業務効率化

日報テンプレート無料8種|Excel・Word/作業時間を自動計算【2026年】

日報のテンプレートを8種類、Excel・Word・PDFの3形式で無料配布しています。会員登録は不要です。どの部署でも使える業務日報のほか、営業日報、作業日報(時間帯別・数量つき)、テレワーク日報(中抜け時間つき)、新人・研修日報、週報、現場日報、士業事務所向けの顧問先別の業務日報まであります。Excel版は開始・終了の時刻を入れると、所要時間と合計を数式で自動計算します。

書き方の結論は、事実 → 所感 → 明日の予定の順に書くことです。何時から何時まで何をしたかを先に書き、気づきや課題はその後に分けて書きます。日報で始業・終業の時刻も報告させている会社は、日報が労働時間の記録を兼ねることになるため、厚生労働省のガイドラインに沿った運用と、労働基準法109条にもとづく保存(5年、当分の間は3年)が必要です。

この記事で分かること

  • 用途別に選べる日報テンプレート8種類(Excel・Word・PDF)と、職種別の向き・不向き
  • 日報フォーマットの選び方(日次・週次・月次、項目の絞り方、紙・Excel・ツールの比較)
  • 日報の記載項目と欄ごとの書き方、職種別の記入例
  • 1か月分の作業日報をExcelでまとめる方法と、そのまま使える集計式
  • 業務日誌と業務日報の違い、日報の保存期間
  • 日報を労働時間の記録として使うときの注意(厚生労働省のガイドライン)
  • よくある間違いの直し方と、AIで日報を下書き・チェックするプロンプト例

日報テンプレート無料ダウンロード(8種類)

迷ったら01の業務日報、訪問が中心の仕事なら02、在宅勤務なら04を目安に選んでください。8種類とも、Excel・Word・PDFの3形式をそろえています。Excel版は「記入例」シートで完成形を確認でき、空欄の「日報」シートに時刻を入れると所要時間・累計・合計が自動で計算されます。手書きで運用する現場はPDFを印刷し、社内の書式に合わせて欄を直したいときはWord版を編集して使えます。

テンプレート

向いている職種・部署

形式

Excelの自動計算

主な記載欄

01 業務日報(標準)

事務・総務・経理・人事など

Excel・Word・PDF

所要時間・合計

時間ごとの業務と所要時間、所感、明日の予定、連絡事項

02 営業日報

営業職・ルートセールス

Excel・Word・PDF

訪問ごとの所要時間

訪問先・面談者・商談内容・見込み度・次回アクションと、本日の実績

03 作業日報

製造・工場・物流・保守

Excel・Word・PDF

作業時間・累計・合計

作業区分・品番・数量・不良数。段取りや手待ちも記録

04 テレワーク日報

在宅勤務・サテライトオフィス勤務

Excel・Word・PDF

業務時間と中抜け時間を区分して集計

始業・終業、業務・休憩・中抜けの区分、成果・所感

05 新人・研修日報

新入社員・OJT・中途入社の研修期間

Excel・Word・PDF

研修ごとの所要時間・合計

研修の内容と時間、学んだこと、質問、指導担当のコメント

06 週報

週1回の報告で足りる部署・管理職への報告

Excel・Word・PDF

曜日ごとの労働時間、1日8時間超の時間、週合計

始業・終業・休憩、今週の成果・課題、来週の予定

07 現場日報

建設・設備工事・電気工事

Excel・Word・PDF

実働時間、延べ時間(人数×実働)

天候、職種ごとの人数、進捗・安全・資材、元請への連絡

08 士業事務所の業務日報

税理士・社労士・司法書士などの事務所

Excel・Word・PDF

「顧問内」「別途」の時間を別々に集計

顧問先・業務区分・作業内容、顧問先への確認事項

どのテンプレートも、Excel版の「設定」シートで色とフォントを自社用にまとめて変えられます。記載内容が自社の就業規則や勤怠の運用に合っているかは、使う前に担当部署で確認してください。出勤簿や経費精算書など、ほかの書式は無料の書式テンプレート一覧に、稟議書・シフト表など社内でよく使う書式は社内文書テンプレートまとめにまとめています。

日報フォーマットの選び方

日報のフォーマットは、「どの頻度で」「何を」「何で」書くかの3点で決まります。最初から項目を盛り込みすぎると、書く側の負担が増えて続きません。ここでは、テンプレートを選ぶ前に決めておきたい判断基準を整理します。

日次・週次・月次のどれで書くか

日報は1日単位が基本ですが、業務の性質によっては週報や月報のほうが合うこともあります。目安は「上長が何日ごとに手を打ちたいか」です。

単位

向いている業務

使うテンプレート

注意点

日次(日報)

営業・製造・現場・新人研修など、日々の状況が変わる業務

01〜05、07、08

書く時間を勤務時間内に確保する

週次(週報)

企画・開発・管理部門など、1件の仕事が数日にわたる業務

06 週報

労働時間は日ごとに記録する(週の合計だけにしない)

月次(月報・月間作業日報)

案件別・顧問先別の時間集計、工期の管理、評価面談の資料

日報を月単位で集計(後述)

締め日を給与計算とそろえる

週報や月報に切り替えても、始業・終業の時刻を日報で報告させているなら、その記録は日ごとに必要です。厚生労働省のガイドラインは、労働日ごとに始業・終業時刻を確認し記録することを求めています(詳しくは後述の「日報を労働時間の記録として使うときの注意」)。

項目は「共通の5つ+職種の欄」で絞る

どの職種でも外せないのは、日付・氏名、作業の記録(開始・終了・内容)、所感、明日の予定、連絡・相談事項の5つです。これに職種ごとの欄を1〜3個だけ足します。営業なら見込み度と次回アクション、製造なら数量と不良数、建設なら天候と人員、士業事務所なら顧問先と請求区分です。

欄を増やしたくなったら「その欄を誰が、何に使うか」を確かめ、読む人がいない欄は削ります。

紙・Excel・Word・日報ツールの比較

形式

向いている職場

よい点

気をつける点

紙(PDFを印刷)

製造ライン・建設現場など、パソコンを開きにくい職場

その場で書ける。導入の手間がない

集計は手作業になる。保管場所と保存期間を決めておく

Excel

時間や数量を集計したい職場全般

所要時間・合計を自動計算。月次集計に回しやすい

ファイルが散らばりやすい。保存先とファイル名の付け方を決める

Word

文章での報告が中心の部署、研修日報

所感や指導コメントを書きやすい

時間の計算はできない。合計は手で確かめる

日報アプリ・グループウェア

拠点が複数ある会社、テレワーク中心の会社

提出・既読・コメントが一か所で済む。検索しやすい

費用と定着までの時間がかかる。まずExcelで項目を固めてから移すと失敗しにくい

実務では、Excelのテンプレートで2〜3か月運用して欄を固めてからツールに移すと、必要な欄が抜けたまま定着する失敗を防げます。

日報の書き方|記載項目と欄ごとのポイント

日報は法律で様式が決まった書類ではありません。何を書かせるかは会社が決められますが、読む側が1分で状況をつかめる形にそろえることが大切です。次の表は、8種類のテンプレートに共通する項目です。

項目

必須/任意

根拠・理由

注意点

日付・氏名・所属

必須

社内の管理・検索のため

日付は曜日まで書くと週報への転記が楽になる

始業・終業の時刻

労働時間の記録を兼ねるなら必須

厚生労働省ガイドライン4(1):労働日ごとに始業・終業時刻を確認し記録

予定ではなく実績を分単位で書く

作業時間の表(開始・終了・内容)

必須

事実の記録。業務量の把握と改善の材料

休憩は業務の行に含めず、区切りを空けるか区分で分ける

結果・進捗・数量

任意(推奨)

成果を数字で残すため

「完了」「80%」「120個」など比較できる形にする

所感・気づき・課題

必須

事実と意見を分けて伝えるため

感想で終わらせず、原因と次の手を1行添える

明日の予定

必須

上長が先回りして支援できるようにするため

時間帯や期限を入れる

連絡・相談事項、上長コメント

任意

双方向のやり取りを残すため

コメント欄がない日報は読まれていないと感じやすい

確認印(承認欄)

任意

確認した事実を残すため

電子の日報なら確認日時の記録で代えられる

作業時間の表は「開始・終了」で書く

「会議 1.5h」のように所要時間だけを書くと、合計が勤務時間と合わない日が出ても気づけません。開始と終了の時刻で書けば、Excelが所要時間を計算し、空白の時間帯も一目で分かります。テンプレートの所要時間は、次の考え方の数式で出しています。

所要時間 =IF(OR(開始="",終了=""),"",MOD(終了-開始,1))
表示形式  [h]:mm(24時間を超える合計も正しく表示される)

MODを使うと、23:00〜翌1:00のように日付をまたぐ作業でもマイナスになりません。配布しているExcel版では、さらに分単位で丸めて(ROUNDで1分単位にそろえて)秒の端数が合計に混ざらないようにしています。顧問先別や案件別に月の時間を集計したいときは、SUMIFSやピボットテーブルを使います。関数の使い方は士業事務所の経理が使うExcel関数・ショートカット100選で解説しています。

所感は「事実・原因・次の手」の3点で

「疲れた」「頑張った」だけの所感は、読む側が何もできません。「〇〇商事は価格よりサポート体制を重視している(事実)→ 比較資料が不足(原因)→ 見積書にサポート資料を添える(次の手)」のように書くと、上長がコメントを返しやすくなります。1日2〜3行で十分です。

明日の予定は時間帯と期限を入れる

「見積書作成」ではなく「〇〇商事の見積書を作成し、午前中に課長承認」と書きます。予定に期限があると、翌日の日報で達成できたかを確かめられます。週報では「今週の目標」と「来週の予定」を対にしておくと、振り返りが続けやすくなります。

職種別の日報記入例(事実 → 所感 → 明日)

同じ「事実 → 所感 → 明日」の型でも、職種によって書くべき事実は変わります。ここでは6つの職種について、そのまま書き換えて使える記入例を示します。【】の部分を自社の内容に置き換えてください。社名や人名は架空のものです。

営業職の記入例

【事実】10:00〜11:00 〇〇商事 訪問(総務部 佐藤課長)。複合機の入替を提案。見込みB(予算は来期で検討中)
【事実】14:00〜15:30 △△工業 既存顧客の定期訪問。トナーの発注方法の変更依頼を受け、手続きを案内済み
【所感】〇〇商事は価格よりも保守対応の速さを重視している。提案書に保守の対応時間の実績が入っていなかった
【明日】10:00までに〇〇商事向けの保守実績の資料を作成し、課長確認のうえメール送付。午後は新規2件にアポ電話

営業日報は、訪問件数よりも「次回アクションに期限があるか」が肝です。見込み度はA・B・Cの基準(例:Aは予算と時期が確定)を社内でそろえておかないと、人によって意味が変わります。

製造・工場の記入例

【事実】8:00〜8:15 朝礼・KY活動/8:15〜8:45 段取り(治具交換 品番A-102)/8:45〜12:00 A-102 加工 270個(不良1)
【事実】15:30〜16:10 手待ち(B-210の材料到着待ち。資材課へ連絡済み)
【所感】B-210のバリは刃物の摩耗が原因。交換周期を500個ごとから400個ごとに見直したい
【明日】B-210の残り230個を加工(材料は8:00入荷予定)。刃物の交換周期の案を班長に相談

製造の日報では、加工以外の時間(段取り・手待ち・清掃)を区分して書くのがポイントです。区分があると、月にどれだけの時間が段取りや手待ちに消えているかを集計できます。

建設現場の記入例

【事実】天候:晴れのち曇り。型枠大工4名・鉄筋工3名・設備2名。3階床 型枠80%(予定比+5%)
【事実】10:00 鉄筋D13 2.5t搬入。開口部の手すりを設置(墜落防止)。事故・ヒヤリなし
【所感】明後日に雨の予報。搬入済みの資材の養生が足りない
【明日】14:00 配筋検査(元請立会い)。午前中に資材をシートで養生。近隣への騒音のお知らせを配布

現場日報は、天候と人数を必ず残します。工程が遅れたときに、雨天や資材待ちで作業できなかった日を日報から示せるからです。

IT・事務職の記入例

【事実】9:00〜10:30 請求書の発行(10月分 42件、送付完了)/10:30〜12:00 経費精算のチェック(差戻し3件)
【事実】13:00〜15:00 社内システムの入力マニュアルの改訂(第3章まで完了。進捗60%)
【所感】経費精算の差戻しは3件とも領収書の添付漏れ。申請画面の注意書きが目立たない位置にある
【明日】マニュアルの第4〜5章を改訂し、16:00に課長へ提出。申請画面の注意書きの位置を情報システム課に相談

事務職は「何件処理したか」と「どこで止まったか」を書くと、手順の見直し点が見えてきます。

介護・医療の記入例

【事実】8:30〜9:00 申し送り(夜勤者から3件)。9:00〜12:00 入浴介助4名、記録の入力
【事実】14:00〜15:00 新人職員のOJT(移乗介助の手順)。15:00〜16:00 委員会(感染対策)の資料準備
【所感】入浴介助の時間が押し、記録の入力が昼休憩にずれ込んだ。入浴の順番を見直す余地がある
【明日】午前に入浴介助3名。委員会資料を13:00までに主任へ提出。入浴の順番の案を朝の申し送りで相談

介護・医療の職場では、利用者・患者ごとのケアの記録や看護記録は、それぞれの制度で決められた記録として別に作ります。日報はあくまで職員の業務報告と位置づけ、利用者名や病状などの個人情報は書かない(または「利用者A」のように記号にする)運用が安全です。

士業事務所の記入例

【事実】9:30〜11:30 株式会社〇〇商事 9月分の記帳・試算表(顧問内)
【事実】13:00〜14:00 □□物産 役員報酬の相談(顧問内)/14:00〜16:30 〇〇様 相続税の財産目録作成(別途)
【所感】〇〇商事の9月売上に前受金の振替漏れの可能性あり。担当者に請求書の控えを依頼済み
【明日】10:00 △△クリニック 月次報告で訪問。〇〇様の残高証明書(△△銀行)の到着を確認

士業事務所の日報は、作業時間と「顧問内/別途」の区分をセットで残すと、月末に顧問先別の採算と請求漏れを確かめる材料になります。顧問先への確認事項は所感の欄に書いておくと、担当者が不在の日でも事務所内で引き継げます。

1か月分をまとめる:日報から月次集計へ

日報は1日1枚が基本ですが、実務では「1か月分を1枚で見たい」場面があります。作業日報や現場日報を月単位で集計すると、案件ごとの延べ時間、残業の多い週、手待ちや段取りに消えている時間が数字で出てきます。月間の作業日報は、次の2つの作り方のどちらかで作ります。

作り方

向いている場面

メリット

デメリット

A:1日1シートを月の日数分そろえる

日報を1日1枚で提出・印刷したい職場

テンプレートをそのまま使える

区分別・案件別の集計がしにくい

B:1か月分の作業を1枚の表に1行ずつ記録する

案件別・顧問先別・作業区分別に時間を集計したい職場

SUMIFSやピボットテーブルで自由に集計できる

1日分を見るにはフィルターが必要

作り方A:1日1シートを複製して3D参照で合計する

Excel版のテンプレートの「日報」シートを月の日数だけ複製し、シート名を「1日」「2日」…「31日」とします。集計用のシートを1枚足し、各シートの同じ位置にある合計セルを3D参照でまとめて足します。

月の合計時間  =SUM('1日:31日'!E19)
(E19 は01 業務日報の合計セル。ほかのテンプレートは合計セルの位置に置き換える)
表示形式      [h]:mm

3D参照は先頭と末尾のシートの間をすべて合計するため、間に別のシートを挟むと結果が変わります。行を挿入して合計セルの位置がずれた日はその日だけ集計から漏れるので、行の挿入・削除はしないのが安全です。

作り方B:1行1作業の「月間作業記録」にしてSUMIFSで集計する

区分別・案件別に時間を見たいなら、1か月分の作業を1枚の表に1行ずつ記録する形が便利です。列は次のように並べます。

列

A

B

C

D

E

F

G

項目

日付

開始

終了

作業時間

案件・顧問先

作業区分

数量・備考

D列の作業時間は、日報と同じ式で計算します。集計用の表には、次の式を入れます(データは2行目から500行目までと仮定)。

作業時間(D2)       =IF(OR(B2="",C2=""),"",MOD(C2-B2,1))
案件別の月合計       =SUMIFS($D$2:$D$500,$E$2:$E$500,"〇〇商事")
区分別の月合計       =SUMIFS($D$2:$D$500,$F$2:$F$500,"段取り")
締め日で区切る合計   =SUMIFS($D$2:$D$500,$A$2:$A$500,">="&DATE(2026,9,21),$A$2:$A$500,"<="&DATE(2026,10,20))
暦月で区切る合計     =SUMIFS($D$2:$D$500,$A$2:$A$500,">="&DATE(2026,10,1),$A$2:$A$500,"<="&EOMONTH(DATE(2026,10,1),0))
時間を10進数にする  =合計のセル*24(1時間30分 → 1.5)

案件名や作業区分は、入力規則(データの入力規則のリスト)で選択式にしておくと、「〇〇商事」「(株)〇〇商事」のような表記ゆれで集計から漏れることを防げます。時刻が文字列で入っている(セルの左に寄っている)と計算されないので、時刻の列は表示形式を「時刻」にそろえてください。集計結果を時間単価や報酬額に掛けるときは、[h]:mmのままではなく、10進数に直してから掛けます。

月でまとめるときのコツ

  • 日付と作業区分を必ず同じ列位置に置く。シートの形が揃っていないと、月次の集計式が崩れます
  • 合計は関数で出し、手入力しない。時刻の差はSUM関数の前に「終了−開始」で計算し、表示形式を[h]:mmにすると24時間を超えても正しく出ます
  • 締め日をそろえる。給与計算の締めが20日なら、月次集計も21日〜20日で区切ると、勤怠との突き合わせが1回で済みます
  • 出勤簿の労働時間と突き合わせる。日報の作業時間の合計が出勤簿の実働より大きく少ない日は、記録の漏れか、日報に書いていない作業があるサインです

勤怠そのものを月単位で管理したいときは、日報とは別に出勤簿テンプレート(残業・深夜の自動集計つき)を使うと、1か月の労働時間と残業時間を1枚で確認できます。シフト制の職場で週40時間を超えていないかを見るならシフト表テンプレート、年次有給休暇の取得日を日報と合わせて管理するなら年次有給休暇管理簿テンプレートが使えます。

関数での集計に手が止まるなら、Excel関数とショートカット100選に月次集計で使う関数をまとめています。式の組み立てそのものをAIに任せたい経理・バックオフィスの方は、経理スタッフ向けAIにやりたいことを日本語で伝えると、集計式の形から相談できます。

業務日誌と業務日報の違い

「業務日誌」と「業務日報」は、どちらも法律上の定義がある言葉ではなく、会社によって呼び方が違うだけのことも多くあります。ただ、一般的には次のように使い分けられています。

観点

業務日誌

業務日報

主な目的

記録(何が起きたかを後から確かめる)

報告(上長に状況を伝え、判断や支援を受ける)

書く単位

部署・現場・設備など(担当者が交代で書くこともある)

個人

中心になる内容

時系列の出来事、来客・問い合わせ、点検・異常の記録

作業時間、成果、所感、明日の予定

読み手

後任者・監査・トラブル時の確認者

直属の上長

保存の考え方

社内規程で決める(業種ごとの法定記録は別途)

始業・終業の記録を兼ねるなら、労働時間の記録として保存(後述)

保存期間で大事なのは、名前ではなく中身です。業務日誌という名前でも、始業・終業の時刻を記録して勤怠や残業代の根拠にしているなら、労働時間の記録に関する書類として扱います。反対に、業務の出来事だけを記録した日誌には、法律で一律に決まった保存期間はありません。紛争や問い合わせに備えて、社内規程で保存期間を決めておきましょう。

今回のテンプレートは、業務日誌としても使えます。01の業務日報を部署単位で使うなら、氏名の欄を「記入者」、所感の欄を「特記事項(異常・苦情・引継ぎ)」として使います。設備の点検や来客の記録が中心なら、03の作業日報の作業区分を「点検」「来客」「電話」などに変えると、件数と時間を集計できます。

なお、業種によっては、法令で記録の内容や保存期間が決まっているものがあります(運送業の乗務の記録、介護サービスの提供の記録など)。こうした記録は日報や業務日誌で代わりにはならないため、所管の法令や行政の様式に沿って別に作成してください。

日報を労働時間の記録として使うときの注意

日報で始業・終業の時刻を報告させ、それをもとに残業代を計算している会社は少なくありません。この場合の日報は、労働者本人が申告する「自己申告制」の記録にあたります。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、始業・終業時刻の確認・記録の原則を「使用者の現認」か「タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間などの客観的な記録」としており、自己申告制は「行わざるを得ない場合」の方法と位置づけています。

ガイドラインの定め

日報の運用で気をつけること

4(1) 労働日ごとに始業・終業時刻を確認し、記録する

日報に始業・終業の実績時刻を書く欄を設ける

4(3)ア・イ 自己申告の対象者と管理する者に十分な説明をする

「実績を正しく書くこと」「書いたことで不利益はないこと」を最初に伝える

4(3)ウ 必要に応じて実態調査をし、補正する。入退場記録やパソコンの使用時間と著しく乖離していれば調査する

日報の時刻とパソコンのログ・入退室記録を定期的に突き合わせる

4(3)エ 申告時間を超えて社内にいる理由を報告させるなら、その報告が適正か確認する

「自主的な勉強」と書かれていても、指示による作業なら労働時間として扱う

4(3)オ 申告できる時間外労働の上限を設けるなど、適正な申告を阻害する措置をしない

「残業は月20時間まで書いてよい」のような運用をしない

4(4) 賃金台帳に労働日数・労働時間数・時間外労働時間数などを適正に記入する

日報の時間と賃金台帳の時間数が食い違わないよう、締め日ごとに照合する

4(5) 出勤簿やタイムカードなど労働時間の記録に関する書類を保存する

始業・終業の記録を兼ねる日報は、出勤簿と同じく保存しておく

記録の保存期間は、労働基準法109条で5年とされ、同法附則143条の経過措置により当分の間は3年です(厚生労働省リーフレット「未払賃金が請求できる期間などが延長されています」)。保存期間の起算日は、労働基準法施行規則56条により、労働関係に関する重要な書類は「その完結の日」で、その記録に関する賃金の支払期日のほうが遅い場合は支払期日です。たとえば4月分の日報を5月15日払いの給与計算に使ったなら、5月15日から数えます。

また労働安全衛生法66条の8の3は、医師の面接指導のために労働時間の状況を把握することを求めており、その方法はタイムカードやパソコンの使用時間の記録などの客観的な方法その他の適切な方法とされています。把握した労働時間の状況の記録は、作成して3年間保存するための措置が必要です(労働安全衛生規則52条の7の3)。日報の自己申告だけで済ませず、客観的な記録と組み合わせるのが基本です。

もう1つ見落としやすいのが、日報を書く時間そのものです。ガイドラインは、使用者の明示または黙示の指示で業務に従事する時間は労働時間にあたるとしています。会社の指示で書かせる日報を「終業後に書いて」と運用すると、その時間の賃金が漏れるおそれがあります。テンプレートの記入例では、日報の作成を勤務時間内の最後の行に入れています。

ケース別の注意点

テレワーク:中抜け時間の書き方

在宅勤務では、子どもの送迎や通院などで一時的に業務から離れる「中抜け時間」が生じます。厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は、中抜け時間を把握することも、把握せずに始業・終業の時刻だけを把握することも、どちらでもよいとしています。把握する場合は、休憩時間として扱い終業時刻を繰り下げるか、時間単位の年次有給休暇として扱う方法が示されており、どちらにするかは就業規則などで定めておくことが重要とされています。

  • 日報テンプレート「テレワーク日報(始業・終業・中抜け)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    04テレワーク日報(始業・終業・中抜け)

    業務・休憩・中抜けを区分して記録し、業務時間と中抜け時間を自動で集計。在宅勤務の労働時間の報告に。

    • テレワーク
    • 在宅勤務
    • 中抜け

04のテレワーク日報は、区分の列に「業務」「休憩」「中抜け」と入れると、業務時間と中抜け時間を別々に集計します。記入例は中抜け1時間を休憩として扱い、終業を18:00から19:00に繰り下げた日の形です。同ガイドラインは、自己申告の簡便な方法として「一日の終業時に、始業時刻及び終業時刻をメール等にて報告させる」例も挙げているため、チャットの報告時刻を日報に書き添えておくと確認が楽になります。時間単位の年次有給休暇として扱う場合は、労使協定が必要です(労働基準法39条4項)。

営業職:直行直帰でも時刻は残す

労働時間の適正把握ガイドラインの対象から外れるのは、労働基準法41条に定める者(管理監督者など)と、みなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働では、みなし労働時間制が適用される時間に限る)です。事業場外みなし労働時間制を適用していない営業職は、直行直帰でも始業・終業の把握が必要です。02の営業日報は訪問ごとの開始・終了を記録する形なので、最初の訪問と最後の報告の時刻が実質的な始業・終業の手がかりになります。

新人研修・製造現場:研修や手待ちも労働時間

ガイドラインは、参加が業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講時間、指示があればすぐに作業にかかる必要がある「手待時間」、指示による着替えや後片付けの時間を、労働時間として扱わなければならない例に挙げています。05の研修日報では研修の時間を、03の作業日報では「段取り」「手待ち」「清掃」を作業区分として記録し、合計に含めています。

  • 日報テンプレート「作業日報(時間帯別・数量つき)」の記入例(無料・Excel・Word・PDF)

    03作業日報(時間帯別・数量つき)

    時間帯ごとの作業区分・品番・数量・不良数と累計時間を記録。製造・物流・保守の現場で、段取りや手待ちも見える形に。

    • 作業日報
    • 製造
    • 累計時間

建設・工事現場:天候と職種別の人数を残す

建設業や設備工事では、日報が作業記録であると同時に、工程の遅れを説明する材料になります。07の現場日報は、天候、職種ごとの人数と延べ時間、進捗、安全確認、資材の入出を1枚に収める形です。雨天や資材待ちで動けなかった時間も、理由を添えて記録しておくと、工期の協議や追加請求の根拠になります。

労働時間の扱いで注意したいのは、現場までの移動と朝礼です。資材の積み込みや会社への集合が指示によるものなら、その時点から労働時間にあたります。また建設業は、適用猶予が2024年3月31日で終わり、2024年4月1日から時間外労働の上限規制(限度時間は労働基準法36条4項の月45時間・年360時間)が適用されています(同法附則139条。ただし災害時の復旧・復興の事業は、月100時間未満・複数月平均80時間以内の部分が当分の間適用されません)。職人ごとの延べ時間を日報から月単位で足し上げておくと、上限に近づいた時点で気づけます。36協定の届出は36協定届の書き方、上限や割増賃金の計算は残業代の正しい計算方法で確認してください。

出面(でづら)として人数だけを記録している現場では、出勤簿と日報が二重管理になりがちです。07の現場日報に始業・終業の列を足し、出勤簿を兼ねる運用にすると、転記の手間と食い違いがなくなります。

士業事務所:顧問先別の時間を報酬の見直しに

会計事務所や社労士事務所では、顧問料の範囲内の作業と、別途報酬を請求する作業が混在します。08の業務日報は、請求の列に「顧問内」「別途」と入れると、それぞれの時間を自動で集計します。1か月分を顧問先別に集計すると、顧問料に対して作業時間が多すぎる先や、請求漏れの別途作業が見えてきます。顧問先名が並ぶ書類なので、共有フォルダの閲覧権限は担当者と所長に絞っておきましょう。

業務委託の相手に社員と同じ日報を書かせ、始業・終業や作業の進め方まで細かく指示すると、実態によっては指揮命令の関係があるとみられる要素になりえます。委託先には成果や作業結果を報告してもらう形にし、報告の方法は契約で定めておきましょう(業務委託契約書テンプレート)。

よくある間違いと直し方

よくある間違い

起きること

直し方

所感が「特になし」「頑張りました」だけ

上長がコメントできず、日報が形だけになる

事実・原因・次の手を1行ずつ書く欄にする

始業・終業に所定の時刻(9:00〜18:00)を毎日そのまま書く

実態との乖離が生じ、未払い残業の原因になる

実績を分単位で書き、パソコンのログと突き合わせる

残業は申請した分だけ書くよう指示している

ガイドライン4(3)オの「適正な申告を阻害する措置」にあたるおそれ

上限を設けず、実際の時刻を書かせたうえで業務量を見直す

作業時間を15分未満切り捨てで書かせる

1日ごとの一律切り捨ては労働基準法違反になる

日々は1分単位で記録する(厚生労働省リーフレット「労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょう」)

日報の作成を終業後にさせている

作成時間の賃金が漏れる

勤務時間内に書く時間を確保し、作業時間の表に入れる

週報の合計が「42:30」のはずが「18:30」と表示される

表示形式が「h:mm」だと24時間を超えた分が表示されない

合計セルの表示形式を「[h]:mm」にする

月次集計で案件名の表記がばらばら

SUMIFSの条件に合わず、集計から漏れる

案件名・作業区分は入力規則のリストで選ばせる

リーフレットによれば、例外として認められる端数処理は、1か月の時間外・休日・深夜労働それぞれの合計について30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる方法です。残業代の計算そのものは残業代の計算方法(算定基礎・割増率・端数処理)で詳しく解説しています。

AIで日報を下書き・チェックする方法

日報は毎日書くぶん、書く側の負担が大きい書類です。1日のメモや音声メモをAIに渡して下書きを作り、本人が事実を確認して仕上げる流れにすると、書く時間を短くできます。顧問先名や個人名は、AIに渡す前に記号へ置き換えてください。

次のメモから、業務日報の下書きを作ってください。
【1日のメモ・カレンダーの予定・チャットの抜粋を貼り付け】
形式:
1. 作業の記録(開始・終了・業務内容・結果)の表。休憩は含めない
2. 所感・気づき(事実→原因→次の手の順に2〜3行)
3. 明日の予定(時間帯か期限つきで2〜3件)
条件:メモにない時刻や成果は作らず、不明な箇所は【要確認】と書く。

うまくいかない例は、「今日の日報を書いて」とだけ頼むことです。AIはもっともらしい時刻や成果を補ってしまうため、「メモにないことは書かない」「不明は【要確認】」と条件を付けます。会議の録音から要点をまとめる方法は議事録AIを無料で作る手順が参考になります。

次の5日分の日報を、週報にまとめてください。
【月〜金の日報を貼り付け】
出力:今週の成果(数字つきで3点)、課題と原因(2点)、来週の予定(3点)、
日ごとの始業・終業・労働時間の表と合計。1日8時間・週40時間を超えた日と時間も示す。
次の日報の始業・終業時刻と、パソコンのログオン・ログオフ時刻を突き合わせてください。
【日付・日報の始業・終業/ログの最初と最後の時刻の表を貼り付け】
差が30分以上ある日を「日付/日報/ログ/差/考えられる理由」の表にしてください。
理由は推測と分かるように書き、確認すべき質問を1つずつ添えてください。

3つ目のプロンプトは、ガイドラインがいう「著しい乖離」がないかを確かめる一次チェックに使えます。差があっても、それだけで労働時間と決めつけず、本人に事情を確認してから補正してください。

AIの業務活用の全体像は業務効率化のためのAI活用完全ガイドにまとめています。士業AIは士業・経理の実務文書に合わせて調整したAIで、日報の下書きや、テレワーク規程の中抜け条項のたたき台づくりにも使えます。日報のほかに経費精算や問い合わせメールも抱えている経理担当の方は、Excel・文書作成・メール返信をまとめて任せられる業務効率化AIから試すのが近道です。

日報テンプレートのよくある質問

日報は何分くらいで書くものですか?

法令で決まった目安はありませんが、毎日続けるなら10分前後で書き終わる量に収めるのが現実的です。30分以上かかっているなら、欄が多すぎるか、作業の記録をその場で残していないことが原因になっていることが多くあります。作業が終わるたびに開始・終了だけを書き、所感と明日の予定を最後にまとめる流れにすると短くなります。会社の指示で書く日報の作成時間は労働時間にあたるので、勤務時間内に書く時間を確保してください。

手書きとExcel、どちらが良いですか?

時間や数量を集計するならExcel、パソコンを開けない現場なら手書き(PDFを印刷)が向いています。どちらの場合も、始業・終業の時刻を報告させるなら、タイムカードやパソコンの使用時間などの客観的な記録と突き合わせることが前提です。

日報の保存期間は何年ですか?

日報が始業・終業の時刻を記録し、労働時間の記録に関する書類を兼ねている場合は、労働基準法109条により5年間の保存が必要で、経過措置(附則143条)により当分の間は3年間です。起算日は、その書類の完結の日か、その記録に関する賃金の支払期日のうち遅いほうです(労働基準法施行規則56条)。医師の面接指導のために把握した労働時間の状況の記録も、3年間の保存が求められています(労働安全衛生規則52条の7の3)。労働時間を記録していない日報には法律上の一律の保存期間はないので、社内規程で決めておきましょう。

テレワークでも日報は必要ですか?

日報という書類そのものを作る法律上の義務はありません。ただし、テレワークでも使用者には労働時間を把握する責務があり、厚生労働省のテレワークガイドラインは、自己申告による簡便な方法として終業時に始業・終業時刻をメール等で報告させる方法を例に挙げています。04のテレワーク日報は、この報告と中抜け時間の記録を1枚で済ませるための形です。チャットで報告している会社は、その報告時刻を日報に書き添えておくと、後から確認しやすくなります。

日報の内容を人事評価に使ってもよいですか?

使うことはできますが、評価の材料にすることを事前に伝え、何を見るか(成果の数字、次の手の質など)を決めておくのが前提です。書いた量や残業時間の多さで評価すると、日報を盛る、あるいは残業を書かないといった行動につながります。特に「残業を少なく書いた人を高く評価する」運用は、ガイドライン4(3)オの適正な申告を阻害する措置にあたるおそれがあります。

まとめ

  • 日報テンプレートは8種類、すべてExcel・Word・PDF。Excel版は所要時間・累計・合計を自動計算する
  • フォーマットは「頻度(日次・週次・月次)」「項目(共通5つ+職種の欄)」「形式(紙・Excel・ツール)」で選ぶ
  • 書き方は「事実 → 所感 → 明日の予定」。作業時間は開始・終了の時刻で書く
  • 1か月分は、1日1シートを3D参照で合計するか、1行1作業の表をSUMIFSで集計する
  • 業務日誌か日報かは名前ではなく中身で判断する。始業・終業を記録しているなら労働時間の記録として5年(当分の間3年)保存する
  • 日報で始業・終業を報告させるなら、自己申告制として厚生労働省ガイドラインの措置をとり、客観的な記録と突き合わせる
  • 日報の作成時間、研修・手待ちの時間も労働時間。テレワークの中抜けの扱いは就業規則で決めておく

労務の書式をまとめてそろえたい方は、労務書式テンプレートまとめもあわせてご覧ください。本記事は2026年10月時点の法令・公的資料にもとづいています。労働時間の扱いや記録の保存期間は、今後の法改正で変わる可能性があります。みなし労働時間制・変形労働時間制など個別の事情は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

参考文献

よくある質問

FREE TRIAL

士業AIで業務を効率化しませんか?

税務・会計・法務の専門業務を AI がアシスト。 まずは無料でお試しいただけます。

無料で試す

クレジットカード不要・数分で開始