様式を確認してください。設備投資が目的なら中小企業省力化投資補助金の解説もあわせて確認すると、使える制度を比べられます。

新規事業・社内計画:仮説と判断基準を先に決める

社内の新規事業提案では、数字の精度より「何が分かれば進めるか」を明確にすることが重要です。07はリーンキャンバス(Ash Maurya氏が提唱した1枚の事業整理法)の9要素を縦に並べ、検証する仮説・期限・判定基準を書く欄を設けています。05の経営計画書は、理念・3年後の姿・数値目標・SWOTから重点施策と担当者までをつなげて1枚で共有する書式です。

業種別の書き分け例

テンプレートの項目は共通でも、売上の算式と、審査で必ず聞かれるポイントは業種で変わります。現場で相談の多い業種を中心に、売上の立て方と書き分けの要点をまとめました。売上の算式は、公庫の売上高等の計算方法の4つの型(設備の能力・売場面積・席数×回転数・従業者数)のどれかに当てはめると考えやすくなります。

業種

売上の算式(例)

書き分けのポイント

せどり・物販(EC)

1か月の販売個数×平均販売単価

仕入れから入金までの日数と在庫の資金、販売手数料・送料を経費に入れる。中古品を仕入れて売るなら古物商許可の有無も書く

中古車販売

月の販売台数×1台当たり粗利

仕入先(オークション等)と在庫の台数、展示場の家賃。公庫の記入例(中古自動車販売業)が参考になる

自動車整備工場

整備・車検の件数×平均単価

リフト等の設備の数で受けられる件数の上限が決まる。分解整備を行う場合は地方運輸局の認証の要否を確認する

コールセンター(受託)

席数×席単価、または対応件数×件数単価

人件費の割合が高く、席の稼働率と採用の計画が利益を左右する。主要な委託元への依存度も書く

リフォーム・工務店・塗装・電気工事

月の受注件数×平均工事単価

受注から入金までが長く、材料・外注費を先に払うため運転資金が膨らみやすい。請負金額によっては建設業許可が要る

教室(パソコン・英会話・学習塾・そろばん)

生徒数×月謝

定員と講師の人数で上限が決まる。入会・退会の見込みを月ごとに置く

スタジオ・施設(ピラティス・フットサル場)

時間単価×稼働時間×稼働率

平日昼と夜・週末で稼働率を分けて置く。設備資金が大きく、返済期間の設定が重要

レンタル(レンタカー・衣装)

保有数×稼働率×1回の料金×月の日数

繁忙期の偏りが大きいので月次計画で資金の谷を確認する。車両・商品の更新費用も入れる

化粧品・ベビー用品などの小売

客数×客単価(ECは訪問数×購入率×客単価)

在庫の回転と広告費の回収期間を書く。広告費をかけたときの客数の伸びを根拠付きで示す

業種の固有の許認可や規制は、計画書の「取扱商品・サービス」や「必要な資金」とつながります。許認可が必要な業種で取得の見込みを書いていないと、面談で必ず確認されるので、取得済みか申請予定かを一行添えておきます。

よくある間違いと直し方

よくある間違い

直し方

売上を「月100万円を目指す」と目標だけで書く

客単価×客数×営業日数などの算式と、各数字の出典(前職の実績・近隣店の調査)を書く

必要な資金と調達の合計が合っていない

両方の合計を並べて確認する(08の「必要=調達」欄)

運転資金を入れていない

開業後の赤字期間の経費(数か月分)と、売上の回収までの立替分を加える

個人事業なのに人件費に自分の生活費を入れている

公庫の様式では事業主分は人件費に含めない。生活費は利益から賄えるかで確認する

利益は出るが返済額を考えていない

月の利益から元金返済を引いた残りを確認する(04の「返済後の収支」)

住宅ローン・カードローンを書かない

事業以外の借入も記載欄がある。後で判明すると信頼を損なうため正直に書く

実務で特に多いのは、売上の根拠が1行で終わっているケースです。面談では「その回転数はどこから出したのか」と必ず聞かれるので、前職での実績や、同じ時間帯に競合店を数えた結果など、自分で確かめた数字を添えておくと説明に詰まりません。

AIで事業計画書を下書き・チェックする方法

文章の骨組みづくりや、数字の矛盾の点検はAIが得意とする作業です。ChatGPTなどの汎用AIでも、次のプロンプトで下書きと点検ができます。ただし、AIが示す業界平均・補助金の要件・融資制度の条件は誤っていることがあるため、必ず公庫や公募要領の一次情報で確認してください。

あなたは創業融資の面談に詳しい税理士です。
次の情報から、創業計画書の「創業の動機」「セールスポイント」「販売ターゲット・販売戦略」を
それぞれ2〜3文で下書きしてください。誇張せず、事実だけで書いてください。

業種:【例:自家焙煎のカフェ】
経歴:【勤務先・年数・担当業務・実績】
創業のきっかけ:【具体的な出来事】
想定する顧客:【地域・属性】
競合の状況:【近隣の店舗数・特徴】
次の事業計画の数字を点検してください。
(1) 売上高の根拠の算式が、業種に合っているか
(2) 必要な資金の合計と調達の合計が一致しているか
(3) 月の利益から借入の元金返済ができるか
(4) 経費に漏れていそうな項目(保険料・通信費・広告費・減価償却費など)
問題があれば、どの数字をどう直すべきかを箇条書きで示してください。

【Excelの表をそのまま貼り付け】

うまくいかない例として多いのは、「事業計画書を作って」とだけ頼んで、架空の数字で埋まった計画書が出てくるケースです。AIには前提(客単価・席数・原価率など)を自分で渡し、「計算式を示して」と指示すると、根拠のない数字が混ざるのを防げます。

AIで下書きする5ステップ

  1. 前提の数字(客単価・客数・原価率・家賃・借入額)を自分で決めて、箇条書きにする
  2. 文章の項目(動機・強み・販売戦略)を、事実を渡したうえでAIに下書きさせる
  3. 売上の算式と月次の収支を、計算式付きでAIに出させ、Excelで検算する
  4. 点検用のプロンプトで、合計の不一致や経費の漏れを洗い出す
  5. 面談で聞かれそうな質問をAIに出させ、答えを用意する

顧問先の売上や借入の情報をAIに入れるときは、会社名や個人名を伏せ、入力したデータが学習に使われない設定で使うのが基本です。判断の目安はChatGPTの情報漏洩対策にまとめています。

そのまま使えるプロンプト(追加)

業種に合った売上の算式を出させるプロンプトです。

あなたは創業融資の審査に詳しい税理士です。
次の事業について、売上高の算式を2通り示し、それぞれに必要な前提の数字と、
その数字を自分で確かめる方法(現地調査・前職の実績・見積など)を表にしてください。
数字そのものは推測で埋めず、空欄のままにしてください。

業種:【例:自動車整備工場】
立地:【市区町村・道路沿いか住宅地か】
設備:【リフト2基 など】
営業日・時間:【月24日・9時〜18時 など】

うまくいかない例は「業界の平均単価で売上を出して」と頼むことです。AIが示す平均値は出典が確かめられないことがあるため、上のように「前提は空欄で、確かめ方を示して」と頼むと、自分で調べる項目が一覧になります。

長い計画書を1枚に要約するプロンプトです。

次の事業計画書を、A4・1枚に収まるように要約してください。
見出しは「事業の概要」「強みと競合」「売上の根拠」「必要な資金と調達」
「収支の見通し」「返済の見通し」「実行スケジュール」「リスクと対策」の8つとし、
各見出しは2行以内にしてください。数字は元の文書にあるものだけを使い、
新しい数字を作らないでください。

【事業計画書の本文を貼り付け】

うまくいかない例は、要約の途中でAIが数字を丸めたり、元の文書にない目標を足したりするケースです。「新しい数字を作らない」と明記し、出てきた1枚と元の計画書の数字を最後に突き合わせてください。

面談の想定問答を作るプロンプトです。

あなたは金融機関の融資担当者です。次の創業計画書を読み、面談で確認したい質問を
重要な順に10個挙げてください。質問ごとに、計画書のどの記載を見てそう考えたかを添えてください。
その後、申込人として答えるときに用意すべき資料(見積書・前職の実績資料など)を一覧にしてください。

【創業計画書の内容を貼り付け】

うまくいかない例は、質問だけを出させて終わることです。答えの準備まで頼むと、見積書や前職の実績資料など、面談前にそろえる書類がはっきりします。

汎用AIでも文章の下書きや数字の点検はここまでできます。顧問先の事業計画を税理士が支援する場面では、減価償却や消費税の扱い、補助金の会計処理など税務の論点の確認が加わります。士業AIの税務AIは、国税庁などの公的情報を参照しながら回答する税理士向けのAIで、こうした論点を根拠を確かめやすい形で整理できます。経営者や経理担当の方がExcelの数式づくりや説明文の作成に使うなら経理AIが向いています。

まとめ

  • 事業計画書は目的(創業融資・既存事業の融資・補助金・社内計画)で書式を選ぶ
  • 創業計画書は公庫の項目(動機・略歴・商品・取引先・資金・見通し)を押さえる
  • 売上は業種に合った算式で積み上げ、経費と返済まで含めて利益を確認する
  • 補助金は申請する回の公募要領の審査項目と要件に合わせる
  • 1枚版は各項目を1〜2行に絞り、数字は計算式だけ残す
  • 数値計画は売上→損益→資金繰りの順に作り、慎重ケースでも返済できるかを確かめる
  • 業種ごとに売上の算式と、許認可・在庫・稼働率など聞かれる論点を書き分ける

ほかの書式は無料の書式テンプレート一覧からダウンロードできます。

本記事は2026年10月時点の法令・公的資料にもとづいています。融資制度や補助金の要件は変更されることがあるため、申込み・申請の前に各機関の最新情報をご確認ください。個別の事情については、税理士などの専門家にご相談ください。

参考文献

よくある質問

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